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花陽
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2: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:30:14.84 ID:Tmk/Svy7.net
PM11:00



花陽「花陽が夜11時をお伝えします」

花陽「…なんて。お伝えも何も、今は部屋に1人なわけなんですが」


花陽「今夜の花陽は、一味違います」

花陽「ふ、ふふふ…」

花陽「…今夜は!」



花陽「花陽、ワルになってみようと思います!」



花陽「…あ、ちょっとだけ、ですよ?そんな、危ないことなんてしません…」

3: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:30:52.70 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「というのも、花陽も高校生になってしばらく経ちます」

花陽「つまりオトナの女性に近づいている…はず。なんですけど」

花陽「まだまだ周りの皆には…。なんというか、妹を見るみたいな目で見られてるなあ、って思うんです」


花陽「…悪い気はしないんですけどね?」

4: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:31:26.50 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「もうとっくに夜も更けて、いつもならもう寝ている時間です」

花陽「ですが、さっきも言った通り今夜の花陽は一味違います…」


花陽「そう!花陽は今夜、いわゆる『オール』をして、このまま朝まで起きちゃいます!」

花陽「ああ、なんて花陽は悪い子なんでしょう…。こんなのばれたら絶対に怒られちゃいます」


花陽「でも花陽、決めたんです!少しでもオトナに近づこうって!」

花陽「…」ドキドキ



花陽ママ「あら?まだ起きてたの?」ガチャッ

花陽「ぴゃあっ!?」ビクッ

5: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:32:33.59 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「お、お母さん!部屋入るときはノックぐらいしてっていつも言ってるでしょ!」

花陽ママ「言われた覚えないんだけど…」

花陽「…そういえばそうかも」


花陽ママ「明日も練習と学校あるんでしょ?まだ寝ないの?」

花陽「あ、え、えっと…」


花陽「さ、最近気になってるアイドルがもうすぐテレビに出るの!」

花陽ママ「あら、今日は録画で済ませないの?」

花陽「ど、どうしてもリアルタイムで観てから寝たくて…」

花陽ママ「ふうん…」

花陽「…」ドキドキ


花陽ママ「観終わったら早く寝なさいね?」

花陽「!」

花陽「う、うん!うん!」コクコク

花陽ママ「それじゃあ、おやすみ」

花陽「お、おやすみ!」

7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:33:29.94 ID:Tmk/Svy7.net
パタン



花陽「…ふう」

花陽「びっくりした…」

花陽「ごめんなさいお母さん、今夜の花陽は悪い子なの…」


花陽「でも、もうお母さんも寝るみたいだし…」

花陽「これで!花陽の夜更かしを邪魔するものは何もありません!」


花陽「残り約6時間、花陽はワルの限りを尽くすことを誓います!」フンスッ

9: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:34:07.61 ID:Tmk/Svy7.net
PM11:30



花陽「さて、何をしようかな?」

花陽「考えてみると、夜更かしをするにしても何をすればいいのかわからないや」

花陽「…部屋の掃除でもしてようかな」



ゴソゴソ…



花陽「…あ!こんなところに千円札が!」

花陽「ふふ…。いつ落としたのかはわからないけど、思わぬ収穫です」

花陽「机の下とかベッドの下とか、普段は見ないもんね」

花陽「掃除機に吸われる前に救出できて良かったです…」

花陽「この調子でどんどん片付けちゃいましょう!」

11: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:35:04.05 ID:Tmk/Svy7.net
PM11:55



ゴソゴソ…



花陽「…あ、ここにもお菓子のゴミ…」

花陽「…さっきから、見つかるのは袋の切れ端とかのゴミばかり…」

花陽「いや、いいんだけどね?部屋が綺麗になるのは嬉しいし」

花陽「でも、最初にお金を見つけちゃった分、期待はずれな感じがします…」

花陽「掃除はここまでにしましょう」



花陽「…はっ!!」

花陽「夜更かししてまで掃除だなんて…全然ワルじゃありません!」

花陽「な、何かワルいことしなきゃ、えっと、ワルいこと、ワルいこと…」



ピピッ



花陽「ひゃっ!?」

12: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:35:41.87 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「え?ど、どこから音が…」キョロキョロ


花陽「…あっ」



AM00:00



花陽「ついに、日付が変わりました…」

花陽「…そっか、さっきの音はきっと時計の音だったんだね」

花陽「この時計は0時になったら音が鳴る機能が付いてるんだ」

花陽「こんな時間まで起きてたこと無かったから知らなかったけど…」

花陽「…この機能、いるのかなあ?」

13: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:36:28.56 ID:Tmk/Svy7.net
AM00:05



花陽「早くも手詰まりです…」

花陽「こういう時は…どうすれば時間をつぶせるんだろう」

花陽「…そうだ!」





AM00:30



パラ…パラ…



花陽「…あ、これは遠足の時だね」

花陽「ふふっ…。凛ちゃん、はしゃぎすぎて小川に落ちちゃったんだっけ」

花陽「それで、花陽が大丈夫?って近づいたら花陽も落ちちゃって…」

花陽「2人でずぶ濡れになりながら帰って、お母さんに怒られたっけなあ…」

花陽「懐かしいなあ…」

14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:37:08.17 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「…ふふふ」

花陽「これです!!これこそオトナの振る舞い!!」

花陽「静かな夜、1人きりの部屋、光源は机の明かりだけ、憂いを帯びた顔でアルバムをめくる…」

花陽「…完璧です!!」


花陽「あとは、なにがあるかな…」

花陽「…ベランダに出て、少し悲しそうな顔で空を見上げるとか?」

花陽「~~~っ!!」

花陽「どうせならベランダで時間をつぶしちゃいましょう!」

花陽「ココアとかあったらあったかいかな?」

15: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:38:00.98 ID:Tmk/Svy7.net
トッ…トッ…トッ…



花陽「起こさないように、抜き足、差し足、忍び足…」

花陽「えっと、牛乳…」ガチャッ

花陽「…あっ」

花陽「コーヒー…」

花陽「…」ゴクリ


花陽「牛乳に混ぜれば、そんなに苦くない…よね?」

16: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:39:10.66 ID:Tmk/Svy7.net
AM01:00



カララッ



花陽「…さぶっ」ブルッ

花陽「うう、ブランケット羽織ってきて正解でした…」

花陽「…座っちゃお」ストン


花陽「そして、だいたい1:1のカフェオレ…」

花陽「そのお味は…」コクリ

花陽「…げえっ」

18: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:40:35.49 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「苦い…どうして…?」

花陽「こんなの飲みきれないよぉ…」


花陽「…ううん、これを飲まなきゃオトナとは言えません」

花陽「飲まなきゃ…」コクコク

花陽「…げええっ」





AM01:30



花陽「なんとか飲み終えました…」グスン

花陽「もう当分あの液体は飲みたくありません…」

花陽「…そろそろ部屋に戻りましょう」

19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:41:33.93 ID:Tmk/Svy7.net
AM01:35



花陽「…ふあぁ」

花陽「…はっ!?」

花陽「ち、違います!!眠いなんて、これっぽっちも思ってませんから!!」ブンブン

花陽「日が昇るまであと5時間ちょっと、ここを耐えれば花陽の勝ちです…」

花陽「…」ブルルッ

21: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:42:13.36 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「…少し体が冷えちゃったかも」

花陽「…」チラッ

花陽「…」


花陽「ちょっとだけ、あっためるだけ…」



モソモソ



花陽「はあぁぁぁ…」ヌクヌク

23: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:43:54.84 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「お布団のありがたみが身に沁みます…」

花陽「もうこのままでもいいかも…」


花陽「このまま朝までこうしていましょう…」


花陽「スマホでネットサーフィンしてれば、当分寝ない…よね」


花陽「…暗い部屋でスマホ見続けるなんて、花陽は、悪い子、で、す…」

24: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:44:50.66 ID:Tmk/Svy7.net
・・・・・・・・・・・・・・・・・・



花陽「…zzZ」


花陽「…ぅ」パチリ


花陽「んぅ…」モゾモゾ


花陽「…」ボー



花陽「…はっ!?」



花陽「い、今何時!?」バッ



AM07:00



花陽「あっ…」


花陽「寝ちゃい、ました…」ガクリ

25: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:45:46.09 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「結局、花陽に夜更かしはまだ早かったみたいです…」


花陽「はあ…。もう一眠りしよう」モソモソ



凛『かーよちーーんっ!!』



花陽「…ふぇ?」


花陽「凛ちゃん…外から?」

27: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:46:28.01 ID:Tmk/Svy7.net
花陽「…」カララ



凛「あっ、かよちん!」

真姫「え?どこ?」

凛「上!ベランダ!」

真姫「あ、花陽。…まさに寝起きって感じね」


花陽「2人とも…。こんな朝早くからなあに…?」



凛「かよちん、今日まだ木曜日だよ?」

真姫「練習。まさかサボる気?」



花陽「…」

花陽「…あ」ハッ


花陽「ああああーーーっ!!!」

28: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2016/01/28(木) 00:47:12.85 ID:Tmk/Svy7.net
凛「ほらっ、早く着替えて降りてきてっ!」

真姫「まったく…」


花陽「ちょ、ちょっと待ってて!すぐ行くから!」ドタドタ



花陽「うう、もう夜更かしなんて二度としません…」

花陽「あっ、朝ごはん食べる時間…無いよね」

花陽「花陽の、エネルギー源…」ガックシ




花陽「…誰か助けてええぇぇぇ!!」





おわり