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新VAIO Zクラムシェルモデルレビュー。普段使いならファン音聞こえず静かで14時間も駆動 - Engadget Japanese


1月27日に発表された、VAIO Zクラムシェルモデル。マルチフリップモデルと違ってペン入力もタッチパネルも備えていませんが、余分な機能は不要という人にとっては、復活を待ち望んでいた人も多かったことでしょう。そんなクラムシェルモデルを早速使ってみました。

VAIO Zクラムシェルモデルレビュー

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18 枚

今回使ったVAIO Zクラムシェルモデルは、Core i7-6567U(3.3GHz)メモリーは16GBストレージは512GBディスプレーは2560×1440ドットの最高峰。なので、天板のロゴ部分には勝ち色のアルマイト処理されており、キランと藍色にエッジが輝きます。ただ発光しているわけではないので、光が当たらないと分からず、知っている人でないとほとんど気がつかないレベルなのがちょっと残念な気もしますが......。


▲Core i7-6567Uに16GBメモリー。タッチ機能はなし。


▲最高スペックモデルだと天板のVAIOのロゴのエッジが光の加減で藍色に輝く。

デザイン的にはディスプレー部分がノングレアになり、底面にあったカメラもなく、天板のフリップ機構が省かれていますが、基本デザインは踏襲されサイズもまったく同じに仕上げられています。S Lineの強化プラスチックではなく従来と同様のアルミとカーボンの組み合わせは、剛性感と耐久性に優れており、質感的にもいいと思います。重量は1.17kgと約170g軽くなり、可搬性もアップしています。

キーボードは、キーピッチが約19mm、ストロークが約1.2でタッチ感は上々。静寂性も高いので、静かな場所でのキータイプでも気にする必要はないでしょう。VAIO S11と同様のUV硬化塗装塗装による防汚コーティングは、キータッチしたあとのテカリ感が少なくとてもいいです。私が持っているVAIO Pro 11では、刻印が消えることはないもののテカリまくっていて、使ったらすぐに拭きたくなります。そんな気苦労は無用となります。


▲キートップの塗装を変更してテカらないような仕様に。これはありがたい。

タッチパッドは従来同様、表面素材に1mm厚のマイカを使用しておりタッチ感は変わらず。ただキー入力の際に手のひらが触れた時の誤タッチ動作がかなり軽減されています。キー入力している際はどうしてもタッチパッドに手のひらがあたってしまうので、これは率直にうれしいですね。ウィンドウズのジェスチャーにも対応しており、タッチパネルがなくても快適に使えます。ただ、従来のタッチドライバーではなくなってしまったので、スクロールなどその操作に慣れてしまっている人にはちょっと使いにくいかもしれません。


▲キー入力時はタッチパッドに手のひらが触れてしまう。でも誤動作せず快適に文字入力ができた。

ディスプレーはノングレアになったことで、照明が反射して見にくくなることもなく発色もかなりいですね。斜めから見ると若干暗くなりますが、色味に変化はないので問題ないです。sRGB色域100%なのでクリエイティブな人たちにもオススメできます。解像度は2560×1440ドットですが、ウィンドウズの画面設定が200%の拡大表示になっており、これでは実質1280×720ドットと変わりません。さすがにこれでは情報量が少なくなりすぎるので、150%の設定にしたところ、文字サイズもちょうどよくなり、より快適に使えます。購入した際はまずディスプレイの設定を確認しましょう。


▲上が標準の設定の200%拡大。下が150%拡大にしたとき。下の情報量がちょうどいいと思う。

性能をチェックしてみました。CINEBENCH R15を走らせたところOpenGLが52.13fps、CPUは358cb。3DMark(Cloud Gate)は8454、PCMark8(Creative Accelerated)は4564となりました。内蔵GPUで2コア4スレッドCPUとしては十分な速度でしょう。



▲CINEBENCH R15の結果。


▲3DMarkとPCMark 8の結果。

またSSDの性能は、CrystalDiskMarkで計測した結果、以下の様な結果に。アプリがインストールされていない素の状態で、起動時間が約8秒終了も約5秒で完了するなど、ストレージ性能の高さによりかなり高速。これだけの高速起動なら、スリープにせずとも快適に使えます。


▲CrystalDiskMarkの結果。

TDP28WのCPUを搭載していますが、動画を再生するレベルでは排気音(ファンの音)はまったく気になりません(静音重視のモードでなくても)。ベンチを走らせたときには、さすがにファンが高回転してかなりうるさかったですが、日常ではそのようなケースはほとんどないので、作業に集中できます。底面もあまり熱くならないので、ひざ上で操作しても安心です。

CPUがSkylake-Uになったことで、バッテリー駆動時間が大幅に向上しています。公称値としては約20時間と、1日持ち歩いて使いまくっても十分な駆動時間です。実際のところをBBenchでWeb巡回とキー入力をオンにし、照明下で見ても十分な輝度30%に設定して計測したところ、バッテリー容量2%で落ちるまで14時間03分09秒という結果に(残り20%で節電機能オンのとき)。約14時間もつならACアダプターを持ち歩かなくてもいいかもしれません。そうなると、本体だけ持ち歩けばよくなりモバイルとしも十分使えるでしょう。フルHDモデルにすれば、さらに時間は伸びるようなので、バッテリー駆動時間重視ならフルHDモデルを選ぶのもひとつの選択肢です。

Wi-Fiの速度をSpeedtestのサイトを使って計測したところ、上り下りとも400Mbps近い速度を記録。有線LAN接続の自作マシンで計測すると、500弱~600強Mbpsなので若干落ちますが、11ac接続でこれだけ速度が出れば、もう有線にこだわる必要はないでしょう。ちなみに、同じ環境でiPhoneだと200Mbps台止まりなので、それよりは十分速度が出ています。



▲SpeedTestのサイトでの速度テスト。上がVAIO ZのWi-Fiでの結果。下が自作マシンに有線接続の結果。

VAIO S11がLTEを搭載しSIMフリー対応だったので「VAIO Zにも」とちょっと期待していたのですが、残念ながら搭載されず。11インチと13インチでは、モバイル利用として選択するユーザーの比率が違うのかもしれませんが、S11を使ったとき、場所を気にすることなく、ノートを開いたらすぐネットが使える環境がものすごく快適に感じたので、フラッグシップのZにも搭載してほしかったですね。重量もS11と140g弱しか変わらないですしモバイルとしても十分利用できると思います。


▲LTE非搭載なので、モバイル時はスマホのテザリングで乗り切ることになる。

今回は従来のデザインを踏襲したことで、より薄型や軽量化、USB-Cの採用といったチャレンジングな仕様変更はありませんでした。とはいえ、性能的にはワンランク上にアップし細かい点で正統進化しているので、フラッグシップ機としての面目は保っています。筆者はマルチフリップよりはクラムシェル派です。ペン入力を求めるならVAIO Z Canvasを買うでしょう。この性能なら、メインマシンとしてAdobe CCを入れてガシガシ使いたいですね。

ソニーストアでの受注開始が2月16日の9時からなので、カスタマイズした時の値段がわからないですが、クラムシェルモデルはマルチフリップモデルに比べて価格が安くなるので、同じスペックでも多少は購入しやすいでしょう。オススメは、やはりCore i7に8GB以上のメモリー、256GB以上のストレージで、2560×1440ドットのディスプレーが理想ですが、おいくら万円になるか......。

あと、キーボードの無刻印モデル。こんなキワモノはほかにないので、ブラインドタッチに自信のある方はぜひ購入してほしい。
新VAIO Zクラムシェルモデルレビュー。普段使いならファン音聞こえず静かで14時間も駆動

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