千原ジュニア「あのー、ベクトルを操る後輩の話なんですけど」
- 2016年02月06日 23:40
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宮川「ベクトルを操る?」
ほっしゃん「ベクトルって、向きとかの?」
千原「そうですね。力の向きって言うんですかね」
千原「とにかく、その後輩……『学園一位』っていう芸名なんですけども」
川島「聞いたことないですね」
松本「えー、吉本の?」
千原「はい。その学園一位が言うには、『僕はベクトルを操ることができる』と」
高橋「あのー、具体的には何が」
松本「そうやねん」
高橋「何ができるんですか? ベクトルを操ると」
松本「ぜんっぜん、イメージがわかへん。ベクトルを操るてどういうこと?」
千原「最初聞いた時はね、僕も分からなかったんですよ。『え、なに?』て。だから具体的にやってみせろと」
千原「したら、その一位が、『一位』って呼んでるんですけども、その一位が『じゃあやってみせましょう』と」
松本「おお」
松本「あるな」
千原「したら一位が、そのポットのスイッチ押して、下なんも置いてない状態で、このー、お湯が落ちる場所?」
川島「そのままやと机が濡れてまう」
千原「そう、受け取る物がなんも無いから。やから、『いやお前なにしてんねん』って止めようとしたら」
千原「そのー。お湯は出たんですけど、机の上はいっさい、濡れないんですよ」
宮川「え、なんで?」
千原「お湯がね。普通は、ポットから出たら重力に従って下に落ちていくやないですか」
千原「そのベクトルの、向きを操作して、ポットから出たお湯がまたポットに戻るようしたんですよ」
高橋「お湯が逆流?」
千原「そう、逆流。逆流させたんですよ。こう、ジュジュジュジュジュ~って。出たとこへまた吸い込まれるように」
ほっしょん「いや、凄すぎやろ」
松本「お前それホンマか?」
千原「ホンマですって! 実際に見たんです。この目で」
松本「いや、そりゃ驚くわな」
千原「楽屋にいたみんな『うわあぁぁぁ』なって。『すげぇぇぇぇ』って。もう大盛り上がりで」
高橋「それは手品とかではなく」
千原「俺も最初はそう思って。言っても種とか仕掛けがある手品の類なんやろって」
千原「でも一位が言うには、『いや、手品ではないです』と。『これは、超能力です』言うんですよ」
宮川「そういう設定でやってる……」
千原「いや、設定とかでもなく。本当に、『本当に超能力なんです』言うて」
千原「ほんで、ほんでそいつのね。そいつが能力を使う時の決め台詞があって」
高橋「決め台詞」
千原「それが、『こっから先は一方通行やで』。ってやつで」
宮川「うわうわうわ」
千原「ドヤ顔で」
高橋「完全に自分に酔ってるやつですね」
川島「そこはかとなく痛々しい」
千原「なんやけど、能力は本物やねん」
高橋「うわー」
松本「ユリゲラーみたいやな」
千原「あとはまあ。すごいはやく走ったり、石をすごい勢いで蹴ってみたり」
ほっしゃん「それは普通やん」
松本「ンフ、なんや急に、しょぼなったけど。ガキ大将レベルの話に」
千原「いや、そんな普通に蹴るわけやないですよ。もう、音速ぐらいのスピードで」
千原「ズァァァァ!って、軽く蹴った石が凄まじい勢いで飛んでくんですよ」
宮川「それは、なに、ベクトルと関係が」
千原「俺もよう分からんけど、どうもあるらしくて。向きを操作できると、力がなんか、うまい具合に強くなると」
松本「へぇー」
川島「何にでも応用がきくんですね」
千原「で、蹴り終ると『こっから先は一方通行やで』って」
高橋「決め台詞を」
千原「絶対やねん」
千原「あー」
宮川「めっちゃ言いそう」
ほっしゃん「『こっから先は一方通行やで』の意味不明さが、っぽいな」
千原「痛々しい発言をするという点では似通ってますけど、お兄ちゃんではないですね」
松本「あー、そうなんや」
千原「そもそも。そもそも前提として、せいじはたぶん『ベクトル』を知りませんから」
宮川「まあたしかに」
松本「ンフ、それはまあ、言われてみればそうやな」
千原「仕事っていっても、イベントに顔出す程度のものなんですけど」
千原「で、一位から連絡あって。『兄さん、ちょっと相談したいことがあるんで、東京で会えませんか』と」
千原「まあ一位がこっち来るんは知っとったし、大阪でもけっこう仲良くしてたんで」
千原「『ああ、そうか、じゃあ会おう』ってなって。一緒に飯食おーってなったんですけど」
千原「ちょうどその日は仕事もあんま入ってない日だったんですね。せやから、ちょっと早めにいって会おう思って」
千原「そのイベントの会場に着いたんですよ。楽屋行ったら一位がおって」
千原「『久しぶりやなー』って声かけて、パッて見たら、こう、顔面蒼白なんですよ」
千原「血の気が引いたを体現したかのように、サーッてもう顔真っ白で。あきらかに、様子がおかしいんですよ」
千原「ほんで俺も驚いて、『おまえ、どうしたん』て。しばらく会ってなかったんで『大阪でなにかあったんか』聞いたら」
千原「『兄さん……俺、人殺しました』言うんですよ」
松本「えぇぇぇぇ!」
ほっしゃん「人を殺した?」
宮川「え、それは本気の」
千原「とりあえず落ち着こうと。ひとを殺したって、どういうことやねんと」
千原「したら、そいつが言うには、『ちょっと人を殺したくなって、一万人ぐらい殺しちゃいました』言うんですよ」
松本「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
高橋「一万!?」
川島「ちょっと、それは尋常じゃない数字やないですか」
千原「俺も驚いて『えぇぇぇぇぇぇ』なって。『マジかー!』って」
ほっしゃん「そうなるよ」
宮川「一万人殺したてなったら、そうとうな数や」
千原「そうとうですよ。ほんで、僕も芸人失格なんですけども」
松本「え、なに」
千原「『一万人殺しちゃいました』言うた一位に、『それはお前、殺しすぎやろ!』って。いたってフッツーな」
松本「ンフ」
千原「あまりに普通な、ツッコミを」
松本「そこは別に、そこはええやろ」
千原「いやそうやろうと思いますけど。思いますけども。俺もツッコミやから。今思えば、もっと気の利いたね」
ほっしゃん「一万かー……」
高橋「1万人の第九だったら指揮者だけ残して他全滅ですやん」
千原「そう! そういうの!」
松本「んふ、サントリーのな」
川島「12月にやってる」
千原「大阪やし。『大阪城ホールの舞台ガラッガラやぞぉ』とか言えたら良かったんですけど」
千原「一万人殺した人に対して、100人いたら100人が『殺しすぎやろ』ってツッコミできるやないですか」
松本「それはまあ、まあそうやけど。悔いてもしかたない」
千原「まあ、僕のね。普通なツッコミを受けて、一位も緊張してたもんがフッと解けたらしくて」
千原「涙ボロッボロ流して。もう『うわぁぁぁぁぁ、兄さん、兄さん俺、どうしたらいいですかー! うぁぁぁぁぁぁ』て」
千原「どうしたらいい聞かれても、俺もわからへん」
松本「一万も人殺したことないもんな」
千原「一万どころか一人も殺したことないですから」
高橋「普通はそうですよ」
宮川「それ以外言いようもない」
千原「でしょ? したら以外にもあっさり、『はい』言うて。自首することになったんですよ」
千原「でも、先輩後輩やから、自首するから、じゃあさよならってわけにも」
松本「まあな。なにかしらフォローせんと」
千原「なんで、『お前、どういう理由で一万人も殺したんや』て。せめて動機だけでもね、聞いとこう思ったんですよ」
千原「ほんで、金目当てとか、快楽目的だったら、一発でも殴ったろうと。思ったんですけども」
千原「一位は、『いや、自分でもね、よく分からないんですよ』言うて」
川島「よくもわからず一万も」
千原「やろ? よく分からないまま、一万人も殺すわけないやん。それは絶対理由があるやろと」
ほっしゃん「何かしらあるやろうな」
千原「やから俺もしつこく聞いたんですよ。『金目当てか?』『いや、違いますね』『性的な目的か』『そういうわけでも』」
千原「いっこうに、明確な答えが返ってこないんですよ。やから俺もああ、こいつはもう変わったんやなと」
千原「おるやないですか。絶対的に話の通じない類というか、そういう人。もう人種が違うというか」
松本「おるな」
千原「元々はそうやなかったけど、頭おかしなって、そっち側の人間になってもうたんやなと」
千原「警察行こうおもったら、楽屋のドア開いて。パッてみたら、せいじがおるんですよ」
松本「ここでか! せいじここでか!」
千原「ここで、ここでお兄ちゃん登場です」
宮川「満を持して」
千原「満を持しての登場ですよ。せいじが『おおう! 久しぶりやなぁ!』いうて。一位はせいじとも仲良かったんで」
千原「『一位! お前、東京おる聞いたから来たんやぁ! 今日、飯食いにいこうやぁ』いうて。そんな空気でもないのに」
松本「ふっ、それは仕方ないな。お兄ちゃん今来たとこやしな」
千原「それから色々、せいじが一位に質問攻めですよ。『最近どうやー』みたいな、しょーもない話題で時間つかって」
千原「で、さすがのせいじも気づくんですよ。『ん? お前元気ないなぁ。おい! どうしたぁ!』いうて」
千原「一位が困り果てた様子で僕をね、僕を見るんですよ。やから、『実は、こいつ人を殺して、これから自首するとこやねん』」
千原「言うて。説明したんですよ。それまでの経緯を。したらせいじが」
千原「『おおおぉぉぉいい!!! おまぇぇぇぇぇ!!! おおおおぉぉぉいいい!! なに人殺してんねん!!! おおぉぉぉいいい!!!』」
千原「もう、一位に掴みかかって、烈火のごとく」
宮川「ブチギレモードや」
コメント一覧
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- 2016年02月07日 00:01
- スレタイで一方通行さん余裕でした