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花陽
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1: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 00:34:52.51 ID:Sq3UnjYh.net
凛「かーよちんっ どうしたの?」

真姫「暗い顔してるわね」

花陽「今度私達がやるfinal liveのチケットがオークションにかけられてるの……」

にこ「どれどれ…… カチッ… うわっ定価の5倍以上の奴もあるじゃない! やっぱりバイヤーって減らないのよねぇ」

穂乃果「それって何が駄目なの?」

花陽「チケットの買ったときの値段と売ったときの値段の差で儲けようとするのが駄目なの」

にこ「本来行きたい人のチケットが転売屋に行ってると思うだけでイラつくのよねぇ…… にこもA-RISEのチケットが取れなくて泣き寝入りしたものよ」

ことり「私達のライブ楽しみにしてくれてる人もいるのに……」

海未「姑息な輩ですね」

真姫「全部私が買い占めてまた売ろうかしら」

凛「それじゃあ真姫ちゃんが損しちゃうよ!」

真姫「構わないわ。ファンを大切にするのがアイドルでしょ?」

にこ「気持ちは分からなくは無いけどそれは駄目よ」

真姫「な、何でよ!」

にこ「それじゃああいつらの思う壺よ」

ことり「うーんどうしたらいいんだろう」

8: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 00:45:40.19 ID:Sq3UnjYh.net
穂乃果「それじゃあチケット売るときに転売は駄目だよって書けばいいんじゃないかな?」

花陽「それはどのチケットも書いてあるんだけど……」

海未「見たところ守られていないようですね」

にこ「正直者が馬鹿を見るってこのことね」

海未「ルールを守っている人達がライブを見ることが出来ず、ルールを破ってオークションで買った人が見ることができる、と」

凛「なんか私達としても不本意だにゃー」

穂乃果「じゃ、じゃあチケットに名前を書くとか……」

にこ「私達がライブするアキバドームは10万人収容よ。いちいち確認していられると思う?」

穂乃果「うっ、それはちょっと無理かな……」

ことり「顔写真なら一瞬で判断出来るんじゃないかな?」

花陽「チケット販売会社のシステム的にそれは……」

真姫「や、やっぱり私が買い占めるわ!」

にこ「だからそれはだめー!」

17: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 00:58:55.17 ID:Sq3UnjYh.net
ガチャ

希「みんなおはよう。ってパソコンの前に集まってどうしたん?」

絵里「なんか微妙な空気だけど」

ことり「実は……」カクカクシカジカ

希「なるほどなぁ。チケットの転売かぁ」

海未「一応公式サイトでは本人確認をするとは書いてありますが……」

真姫「間違いなくザルね。前回もそうだったみたいだし」

絵里「本人確認かぁ……」

花陽「私も何度も泣かされました。転売するのはあってはならないと思います」

希「これって既に無法地帯やんなあ」

海未「企業が対策出来ないものを、私達でどうにか出来るでしょうか」

ことり「それは……」

凛「ちょっと……」

真姫「……無理ね」

絵里「私達高校生が出来る事も少ないものね」

希「そうやね……」

全員「……」

穂乃果「待って!私達はただの高校生じゃないよ!」

23: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 01:07:26.50 ID:Sq3UnjYh.net
海未「穂乃果?」

ことり「どういうこと?」

穂乃果「私達はただの高校生じゃない!今度ライブするのは私達。だから私達が出来る事は多いと思うよ!」

花陽「……確かに、今まで人のライブの時はなにも出来なかったけど」

にこ「今度はにこ達のステージなのよね。なにかギャフンと言わせられるかもしれないわ!」

海未「でも穂乃果、どうするのですか?」

穂乃果「それは…… まだ……」

ことり「あはは……」

海未「そんなことだろうと思いました……」

真姫「単純に私達がステージで転売は駄目ですって言うのは?」

花陽「幾つかのグループはやってる見たいだけど……」

にこ「勧められた方法じゃないわね。私達がいくら言ったって転売するやつは転売するし、転売している人は見に来ないもの」

29: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 01:19:15.13 ID:Sq3UnjYh.net
絵里「それに、あまり印象は良くはないわね」

穂乃果「うーん、一筋縄では行かないかぁ……」

海未「この程度なら運営側も思い付いているはずですしね」

ことり「これって売る側も売る側だけど、買う側も買う側だよね」

凛「ルール破って見に来て楽しめるのかな?」

にこ「熱心なファンだと『どんな手でも使って見に行きたい』と思うものよ」

花陽「私も手を出しかけたこともあるので分かります。このライブは今しか生で見れない、そう思うと誘惑に負けそうになります」

海未「売る側は当然悪いですが、買う側は一概に悪い、とは言えないですね」

絵里「皆そこまでしてライブを見たいのね」

希「えりちの美貌を生で見たい人も多いと思うよ?」

絵里「からかわないの!」

真姫「需要があるから供給が生まれる、というわけね」

凛「でも転売は駄目だよ! なんかよくわかんないけど!」

絵里「そもそも転売目的で買う人がいなければ、その分の枠がオークションで買っている人のところに行くんだものね」

33: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 01:34:59.38 ID:Sq3UnjYh.net
海未「転売が悪いのは分かっていますが無くす方法なんてあるのでしょうか?」

絵里「考え方を変えてみましょう。転売屋を元から断つのは不可能よ」

絵里「私達が出来る事は転売屋から買う人を少しでも減らすこと」

希「現状だとオークションは値段以外にデメリットないもんなあ」

凛「じゃあ普通のチケットをもっと安くするにゃ!」

にこ「オクで買うやつはどんなに差額が高くても買うわよ」

海未「熱心なファンはお金に糸目はつけないみたいですからね。値段ではないところで差別化を図らないと……」

穂乃果「つまりお金以外でデメリットを増やすってこと?」

真姫「……なんかデメリットを増やすって嫌だわ」

花陽「どうせなら正規のお客さんのメリットを増やしましょう!」

絵里「メリットを増やす、か……」

希「えりち、どうしたん?」

絵里「さっき本人確認があるって言ってたわよね?」

海未「はい、そうですが…… 本人確認は機能しないと思いますよ?」



絵里「その名前を使って何かすれば、正規の人はメリットを受けられるんじゃないかしら?」

39: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ 2016/01/25(月) 01:49:45.12 ID:Sq3UnjYh.net
当日

穂乃果「今日はライブに来てくれてありがとうございました!」

穂乃果「それではここでスペシャルなお知らせです!」

絵里「今日のライブに参加して下さった記念に、ライブ限定のμ'sオリジナルイラストの名刺を3枚プレゼントいたします」

ことり「後日発送予定ですので、楽しみに待っていてくださいね!」

にこ「なお、名前の方はチケットを申し込んだ時の名前から変更できませんのでご了承くださいにこ」

穂乃果「それでは今日は本当に本当に、ありがとうございました!」


ーーー

穂乃果「今日のライブ、すっごくよかったね!」

ことり「僕たちはひとつの光、初披露だったけどうまくきまったね!」

海未「それにしても名刺の方はあれでよかったんでしょうか……」

真姫「結局、今回は転売食い止められなかったものね」

花陽「でも、これからライブに申込む人が少しでも正規で来たいと思えるようなプレゼントだと思うよ?」

にこ「まぁ、名刺ごときで変わる人数なんて、微々たるものだけどね」

絵里「なにもしないよりはマシよ、一応これが最善の選択だったと思うわ」

希「でもにこっち、A-RISE仕様の名刺貰えたら嬉しいやろ?」

にこ「そ、そんなのあたりまえじゃない!貰えたら家宝にするまでよ!」

凛「ドルオタの鏡だね!」

にこ「なんですってぇ~」

凛「あーごめんなさいにゃー」

真姫「ま、一件落着ってことね」

終われ