穂乃果「これがラブライブの選択だよ」
*プロローグ
*ことりのお部屋
海未「シュタインズ・ゲート……。なんと素晴らしいお話なのでしょう……」
穂乃果「……面白かったけど、穂乃果はとりあえず眠いよぅ」
ことり「夏休みだけど、全話連続マラソンはちょっと辛かったね……」
海未「そうです! 電話レンジ(仮)を作りましょう!」
穂乃果「……海未ちゃんさぁ。今シュタゲを最終回まで見たのに、その発想はないんじゃないかな?」
ことり「あはは……。実は電話レンジ(仮)はもう作ってあるんだ」←連続マラソンの首謀者
海未「流石はことりです! 早速実験をしましょう!」
穂乃果「……何にも起きないと思うけどね」
ことり「うん! もう準備はできているよ♪」ジャーン
穂乃果(部屋の隅に意味ありげに布がかかっているなぁとは思っていたけど、まさかの電話レンジだよ!?)
海未「ことり完璧です! さて、どんなメールを送りましょうか……」
穂乃果「え? 本気でやるの?」
ことり「実はことり一人で実験するのが怖かったから、シュタインズ・ゲートを皆で観たんだぁ」
穂乃果(あれ? 私だけがおかしいパターンなの? 過去改変駄目絶対だよね?)
穂乃果「海未ちゃんは何で過去を変えたいと思うのさ?」
海未「……私には姉が一人居るはずでした」
穂乃果(あれ? 思ったよりもシリアスっぽい? と言うかお姉さん居たっけ?)
海未「穂乃果も初耳だと思います。……つまりは私たちが産まれる前の話です」
穂乃果「……そっか」
穂乃果(こんな機会でもなければ、海未ちゃんはずっと黙っていたんだと思う)
ことり「……ことりは、ただの好奇心だったとは言い辛い雰囲気だよ……」ボソリ
穂乃果(ことりちゃん……。もっとしっかりしようよ?)
海未「では実験を開始します!」
ことり「電話レンジ(仮)準備オッケーです♪」
穂乃果「展開が早いよ!? 気持ちの切り替えも一瞬だよ!?」
海未「エルプサイ、コングルゥ!」ポチッ
穂乃果「え……?」グニャー
*0.3215478
*第1章『模倣品のシュタインズゲート』
穂乃果「はっ!?」
海未「あ、穂乃果が目を覚ましましたね」
穂乃果(あれ……?)
海未「それにしてもシュタインズ・ゲート……。なんと素晴らしいお話なのでしょう……。徹夜をした甲斐がありました」
ことり「そう言ってもらえると嬉しいな♪ でも、夏休みだけど、流石に全話連続マラソンはちょっと辛かったね……」
海未「そうで──」
穂乃果「待った! 海未ちゃん!」
海未「穂乃果、いきなり大声を出してどうしたのですか?」
穂乃果「もしかして……電話レンジ(仮)を作ろうって言おうとした?」
海未「流石、穂乃果! 私の思考を読むとは!」
穂乃果「それで、ことりちゃんがすでに電話レンジ(仮)を作っていたりして」
ことり「えぇ!? どうして分かったの?」
穂乃果「ついでに海未ちゃんが過去改変したい理由がお姉さんを救いたいから?」
海未「いえ。一番くじのA賞が欲しかったからです」
穂乃果「どうでも良い理由に改編されちゃっているよ!?」
コンコン
ことり「はーい、どうぞ」
希「こんにちは。ことりちゃん、穂乃果ちゃん」
穂乃果「あれ? 希ちゃんが来たよ?」
穂乃果(これってもしかして過去が変わっている!? 来る予定なかったよね?)
希「海未。ことりちゃんに借りた漫画ってこれで良かったん?」ゴルゴ13
海未「はい、それです。すみません、希ねぇ」
穂乃果「希ねぇ!?」
希「おっ! 穂乃果ちゃん、遂にウチの妹になってくれるん?」
穂乃果「の、希ちゃんは東條希ちゃん、だよね……?」
海未「おや? 穂乃果は父方の苗字を知っていたのですか?」
穂乃果「待って! ちょっと整理させて!」
海未「はぁ」
穂乃果(シュタゲ見て、電話レンジ使って、希ねぇ……)
ことり「穂乃果ちゃん、もしかしてリーディングシュタイナー?」
穂乃果「それだぁ!」
海未「ふむ。つまり穂乃果は別の世界線から来た存在だと?」
穂乃果「うん。どういうわけか分からないけど、と言うか、電話レンジ成功しているんだけど! 私は、希ちゃんが東條希ちゃんの世界から来たらしいの……」
希「事実は小説よりも奇なり、やね」
ことり「でも、過去を変えても他人がお姉さんに変わるのかな?」
穂乃果「そこがおかしいんだよね。でも、海未ちゃんと希ちゃんに血縁関係があるって聞いたことはないしなぁ」
海未「希ねぇが他人ですか……。とても信じられません」
穂乃果「私は逆の気持ちだよ。あ、とりあえず、穂乃果が別の世界線から来たことは信じてもらっていると思っても良いの?」
海未「シュタゲを観た後ですので信じます。……希ねぇの件は気にかかりますが」
ことり「ことりはそもそも電話レンジ(仮)が成功して欲しかったから、信じるよ!」
希「穂乃果ちゃんのことはいつでもオールオッケーやで!」
穂乃果「希ちゃんはそれで良いんだ……。とりあえず、元の世界の海未ちゃんはどんなメールを送ったんだろう?」
海未「穂乃果は文面を見ていないのですか? ちなみに、私にメールは届いていませんよ」
穂乃果「海未ちゃんが勝手に始めちゃったんだよ! 誰に送ったのかも謎だよ!」
希「海未は困ったさんやね」
海未「別の自分とは言え、面目ないです」
穂乃果「やっぱり海未ちゃんと希ちゃんが姉妹だって言うのが、凄い違和感だね……」
海未「私としては自然なのですが」
希「ウチも」
ことり「あ、そうだ。海未ちゃんたちのお母さんかお父さんに、変なメールを昔送られていないか聞いてみたらどうかな?」
穂乃果「それが現実的なところだよね」
海未「母は家に居るはずですので、早速聞いてみましょう」プルルル
海未「あ、母ですか? 希ねぇが産まれる前に変なメールを受け取っていませんでしたか?」
穂乃果「え? 海未ちゃん、お母さんのこと母って呼んでいるの!?」
希「おや? 穂乃果ちゃんの居たところでは違う呼び方なん?」
穂乃果「確かお母さまって呼んでいたよ?」
希「家柄的にはありそうな呼び方やね」
ことり「海未ちゃんらしい感じかも」
海未「ええ、分かりました。……母には覚えがないとのことです」ピッ
希「となるとお父さんやね」
海未「ふむ、父ですか。いや、ないですね」
希「……せやね」
穂乃果「え? なんで?」
海未「父は重度の機械音痴なのです」
希「らくらくフォンすら使えんもんね」
穂乃果「そんなに重症なんだ……」
ことり「それじゃあ、メールは無理かな?」
海未「十中八九無理でしょう」
穂乃果「そうなると、他には誰が居るのかな?」
希「海未が知っているアドレスで、ウチが産まれる前の知り合い、ねぇ……」
海未「あ! ことりのお母さま、理事長が居ました!」
穂乃果「え? なんでことりちゃんのお母さんのアドレス知ってるの?」
海未「メル友です」
ことり「娘に衝撃の事実!?」
希「たまに二人でショッピングしとるよね?」
穂乃果「なんでそんなに仲良いのさ!?」
海未「とりあえず、電話をしてみましょう。あ、こと母ですか?」プルルル
穂乃果「と言うか、この家に居るよ! なんで電話するの!?」
バタン
理事長「こと母です」
ことり「あ、お母さんだ」
海未「さっきぶりです。希ねぇが産まれる前に変なメールが届きませんでしたか?」
理事長「そうねぇ……。言われてみれば、海未っちのお母さんが事故に巻き込まれるから一緒に居て欲しい、という差出人不明のメールがあったような気がするわ」
穂乃果「海未っち!?」
ことり「穂乃果ちゃん、そこじゃないよ。……え、海未っち!?」
海未「ビンゴですね!」
希「相変わらず海未と理事長は仲が良いね」
穂乃果「あ、海未っちは流す方向なんだね」
海未「しかし、そのメールをなかったことにするのですか……」チラッ
希「海未。自分がした後始末はちゃんとせえへんと駄目やで」
穂乃果「え? 希ちゃん、良いの?」
希「うーん、正直良く分からんよ。でも、そのメールがなかったとしても、ウチは海未の先輩になるだけやん? それも面白そうやね」
ことり「流石希ちゃん、だね」
穂乃果(本当に良いのかな? と言うか今気付いたけど、なんで希ちゃん園田家なのに関西弁なんだろう?)
海未「ではメールを送ります!」
希「ウチはそれを見ています!」
ことり「電話レンジ(仮)準備オッケーだよ!」
穂乃果「だから! 行動が早過ぎるの!」グニャー
*0.70897275
穂乃果「はっ!?」
にこ「海未ちゃん。自分が行ったことの後始末は自分でやるのよ?」
海未「はい、ニコ姉さん」
穂乃果「ニコ姉さん!?」
海未「どうしました、穂乃果? また違う世界線から来ましたか?」
穂乃果「それだよ!」
ことり「え? 電話レンジ(仮)は使っちゃ駄目なの?」
穂乃果「駄目! とりあえず説明するね──」
海未「ふむ。ニコ姉さんが居ない世界は想像できませんね」
にこ「ニコも海未ちゃんが妹でない世界なんて信じられないわ!」
穂乃果「と言うか、なんで希ちゃんからニコちゃんに変わっているの!?」
にこ「え? 希が海未ちゃんの姉? ふん! ギタギタにしてやるわ!」
海未「ニコ姉さん」キュン
穂乃果「あれ? ニコちゃんもしかして姉バカになってる?」
にこ「失礼な穂乃果ねぇ。海未ちゃんより可愛いものなんてないわよ!」
海未「ニコ姉さん!」キュン
穂乃果「姉バカだよ!?」
ことり「本当はお姉さんが居ないのに、希ちゃんがお姉さんになって、今度はニコちゃんがお姉さんかぁ……」
穂乃果「穂乃果も正直イミワカンナイです」
にこ「その前にあんたって希と仲良かったっけ?」
穂乃果「同じμ'sの仲間だよ!?」
海未「穂乃果、ミューズとはなんですか? 石鹸ですか?」
穂乃果「……え?」
ことり「家のハンドソープもミューズだよ♪」
穂乃果「ちょっと待って! μ'sだよ!? スクールアイドルだよ!?」
にこ「スクールアイドル? なにそれ?」
穂乃果「ニコちゃんがスクールアイドルを知らない!?」サーッ
穂乃果(待って待って!! どうなっているの!? μ'sがない!? スクールアイドルがない