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絵里
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1: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:22:11.14 ID:vnoq97lN.net
 
    【前回のテニスのお姫様!】


穂乃果「ついに始まった全国大会! そして準決勝まで勝ち進んだ、私たち音ノ木坂学院!」

フミコ「セミファイナルで立ちはだかるのは、港の町からきたダークホース……浦の星女学院」

ヒデコ「どうやら今年の中部大会優勝校らしいよ。強敵に違いないね」

ミカ「全国初出場の学校とは思えない強さでホントもうビックリ! でも見事に2勝1敗まで持ち込むことに成功っ!」

穂乃果「あと1勝で決勝進出決定だったのに、なんと突然の大雨が!?」


 http://i.imgur.com/9Zbga01.jpg
  ↑これまでのトーナメント結果


フミコ「このタイミングで明朝に持ち越しだなんて、なんだか肩透かし喰らった気分だね」

ヒデコ「さて! 決勝戦行き最後の切符を手にし、UTX学院と死闘を繰り広げるのは、果たして浦女とオトノキどちらになるのか……」

ミカ「泣いても笑ってもこれにて最終幕! もうすぐ始まる全校大会最終日に──」



  ほのヒフミ「「「「──乞うご期待!!」」」」


 

2: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:22:43.57 ID:vnoq97lN.net
 
  ◆前スレ(第1幕~第3幕)

にこ「穂乃果、あんたは……。あんたは音ノ木の柱になりなさいっ!」
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1445054291/


  ◆前スレ(第4幕~第5幕)

梨子「このまま負けたんじゃ……何かくやしいや……」 ことり「そうこなくっちゃ!」
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1451919632/
 

3: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:25:37.16 ID:vnoq97lN.net
 
    【第5幕→第6幕 幕間】


   ~4月、新入生総当たり戦・最終日~


真姫「ハァッ!!」スッパーーーン!!

花陽「うっ」ポーーン

真姫「リズムを上げるわ!」シュタタタタタッ!!

花陽(私のボールに西木野さんが追いつき、鋭角にグラウンドスマッシュを打ち込んでくる確率、80パーセント。そして……)

真姫「私の美技に酔いなさい」スッ…

真姫(メゾ・フォルテ!!)ズバーン!!

花陽(それに私が追いつけない確率、100パーセントですっ! ダレカタスケテーーー!!!)


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. リズムに乗るわ
     (原曲……リズムにのるぜ  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=u-qxIMic73Y




真姫『Hey! リズムに乗るわ デッショー? 私だけのリ~ズムよ♪』

真姫『このスピードにー 乗り切れるのはー この世に一人だけぇ~~♫』

真姫『Hey! リズム上げるわ デッショー? 私のバイブレーション♪』

真姫『感じてる間にー 移動してるさー 私そこに居ないぃ~~♫』


真姫『あなたは運のない 敗残者だわ 私の相手になるとはー♪』

真姫『惨めな姿さらして 地面にひれ伏す 哀れな姿が見えるわー♫』


真姫『Hey! ビート刻むわ デッショー? 私の鼓動の音さ♪』

真姫『あなたいざなうー 最期の旋律ー 残酷なリズムぅ~~♫』

  真姫「リズムに乗るわ!」スッパーーーン!!

 ~♪      ~♪      ~♪


フミコ「ゲームセット! ウォンバイ西木野、6-0」

4: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:27:20.88 ID:vnoq97lN.net
ミカ「すごい! 何あの新入生!?」

穂乃果「もしかしてこれで全勝!?」

ヒデコ「初日から今日までずっと速攻で勝ち続けてる。尾崎まこちゃんとの試合は唯一手こずっていたみたいだけど、それも最後には勝ってたし」

ミカ「入部早々矢澤部長に喧嘩ふっかけてた時はどうなることかと思ったけど……」

ヒデコ「あの天才ルーキー、口だけじゃないみたいだね」



希「うふふ。生意気なルーキー、大歓迎やん! 流石はにこっちが目を付けた子やね」

ことり「でも……凄く一方的な試合でかよちゃん可哀想……」

にこ「ことりは人のこと言えないでしょ? 去年こんな感じで周りを圧倒してたじゃない」

ことり「そ、そんなことないよぉ」

希「ん? かよちゃん?」

ことり「花陽ちゃんのことだよ。ほら、凛ちゃんがかよちんって呼んでるでしょ? この前2人と仲良くなったんだ~」

希「ことりちゃんは如何にも優しい先輩って感じやし、後輩から好かれそうやね」

ことり「そうかなぁ」エヘヘ♡

5: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:28:34.73 ID:vnoq97lN.net
 
真姫「…………」スタスタスタスタ


ことり「?」

真姫「にこちゃん、コートに入って」

にこ「また? あんたとはしょっちゅう打ってあげてるじゃない」

真姫「そうじゃないわよ! 私はこれだけ居る新入部員を全て倒したわ! だからいつもの指導テニスじゃなくって、そろそろ本気で試合してって言ってるの!!」

にこ「はぁ……」ヤレヤレ

にこ「ことり。悪いんだけど、ちょっと真姫に灸据えてやってくんない?」

ことり「えぇぇ……」


真姫(南ことり。たしかこの人って、“音ノ木の天才”とか言われてる昨年度のスーパールーキーよね)


真姫「いいわ。そのかわり、もし南先輩に勝てたら……」

にこ「そん時はもちろん本気で勝負してあげるわよ」

真姫「フフ。今日こそにこちゃんを倒してみせるんだから!!」

6: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:30:13.85 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


ことり「…………」カッッッ!!

真姫(ただの遅いアンダーカット。私の事をバカにしてるの?)

真姫「っ!?」スカッ

真姫(この私が空振り!? う、嘘よこんなの!!)


希「ほとんど跳ねないカットサーブ。いきなり容赦ないな~」

にこ「ことりには本気でやれって言ってあるもの。まこまきペアをレギュラーにするつもりで勧誘したはいいけど、このままじゃ厳しそうだから」

にこ「元々の予定では──」


 シングルスレギュラー……にこ・希・ことり・ヒデコ

 ダブルスレギュラー………フミコ・ミカ・まこ・真姫


にこ「──こうするつもりだったのよ。あとは大穴で穂乃果が伸びてくるかどうかって感じなんだけど、嬉しい想定外もあったことだし」

希「ゴールデンペア?」

にこ「ええ。多くのジュニア大会で好成績を残してきたらしいあの2人が、まさか音ノ木坂に来てくれるとは思ってなかったわ」


にこ(つっても花陽は運動音痴にしか見えないし、凛のプレイはいつも雑だし、本当に強いのかまだ把握しかねるっていうのが本音だけど)



ミカ「ゲーム南、1-0。チェンジコート!」

7: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:32:50.93 ID:vnoq97lN.net
ことり「…………」スッ… グウォン!

真姫(バギーウィップ? そんなのボールの軌道が少し曲がるだけの魅せプレイでしょ?)

   グウィィィィン!!!

真姫「ヴェエ!??」

真姫(こんな曲がり方ありえないわ!!)


ミカ「ゲーム南、3-0。チェンジコート!」


ヒデコ「あらら、まるで勝負になってないよ」

フミコ「1年生のトップでも、やっぱりことりちゃんには歯が立たないみたいだね」

穂乃果「出る杭は打っとけっていうし! ことりちゃん、いっけーー!!」


ことり「えいっ」スッパーーーン!!

ミカ「ゲーム南、5-1」

8: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:33:51.31 ID:vnoq97lN.net
真姫「はぁ……はぁ……」スタタタタ!

真姫(まるで大人対子供。……何よこの惨めな試合ッ!)

ことり「ふふ」ニコニコ

真姫(さっきから涼しい顔してやりたい放題。ふざけるのも大概にしなさい!!)

真姫「西木野真姫を……なめんじゃないわよ!!!」グワァァァアアン!!!

ことり(苦し紛れに放たれたキレッキレのトップスピン。うん、絶好球っ)

ことり「……ことりのおやつにしちゃうぞ!」チュンッッッ!!!

   シュルルルル!!!

真姫「なっ……!?」

真姫(ボールがほとんど弾まずに、まるで地表スレスレを滑空する鳥の様に滑り抜けていく!?)

ことり「相手のトップスピンを利用して生み出す超スライス。ことりの必殺カウンター……“コトリ返し”、です!」


ミカ「ゲームセット! ウォンバイ南、6-1」

9: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:35:28.21 ID:vnoq97lN.net
真姫「っ……」

ことり「そのぉ、なんかごめんね……? 対戦ありがとうございました」ペコリ

真姫「…………」

真姫(まだ何もできてないのに……もう、終わりなの? 私の美技が通用しないどころか、むしろ全てカウンター気味に返されるなんて……ッ)


にこ「なぁ~に唖然と突っ立ってんのよ」

真姫「……だって、私はにこちゃんと初めて戦った時よりずっと強くなっているのよ? なのに……こんな惨敗ありえないじゃない!!」

にこ「ことりはにこが居ない間、音ノ木テニス部のエースを務めていた人だもの。あん時の通院中にこにーより何倍も強いのなんて当たり前でしょ?」

ことり「アハハ……」


真姫(怪我を完治した今のにこちゃんは、この南先輩以上に強いっていうの!?)

真姫(そんなのどう考えたって、今の私じゃ……敵いっこない……)ギリッ…


にこ「同級生相手に無双するのは結構! 鍛えたにことしても鼻が高いわ! でもね、それで良い気になるのはやめときなさいってことよ」

真姫「…………」シュン…

10: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:36:44.35 ID:vnoq97lN.net
凛「に~こせ~んぱ~い!」ピョンピョン

にこ「ん?」

凛「今の試合見てたら体がウズウズしてきちゃいました! 昨日西木野さんにコテンパンにされちゃったリベンジがしたいです!!」

にこ「そうねぇ。どうしよっかしら」

真姫「ハァ? 今私が酷い負け方したからって、自分にも倒せる可能性があるかもとか思ってるわけ?」

凛「うん!」

真姫「あなた昨日無駄に跳ね回ってプレイした挙句、ミスショットの連発で自滅してた下手糞な人……だったわよね? やめときなさい。まるで勝負にならないわ」

にこ(ったく、まだ己惚れてるみたいね。まぁ実際1年生の中で、真姫とまこはぶっちぎりの2トップなわけだし無理もないとは思うけど)

凛「何度やっても勝てないのは分かってるよ。でもそれはシングルスの話でしょ?」

真姫「ダブルスなら私に勝てるっていうの? ……良い度胸じゃない。なら今すぐ戦って──」

にこ「はいストーップ! 真姫はまだ疲れたままでしょ? どうしても試合したいなら今日の部活終わりにやること、いいわね?」

凛「やったにゃ!」

真姫「いくら疲れてるからって負ける気はしないけど……まぁいいわ」カミノケ クルクル

11: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:39:31.90 ID:vnoq97lN.net
  ×       ×       ×


にこ「1年! ボール拾いと……ここの1コートを除いてネットの片付け開始!」

  「「「「「はい!!」」」」」

にこ「まこまきと凛と花陽はこっちに集合。にこが審判やったげるから、試合始めるわよ~」


凛「テンション上がるにゃー!!」>ω</

花陽「よ、よろしくお願いします」オドオド…

まこ「こちらこそよろしくね!」

真姫「強さをほぼ均等にして戦うなら……総当たり戦で2位のまこちゃんが星空さんと組んで、1位の私は小泉さんと組めってこと?」

真姫「私はまこちゃん意外とダブルスやったことないんだし、星空さんのペアを強い人にする形でバランスとってもらった方がありがたいんだけど」

凛「何言ってるの? 凛とかよちんが組むんだよ?」

まこ「えっと、小泉さんの戦績は……」

花陽「うぅぅ……。高校から初めてテニスを始めたって人達には勝てたけど、恥ずかしながらそれ以外は全敗です……」ショボン…

まこ「あ、変なこと聞いちゃってごめん……。でもほら、これから一緒に頑張ればきっと強くなれるよ! うんっ!」

凛「西木野さんと違って尾崎さんは良い人そうだにゃー」

真姫「ちょっとそれどういう意味ぃ?」

花陽「ごめんなさいっ! 嫌味とかそういうのじゃなくて、その、凛ちゃんは素直なだけで悪気はないんです!」アタフタ

真姫(つまりただの本心ってことじゃない)イラッ!

まこ「真姫ちゃんも抑えて抑えて」

真姫「……フン」

12: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:41:10.51 ID:vnoq97lN.net
にこ「もう部活終わる時間なんだし、無駄話してないでとっとと始めるわよ!」

凛「はーい!」

真姫(明らかに運動音痴な小泉さんと、運動神経は良さそうだけどテニスが上手いとは御世辞にも言えない星空凛。こんなペアと戦ったところで、結果は見え見え──)


凛「ほいほ~い!」クルクルリン パコーーーン!

真姫(──ハァア!? ミスショットどころか正確にこちらの弱点ばかりついてくる……シングルスの時とまるで動きが違う!)

にこ(ふぅん。ゴールデンペア、思った以上にやるじゃない。真姫は結構ダブルスに慣れてきたとはいえ、まだまだ動きに改善点も多いわね)

にこ(まこが上手い具合にフォローに回っているけど、凛のアクロバティックな動きから放たれるミラクルショットを凌ぎ切れてはいない)


凛「くるりんビーム!」クルリン スッパーーン!

にこ「ゲーム小泉・星空ペア、2-0」


穂乃果「わー! 前衛が1人で戦ってる!」

ことり「かよちゃんはサーブとレシーブ以外ぜんぜんボールに触ってないみたいだし……」

希「こんなダブルス見たの初めてや」


まこ(2対1みたいな試合展開なのにどうして勝てないの!?)

凛「星空バズーカァァァアアア!!!」クルリン ズバーーーン!!!

にこ「ゲーム小泉・星空ペア、4-0」

13: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:43:12.67 ID:vnoq97lN.net
にこ(この前花陽から“シンクロ”の話を聞いた時は半信半疑……というかぶっちゃけほぼ信じられなかったけど、こりゃ信じるしかなさそうだわ)

にこ(花陽がデータを収集し敵の行動を予測、それを凛に伝播。それだけじゃない。多分花陽は、凛に力加減やコース打ち分けの指示まで的確に出している)

にこ(ミスショットがなくなって、更に敵がどこに打ってくるかあらかじめ分かっていれば凛は無敵ってわけね)


凛「残念☆無念☆また来週~!」ピョーン! パッコーーーン!!

にこ「ハイおしまい。6-0のワンサイドゲームで小泉・星空ペアの完全勝利!!」

凛「ワーーーイ!! やっぱり凛とかよちんのゴールデンペアは最強無敵だにゃ!」イェーイ!

花陽「やったね凛ちゃんっ!」ハイターッチ!!


真姫(南先輩からボロ負けしたどころの話じゃない。今度は1ゲームすら取れず、爪痕1つ残すことすら叶わなかった……)ガクッ…

にこ「いくらなんでもボロ負けすぎない?」

まこ「ごめんなさい…………うぅぅ~~~」シクシク

にこ「……泣いてんの?」

まこ「せっかくにこちゃ──じゃなくて矢澤部長に鍛えてもらったのに、この負け方は惨めすぎて……」

にこ「ほんとにね。師匠の前でなんて情けない負け方してんのよ、まったく……」

14: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:44:22.56 ID:vnoq97lN.net
にこ「でもまっ、まこも真姫も天狗にさえならなければどんどんランクアップできるわ。にこが保証してあげる!」

にこ「だからこれからも大銀河宇宙ナンバー1テニスプレイヤーであるにこにーにこちゃんの元で地道にコツコツと──」

真姫「フッ……フフフ、ッフフ………フフフフフ……」

凛「不気味な笑いだにゃ!?」

まこ「真姫ちゃんが壊れた!?」

にこ(ヤバ。灸を据えるにしても痛い目に合わせすぎちゃったかしら。で、でもゴールデンペアがここまで強いなんて予想外だしぃ……)ニコォ…


真姫「……にこちゃんに誘われて、ここに入って良かったわ。色んなテニスが倒せるもの」

にこ「まだそんな大口叩けるなんて良い根性してるじゃない」

真姫「今に見てなさい……。ゴールデンペアだか音ノ木の天才だか知らないけど、絶対まとめて倒してやるわ」グッ…

真姫「ナンバー1は私よッッッ!!!」


花陽「お、お手柔らかにお願いします……」

ことり「ふふ♡ ことりに勝つのはまだ早いよ」

凛「楽しみなライバルだにゃ!」


真姫(……私はこの3人の化け物を倒す)

真姫(這い上がってやる……這い上がってやるわ! 私が本気のにこちゃんとやりあうには、もう勝利しかないのよっ!!)
8



    第5幕→第6幕 幕間  ─了─

 

17: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 19:50:02.02 ID:vnoq97lN.net
 
    【全国大会編(3日目)オープニング】


穂乃果「にこちゃん!」

にこ「…………」

穂乃果「私、強くなりたい。もっと……もっと!!」



 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. どんなときもずっと勝者だよっ!
     (原曲……I'M ALWAYS WINNER  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=d_bw9zRz8p4




穂乃果『打ち負かせ トップになるためには~♪』

穂乃果『やり込めろ ゲットさいつかー NO.1♫』

穂乃果『追い抜かせ きっと勝てるはずだよ~♪』

穂乃果『押しまくれ 一歩も引くなー GO→DREAMIN'♫』


穂乃果『言葉にならない 雄叫びぃ~を♪ ボールに託して SMASH&RECEVE♫』

穂乃果『勝ちたい相手に 目で合図♪ 悪いね 今日は勝たせてもらうよー!』

穂乃果『YES I'M ALWAYS WINNER~♪』


穂乃果『駆け抜けろ 一気に頂点まで~♪』

穂乃果『いつの日か 絶対全国ー NO.1♫』

穂乃果『戦えば もっと強くなれるさ~♪』

穂乃果『突き進め 真っすぐ勝利ー GO→DREAMIN'♫』


穂乃果『言葉にならない 雄叫びぃ~を♪ ボールにたくして SMASH&RECEVE♫』

穂乃果『勝ちたい相手に 目で合図♪ 悪いね 今日は勝たせてもらうよー!』

穂乃果『YES I'M ALWAYS WINNER~♪』


ことのぞにこ『『『言葉にならない 雄叫びぃ~を♪ ボールに託して SMASH&RECEVE♫』』』

まこまきりんぱな『『『『勝ちたい相手に 目で合図♪』』』』 

穂乃果『悪いね 今日は勝たせてもらうよー! YES I'M ALWAYS WINNER~♪』

 ~♪      ~♪      ~♪

 

18: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:10:31.79 ID:vnoq97lN.net
 
    【Genius 21:それはそれぞれの想い】


   ~高坂家~


穂乃果「…………」zzz

雪穂「お姉ちゃーん! 早く起きてよーー!!」

穂乃果「ん~~~、あと5時間……」

雪穂「5時間も待ってたら準決勝終わっちゃうよ!?」

   ガラガラッ

ことり「おじゃましてま~す♡」

雪穂「あ、ことりちゃんおはよ! 今日は私も応援に行こうかと思ってるんだけど良いかな?」

ことり「もちろんっ。初日は1度学校に集まってから部員全員で会場に向かったんだけど、昨日・今日は現地集合ってことになってるから一緒に行こうね」

雪穂「ありがと。ほら、お姉ちゃんいい加減に起きてってば」

穂乃果「い~~~や~~~だぁ~……」zzz

ことり「アハハ……。昨日はにこちゃん希ちゃんと長々修行してたみたいだし、まだ眠くっても仕方ないよ」

ことり「ギリギリ間に合う時間まで寝させててあげよ?」

雪穂「もう。ことりちゃんは甘いんだから~」

19: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:11:18.25 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~道中~


凛「まきちゃんまきちゃんまきちゃ~ん!!」モッギュー!

真姫「ちょっ、やめなさいってば!」

凛「真姫ちゃんの言う通りにしてたらホントに1日で手首の痛みなくなっちゃったよ! 助かったにゃ~」

真姫「私が治療してあげたんだから、そんなの当然デッショー?」

花陽「ふふふっ♪」

まこ「微笑ましいね」

真姫「……何よ」

花陽「えっとね、テニス部に入って間もない頃は、まさか真姫ちゃんと凛ちゃんがこんなに仲良くなれると思わなかったから」

まこ「真姫ちゃんは昔から友達作るの苦手……ん~、苦手どころかド下手だもんね」アハハ!

真姫「ちょっと! 余計なこと言わないで!」

花陽「真姫ちゃんのこと最初は怖かったけど、本当は凄く良い人なんだな~ってことが段々分かってきて……」

凛「うんうん。口は悪いけど良い子で可愛いにゃ!」

真姫「べ、別に……。知性溢れるこの美貌は否定しないけど、良い子とかそんなんじゃ……」///

凛「あっ、もしかしてぇ~」

まこ「真姫ちゃん照れてるー?」ニヤニヤ

真姫「っ! カラカワナイデ!!」

20: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:11:59.14 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~最寄駅~


希「あ。えりちに亜里沙ちゃん!」

絵里「あら……希」

亜里沙「おはようございます!!」

希「おはよ~さん。今日は亜里沙ちゃんも来るん?」

亜里沙「はい。最終日だし応援と観戦です!」

絵里「これから戦う相手とまさか駅でエンカウントだなんて、少しバツが悪いわね」

希「そう? 偶然にも朝から会えてうちは嬉しいけどなぁ。それにまだ戦えるって決まったわけやないし」

絵里「あなたが弱気でどうするの? 矢澤さん達に喝入れてあげなさいよ。そして、絶対に決勝まで来て頂戴」

希「そうやね。今回うちは名誉監督やから、希パワーた~っぷり注入してあげんと!!」

21: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:15:04.44 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~全国大会会場~


にこ「……………」

にこ「…………………」

にこ(勝っても負けても、これが高校生活最後の団体戦……。昨日みたいな不甲斐ない姿は2度と晒すもんですか!)

にこ(どれだけ不恰好でも、最悪またどこかが故障してしまっても構わない。だから……だからどうか今日は勝利をっ!!)


凛「あ、にこちゃん見~っけ!」

まこぱな「「にこちゃんおはよう!」」

にこ「おはようニコ~」

真姫「……おはよう。私達が一番乗りかと思ってたのに早いわね。ずっと1人で待ってたの?」

にこ「早く目が覚めちゃったんだからしょうがないでしょ。まぁ睡眠不足って程でもないから大丈夫よ」

花陽「あの、睡眠以外の調子は……どう?」

にこ「花陽、ごめん」

花陽「えっ?」

にこ「部長が頼りないばっかりに苦労かけるわね。多少はマシになったけど、正直なところまだ昨日の負けを完全に払拭できたとは言い難いわ」

凛「にこちゃんが素直で気味悪いにゃ……」

にこ「ぬぁんでよっ!!」

花陽「ふふ、いつもの雰囲気でちょっと安心しました」

まこ「あんまり気負わないでね。私達が勝てば黒澤ダイヤさんと戦わなくて済むんだし、その先ことは準決勝突破してから考えればいいじゃん!」

にこ「……そうね。無駄な重圧を感じるのなんてもうやめて、たまにはあんた等と並んで戦わせてもらうわ」


にこ(いくら私がエースだからって、音ノ木坂は決してワンマンチームなんかじゃない)

にこ(もちろんなんとしてでも勝ちたいけど、それはそれよ)

にこ(最後くらいプライドやポリシーなんてかなぐり捨てて、後輩に肩を預けてみるのも悪くない……かもね)

22: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:16:39.46 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~会場付近、ホテルの一室~


ルビィ「ふわぁ~……」ウトウト…

ダイヤ「いつまで寝ぼけているのですかこの愚妹は」

ルビィ「ご、ごめんなさいぃぃぃ」

曜「でも会場近くのホテルに泊まれると、試合直前までノンビリしてられて良いねー!」

果南「しかもここ、こんな良いホテルなのにチカんちの旅館より安いんじゃない?」

千歌「それは鞠莉ちゃんが居るからでしょ!? うちだって友情割すればこのくらい安くなるからぁ! ……多分」

鞠莉「ここはパパが経営してるわけじゃなくて、姉妹店なだけなんだけどね~」

千歌「し、姉妹店っ! なんて美しい響き! これが大手ホテルチェーンと田舎の旅館の差か……」グヌヌ

梨子「私は千歌ちゃんちの旅館も凄いと思うけど……」

23: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:17:30.84 ID:vnoq97lN.net
 
   コンコン


梨子「はーい」

花丸「マルでーす」

善子「ヨハネも居るわよ!」

梨子「今開けるね」カチャッ

花丸「ただいま」

ルビィ「おかえりっ」

善子「地獄から只今帰還したわ!」

曜「ただのウォーミングアップで大袈裟だな~」


千歌「よぉーし。それじゃあみんな、今日も張り切っていこうね」

千歌「東京を、全国の舞台を、そして何よりもテニスを! 最後まで楽しもうっ!!」


  「「「「「おぉー!!!」」」」」

 

25: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:21:06.59 ID:vnoq97lN.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 浦女☆HEROSメドレー
     (原曲……ザ・レギュラー~THIS IS THE PRINCE OF TENNIS~VICTORY  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=wH8gESirFEo




  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

善子(貴女もヨハネのリトルデーモンにして、ア・ゲ・ル♥)

   『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

鞠莉(勝利はシナリオに約束されているのよ☆)

 『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

ルビィ(が、がんばルビィっ!)

    『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

曜(優勝に向かって全速前進! ヨーソロー!)

 『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

果南(一緒にハグしよっ♡)

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

梨子(このチームを全国優勝へ……。それが私の願い)

    『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

花丸(……色即是空)

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

ダイヤ(この私が参加する以上、絶対に優勝の2文字以外は許されなくてよ)


   ズンチャ♪   ズンチャ♫   ズンチャ♪


  『『『『『勝ち残るぞ 勝ち残るぞ♪』』』』』

  『『『『『前に進もう 前に進もう♫』』』』』

  『『『『『どんなに~未来が~ いばらの道の彼方~でもっ♪』』』』』

 

26: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:22:22.23 ID:vnoq97lN.net
 
梨子『生きてる今の 思いを込めたスマッシュ♪』

梨子『君に届け 私達からの 魂の叫びさぁぁぁ~~~!!!』


ダイヤ『冷たく燃え上が~る 心の中の炎♪』

ダイヤ『明日をこの手に入れるため~に 負けるわけにはいかないんだ♫』

  『『『『『一緒に立ち向か~う みんなで叶える夢♪』』』』』

  『『『『『確かな未来見つけるため~に 限界まで走り抜けてやるぅー♫』』』』』

千歌『いつまで~も 挑み続けてゆこーーう♪』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

千歌『どこまで~も 戦い続けてゆこーーう♫』

  『『『『『SHE IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

千歌『それが千歌の生きてる 証なのさぁ~~~!』

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♪』』』』』

  『『『『『THIS IS THE PRINCESS OF TENNIS♫』』』』』

  『『『『『YES.NOW YES.NOW YES.NOW YES.NOW♪』』』』』

     『『『『『……LET'S PLAY!!』』』』』


  『『『『『行~くよー Go for it 力出し切るまで NEVER GIVE UP♪』』』』』

  『『『『『や~るよー JUST MY TURN 必ず奪うぅーー♫』』』』』

  『『『『『V.I.C.T.O.R.Y V.I.C.T.O.R.Y  V.I.C.T.O.R.Y♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪

 

27: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:23:20.16 ID:vnoq97lN.net
 
  ×       ×       ×


   ~音ノ木坂side~


にこ「音ノ木レギュラー陣! 集合っ!!」

  「「「「「はいっ!!!」」」」」

希「さぁ、みんな揃ったところで情報整理といこっか」


  <浦の星女学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……高海(2年)
 ◆ダブルス2………松浦(3年)、渡辺(2年)
 ◆シングルス2……桜内(2年)
 ◆ダブルス1………国木田(1年)、津島(1年)
 ◆シングルス1……黒澤(3年)
 ◆控え選手…………小原(3年)


  <音ノ木坂学院 全国大会準決勝オーダー表>

 ◆シングルス3……高坂(2年)
 ◆ダブルス2………小泉(1年)、星空(1年)
 ◆シングルス2……南(2年)
 ◆ダブルス1………尾崎(1年)、西木野(1年)
 ◆シングルス1……矢澤(3年)
 ◆控え選手…………東條(3年)


希「シングルス3は7-6で穂乃果ちゃんの勝ち。ダブルス2は4-5からの途中危険でこちらの負け。シングルス2は6-4でことりちゃんの勝ち」

希「そんで続くダブルス1について、花陽ちゃんヨロシクぅ!」

花陽「はいっ! それではダブルス1で戦う対戦相手2人のデータを紹介します」

28: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:25:16.84 ID:vnoq97lN.net
花陽「国木田花丸選手、1年。身長152cmで血液型はO型。多分浦の星唯一のダブルス専門プレイヤー。お寺生まれで聖歌隊に所属している図書委員なんだそうです」

ことり「お寺なのに聖歌隊?」

凛「なんだか変だにゃ」

花陽「津島善子選手、1年。身長156cmで血液型はO型。自分のことを堕天使ヨハネって名乗ってたあの人が、どうやらこの津島選手のようです」

希「寺生まれの子に堕天使さんのペアか~。えらいスピリチュアルな組み合わせやね」

真姫「やっとあのムカツク厨二女を捻り潰せるってわけね」

まこ「よしっ、気合い入れるぞー!」


にこ「今のまこまきペアがそう易々やられるとは思わないけど……念の為、にこの対戦相手の事も教えてもらえる? 今からある程度算段を立てときたいし」

花陽「はいっ。黒澤ダイヤ選手、3年。身長162cmで血液型はA型。名家のお嬢様。浦の星女学院初の全国へ導いた立役者で、部員からの信頼も厚いそうです」

花陽「エースなだけあって、プレイスタイルに関してもちょっとだけデータがあったよ。攻撃型のオールラウンダー、しかも急戦タイプみたい」

穂乃果「休戦? 休みながら戦うの?」

ことり「休むじゃなくて急ぐ、なんじゃないかなぁ?」

花陽「うん。バリバリの速攻型プレイヤーってことだよ。単に短時間で勝ててしまう程強いのか、それとも持久戦が苦手なのかってことまでは分からないけど……」

真姫「…………」


真姫(にこちゃんの魔法は、どれも長時間戦う中で効力を発揮するものばかり。なのに無理矢理急戦に持ち込まれてしまうのなら酷く厄介ね)

花陽(今までにこちゃんは、絢瀬絵里選手・綺羅ツバサ選手・小原鞠莉選手・イザベラ選手のような超強敵とでも持久戦を演じてみせた)

花陽(だけど、もし黒澤ダイヤ選手が今までの強敵以上により攻撃的で、速攻に特化しているのだとしたら……)

にこ(考えるまでもなく相性最悪じゃない)チッ…

29: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:26:52.40 ID:vnoq97lN.net
まこ「そ、そんな深刻そうにしなくても大丈夫だよ! ほら、私達が勝てば良いだけのことなんだし!」

真姫「それもそうね。どうせにこちゃんまで出番回ってこないんだから、ビビッてないで大将らしく堂々と構えてなさい」

にこ「はいはい。そうなることを祈っとくわ」

花陽「それと、もう1つ嫌な情報というか……その人の異名が……」

穂乃果「異名?」

花陽「中部地区では各校エースの息の根を悉く止めてきた、その大胆かつ素早く相手の急所をつくプレイスタイルから──」


  ×       ×       ×


   ~観客席~


あんじゅ「──殺し屋!?」

絵里「えぇ。そう呼ばれているのだそうよ」

ツバサ「偉く物騒な異名を持っているのね。その静岡のエースは」

英玲奈「本当にそいつテニスプレイヤーか?」

絵里「多分そうだと思うけれど。私だって直接プレイを見たことはないし、その通り名以外の事については何も知らないわ」

ツバサ「そんなのとあたる矢澤さんも運がないわね」

海未「…………」

あんじゅ「どうしたの~? 神妙な顔しちゃって悩み事かしらぁ?」

海未「あ、いえっ、何でもありません……」アセアセ

絵里「……海未?」


海未(気がかりなことがあるのは事実ですが、しかし──)

30: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:28:45.24 ID:vnoq97lN.net
 
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 ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・

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   ~数十分前~


海未「~~~♪」スタスタ

海未(程良い緊張感、なんだか体が軽いですね。私の試合まではまだまだ時間がありますが、これなら良い調子でプレイをすることができそうです!)

海未(……ん? 物陰から聞き覚えのある声が)


堀「えっ、えぇええ!?? 本気で言ってるの!?」

石井「はわわわわ……」

黒川「うん。そんなに驚くこと?」

堀「だって……。今までずっと一緒に戦ってきたのに、そんなこと1度も教えてくれなかったじゃん!!」

黒川「だってさー、『全国大会で自分が1度でも負けたらテニス辞めま~す』なんてことをペアに教えたら、絶対気にされちゃうし変にプレッシャーかかるでしょ?」

石井「……⊂(^ω^;)⊃」

堀「そりゃ気にするって……」


海未(もしも負けたら黒川先輩がテニスを辞める!? なぜですっ!?)

海未(極度の負けず嫌いなのは知っていますが、テニスに特別拘わったり己の何かを賭けるような方ではないじゃありませんか!!)

31: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:30:20.58 ID:vnoq97lN.net
黒川「実はこの前大会的なやつに出たんだけど、あ、テニスじゃなくて踊りながら歌ったりする感じのやつね」

石井「ふむふむ」

黒川「そしたらなんか良い線いっちゃってさー、そういう系統の専門学校の人から声かけてもらえたわけよ。特待生になれるってさ」

堀「わぁ! すごいじゃん!!」

黒川「でしょ?」フフン!

石井「おめでとうございますっ!!」

黒川「まぁ私だし。そんくらい余裕かな」ドヤァ!


黒川「まぁそんなわけで、高校卒業したら本気でそっちの道目指すかもしれないんだよねぇ。そしたらテニスやる暇なんてどの道無くなるだろうし」

堀「じゃあ……もし今日の決勝も勝てたらどうするつもり? テニスを続けて、歌やダンスの道は蹴っちゃうの?」

黒川「ん~~、どうしよっか。私欲張りだし、正直何も捨てたくない。でもどちらを選ぶにしても厳しい世界だから二足の草鞋なんて不可能じゃん?」

石井「じゃあ負けたらテニスを辞めるって決めちゃうのはまだ早いんじゃ……」

黒川「そう? 高校生レベルでほいほい負けてたらプロなんてなれるわけないんだし、妥当な選択だと思うけど」

堀「あの関東大会2回戦目を除けば全勝中なのに……」

黒川「そりゃそうだけど、ゴールデンペアっつってもただの1年生2人組だよ? もしも二連敗するようじゃ……テニスの道なんてお話になんないでしょ」グッ…


 ・ ・ ・ ・ ・

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32: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 20:31:05.88 ID:vnoq97lN.net
海未(──やはり今、口にすべきではないのでしょうね。本人もあの2名以外には隠しているようでしたし)

ツバサ「あ、試合が始まるみたいよ」


審判「それでは只今より、静岡・浦の星女学院対、東京・音ノ木坂学院の試合を再開いたします」

審判「ダブルス1の出場選手、前へ」


善子「……フフン♪」スタスタ

真姫「…………」キッ!

まこ「…………」ザッ

花丸「…………」ペコリ


亜里沙「雪穂ぉ……あの人達なんか怖い」

雪穂「そうだね。ピリピリしてるのが客席まで伝わってくる」ゴクリ


花丸「……よろしくお願いします」

善子「今大会で最強のルーキーは誰なのか、その身をもって思い知るがイイわ!」

まこ「えっと、よろしくお願いします……?」

真姫「遊んであげるわ。精々楽しみましょ」

善子「……クスクス」

真姫「フフフフフフッ!」

善子「アーッハッハッハ!!」


善子・真姫((コイツは絶対に叩きのめすっ!!))

37: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 23:50:11.87 ID:vnoq97lN.net
 
    【Genius 22:堕天使ヨハネ】


審判「ザ・ベストオブ・ワンセットマッチ!」

   浦の星女学院 国木田&津島
        VS
   音ノ木坂学院 尾崎&西木野

審判「音ノ木坂サービスプレイ!!」



まこ「…………」スッ

真姫「…………」スッ

善子「ハァ? 前衛も後衛もセンターラインで構えるなんて何のつもり?」

花丸(これは……)


曜「わっ、変わった陣形!」

鞠莉「アメリカンフォーメーション、もしくはアイフォーメーションっていう奇襲戦法ね」

千歌「マルちゃんはこのフォーメーション知ってるのかな?」

ルビィ「多分知ってはいると思うけど……」

38: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/09(火) 23:56:35.77 ID:vnoq97lN.net
まこ「えいっ!」シュッ!!

花丸(アメリカンフォーメーションを使ってくる相手と、実際に戦うのは初めてだ……)パコーン!

真姫「ふふっ、ドンピシャね!!」ズバァーーーン!!!

まこ「ナイスショット!!」

審判「15-0」

善子「いきなり敵の前衛に向かってレシーブするなんて何考えてんのよ! んもぉ~~~!!」

花丸「し、失敗しちゃったずら……」


 審判「30-0」

  審判「30-15」

   審判「40-15」

    審判「ゲーム音ノ木坂、1-0。チェンジコート」


穂乃果「おぉ~! いきなり押せ押せだ!!」

希「やっぱり初手から奇襲を仕掛けたんは大成功みたいやね」

にこ「序盤は普通に戦って、中盤からのフォーメーション変化で相手を翻弄するのが最近のまこまきペアにおける基本戦術」

にこ「なのにいきなりアイフォーメーションを使いだして違和感あったけど、これは希の指示?」

花陽「私と希ちゃんで考えました!」

40: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:01:05.79 ID:mbPtD0ld.net
善子(ヤッバ! 靴紐ほどけた!!)

善子「きゃあ!!」ズテッ!

審判「ゲーム音ノ木坂、2-0」

善子「イタタタタ……」

花丸「大丈夫?」

善子「なんでこう不幸なのよー! 試合前にちゃんと結んだはずなのにぃー!!」


ルビィ「マルちゃん! よっちゃん! が、頑張って~~~!!」

鞠莉「あらら。序盤からズタボロね~」

ダイヤ「いくらなんでもあっさりやられ過ぎではなくて?」

曜「あの子等とは高校生になるより前から遊びで一緒にテニスしてたことはあるけど、何せ身内でしか試合してこなかったからなー」

千歌「1ゲーム目からあんな見たことないフォーメーションやられちゃったら、そりゃ調子狂っちゃうよね~」

梨子「そんな呑気な……」

果南「まぁ平気でしょ。昨日の雨に引き続き、善子の怒りゲージが着々と溜まってるみたいだし」

41: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:06:48.45 ID:mbPtD0ld.net
 
真姫(さて、この3ゲーム目は私のサービスゲーム。ここは“新・まこちゃんのテリトリー”で一気に畳みかける!)スッパーーン!!!

花丸「…………」ジィ…

花丸(速くて鋭いフラットサーブ。でも、速いサーブなら千歌ちゃんやダイヤちゃん、重いサーブなら曜ちゃんや果南ちゃん相手で慣れてる!)パッコーーン!


果南「お。今度は至って普通のラリーが続いてる」

鞠莉「いかにも尾崎まこが後衛で西木野真姫が前衛って感じのペアだし、それが逆になると攻め辛いんじゃない?」

ルビィ「ならこのゲームはチャンスだねっ!」


善子「タァ!!!」ズバァーーン!!

審判「0-15」

善子「どうよッ!!」

花丸(やった! 初の先制点!)


真姫「ふぅん、中々やるじゃない。なら……」ポーン パシッ ポーン パシッ

まこ(やるつもりだね、キックサーブ!)

真姫「私の美技に酔いなさい!!」バシィィ!!

善子「うぎゃぁぁああ!???」サササッ!

花丸「……なんでボール避けちゃったの」

善子「し、仕方ないじゃない! あいつがツイスト使えるなんて思わなかったんだもの!! しかも千歌のやつより速いし!!」

審判「15-15」

真姫「ふふん!」ドヤァ!

善子「ぐぬぬ……」イラッ

42: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:08:21.17 ID:mbPtD0ld.net
千歌「ぐぬぬ……」ムッスー

曜「なんでチカが怒ってんのさ」

千歌「だって! 千歌のツイストサーブより速いって言われた!!」

ダイヤ「速度はともかく回転は千歌のものより若干甘い。ツイスト回転自体には慣れているのだし、花丸なら1度見ただけで対応できるはずですわ」

ルビィ「で、でも……あのフォーメーションは……」


真姫「…………」スッ

まこ「…………」スッ


穂乃果「えっ!? 前後衛がいつもと逆の状態でアイフォーメーション!?」

ことり「ぶっつけ本番?」

にこ「こんな全国の大舞台、しかも相方に迷惑をかける恐れのあるダブルスで、ぶっつけ本番の技を試す奴なんて多分ことりしか居ないわよ」

ことり「えへへ……」

希「あの2人は前後逆の状態でもアイフォーメーションが使えるように、ちゃんと練習しとるよ」

凛「それにねそれにね。昨日までの試合だと分かり辛かったかもしれないけど、“まこちゃんのテリトリー”も関東大会の時よりずっとレベルアップしてるんだにゃ!」

43: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:09:40.55 ID:mbPtD0ld.net
 
花丸(アメリカンフォーメーションは、ポーチに出る前衛の思い切りの良さと判断力が肝のはず。普段後衛であろう尾崎さんに出来るとは考えにくいけど……)パコーーン!

まこ(今だ!!)スタタッッッ!!

花丸(そんな!?)

まこ「えーーいっ!!」バコーーン!!

審判「30-15」

まこ「やった決まった!!」

真姫「まこちゃんナイスよ!」


にこ「元々テリトリーは、守りの要であるまこを軸に、足が速く多くのボールに追いつくことの出来る真姫を後ろに据える」

にこ「そして相手の1番近い場所からまこが状況を判断しゲームメイクするっていう、まこまきペアの超防御型フォーメーションだったわけだけど……」


まこ「はっ!!」スッパーン!

善子(ヤバ! 横を抜かれた!!)チッ

審判「40-15」


穂乃果「前衛まこちゃんの攻撃力が上がった?」

ことり「攻防一体だね」

にこ「そーゆーこと! もちろんスピードや球威は真姫が前衛の時に劣るけど、まこにはそれを補えるだけのモノがあるわ!」


善子「ぐっ……」

花丸(尾崎さんのボールはそんなに速くも重くもないけど、的確に隙をつくのが凄く上手ずら。どうしよう、この点差はかなり危険だ)

44: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:11:16.96 ID:mbPtD0ld.net
真姫「偉そうな口叩いてたくせに、存外大したことないわね」

善子「ぬゎんですってぇ……」ワナワナ

真姫「前の3戦が凄かったからって身構えて損した気分だわ」

善子「…………」プッチーン…


千歌「あ、よっちゃんの目が充血しはじめた」

ルビィ「うぅぅ……これ絶対本気で怒ってるやつだよぉ~」ガクブル


善子(もう横を抜かせたりなんてするもんですか! また横を狙おうものなら、我が渾身のダークネスを込めた殺人ショットをぶち込んで──)

まこ(正面への注意が散漫だよっ!)バコーーン!!

善子「──ッッッ!!?」

   バッチィィィイイイン!!!

花丸(顔面レシーブ!?)

真姫(うわ、顔のド真ん中)

まこ(やっちゃったぁぁぁあああ!!!)


亜里沙「ハ、ハrrrショー……。こういう場合ってどうなるの?」

雪穂「テニスに顔面セーフは無いからね。わざとか偶然かに関わらず、体に当てた側の得点だよ」


審判「……ゲーム音ノ木坂、3-0」

まこ「ごっ、ごめんなさいごめんなさい!!」ペコペコ!!

善子「痛ッ……」

審判「試合は続けられそうですか?」

善子「……えぇ。怪我には慣れてるし、このくらい余ゆ──あ」ポタポタ…

花丸(鼻血……痛そう……)

審判「では、チェンジコートの前に止血を行ってください」

45: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:13:09.73 ID:mbPtD0ld.net
 
ツバサ「わーお。見事なダイレクトアタック」

英玲奈「打ち返しにくい正面付近を狙っただけであって、体そのものを狙ったわけではないだろうが……」

あんじゅ「まさか鼻っ面に当たっちゃうなんてね。可愛そうだわ~」

海未「先程の靴紐が解けて転んだ件といい、何かと不幸な方なのでしょうか」

絵里「やられた津島さんはもちろんの事、相手に不本意な怪我を負わせてしまった尾崎さんのプレイに乱れが生じないかも心配だわ」



ルビィ「鼻にティッシュ詰めて氷で冷やして~……はい。とりあえず処置は完了だよ」

善子「……どうも」ズキズキ

千歌「え。上向かなくて良いの?」

ダイヤ「それは間違った治療法よ」

曜「もう血は完全に止まったみたいだね。よかったよかった」

善子「鼻血なんて元々どうでもいいっての。そんなことより顔が超痛いんですけど?」

鞠莉「まぁまぁ。次はあなたがサーブの番なんだし、思う存分暴れちゃいなさぁ~い」

善子「ええ」

46: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:15:09.57 ID:mbPtD0ld.net
鞠莉「あ、そうそう。対戦相手のお2人、さっきあなたの鼻血面を見てニヤニヤしてたわよ~」

善子「……は?」

果南「謝ったのなんて口だけだよ口だけ。きっと内心では、善子が怪我して良い気味だと思ってるに違いない」

善子「ハァアア!? あと善子言うなっ!」

ダイヤ「それならまだマシな方ですわ。あの頭のおかしい厨二病に、公衆の面前で更に辱めを受けさせてやる……と、そう思っているに違いなくてよ」

善子「フッ、フフフフフフ……」ゴゴゴゴゴ…

ヨハネ「フハハハっ!! ヒーッヒッヒッヒ!!!!」

ルビィ「ひぃいい~!?」ビクゥッ!

ヨハネ「良い度胸じゃない……。奴等の身も心も叩き潰して、ヨハネに絶対服従の下僕(リトルデーモン)にしてやる……ッ!」スタスタ


梨子(……目の充血だけじゃない。よっちゃんの透き通るように白い肌まで、怒りで赤みがかってる)

花丸(あっちゃ~。久々にブチ切れずら。点差的には大ピンチだけど、こりゃ心配なのはむしろ相手の方なんじゃ……)

 

47: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:16:47.93 ID:mbPtD0ld.net
梨子「ちょっと3人共! どうしてあんなキレさせるような真似を!?」

鞠莉「だってー、ここで負けるわけにはいかないもの~。堕天使パワーだかなんだか知らないけど、彼女の力を全開放させなくっちゃ☆」

果南「スポーツマンシップの欠片もない試合になりそうで心苦しいけど、まぁ仕方ないね。音ノ木坂には後でちゃんと謝ろう」

ダイヤ「大人とは汚い生き物でしてよ」

千歌「さ、さすが3年生……」

曜「悪い大人だ……」



審判「それでは、3-0・音ノ木坂リードの状態より、試合を再開いたします!」


花丸「…………」

真姫(へぇ。厨二女がサーブの時でも国木田さんは後方で構えるのね。まぁにこちゃん以上に小さいみたいだし、ネットプレイは端から諦めるってことなのかしら)

ヨハネ(こいつ等まとめて地獄へ引き摺り下ろしてやる)グッ…

ヨハネ「……ッ!!」ズッバーーン!!!

まこ(勢いは良いサーブだけど打ち返しやすい位置だ。さっきのは本当に申し訳ないけど、遠慮なんてしない!)スパーーン!

   スタタタタッ!!

まこ(えっ!? もう前に詰めてきてる!!)

ヨハネ「うらァ!!!」ドガァーーーン!!!

真姫(届け!!)パシィィィン!!

審判「アウト。15-0」

真姫「チッ……」

ヨハネ「フフ」


まこ「真姫ちゃんごめん。フォローありがと」

真姫「あの素早いサーブ&ボレーには要注意ね」

49: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:18:19.94 ID:mbPtD0ld.net
 
ヨハネ「……ッ!!」ズッバーーン!!!

真姫(速さは私のフラットサーブ以上。といっても、希や穂乃果のサーブだってこのくらい速い。打ち返すだけなら余裕よ)ポーーーン

まこ(ナイスロブ! これならサーブ&ボレーをやられる心配もない!)

ヨハネ「クックック……」スッ

花丸(サーブの球威に押されてロブが若干浅い。ネットプレイは無理でも、これなら……)

ヨハネ「ハァァァアアア!!!」ズバァァァアアアン!!!!

真姫「ッ!?」

まこ(コートの中央よりやや後方から、こんなに鋭い球を打てるなんて!!)

審判「30-0」


千歌「ナイススマッシュ! 攻め切れそうな雰囲気だね!」

果南「球速だけじゃない! 善子自身のスピードも上がってる!!」

曜「ガンガンいっけーーー!!!」


ヨハネ「ヒャーーッハッハッハ!!!」シュタタタッ! パッッッコーーーーン!!!

審判「45-0」

50: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:20:21.92 ID:mbPtD0ld.net
まこ「う~ん、どうしよっか」

真姫「ここから巻き返すのは厳しいし、3ゲームもリードしている以上この1ゲームは捨てて体力温存に努めるのが賢明な判断。って言いたいんでしょ?」

まこ「普通ならね。でもあの津島さん、怒り任せに暴れてるみたいだし」

真姫「もう少し粘って更に暴れさせ、後々潰そうってわけ?」

まこ「潰すなんて言い方をするつもりはないけど……まぁ概ねそういう作戦かな。ペース配分を何も考えてなさそうだから」

真姫「了解。ならレシーバーは私なんだし、あれでいきましょう」

まこ「うん!」


穂乃果「また出た! “新・まこちゃんのテリトリー”!!」

花陽「ううん。今度は普通の“まこちゃんのテリトリー”だと思うよ」

穂乃果「なんでなんで? 新しいやつの方が強いなら、昔のを使う必要はないでしょ?」

花陽「今回は津島善子選手の体力を奪うのが狙いだろうから、まこちゃんが攻める必要はないの」

花陽「だから相手を走らせるだけ走らせたら、こちらはボールを深追いせずに1ゲーム落とすつもりだろうね」

51: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:22:28.89 ID:mbPtD0ld.net
 
真姫「…………」スタタタタ! パコーーン!!

ヨハネ「ハァアアア!!!」スタタタタ! バコォーーーン!!

真姫(私がこれ以上走らされちゃったら意味ないし、適当に強打させて終わりにしましょ)ポーーーン

花丸(よし。どこに打っても勝てそうなチャンスボール。でも……なんだか嫌な予感が……)


  ヨハネ「……貴女も赤く染めてあげるわァ!!!!」スッ


真姫「危ないっ!!」

まこ「え?」


   バッチィィィイイイン!!!!!


まこ「きゃああああ!!!!」ドサッ!

真姫「まこちゃん!!!」

花丸(あぁ~あ。顔面アタックやり返しちゃったずら)


審判「ゲ、ゲーム浦の星……1-3」

52: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:25:09.41 ID:mbPtD0ld.net
 
まこ「うっ……」ズキズキ

真姫「見せて」

真姫(頬が真っ赤。でも口の中を切ったりはしてないみたいだし、出血は無し。本当は冷やしたいところだけど、これじゃタイムはもらえないでしょうね……)

まこ「ぅあ……痛い……っ」

真姫「耳や目や頭は大丈夫? クラクラしない?」

まこ「うん……なんとか大丈夫」ズキズキ

ヨハネ「フフッ、アハハハハ!! ハァーーーッハッハッハ!!!」

真姫「……アンタ、今わざとやったわね?」ギロリ

ヨハネ「クククッ、さぁどうかしら。そんなことより、いつまでも倒れてないでさっさとサーブ打ちなさいよ」

まこ「……はい」スクッ…



梨子(……ついに始まってしまった。痛々しい言動とは裏腹に、普段はとても心優しいよっちゃんの──隠れた1面がッ!!)

 

53: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:30:53.90 ID:mbPtD0ld.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. 赤いデーモン
     (原曲……赤いデビル  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=viahdI87peM




ヨハネ「ヲォーーーーァッハッハッハッハッハ!!!」

ヨハネ「フアーーーーーァァァァァ!!! ッハァーーッハァ! ハァ! ヒャハッ!!」

ヨハネ「……アァアァアアア!!!」ズバァァァアアアン!!!!

まこ「ぅあぁああ!!」ドサッ!!


  『『『『『見ろよあの子(見ろよあの子) 赤く燃え上がる(赤く燃え上がる)ヨハネ~~~♪』』』』』

  『『『『『滾る血潮に(滾る血潮に) 刃を宿す(刃を宿す)♫』』』』』

  『『『『『コートを真赤に 色付かせるデーモ~~~ン♪♫♪』』』』』


ダイヤ『限界まで 追い詰められた~時に♪ 奴の闘争本能が爆発ぅー♫』

曜『興奮とー熱気で 全身はー血の色に染まり♪』

鞠莉『勝つためだけの殘酷なプレイスタイルにー 変化して行くぅ~~♫』


審判「ゲーム浦の星、2-3。チェンジコート」

  まこ「たぁ!!」パコーーン!!

  ヨハネ「ゥアァアア!!!」ズッバァン!!!

  まこ「……ッ!?」パコンッ

  まこ(なんとか返せたっ。でも……)

審判「ゲーム音ノ木坂、4-2」


ヨハネ『容赦はしない 貴女も赤く染めてやるぅ~♪』

ヨハネ『覚悟をしろよ ギッタギタに叩き切ってやる♫』

ヨハネ『堕天(お)ちる所まで堕天(お)ちろ 赤く抉った アリ地獄へぇぇぇえ゙え゙え゙♪』

 

54: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/10(水) 00:31:57.84 ID:mbPtD0ld.net
 
果南『怒り心頭に達した時こそー♪ 奴の本性覚醒する合図ー♫』

ルビィ『あの子のテ~ンションは 文字通り血沸き肉踊る♪』ビクビク

千歌『限界超える身体能力をー發揮し 敵を仕留めるぅ~~~♫』


ヨハネ『半端ないほどコートを 赤く染め上げるー♪』

ヨハネ『このダブルスを支配するのは このヨハネよ~♫』

ヨハネ『貴女達を溺れさす 赤い血溜まり レッドゾーォォォオオオ゙オ゙オ゙オ゙ン゙♪』


  『『『『『見ろよあの子(見ろよあの子) 赤く燃え上がる(赤く燃え上がる)ヨハネ~~~♪』』』』』

ヨハネ「ファハハハハフハハハハ!!!」バコーーーン!!!

  『『『『『滾る血潮に(滾る血潮に) 刃を宿す(滾る血潮に)♫』』』』』

真姫「畜生……畜生っ!!」ギリッ…

  『『『『『コートを真赤に 色付かせるデーモ~~~ン♪ デーモ~~~ン♪♫♪』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


ヨハネ「ゎあああァアァアアアアア!! ヒャハハハハハハハァ!!!!」ズバァーーン!!!!

まこ「…………」ヨロヨロ パコーン

真姫「やめて……」

ヨハネ「アァーーーッハッハッハッハッハッハッハ!!!」ドカァァアアアン!!!

まこ「…………」グッタリ…

真姫「もうやめなさいよぉぉぉおおお!!!!」

64: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:50:05.82 ID:G1ZLYVkB.net
 
    【Genius 23:シナリオは Hi Hi Hi 壊せるものさ!】


ツバサ「津島善子さん。打球の威力・スピード・コントロール、どれをとっても驚くべき攻撃性だわ」

海未「……執拗に尾崎さんばかりを狙っていますね」

あんじゅ「まぁダブルスで一方を追い詰めるのは立派な作戦だし、悪いことだとは言えないけどぉ~……」

英玲奈「なんて痛々しい試合なんだ」

絵里「以前矢澤さんの肩を壊した私の言えたことではないけれど、見ていてあまり気持ちの良い試合ではないわね」


ヨハネ「ゎあああァアァアアアアア!! ヒャハハハハハハハァ!!!!」ズバァーーン!!!!

まこ「…………」ヨロヨロ パコーン

真姫「やめて……」

ヨハネ「アァーーーッハッハッハッハッハッハッハ!!!」ドカァァアアアン!!!

まこ「…………」グッタリ…

真姫「もうやめなさいよぉぉぉおおお!!!!」


審判「ゲーム浦の星、3-4。チェンジコート」
 

65: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:51:52.64 ID:G1ZLYVkB.net
 
希(結果の良くない占いなんか、ハズレてくれれば良かったのに……)


まこ「はぁ……はぁ……」

凛「まこちゃんっ! 大丈夫!?」

まこ「うん、ギリギリ大丈夫……」

ことり(っ……。腕とか脚とか、ボールをぶつけられた場所が青黒くなっちゃってる……)

にこ「この試合、もうまこが前に出るのはやめときなさい」

まこ「けど次は津島さんのサービスゲーム。2回に1回は真姫ちゃんが後衛になっちゃうんだし、その時は私が前に出ないと……」

真姫「そん時はダブルバックで良いでしょ? ラリー中に隙さえあれば、すぐ私が前に出るわ」

まこ「ううん。私なら……大丈夫だからっ」

花陽「でも危ないよぉ!」

まこ「あの人の暴走が始まってから唯一取れた1ゲームは、ほとんど私のボレーが得点源だった」

まこ「私が狙われてるってことは、自分さえきっちりボレーでカウンターできれば勝てる……そうでしょ?」

にこ「誰に似たんだか知らないけど、あんたも随分と強情になったわねぇ。昔はもっと聞き分けのいい子じゃなかった?」

まこ「私が変わったんだとしたら、多分にこちゃんと真姫ちゃんのせいだと思うよ」フフッ

真姫「ヴェエエ!? 私ぃ!?」

66: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:53:11.35 ID:G1ZLYVkB.net
にこ「ったく、仕方ないわねー! もうちょい好きにやらせてあげるわ!」

希「そんじゃ! 希パワーた~っぷり注入、はーいプシュ!!」プシューーー!

まこ「うひゃぁあ!??」ビクゥ!!

希「ふふ、ただの冷却スプレーやん?」

まこ「ビックリしたぁ……。あ、でも少し痛みが退いたかも」

希「まぁそれは一時的なものだと思うけど、気休め程度にはなるやろ。あと2ゲーム連取で終わるんやし、もう一踏ん張りやで!!」

真姫「えぇ」

まこ「うん!」



まこ「…………」グッ…

ヨハネ(所詮モブキャラの分際で、深淵より湧き出ずるヨハネの魔力にまだ抗おうっていうの?)

ヨハネ(貴女みたいなザコは……大物に喰われる運命なのよッ!!)ズッバーーン!!!

まこ「うっ」ポーーン

まこ(しまった! サーブの威力に押されて、リターンが甘く……)

ヨハネ「ククッ……散れェ!!」タタタッ ズバァーーーン!!

真姫「させるもんですかっ!!」スタタタッ パッコーーン!!

ヨハネ「ッ!」

真姫(よし! サーブ後ネットに突き進んできていた、厨二女の横を抜いてやったわ!!)

花丸「…………」スゥ… チョンッ コロコロコロ…

まこまき「「!??」」

審判「15-0」

まこ(い、いつの間に!?)

真姫(まるで認識外から急に現れたかの様な……一体どうなってるのよ!?)

67: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:57:02.67 ID:G1ZLYVkB.net
 
ダイヤ「一度花丸の術中に嵌ったが最後。もう2度と逃れることはできませんわ」

千歌「マルちゃんを見失わないように気をつければ気をつけるほど、よっちゃんへのマークが甘くなり……」

果南「善子への厳重注意体制に戻れば、またもや花丸を見失なう」

ルビィ「対戦相手の思考の外から攻める……。これが、これこそが、マルちゃんのテニスっ!」


花丸(ここから先は、ステルスマルの独壇場ずら!)


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. ヨハネ~堕天使使い
     (原曲……デビル~猛獣使い  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=5CETHXiJETc




まこ(次は真姫ちゃんがレシーバー。……私が前に詰めないと)ジリッ…

花丸(度重なる痛みで本能的にネットプレイを恐れ、動きが硬くなっている。それによっちゃんばかりを気にしてると──)


ダイヤ『尾~崎は墜ちたわね 完全に♪』

  まこ(また国木田さんが消えたっ!?)アタフタ!

  真姫「まこちゃん! しっかりして!!」

ルビィ『し~かし流石だーね マルちゃん♫』

  花丸「──色即是空」パコン コロコロコロ…

  真姫「クッ……」

果南『あの赤目の善子を 巧く操っている♪』

梨子『マルちゃんはダブルスで 本来の真価~を 発揮すーる♫』

梨子『そうたとえ ヨハ~ネとでーも♪』


UTX一同『呆然と立ちつくす 尾崎ぃ~ それを見ている浦女レギュラー♫』

あんじゅ『哀れな構~図だわぁー♪』
 

68: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 14:58:33.31 ID:G1ZLYVkB.net
 
  まこ「…………」ガクゼン…

  真姫「まこちゃん!!」


  凛「完全にまこちゃんのテリトリーが狂わされてる……」

  ことり「全て逆をつかれて……っ!」

  審判「ゲーム浦の星、4-4!」


曜『お~いあの子見てみろ 目が赤い♪』

千歌『あ~の目は 血の赤なのかぁー♫』

鞠莉『非常事態で 危険信号の発令か♪』

梨子『よっちゃんを使いこなし 試合はマルちゃんの 手~の中♫』

梨子『テリトリーはどこ~へ行った♪』


UTX一同『西木野だけが ハッチャキにぃ~ それを見ている浦女レギュラー♫』

ツバサ『哀れな構~図だわぁー♪』

UTX・浦女一同『哀れな構~図だわぁー♫』

海未『哀れな~~~……ッ!!』

 ~♪      ~♪      ~♪


真姫「をぉぉぉおおおおお!!!!」シュタタタタタ! スパーーン!!

絵里(尾崎さんの分まで1人で奮起してるようだけれど……)

真姫「あぁぁあああ!!!」バッコーーーーーーン!!!!

審判「アウト! ゲーム浦の星、5-4。チェンジコート!」

絵里(まぁ、こうなってしまうわよね)

69: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:05:09.83 ID:G1ZLYVkB.net
 
ヨハネ「フフ、フフフフッ、アーッハッハッハッハ!! 良い様ね!!!」

真姫「ぐ……」

まこ「…………」

善子「ふぅ~~~……スッキリした」スゥゥゥーーー…


ルビィ「あ。肌の赤みや目の充血が元に戻った」

ダイヤ「……あと1ゲームで終わりだというのに」

千歌「間が悪いよね~」

鞠莉「善……じゃなかった。ヨハネちゃ~ん! カモーン!!」

善子「ん? なぁにマリー……ってうわわわーー!!」ヨロヨロッ!

梨子「大丈夫?」

善子「まるで全身の筋肉が悲鳴をあげているようだわ。クッ……この痛みは、力を欲し地獄の業火へ身を投じた者への対価ね」


ダイヤ(あの暴走は、脳のリミッターを外し限界を超えた身体能力の発揮しているにすぎない。それ相応のデメリットもあって当然ですわ)

70: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:06:59.95 ID:G1ZLYVkB.net
善子「……ねぇ。結構記憶が曖昧なんだけど、相手がボロボロなのって、えっと……ヨハネのせいだったりしちゃう?」

鞠莉「ノンノン。悪いのは概ね私とダイヤと果南だから、あなたが気にする必要はないわ。そんなことより今は勝つことだけを考えて頂戴」

善子「それもそうね」


善子(マリーは卒業後海外へ行っちゃう。この大会は、今の3年と一緒に出来る最初で最後の盛大な思い出作り)

善子(たとへ更に全身が軋み上がろうと、大将戦へ繋げるっきゃない!!)


鞠莉「ま、今のあなたには期待できそうにないけどね~」

善子「ぬゎんでよッ!!! イタタタタ……」

果南「コラコラ。もうまともに動けないくせに無理するんじゃないの」

善子「うぅ……」

鞠莉「でもそのことを相手に悟られてはダメよ。次のゲームなんだけどね? …………────」ヒソヒソ…

善子「ククククッ……OKよ。任せなさい!!」

鞠莉「…………」チラリ

花丸「…………」コクリ!

71: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:09:08.60 ID:G1ZLYVkB.net
 
善子「さぁラスト1ゲーム! 最早虫の息な貴女達を、このヨハネ様が蹂躙し尽してあげるわ!!」

真姫「チッ……」

花丸(このサービスゲームを取れなければかなり不利になってしまう。オラの仕事は……一気に勝ち切ること!)

花丸「いきます!!」スッパーーン!

まこ(このくらいのサーブなら、今の私でも強くリターンできる!!)スパァーーン!

善子「フフッ」スッ…

真姫(厨二女がスイングの構えに!?)

まこ(まさか今のレシーブに届くの!?)

花丸「……色即是空」パコン コロコロコロ…

まこまき「「っ!?」」

審判「15-0」


善子(流石はマリーの描いたシナリオね。もうまともにプレイ出来ない今のヨハネでも、敵の目を欺くことくらいならできる)

花丸(よっちゃんの色濃さを隠れ蓑に、オラがこっそりと点を取る。あと……3点!)スッパーーン!

72: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:11:19.76 ID:G1ZLYVkB.net
 
花陽「…………」メガネ スチャッ!

凛「かよちん?」

花陽「……やっぱり。津島選手の動きが鈍くなってる」

穂乃果「言われてみればたしかに!」

花陽「もしかしたらさっきまでの常軌を逸したプレイングは、穂乃果ちゃんの“無我”や“天衣無縫”に近いものなのかもしれないね」

希「一時的な限界突破系の能力かぁ~」


真姫(……だんだん分かってきた。厨二女はヒートダウン中、もうあまり気にする必要はなさそうね)

真姫(そして国木田花丸の力は、何も本当に姿の消えるオカルトチックなものではない。この人だけを注意しておけば見失うこともないわ)


鞠莉「エキサイティンっ☆ いける! いけるわ!!」

ダイヤ「善子のハッタリ効果も薄れてきているようですが」

鞠莉「そんなのと~っぜん織り込み済みよ。でもあと少しなら善子も多少は動ける。潜在的な恐怖を植え付けられた、尾崎まこへの抑止力程度にはなるわ」

千歌「じゃあ後は西木野さん対マルちゃんの1対1って感じ?」

ルビィ「ただの1対1だとマルちゃん不利なんじゃ……」

鞠莉「本当にタイマン勝負になるなら不利かもね。だ・け・ど」

73: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:13:24.00 ID:G1ZLYVkB.net
 
真姫「ハッ!!」スッパーーーン!!

善子「どりゃ!!」バッコーーン!!

審判「30-15」

善子「フフフッ。ヨハネを軽視してると痛い目見るわよ?」

真姫「っ……」

善子(あぁ~普通にボレーしただけで腕痺れるヤバイヤバイ)ジンジン

花丸(あと2点……っ!)


千歌「おぉー! よっちゃんが決めた!!」

曜「おせおせぇーーー!!!」

鞠莉「ネ? そう何度もボールを打つのは無理だろうし、ここぞというタイミングのみ動けって指示を出してあるわ」

果南「さっすが!」


真姫「アンタ、急に自分のプレイを捨てたわね」

善子(好きで捨てたわけじゃないっての。もうあんまり動けないんだからしょーがないじゃない!)

善子「マリーのシナリオは完全無欠♥ 矢澤にこみたいなよっぽどのイレギュラーが相手でもない限り、勝利は確実よ!」フフン!

74: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:15:19.28 ID:G1ZLYVkB.net
 
真姫「……テニスにはシナリオなんかないってことを、教えてあげるわ!!」


 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. シナリオは壊せるさ!
     (原曲……シナリオをぶち壊せ!  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=0uux56ZtlWA




希『テニスに シナリオなんか要らない♪』

のぞりん『『試合に取扱説明書が ついてると思ってんのか?』』


にこ『テニスに 筋書きがあ~るわけない♪』

にことり『『勝負は偶然と 必然で成り立つ駆け引きぃ~♫』』


音ノ木一同『『『『『シナリオは壊せるさ! シナリオに意味はない!』』』』』

ほのぱな『『プレイヤーが作り出すぅー ドラマの結末は♪』』

音ノ木一同『『『『『誰にも 分からなーい♫』』』』』


花丸「!!」カッ! ポーーーン

果南(良いスライスロブ! これは綺麗に深く伸びるぞ)

花丸(スマッシュも打ち辛いはず……)

真姫(意地でもブチ込んでやろうじゃない!!)シュタタタタ タンッ!!

善子「勝負よ! 西木野真姫っ!!」

真姫「うぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」ズバァァァアアアン!!!! シュルルルルルル

真姫(しまった! ガットとフレームの間で打っちゃって変な回転が……)

善子「へ???」

善子(ボールが……急にホップして……ッッッ!?!??)

   バッチィィィィイイイイイーーーーーーーン!!!!!

善子「ぐはっ……!!!」

 ~♪      ~♪      ~♪
 

75: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:16:52.07 ID:G1ZLYVkB.net
真姫「あっ……」

まこ(またボールが顔面に……)

善子「ほ、星が……見えるわ……★」バタリ!


審判「……デュース」


善子「…………」グッタリ…

真姫「…………」スタスタ

花丸「っ」

真姫「どいて」

花丸「……よっちゃんに、何するつもりですか?」

真姫「色々やり返したいのも山々だけど、私のジャンピングスマッシュで死なれても気分悪いし……診察してやろうってだけよ」

花丸「死ぃ!??」

真姫「1試合で2回も顔にボールを受けてるんだから、脳が揺さぶられてポックリなんて話もありえなくないってことよ」

花丸「うぅ……。診察、よろしくお願いします……」

76: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:18:54.56 ID:G1ZLYVkB.net
真姫「…………」スッ…

善子「…………」

真姫「脈は正常。顔色、舌ベロの色も異常なし。今はただ気絶してるだけみたいね」

花丸「ほっ……」

真姫「今は平気でも夜になって急に脳震盪が起きるケースもあるみたいだし、それなりに医学知識のある身としては即検査することをオススメするけど……どうする?」

花丸「え? どうするって……」

真姫「現段階では気絶しているだけである以上、即検査を強制することはできない。だからあなたが選びなさい」

真姫「リタイアして医務室へ運び込むか、それとも、叩き起こしてこのまま試合を続行するのか」

花丸「…………」


花丸(そ、そんなのオラに選べるわけないずら!)

花丸(ここでリタイアしたら全てが終わっちゃう。でも、危険な可能性が分かっていて叩き起こすなんてことも……)

77: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:20:58.23 ID:G1ZLYVkB.net
ルビィ「担架借りてきました~」ヨタヨタ

果南「でかした! いくよ曜」

曜「ガッテン!!」

花丸「え? え??」

曜「そ~っと乗せて。よし!」

善子「…………」

ようかな「「いっちにー、いっちにー、いっちにー、いっちにー」」スタコラ

花丸(行っちゃった……)


千歌「審判さん。この試合、棄権します」

審判「分かりました」

まこ「ふぅ……」ヘタリ…

真姫(釈然としない勝ち方だけど、まぁ、これ以上まこちゃんを戦わせないで済む点だけはありがたいわね)


審判「ダブルス1、浦の星女学院の棄権により、音ノ木坂学院尾崎・西木野ペアの勝利。よって、3勝1敗で音ノ木坂学院の勝利です」

審判「両チーム共、整列してください」

審判「礼っ!」

  「「「「「ありがとうございました!!」」」」」ペコリ!



花丸(そんな……。こんなにあっさりと……終わっちゃうなんて……)

 

78: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:26:31.87 ID:G1ZLYVkB.net
 
梨子「あ~あ。不幸なよっちゃんらしい負け方と言えばそれまでだけど……」

千歌「もっと全国大会を満喫したかったなー。まぁ負けちゃった千歌達は文句言えないか」

梨子「そうだね」

花丸「みんな……本当にこんな終わり方でよかったの!?」

ダイヤ「良いわけがありませんわ! 最初に言ったでしょう? この私が参加する以上、絶対に優勝の2文字以外は許さないと」

ダイヤ「しかし勝利とチームメイトの命を天秤に掛けたとあっては、黒澤家の名云々以前に人としての品格が廃ります」

千歌「流石ダイヤちゃん! 良いこと言うな~」

鞠莉「私はもう結構楽しめたしね~。もちろん優勝したかったけど、相手を危険に晒してまで勝とうとした結果がこれですもの」

鞠莉「これがその罰だというなら、甘んじて受け入れるしかないわ」


花丸「…………」シュン…

ルビィ「マルちゃん、そんなに落ち込まないで?」

鞠莉「そうよ。あなた達には来年だってあるんだから」

花丸「え? 来年は5人だから、団体戦には出られな……」

ダイヤ「出られますわ。適当に2人から名義貸ししてもらい、その2名を大将と補欠に置く。あとは常に3勝0敗か3勝1敗で勝ち進むのみです」

梨子「3勝1敗の場合6人必要だし、あと名義貸りるにしても3人──」

ダイヤ「何を言っていますの? 6人よ。愚妹も居れて」


ルビィ「えっ……えぇええぇぇえええええ!!???!??!?」

 

79: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:28:15.20 ID:G1ZLYVkB.net
ルビィ「む、むりむりむり! 私にこんなハードなスポーツができるわけないよぉ!!」

ダイヤ「皆がテニスをやっている姿を少し羨ましそうに見ていたことに、この私が気づいていないとでも?」

ルビィ「うぅぅぅぅ……」

千歌「そうだったの!? ならルビィちゃんも明日から新レギュラーだ!!」

ルビィ「え、あの、そのっ」

梨子「マネージャーの仕事ならこれからは全員で分担して行えばいいんだし、遠慮することはないんだよ」

ルビィ「でも、絶対にへたっぴだし……足引っ張っちゃうし……」

鞠莉「卒業するまでの間みっちり鍛えてあげるわ~」シャイニーン☆


ルビィ(そしたら私も、お姉ちゃんみたいにカッコよく……)


ダイヤ「私を目指したところで可能性はなくってよ」

ルビィ「!」ガーン!

ダイヤ「あなたが目指すべきは……この2人を足して割った感じかしら」スッ

花丸「オラぁ!?」

梨子「わ、私!?」


ダイヤ「さ、行きますわよ」

ルビィ「待って!」

ルビィ「私も! 選手としてあのコートに立ちたいっ! ……ううん、立ってみせます!!」

80: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:30:15.56 ID:G1ZLYVkB.net
 
 ~♪      ~♪      ~♪

   ♪. サンシャイン、もっと
     (原曲……輝け、もっと  参照動画……https://www.youtube.com/watch?v=ypEF7F_pkrM




ダイヤ『見ろー まぶしいほどの~光を放ち♪』

梨子『見ろー 夢に手~を伸ばすー あの~姿♫』

千歌『戦うたびにー 技を身~に~付けてー♪』

鞠莉『戦うたびに 飛躍を~遂げるー♫』

ルビィ『負けるもんかー 私たちだってー♪』

浦女一同『『『『『あいつ等と~ 同ーじーさぁーー♪♫♪』』』』』


  千歌「あ~。それにしても悔しいなー」

  鞠莉「まぁ楽しみにしとこうじゃない。オトノキが優勝できるのかどうか」

  千歌「うん! あの人達なら、きっとやってくれる!!」


  ことり「……梨子ちゃん。あなたはことりの知ってる梨子ちゃんと違ったよ」

  ことり「ことりも更に本気で挑み続けるね」

  ことり「あと少し……最後まで、悔いの残らないようにっ!」


浦女一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女一同『『『『『太陽よりー燃えてか~が~や~け~♫』』』』』

浦女一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女一同『『『『『私あなたより もっとー 輝~いてみせるー♫』』』』』

 

81: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:31:34.52 ID:G1ZLYVkB.net
 
浦女・音ノ木一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女・音ノ木一同『『『『『太陽よりー燃えてか~が~や~け~♫』』』』』

浦女・音ノ木一同『『『『『サンシャイ~ン もっとー♪』』』』』

浦女・音ノ木一同『『『『『私あなたより もっとー 輝~いてみせるーーー♫』』』』』

 ~♪      ~♪      ~♪


英玲奈「……ラストが棄権とは、なんとも予想外な結末だ」

あんじゅ「そうね~。どっちと戦うことになっても面白そうだったし、正直どちらが勝ち上がってこようが問題ないけど」

海未「私は音ノ木坂が勝ってくれて嬉しいです!」

絵里「私もよ」

ツバサ「あら? あなたこの前、柱の折れた音ノ木坂は素人にしか見えないとかなんとか」

絵里「そんなことは言ってません! 素人って何よ!!」

ツバサ「あはは」


ツバサ(兎にも角にも、これで最終決戦の幕は切って落とされた!!)

 

82: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2016/02/11(木) 15:34:29.89 ID:G1ZLYVkB.net
 

   ■全国大会 第4回戦(準決勝) 終了


    千葉・藤黄学園 静岡・浦の星女学院 敗退