■はじめに
こんにちは、バーグハンバーグバーグのまきのです。
人形の後ろからめちゃめちゃな髪型で失礼いたします。
世はまさに人形ブームまっただ中ということで、中央区は人形町へやってきました。本日この地で皆さんとともに知っていただきたい情報は、
です。
おしるこ、それは甘〜く煮た小豆汁の中に焼いたお餅をぶち込んだ日本が生んだ甘味の代表です。でもよくよく考えたら、おしるこってあんまり家で作ったことなくないですか?ないですよね?
ということで、家で作る機会が少ないおしるこだからこそ作ってみたい!という気分がわたしの心の奥底から芽生え、その欲求が見事 花開いたため、こうして人形町まで出向いたという次第です。この近くにあるめちゃめちゃおいしいおしるこを作ってくれるお店で秘訣を聞いて、自宅で作ってみよう!というのが今回の本題です。
■甘味の殿堂「初音」でおいしいおしるこをいただこう
こちらが、「甘味処 初音」でs…。あ、すみません、邪魔でしたか?映りたがりなもので…
人形町駅から徒歩2分という好立地にある初音さんは、1837年から続いている歴史ある甘味処。おしるこはもちろん、あんみつやパフェ、軽食も楽しめる人気のお店です。
店内は統一感のある落ち着いた雰囲気が良いですね。心がほっと安らぐ空間づくりのおかげで100年以上の間も絶えることなく多くの人々が訪れているんだな〜と思いました。
「さて、おしるこ…ぜんざい…。ん、そういえば違いってなんだっけ…??」
「当店では、
おしるこ→『あんこ汁と粒あんに焼いた餅を入れたもの』
ぜんざい→『焼いた餅の上にこしあんをのせたもの』
小倉ぜんざい→『こしあんではなく小豆のあんこが使われたぜんざい』
という違いがあります」
と教えてくれたのは初音の店長さん(顔出しNG)。なるほど、パッと聞いてもよく分からなかったので、違いを確かめる意味で「おしるこ」「ぜんざい」「小倉ぜんざい」をトリプル注文したいと思います!
■至高のおしるこをいただこう
パッパヤ〜!三種類いっきにやってきたぞ〜!一番右が汁気のある「おしるこ」、真ん中がねっとりとしたあんこがのっている「ぜんざい」、一番左がその中間ぐらいの「小倉ぜんざい」です。こうして見ると全然見た目が違う!ヒョォ〜〜〜!
まずはやっぱりおしるこから…。この餅のどっしりとした感じもいいですね…
うま…(パアアァ…)
視界がぱっと明るくなったかのような感覚におちいりました。あんこって結構あとあとどっしり胃にのしかかってくる重さがあるかと思うんですが、むっちゃくちゃまろやかです。で、甘さがしっかりと主張しているのに、一瞬で食べつくしてしまうほどの食べやすさ。こんなに美味し〜いおしるこは食べたことがない!
「ありがとうございます。小豆は十勝産のものだけを使っているんです。機械でいいものを選別した後に、さらに人の手でより分けていいものだけを厳選した『手より小豆』なんですよ」
「選別に選別を重ねた極上の小豆しか使ってないってことですね!そりゃまろやかだ〜」
「小豆のレベルは10段階あるんですが、ここで使う小豆は『特A』だけですね」
「特A…ありがてえ…ありがてえ…」
ズズズとすすってみましたが、おいしくって死んだじいちゃんと全く同じ顔になりました
こちらはぜんざい。これはすごいですよ皆さん。あんこ本来の甘さが100,000パワー計測されるぐらいのパワータイプ!粘度がかなり高いこしあんがあっつあつで襲いかかってきます。焼いた餅もあんこに負けないほどのしっかりとしたうまみがあって、これもめっちゃおいしい!は〜うますぎ〜〜〜
こちらは粒あんが少し形を残している小倉ぜんざい。おしるこのまろやかさ、ぜんざいのパワーのどちらも楽しめる、欲張りなあなたにピッタリな仕上がり。そして小豆も餅もどちらも非常に柔らか食感!それに加えて女性でもヒョイと食べられる餅のサイズ、からのこのおいしさ。自然と顔もほころびますね!
そんな甘いおしるこですが、一緒についてくる「しその実の塩漬け」がめちゃめちゃいい仕事をしてくれます!これはマジ。ここからちょびっとだけつまむと口の中に「塩(えん)」広がるこの薬味を「甘(かん)」の合間に放り込むことで、次に食べるおしるこの「甘(かん)」がめちゃくちゃ深まるんです!このしその実の塩漬けの存在は、最早事件です…!
■自宅でも簡単につくれるの?
三種類を食べ尽くしたので、おしるこを家で作る時のコツを聞いてみました。
「やっぱりあんこは小豆から濾(こ)して作った方がおいしくなりますね。市販でも中国産のこしあん状のあんこは売っていますが、やはり日本産のものの方が味はいいですね」
「十勝産の特Aと比べると足元にも及ばなさそうですね〜」
「何にでも言えることですが、手間暇をかければかけるとほど味は良くなります。当店では濾す時に小豆の皮を除く作業を入れています。皮が含まれていると舌にざらつきを感じてしまって、本来のおいしさが引き立たないんです」
「機械選別のあと人の手で選別された極上の十勝産特A小豆から、さらに皮を取り除いてるってことですか!?とんでもない労力ですね…そりゃおいしくなるな」
「おかげで10kgの小豆から皮を除くと、6割しか使えなくなるんです。でも手間暇をかけた分、味はどこにも負けません」
「味はもう最高でした!」
「とはいえ、自宅で簡単に作るなら、ゆでた小豆をミキサーにかけて皮ごと粉砕してしまっても大丈夫です。小豆を茹でるときはぐらぐら煮立たせずにじっくり火にかけていくと、小豆の香りが引き立ちます」
「なるほど!お餅はやっぱり焼いた方がいいですかね?温めたトロトロの餅も好きなんですが〜」
「お餅は焼いた方がおいしいですね。オーブントースターでも簡単に焼けるので、ぜひ焼いた餅をお試しください。ちなみに、焼いた餅を器に入れてから、そこにあんこ汁をかけていくとおいしく食べられます。あんこ汁と一緒に煮込むとモタッとし過ぎてしまうので、焼き目の食感も味わいたければそのようにしてみてください」
「ほ〜順番一つで変わるんですね!」
「あとは一人前のおしるこに対して塩をひとつまみ入れることで、逆に甘みが引き立ちますよ」
「なるほど!『対比』というやつですね。試してみよう!」
というわけで、コツをまとめるとこんなところです。作ってみるぞ〜!
■作ってみよう
あれからだいぶ月日が流れましたが、おしるこを自らの手で実際に作ってみたいと思います!小豆は北海道産のものを買ってきました。国内の生産地は北海道がほとんどを占めているので、スッと買えますよ
まずは小豆を茹でて柔らかくするところから始めます
・弱火でじっくり煮る(灰汁が出たら取ろう)
・待つ
・お湯を捨てる
・メガネが曇る
という作業を繰り返します。この工程は「茹でこぼし」と呼ばれており、あんこ作りには無くてはならない作業なのです。※メガネが曇るところは工程には通常含まれておりません
ある程度柔らかくなってきたら、ミキサーでめちゃめちゃに粉砕してやります。ギュイイイイイーン!
すごい、ねっとりしだしたぞ!
小豆300gに対して、100gの砂糖をぶち込みます。甘さが足りなければ足しましょう
そして砂糖を全体になじませれば、こしあんが完成!煮込むのは結構時間がかかりましたね〜
その間に、爆熱にさらした餅がいい感じに焼けてきました
水分量を調節して温めたあんこ汁を注げば…??!?!もしや…!?!??これは…!?!?!?!?あの伝説の…!??!
JIBUN で TSUKUTTA おしるこ〜〜〜〜〜!!!できた〜〜〜〜!!
では早速、いただくではなく、いただかせていただくという概念で餅を口の中に放り込んでみます。
うむ、アッツアツやで餅!体の芯からあったまる有り難みのある味だ…!初音さんには遠く及ばないけど、自分で作った割にはなかなかどうして「良さ」のある味に仕上がっていました
そしてしその実の塩漬けは売っていなかったので、代替品として塩昆布を。ちょこっとつまんで甘さとしょっぱさを交互に取り入れます。この緩急の差もちょうどいい!
は〜おいしかった〜ごちそうさまでした!小豆をこしあんにするのは時間がかかりますが、作ってみたらそこまで難しいことはありませんでした。まだまだ寒さが厳しくなる季節、みなさんも作ってみてはいかがでしょ…
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ん?なんだか外が騒がしいですね…
あーーーーっっ!!見て見て〜〜〜〜〜〜!!!!
これ、俺が工事させてた道路なんですけど…!
おしるこだ〜〜〜!!!
東京の道路の下には、予想どおりおしるこが詰まっていたんだ〜〜〜!!!
ゴゴゴゴゴ…
ブッシャーーーーーーー!!!!!
おしるこが間欠泉のように出てきたぞ〜〜〜〜!!!おしるこ食べ放題だ〜〜〜〜!!!
ブッシャーーーー………!!!
バンザーイバンザーイ!
バンザーイ…!
ライター:まきの ゆうき
株式会社バーグハンバーグバーグに所属する人。これを言ったら興ざめするかもしれないんですが、東京の地下におしるこが詰まっているという流れは完全に嘘です。すいませんでした。 Twitter:@yuuki