雪乃「比企谷くんを救うことになった。」 after
- 2016年02月19日 23:10
- SS、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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このssは↑の番外編になります
物語はゆきのんとガハマさんがヒッキーに嘘告白してから再び顔を合わせるまでの空白の1ヶ月を描いた話です
<三浦優美子の場合>
葉山「なぁ…二人とも…」
大和「悪いけど…」
大岡「もうお前とは付き合いたくないんだ。」
隼人は大岡と大和の二人に声をかけているがまったく相手にされていない。
2-Fのクラスは昨日から一気に様変わりしている。
その原因はこのクラスの人気者のグループが解散したからだ。
そう、あーしの居たグループは先日解散してしまった。
葉山「あ、優美子!ちょうど良かった。
キミからもみんなに言ってくれないか。またみんなで仲良くやろうって!」
三浦「はぁ…隼人。あーし言ったよね。もうグループはおしまいだって。」
葉山「だからってこのままの状態でいいわけないだろ!
俺とキミはグループの中心だった。俺たちが声をかければまたみんな元に戻れるはずだ!」
三浦「悪いけどあーしはもうどうでもいいから。
それと言っておくけど、隼人はこんなことよりもっとやるべきことがあるんじゃないの?」
あーしの言葉に隼人は首を傾げた。
嘘…まさかわからないってことはないよね?
まあどうでもいいし。
あーしはそんな隼人を無視してさっさと教室を出ていった。
それからある場所へと向かうことに…
三浦「うぅ…緊張する…」
三浦「けど…ビビってられないよね…」
今、あーしは生徒会室の前に立っている。
これからこの部屋にいるヒキオこと比企谷八幡へ謝罪するためだ。
何でヒキオに謝罪するのかだけど…
修学旅行の時、あーしのグループで戸部が海老名に告白するという事件が起きた。
でも海老名に告白を受ける気なんてまったくなかった。
そこで諸々の事情を知ったヒキオは、
あの二人が傷つかないようにと嘘告白をしてその場を収めたそうだ。
正直、酷い話だと自分でも思う。
しかも同じくこの事情をグループのリーダー格の隼人も知っていたからさらにタチが悪い。
そんな理由で先日あーしらのグループは解散してしまい、
あーしはグループの最後のけじめとしてヒキオに謝罪にやってきたわけだけど…
三浦「ダメだ…決心がつかない…」
三浦「結衣があんなことしなきゃもっと気楽に入れたのに…」
まだ扉を開けることに躊躇していた。
実は昨日からある噂が校内に広まっている。
その噂の内容は…
『奉仕部の雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣がヒキタニに嘘告白して自殺未遂に追いやった!』
そんなとんでもない噂だった。
何でそんなことになったのか詳しくは知らない。
でも恐らく修学旅行の一件が絡んでいることはあーしでも想像できた。
だからこそ気が思いやられるわけで…
めぐり「あれ?うちに何か用?」
三浦「あん?誰…?」
めぐり「あ…知らないかな?私は城廻めぐり。元生徒会長だよ。」
あーしに声を掛けてきたのはなんと3年生の城廻めぐり先輩だった。
やばっ!先輩にタメ口きいちゃったよ…!?
あーしは慌てて城廻先輩に謝った。
でも待った…?元…生徒会長…?
元ってどういうこと…?
めぐり「あ、まだ知らないんだ?
私は昨日で生徒会長を比企谷くんに譲って引退したんだよ。」
三浦「え…?ヒキオって生徒会長なんですか!?」
めぐり「本当なら1年生の一色いろはちゃんがなる予定だったんだけど、
本人が嫌がってその代わりで比企谷くんが生徒会長をやることになったんだよ。」
驚いた。
まさかヒキオが生徒会長になっていたなんて…
あーしはてっきり、
生徒会の雑用でも頼まれたからヒキオが生徒会室に出入りしてるのかと思っていたけど…
めぐり「でもひとつだけ問題があってね…」
三浦「問題って…?」
めぐり「実は比企谷くん以外の役員が決まらなかったの。」
三浦「それって大問題だし!でもどうしてそんなことに…あっ!?」
そこであーしは言葉を止めた。
その理由はすぐにわかった。ヒキオのこれまでの悪評が原因だからだ。
そしてその悪評とは何か?
間違いなくあーしらのグループがヒキオに難題を押し付けた件だ。
つまり今度の生徒会に人が集まらないのはヒキオだけが原因じゃない。
あーしらにもあるわけだ。
めぐり「でもこうして来てくれて助かったよ!
三浦さんも今度の生徒会に入ってくれるから来てくれたんでしょ~?」
三浦「え~と…そのあーしは…」
めぐり「とにかく入って!話はそれからだよ~!」
こうしてあーしは城廻先輩によって半ば無理やり生徒会室に入らされた。
その部屋であーしを待っていたのは…
八幡「お前は…三浦…?」
三浦「あ…どうも…」
そこには勿論あーしが謝らなきゃいけないヒキオがいた。
でも意外にもそこにはヒキオ以外にもう一人いたわけで…
それがなんと…!
少女A「三浦さんでしたね。この前は失礼しました。」
三浦「へぇ、アンタもいたんだ…」
めぐり「みんな顔見知りなのかな。
紹介するね。会長の比企谷くんにそれと今日から入ってくれた新しい副会長さんだよ!」
ヒキオの隣にいたのは結衣でも雪ノ下さんでもない。
先日、あーしらのグループを解散させる原因を作った女だ。(名前は知らない…)
そういえばヒキオのことを随分庇っていたけど、
まさかヒキオと一緒に生徒会に入ったなんて…この子ヒキオのことが好きなわけ…?
三浦「アンタが生徒会に入ったのはヒキオがいるからなんだね。」
少女A「はい。お恥ずかしい話ですけど無理やり押しかけてみたものなので…」
八幡「理由はどうあれ助かっているぞ。
このまま俺以外のヤツが決まらなけりゃ、
俺は今度こそ学校から追い出されることになっていたかもしれんからな。」
めぐり「うんうん!何はともあれ役員が入ってくれてよかったよ!」
城廻先輩が頷きながら二人のことを微笑ましく見ていた。
けど正直この光景はあーしとしては思うところがある。
何故ならあーしの友達である結衣はヒキオに片思いしている。
そのヒキオが他の女とイチャイチャしているのは結衣の親友として複雑な心境だ。
少女A「それで三浦さんは何の用事があって生徒会室へ来たの?」
八幡「そうだな。こんな場所にお前みたいなギャルが何の用があるんだよ。」
めぐり「きっと新役員に立候補しに来たんだよ!
今なら30人の推薦人さえ用意してくれればすぐに生徒会役員になれちゃうよ~!」
30人の推薦人集めたらすぐ役員になれるって…つまり不信任投票ってこと…?
うちの学校の生徒会選挙ってそんな適当でいいわけ…!?
まあ生徒会の心配なんてこの際どうでもいいし…
つーかあーしったらヒキオに謝るタイミングを完全に逃している。
それに城廻先輩はあーしが生徒会役員に立候補してくれると勘違いしているし…
実はちがいますなんて言ったら傷つくだろうなぁ…
そんなことを思っていたら部屋の扉が開いた。
誰かがこの部屋へ入ってきたようだ。
海老名「あの…ヒキタニ…いえ…比企谷くんいますか…?」
三浦「海老名…!どうしてここに…!?」
海老名「あ、優美子も来ていたんだ。それはたぶん優美子と同じ理由かな…」
めぐり「オォッ!立候補者がもう一人来てくれたよ!」
なんと生徒会室を訪れたのは海老名だった。
また新しい立候補者が来たと勘違いしている城廻先輩はちょっとうるさいし…!
そんな海老名と一緒にもう一人この部屋に入ってきたのがいた。
戸部「ヒキタニ…いや…比企谷くん…チッス…」
八幡「お前…もしかして…戸部か…?」
少女A「あの…その頭は…どうしたんですか…?」
三浦「あの茶髪のロン毛が…」
「 「 「丸坊主になってる――――ッ!?」 」 」
城廻先輩以外のこの場にいる全員が驚いた。
あのチャラ男だった戸部が坊主にするなんて…
アンタ…それはもしかして…?
戸部「へへっ…サッパリしたっしょ?坊主系も案外イケるみたいな?」
海老名「驚いた?
さっきここへ来る前に戸部っちったらけじめだって言って自分で髪を刈っちゃってね。」
三浦「けじめ…やっぱそういうことなんだね。」
八幡「おい、戸部が坊主になったりお前ら三人が押し寄せたりでわけがわからんぞ。」
めぐり「そうだね。みんな生徒会に入りに来たわけじゃないの?」
やばっ!あーしらだけで話を進めて肝心のヒキオが蚊帳の外だった。
それじゃあ一応揃ったことだし改めて言わなきゃダメだよね。
戸部に至っては頭を坊主にしてまで覚悟を決めたんだから。
それならあーしだっていつまでもウジウジしているわけにはいかないし…!
「 「 「 比企谷くん!ごめんなさい! 」 」 」
八幡「いきなり謝ってどうしたんだよ…?ていうか何でみんな俺に謝るわけ?」
戸部「あれ…?も