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『新テニスの王子様』177話 託されたラケット

今月の『新テニスの王子様』が感動的な話で困惑している。

U-17ワールドカップで越前がアメリカ代表、手塚がドイツ代表、デュークが元フランス代表だったのに今は日本代表であると、ポンポン代表の国が変わり、国籍とかどーなってんだろうと疑問に持つ中で「テニスに国籍はない」の一言で済ませたるなど最高にロックな笑いを提供してくれるのがテニプリじゃないですか。

突っ込みどころ満載で僕らも大いに笑わせて頂いていました。
テニプリよりも笑えるスポーツ漫画はなかなかお目にかかれません。

ハッピーメディアクリエイターという謎の肩書を持つ許斐先生ならではこそというね。もうテニスのルールとか関係ねぇ!って感じでテニヌという新境地を切り開いた氏のギャグセンスは頭一つ飛び抜けた才能だと思います。

ところがだ。
今月号の『新テニスの王子様』はどういう事なのだろうか。
金太郎がテニスをするきっかけ、ダブルスでウィンブルドン優勝を果たした伝説の女子プレイヤーのババアとの出会い、そしてテニスが大好きになり四天宝寺テニス部に入学。その頃にはババアは亡くなっていましたが、ウィンブルドン優勝した時のラケットを金太郎が託される…という、胸が熱くなる感動的なエピソードでした。

ものすごく心の染みる良い話じゃないですか。
ちょっと目頭を刺激して泣きそうになっちゃったよ。
感動的でありながら、心を熱くなる最高の過去話であった。

だからこそ複雑なんです。

ぶっちゃけ、テニプリに感動的な話なんて求めて無いんだよね。ミーがテニプリに求めてんのは「爆笑」であって「感動」ではない。

なんでテニプリ読んで泣きそうになって胸を熱くしてんの俺は…。
って困惑してるんですよ。いや、めちゃんこ良い話だったんだけどさ。

なんだろうねこの気持ち。
大好きなラーメン屋に入って注文したら、「すみません。本日はラーメンを切らしてしまいまして」とか言われてカレーを出された心境ですよ。なんでラーメン屋行ってカレー食わなきゃなんねーんだよ!で、食べてみたら、そのカレーがとても美味しいカレーだったみたいな。そんな複雑な心境です。