初期フランドル派に分類される16世紀のオランダの画家ヒエロニムス・ボスをご存知でしょうか。代表作と言える「快楽の園」は3つの部分から構成される三連祭壇画で、異形、狂気、悪魔的とも言える世界観は一度見たら忘れられないはずです。
快楽の園(プラド美術館所蔵)
快楽の園 細部
快楽の園 細部
そのヒエロニムス・ボスの新たな作品として「聖アントニウスの誘惑」が認定されました。この「聖アントニウスの誘惑」という作品は、1500〜1510年頃に描かれたもので、この作品自体はボスの弟子によって描かれていたと考えられていたのですが、専門家らによってヒエロニムス・ボスの作品であると決定したようです。赤外線が使用され、5年間に渡り調査されました。
一般から見たら画風はヒエロニムス・ボスではありますが、これが本当にボスの作品かどうかは判断しかねる部分もあり、かつ、弟子の作品と思われていたという経緯があるということは若干の眉唾感は否めないですね。
しかも、今年2016年はヒエロニムス・ボスの没後500年にあたる年でオランダの北ブラバンド美術館では大回顧展が開催されます。タイミングが良すぎる気もしますが、美術館の倉庫に1930年代から眠っていたそうなので、日の目を見ることになってよかったのかもしれません。
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