杏「やーチョビ子」アンチョビ「チョビ子って呼ぶな!」
- 2016年02月08日 22:10
- SS、ガールズ&パンツァー
- 5 コメント
- Tweet
アンチョビ「それは私のセリフだ!……お前なら、もう少し頭のいい所に行ける……と言うか、戦車道推薦取らなかったのか?」
杏「まあね。チョビ子と同じとこ行きたかったし、推薦は蹴った」
アンチョビ「……下手な嘘だな」
杏「あっりー、ばれちった」
アンチョビ「冒頭の台詞を思い出せよ。明らかに私がここの学校だってわからない台詞じゃないか」
杏「あー、言われてみればそだね」
アンチョビ「…………」
アンチョビ「私も蹴ったよ。結局、アンツィオはベスト4すら達成できなかったしさ。ろくに結果も残してないのに推薦される資格はない!ってね」
杏「律儀だねぇ」
アンチョビ「ま、そんな落ちこぼれな統帥に推薦の話を持ちかけてくれた人達に申し訳なさもあるけどさ」
杏「あ、そうだ」
杏「その『アンチョビ』って呼び名、いつまで続けるの?」
アンチョビ「いつまでって何だよ」
杏「いやさ、アンツィオから出たら普通に安斎~とか」
アンチョビ「その名前で呼ぶな!」
杏「チョビ子とどっちがやだ?」
アンチョビ「……ギリギリチョビ子の方がマシだ」
アンチョビ「おいおい、なんてったって魂の名前だぞ?名乗り続けるに決まっているだろう!」
杏「一生?」
アンチョビ「一生!」
杏「……将来が楽しみだ」
アンチョビ「?将来?」
杏「黒歴史になったら言ってね~」
アンチョビ「む、どういう事だー!」
アンチョビ「そうだな、ここにいるのは私一人だ」
アンチョビ「そもそもアンツィオは大学進学率はあまり高くないからな」
杏「あぁ勉強より飯って?」
アンチョビ「そういう事だ。ま、あの子達らしいだろ?」
杏「なんだ~残念。アンツィオのご飯美味しかったしまた食べたかったんだけどな~」
アンチョビ「私が作ったのでいいなら食わせてやるよ……今度」
杏「え!?嘘!マジ!?」
アンチョビ「……なんだその食いつきよう」
アンチョビ「チョビ子呼ぶな……まぁ、ここでの知り合いらしい知り合いはお前くらいだし、そのくらいはね」
杏「……お前って何さー」
アンチョビ「お前はお前だよ」
杏「なんか余所余所しくない?」
アンチョビ「文句あるか」
杏「無いけどさー……私もここでの知り合い、チョビ子くらいしかいないしさー」
杏「そうだ、私のことはアン子って呼んでくれていいよー」
アンチョビ「なんだそりゃ」
杏「いいじゃん、アン子とチョビ子でアンチョビコンビ!私要素全くないけど」
アンチョビ「いや、そもそも私はその呼び方を許した覚えは──────」
杏「安斎」
アンチョビ「ずるいぞ!」
杏「基準がようわからんなー」
アンチョビ「どういうわけだよ……それに宜しくって?」
杏「え、だってご飯食べさせてくれるんでしょ?」
アンチョビ「今日なのかよ!!」
杏「何が」
アンチョビ「お前がこの大学に来た理由だよ。そこまで頭が良いわけでも戦車道が強いわけでもない。どこだっていいなら学園艦の大学に行けばいいだけの話だろうに」
杏「チョビ子だって、アンツィオの学園艦の大学はどうしたのさ」
アンチョビ「お母さん……じゃなくて、マードレが倒れてさ。幸い生命に関わるようなことじゃないっぽいけど、流石に看護が必要っぽくてね、実家に近いここにしたんだ」
アンチョビ「ペパロニやアンツィオのみんなが恋しい時もあるけど、奴ら毎日のように手紙やら電話やら寄越してくるから、むしろうんざりって感じだな」ハハハ
杏「んー、そっか」
アンチョビ「って、私の話はどうだっていいんだよ!私はお前に質問してたんだぞ!」
杏「いやー、実は私も実家が愛知にあってねー」
アンチョビ「……どうしても教えたくないってか」
杏「やー、だからチョビ子を追っかけてきたって言ってんじゃん」
アンチョビ「はいはい、そういうことにしといてやる」
杏「あ、うん。今日のご飯なに?」
アンチョビ「……勘違いするなよ、お前を家に連れてくるとマードレが喜ぶから呼んでるだけだからな!」
杏「わーかってるってー!で、今日のご飯は?」
アンチョビ「……サラダにボルシチ」
杏「ロシアかよ!!」
アンチョビ「こないだノンナさんから作り方教わったんだよ!」
杏「なんだその交友関係!?」
アンチョビ「あ、ボルシチに干し芋はいれるなよ、絶対だぞ!」
杏「しないってしないって」
アンチョビ「お前そう言ってこないだミネストローネに干し芋入れたじゃないか!あの時はどうなることかと」
杏「まあまあ、結局美味しかったからいいじゃん」
アンチョビ「そういう問題じゃないんだぞー!!」
アンチョビ「何だよ」
杏「今度一緒に大洗行かない」
アンチョビ「どうした急に」
杏「いや、別に。そろそろ旧友の顔が見たいかなーって思って」
アンチョビ「なんでそれに私を付き合わせるんだよ」
杏「ま、いいからいいから」
アンチョビ「……ま、お前がいないと暇潰しも出来ないからいいけどさ」
杏「素直に寂しいって言いなよ」
アンチョビ「だ……誰が!!」
アンチョビ「何!?アンツィオの方がもっと空気が美味しいぞ!!」
杏「そんなことないね!大洗の空気にはほんのりサツマイモの香りが……」
アンチョビ「ならアンツィオにはトマトとチーズとバジルの香りだ!」
杏「…………」
アンチョビ「…………」
杏「我ながらアホらしいね」
アンチョビ「いきなり素に帰るなよ……」
杏「お、大洗に帰省したから巣に帰る、素に帰る!?座布団1枚!」
アンチョビ「ひとりで何やってるんだ……」
杏「んー、ご飯にしよっか」
アンチョビ「そうこなくっちゃ!!」
杏「飯のことになると途端にテンション上がるねー」
アンチョビ「当然だ!なんてったって人生で一番幸せと感じる時は美味しいご飯を食べる時だからな─────」
杏「はいこれ」
アンチョビ「……何だこれ」
杏「お昼ご飯」
アンチョビ「……この干し芋がか?」
杏「うん。美味しいよ。食べながらいろいろ歩こう」
アンチョビ「…………」
杏「そう言うなってー。干し芋美味しいでしょ?」
アンチョビ「確かに美味いけど……歩き食いなんて、はしたない……」
杏「飲めや騒げは良くて歩き食いはダメなのか」
アンチョビ「宴会は出された食事に感謝しての祭り事だが、歩き食いなんて何かの『ついで』で食べるなんて─────」
杏「あーうっさ、飯のことになると本当に容赦ないねーチョビ子は」
アンチョビ「チョビ子じゃない……」
杏「あちゃ、ほんとにへなへなになってら」
杏「……今度その干し芋でまたパスタ作ったげるから許してよ」
アンチョビ「…………」
アンチョビ「……絶対だぞ」
杏「……こうチョロいと逆に心配になってくるよ」
アンチョビ「なんか言ったかー!」
杏「うっわ、いきなり復活しやがった」
杏「あー?」
アンチョビ「そろそろ夕方だが、学校はいいのか?」
杏「あー、ほんとだね。行かないと」
アンチョビ「……足はそう言ってないみたいだが」
杏「…………」
アンチョビ「本当は、違う目的でもあったりしたのか?」
杏「…………」
杏「かーっ、鋭いね」
アンチョビ「……適当に言っただけなんだが」
アンチョビ「なんだ、他に目的とやらがあるならさっさと終わらせてくれ」
アンチョビ「私はそろそろお腹が減った、夕飯の店は私に選ばせてくれよ、私の眼なら美味い店をズバッと当ててみせ─────」
杏「なあ、チョビ子」
アンチョビ「……なんだ」
杏「ちょっとばかし質問に答えて欲しいんだけどさ」
アンチョビ「……いいけど」
アンチョビ「?ああ……良かったよ、楽しかった。色々な店見て回ったり、ゲームしたりとか。お前とやるのは新鮮だったからな」
杏「……そっか、じゃ、次ね」
杏「私とご飯、どっちが好き?」
アンチョビ「……なんだその質問」
杏「心理テストみたいなものって捉えてもらっていいからさ、あまり考えずに言ってみな」
アンチョビ「……そうだな」
杏「……!」
コメント一覧
-
- 2016年02月08日 22:52
- 親友じゃあかんかったんか…
-
- 2016年02月08日 22:59
- すばら
-
- 2016年02月08日 23:22
- 会長は恋愛に興味なさそう
-
- 2016年02月08日 23:54
- 会長は尽くすと思うわ(願望)
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク
イズ
GOD