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キーボードの空き地にジオラマを作る - デイリーポータルZ:@nifty
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フェティッシュの火曜日 2016年2月16日
 

キーボードの空き地にジオラマを作る

あの空き地が、なんということでしょう!
あの空き地が、なんということでしょう!
以前から気になっていた「場所」がある。
あそこ無駄に空いてるなー、空き地だなー、と見るたびに思っていたのだ。

小さい土地を無駄なく活用するための狭小住宅というのもあることだし、あれも何かできるんじゃないか。
キーボードのあの隙間、あそこを有効活用する方法ってなんかないものだろうか。
きだてたく きだてたく(きだてたく)
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。
> 個人サイト イロブン Twitter:tech_k

キーボード内の空き地活用

「キーボードの空き地」って、いきなり何言ってんだと思われるかもしれないが、でも、気になったことない人はいないか?
いま写真撮りながらすでに「あ、空いてる」と思ったぐらいに気になる。
いま写真撮りながらすでに「あ、空いてる」と思ったぐらいに気になる。
もちろん、常時気になる!というほどでは無いが、キーボード打ってると1日に1回ぐらい目に入って「あ、無駄な空き地だ」と感じる。それぐらい。

どこのことを言ってるのかというと、ここだ。
なんだこの無駄な空間。
なんだこの無駄な空間。
CapsLock押すと光る辺りとか、カーソルキーの上とか、あの辺だ。
カーソルキーの上なんか、コの字型というか凹型に空いているせいで「変形地で利用しにくいから土地の買い手がいないのかな」とか妙な勘ぐりを入れてしまう。

本来キーボードって、四角いキーがみちっと詰まって並んでいるものだろう。
なのに、この空き具合。無駄でなくてなんだと言うのか。
ちゃんと使ってやろう、キーボードの空き地。

キーボードの空き地にジオラマを作る

とはいえ面積で言うと、カーソル上の空き地が約24平方センチ。せいぜい、官製はがきの1/6程度しかない。
まぁ、狭いなら狭いで、逆に広々と空間を使えるような工夫をしてやろう。
例えば、鉄道模型用の小さいフィギュアとか置いてジオラマを作れば、広く見えるんじゃないか。
この空き地に広大な風景を展開してやるぞ。
この空き地に広大な風景を展開してやるぞ。
まずは、キーボード自体が壊れたら困るので、外装だけはずすことに。
ネジさえ外せば分解できるだろうと思ったのだが、うまくいかない。ところどころでバキッバキッと嫌な音がしたが、まぁ最終的にネジどめし直せば大丈夫だろう。
土を撒いてるだけなのに、もうすごい楽しい。
土を撒いてるだけなのに、もうすごい楽しい。
次に、ベースとなるキーボードの外装に模型用の接着剤を筆で塗り、その上にパラパラと模型用の目の細かいパウダー土をふりかける。
それが乾いた頃合いで、今度は水で薄めた接着剤を染み込ますように、土の上から塗り直す。
そうすることで土がベース上にうまく固まってくれるという寸法だ。
うわー、さっきまでメールとか打ってた俺のキーボード、もう土だ。
うわー、さっきまでメールとか打ってた俺のキーボード、もう土だ。
ジオラマ作業が始まったばかりで恐縮だが、この時点でもう作業が非常に楽しい。
なんせ、ふだん使ってるキーボードがどんどん土になるのだ。
日常的に、自分の使ってるプラとか金属のものが土になるって、ないだろう。
このプリミティブさはものすごく楽しい。

あまりの楽しさに、空き地部分だけ改造するつもりが、気付けばキーボード全部が土になってた。
細かいふわふわの草。つまんでる感触も気持ちいい。
細かいふわふわの草。つまんでる感触も気持ちいい。
さっきまで土だったキーボードが、今度は一転してどんどん草地に。楽しい。
さっきまで土だったキーボードが、今度は一転してどんどん草地に。楽しい。
続いては、草だ。
土と同じく、非常に細かい繊維の模型用草を、接着剤で貼り付ける。
土の上から接着剤を塗って、草をパラパラと撒く、を繰り返す。
最後に再び水で薄めた接着剤を染み込ませて固めれば、草地の出来上がりだ。
これを指でつまんでむしって
これを指でつまんでむしって
良い感じに貼り付ければOK。春っぽくて、これまた楽しい。
良い感じに貼り付ければOK。春っぽくて、これまた楽しい。
ついでに、模型用の花もあったのでそれも貼っておく。
粘着シートの上にくっついてる花をむしって、同じく接着剤を塗った上に乗せるだけ。
土だけのベースに漂う「迷い込んだら死ぬ荒野」っぽさが、草や花を乗せることで一気に「公園」になる。
ここなら、たぶんうっかり足を踏み入れても死なない。
草と花のある安心感、すごいな。
これまた楽しくないわけがない、フィギュアの配置。
これまた楽しくないわけがない、フィギュアの配置。
最後に模型用のフィギュアの足の裏あたりに粘着材(乾くとねばねばになる糊。乾燥して固まる接着剤とは違う)を塗って、土や草の上に立てる。
粘着材なら、後から剥がして配置する場所を微調整するのもやりやすい。
これで、キーボード空き地再開発ジオラマの完成である。
俺の土地、良い感じに開発できたよ!
俺の土地、良い感じに開発できたよ!
やってみると、自分で思っていた以上に「あの乾いたプラスチックの空き地が、いま緑の大地に」という感動がある。
ライター大山さんが観察しているマンションポエムって、もしかしたらこういう土地開発の感動に身を任せて歌い上げちゃったものなのかもしれない。気持ち、分かるぞ。