戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://japanese.engadget.com/2016/02/09/4/


史上初の「隕石による死者」発生?インドで4人死傷の報告 - Engadget Japanese

よく言われる「これまで隕石で死んだ人間は一人も確認されていない」がとうとう事実でなくなったかもしれません。Wall Street Journalインド版などの報道によると、6日にタミル・ナードゥ州の大学構内に隕石と思われる未確認物体が落下し、付近にいた男性一人が大怪我を負い当日中に死亡、ほか3名が負傷したとのこと。



隕石(と思われる未確認物体)が落下したのは2月6日土曜日の正午過ぎ、インドのバーラットヒダサン工科大学敷地内のカフェテリア近く。落下地点と思われる場所には深さ1.2mほどのクレーターが残されており、周囲の建造物や自動車の窓が割れるなどの被害があったとされています。

死亡したのは大学のバス運転手V. Kamarajさん。たまたま落下地点付近にいたことで重症を負い、同日中になくなりました。ほか学生がひとり、職員が二人負傷したと伝えられています。


これまで隕石による直接の死者が確認された例はなく、屋根を貫通した隕石にぶつかって怪我をしたなどわずかな事例があるのみでした。

今回の事件について、死亡した男性は「落下地点付近に」居たとされているだけで具体的な状況は不明。隕石そのものに直撃されたのでないにしろ、衝撃波や落下の衝撃で飛来した物体にあたった可能性を含め、隕石による直接の死者は記録上おそらくこれが初めてと考えられます。

(言い伝えや古文書から隕石と思われる災害の描写が見つかった例はあります。またもちろん、記録に残らなかった死亡事例もあるかもしれません。)


初の死亡事例が確認されたとしても、人類史上でも極めてめずらしい、確率的にとてつもなく低い死に方であることは違いありません。しかし小天体を観測する技術が進むにつれて、隕石落下による災害の危険性はまじめに検討されるリスクとして扱われるようになっています。

2013年にロシア・チェリャビンスク州に落ちた隕石は直径10数メートル程度であったと考えられていますが、それでも衝撃波で数千棟の建物に被害が及び、けが人も1500人近くにのぼりました。



NASAでは今年の1月、小天体の落下による災害に対応する部署 Planetary Defense Coordination Office (PDCO、惑星防衛調整局)を発足させています。

0 コメント