ウォッカ「兄貴、バレンタインの買い物に行ってきやす」ジン「ん?」
ジン「ウオッカ、花見をするぞ」ウオッカ「へい、兄貴!」
ウォッカ「兄貴、オレンジデーって何なんですかい?」ジン「あぁ?」
ジン「何をしている?」ウォッカ「魚料理のレシピを調べてやして」カタカタ
ジン「弁当男子を目指すだと?」ウォッカ「へい、兄貴」
ジン「どこへ行く?」ウォッカ「パーティー用の食材を仕入れに」
安室「……クシュン!」ウォッカ「風邪か? バーボン」
ジン「純黒のパスタを作りたいだと?」ウォッカ「へい、兄貴」
ジン「……何だ、お前が女共へのチョコを用意するのか?」
ウォッカ「いえ、違いやすよ。バーボンの手伝いです」
ジン「バーボンの? あいつ、また何かやってんのか?」
ウォッカ「へい。実は……」
~20分前・組織のアジト・キッチン~
ゴソゴソ…ガタン
安室「必要な道具は、これで全部……と」ヨイショ
ウォッカ「バーボン、何やってんだ?」
ウォッカ「逆チョコ?」
安室「ええ。バイト先の同僚と、常連の女性客にね」
ウォッカ「……バレンタインは、女から男にチョコを渡すもんじゃねぇのか?」
安室「昔はそうでしたが、最近では男性から女性に贈ることも増えてるんですよ」
ウォッカ「へ~。……ところで、何を作るんだ?」
安室「ガトーショコラです」
安室「僕からのサービスとして提供しようと思いましてね」
安室「いくら僕でも、さすがにそれは……先着50名にするつもりです」
ウォッカ「そうか。しかし、それでも随分な量だな」
ウォッカ「……俺にも、何か手伝えることは無ぇか?」
安室「え……良いんですか?」
ウォッカ「あぁ。今日は暇な方だしな」
安室「じゃあ、いくつか買ってきてほしいものがあるので、お願いします」ニコ
ウォッカ「おぅ!」
~回想終了~
ジン「なるほど。じゃあ、早速調達に行くか」カタン
ウォッカ「え……兄貴も来てくれるんですかい?」パチクリ
ジン「50人分のケーキを焼くとなると、材料も随分な量だ」
ジン「お前一人で運ぶのは難しいだろう?」
ウォッカ「確かに……頼まれた買い物には、卵もありやすし」
ジン「ん? もうこんな時間か……早くしねぇと、店が混んじまうな。付いてこい」
ウォッカ「へい、兄貴!」
ワイワイガヤガヤ
ウォッカ「こないだのパスタ作りの時はスルーしたコーナーですけど」
ウォッカ「改めて見ると、すんげぇ熱気ですぜ……」ゲンナリ
ジン「バレンタインに賭ける女共の情熱を甘く見るな」
ジン「さっさと行くぞ」スタスタ
ウォッカ「えっ……兄貴、そっちの菓子コーナーに置いてあるのは、普通の板チョコですぜ?」
ウォッカ「菓子作りには、それ専用のチョコを使うんじゃあ……?」
ジン「あぁ、普通はな。……だが、板チョコでも十分美味いガトーショコラは作れる」
ジン「板チョコを使えば、多少は原価率を下げることができる」
ウォッカ「なるほど……今回のはサービス品ってことは、材料費はたぶんバーボンの自腹……」
ウォッカ「仲間の懐事情も気遣うなんて、さすがですぜ! 兄貴!」
ジン「早く行くぞ。あんまりバーボンを待たせるのもいけねぇ」フッ
ウォッカ「へい!」
ジン「ところで、バーボンが用意するケーキは50人分ってことだったが」
ジン「ホールだと何個焼くつもりなんだ?」
ウォッカ「ホール1個を6等分するつもりらしいですから、必要なのは9個ですね」
ウォッカ「それに、試作で1個作るって言ってたんで……全部で10個になりやす」
ジン「そうか……」フム
ジン「板チョコ1枚は、大体50gだ」
ジン「ガトーショコラ1個に使うチョコの量は200gだから……」
ウォッカ「ケーキ1個に付き4枚。10個だと、40枚ってわけですね」
ジン「あぁ。……今回は明治のにするか」スッ
ポイポイポイ
ジン「よし、次だ。行くぞ」スタスタ
ウォッカ「へい」スタスタ
青子「か~いと♪ これ見てよ。お魚さんの形をしたチョコだってさ~♪」ウフ
快斗「だから何でそういう気色悪いモンを見つけてくるんだよ、オメーはっ!!」ヒィィィ
ジン「次に必要なのは、ホットケーキミックスだな」
ウォッカ「相変わらず、ここは森永のが一番安いですね」スッ
ジン「あぁ。それと、粉砂糖を取ってくれ」
ウォッカ「粉砂糖? ケーキに入れるなら、普通ので十分なんじゃ……?」キョトン
ジン「生地に入れる分じゃねぇ。仕上げ用だ」
ウォッカ「あ、なるほど。そういうことですかい」ヒョイ
ジン「よし……あとは卵だな」
ウォッカ「ケーキ1個に必要な卵の量っていうと……3個ぐらいですかい?」
ジン「いや、今回は4個使う。だから全部で40個だ」
ウォッカ「じゃあ、この10個入りを4パックで良いですね」
ジン「ちゃんと大きさを見ろよ。MサイズとLサイズを間違えるな」
ウォッカ「分かってやす!」
ジン「フン……ついでに仕上げ用の生クリームも買っとくか」
ウォッカ「他に必要な物はありやすか?」
ジン「いや、今回はこれで全部だ。レジに行くぞ」
ウォッカ「あ……待って下せぇ、兄貴!」
女店員「お待たせしました。次の方、どうぞー♪」
ウォッカ「姉ちゃん。買ったやつは、またコレに入れてくれや」スッ
女店員「はい♪」
ピッピッピッ…ピピッ
女店員「合計で、1621円でーす♪」
ウォッカ「意外に安いっすね……」
女店員「はい♪」
ワオンッ!!
女店員「ありがとうございましたー♪」
ジン「バーボンに、これから戻るとメールしとけよ」
ウォッカ「へい!」
ガコ…ウィィィン
ガチャ
ウォッカ「待たせたな、バーボン」
安室「お帰りなさい。…………あれ? ジンも一緒だったんですか?」
ジン「こいつ一人に大量の荷物を運ばせるのは、心許なくてな」ガサ
安室「……わざわざ、ありがとうございます」
ジン「構わん。特に任務も無かったしな」
ジン「ウォッカ。材料を出して、エプロンを用意しろ」
ウォッカ「へい!」ガサ
板チョコ(ビターorミルク):200g
卵:4個
ホットケーキミックス:100g
粉砂糖:適量
生クリーム:適量
ウォッカ「兄貴、準備できやしたぜ!」
安室「僕もです」
ジン「まずは、チョコを細かくする作業からだ」
ジン「こうすることで、チョコを刻んだ時にまな板が汚れるのを防げるんだ」
ジン「最初にチョコの溝に沿って、ある程度まで割っておき」パキッパキッ
ジン「それから包丁で細かく刻んでいくと良い」トントントントン
安室「ウォッカ。試作用のチョコはジンに任せて」
安室「僕達は、本番用のケーキに使うチョコを刻んでおきましょう」パキッパキッ
ウォッカ「そうだな」パキッパキッ
トントントントン
~20分経過~
ウォッカ「ふぅ~。これで全部か?」
安室「えぇ」
ジン「よし、次だ」
ジン「バーボン。卵を卵黄と卵白に分けろ」
安室「分かりました」カンカン、パコ…
ジン「ウォッカ、オーブンを180度に予熱しておけ。焼き上げの時間は30分だ」
ウォッカ「へい」ピッピッ…ピコ♪
ウィィィィン…
安室「ジン。卵白はメレンゲにすれば良いんですか?」
ジン「あぁ、頼む。そっちの棚にハンドミキサーもあるぞ」
安室「はい」カタ
安室「……スイッチON、と」ギュイィィィィン
ウォッカ「おぉ~。すげぇ勢いで泡立ってくな」
ジン「ウォッカ、お前は粉の計量をしておけ」
ウォッカ「あ、分かりやした!」イソイソ
安室「卵黄は、解きほぐして机の上においてありますので」ギュィィン
ジン「あぁ」
ギュィィィィン……カチ
安室「メレンゲ、できました。しっかり角も立ってますよ」
ジン「ご苦労だったな」
ジン「ここに、チョコと卵黄を加えて……」トローリ
ジン「泡を潰さねぇように、ゴムベラでサックリと混ぜ合わせる」マゼマゼ
ウォッカ「兄貴、粉の用意もできてやすぜ」
ジン「おぅ」
ジン「最後に、ホットケーキミックスを投入し」サラサラサラ
ジン「あとは、粉っぽさが無くなるまで混ぜれば……」マゼマゼ
ジン「生地の完成だ」
コメント一覧
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- 2016年02月14日 22:08
- これは正に黒の組織ですわ
来月には白の組織になりそうだけど
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- 2016年02月14日 22:13
- ためになるな。料理人ジンさんすごい。
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- 2016年02月14日 23:13
- ジンニキはウォッカの疑問にちゃんと理由を添えて答えてくれるから好き
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- 2016年02月14日 23:52
- この人の書くジンさんとウォッカほのぼのしてて可愛くてほんと好き
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チョコケーキ美味しい……