ほとんど草木の生えない場所なのに、緑色なのはなぜ? 中国のソルトレイクにあるもの
NASAの宇宙飛行士、スコット・ケリー氏だって「このグリーンスポットにはいつでも目を奪われるよ」とつぶやいたのは、中国中央部に位置する達布遜湖(ダブサンこ、Dabuxun Lake)です。
ここは中国最大のソルトレイク、チャルハン塩湖(Qarhan)の一部で、塩分たっぷりでほとんど草木も生えない地帯。その塩分のおかげで、水が緑色に見えるのだそうです。
9つの小さな湖を含むというチャルハン塩湖において、達布遜湖は最大規模。断続的に水が満ちる特徴があり、水分が蒸発すると豊富なミネラルを含んだ塩類の分厚い層が出来上がるのだとか。たしかに写真内でもそれっぽい真っ白なスポットを確認できますね...!
さて写真の他の部分に注目してみると、なんだかグリーン部分を区切るような四角い枠が気になったひともいるのでは? じつはこれ、この達布遜湖エリアで採取できるある天然資源の生成プロセスを手助けするように人工的につくられたもの。
その天然資源というのは、ほかでもなくソルトレイクで取れる塩類です。湖の水が岩を溶かしてミネラルを生成し、それが蒸発して塩化ナトリウムやカリウム、臭素、岩塩、石膏、塩化マグネシウムといった無機塩類が採取できるのだそう。
こうした資源は、たとえば塩化ナトリウムは食塩として、またカリウムは肥料として、主に産業目的で使用されることが多いようです。ちなみに今でこそ自然資源として人々の生活に役立っているこのエリアですが、じつは200万年以上もの年月を経てなお残存する貴重なソルトレイクなのだそうです。
Top image by NASA/Scott Kelly
source: Landsat
Mika McKinnon - Gizmodo US[原文]
(Rina Fukazu)