男「デスノートを拾った」 幼「……」
- 2016年02月21日 23:10
- SS、神話・民話・不思議な話
- 7 コメント
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男「ああ」
幼「久しぶりだってのに、何?」
男「まあまあ。幼だったらどうする?」
幼「書いた名前の人が死ぬってあれ?」
男「それ」
幼「……冗談でしょ?」
男「まあとりあえず幼だったらどうする?」
幼「そうね……」
幼「たぶん一度も使わないままだと思う」
男「幼らしいな」
幼「そうかな?」
男「うん」
幼「……それで男だったらどんな風に使うの?」
男「僕だったらまあ一つかな」
幼「いや、どんな風に使うのって」
男「気が向いたら教えるよ」
幼「ずるいー」
男「体の調子はどう?」
幼「ばっちしだけど」
男「良かった。それで明日だけど、ショッピング行かない?」
幼「いいよ」
幼「何かすごく注目されてたね」
男「まあ、ティーン向けのファッションショップだったからね」
幼「やっぱり男と一緒にいるのが珍しかったのかな」
男「……そうじゃない?」
幼「まあいいや、そこのカフェで休憩しよ」
男「いいよ」
幼「疲れたー」
男「ぐたーってしてるね」
幼「昨日出歩いたからだー」
男「じゃあ今日は家でのんびりしようか」
幼「たまにはこういう日もいいよね」
幼「ねえ、空ってどうして青いの? 海が反射してるから?」
男「違う、レイリー散乱だ」
幼「……? レイリー散乱って何?」
男「……ごめん、アニメの知識だから分からない」
幼「気になる」
男「今から調べるから」
幼「たまには料理を作ってみた」
男「ごちそうになります」
幼「ほら、男の好きなハンバーグ。あーん」
男「……あーん」
幼「どう、おいしい?」
男「……懐かしいな。おいしいよ」
幼「良かった」
幼「ひとよひとよに?」
男「ひとみごろ」
幼「ひとなみに?」
男「おごれや」
幼「ふじさんろく?」
男「おうむなく」
幼「ふたよしくしく?」
男「……分からない」
幼「よし、勝ち!」
男「いや、勝負だったの?」
幼「たまには一人で過ごす」
幼「男は仕事のようだ」
幼「…………」
幼「…………」
幼「…………」
幼「あー、もう退屈」
幼「早く帰ってこないかなー」
男「ただいまー」
幼「あ、帰ってきた!」
幼「……♪」
男「何か上機嫌だね」
幼「昨日は男とあまり一緒にいれなかったから」
幼「今日は存分に甘えさせてもらうからね」
男「おてやわらかに」
幼「じゃ、ほら、膝かして」
男「はいはい」
幼「……♪」
男「たまには料理を作ってみた」
幼「チャーハンか。男って料理出来たんだー」
男「まあ……そりゃね」
幼「食べていい?」
男「いいよ」
幼「……おいしい!!」
男「良かった」
幼「ちょっと味付け濃いけど」
男「男の料理なんてそんなもんだよ」
男「今日から二泊三日の旅行だ」
幼「温泉かー。楽しみ!!」
男「電車内ではしゃがないの」
幼「えーだって楽しみなんだもん。男は違うの?」
男「……違うと思う?」
幼「思わない」
男「ま、その通りだよ」
幼「そっちの湯加減はどうー?」
男(女湯の方から声がする。恥ずかしい)
幼「ねえ、男ー!」
男「……」
幼「あれ、男聞こえてないのかな。じゃあもっと大きな声で……」
男「ああもう……こっちの湯加減もいいよー!」
幼「あ、聞こえてたんだったら早く返事してよー!」
幼「おみやげは……これ、三十個入りか。ちょうどいいかな」
男「そんなにたくさんかってどうするの? 二人じゃ食べきれないよ」
幼「あ、そっか。じゃあ、こっちで」
男「じゃあ会計して」
幼「……終わったよ」
男「それじゃ帰ろうか」
幼「えーもう帰るのー! あっという間だった」
男「楽しい時間っていうのはあっという間に過ぎるものなの」
幼「また来ようね!」
男「……そうだね」
幼「はぁ……はぁ……」
男(はしゃぎすぎたのか熱が出た幼)
男「大丈夫?」
幼「だい……じょーぶ」
男「タオル変えるからね。ほらゆっくり寝て」
幼「ありがと」
男「…………」
幼「zzz」
幼「ふっかーつ!!」
男「昨日とは打って変わって元気だね」
幼「まあね!」
男「看病したかいがあったよ」
幼「看病……」
男「……ん? どうかしたの、幼?」
幼「男。本当に……ありがとうね」
幼「男だけだよ……こんなに……」
男「どうしたの、また熱がぶりかえした?」
幼「……ひっどーい。私だって普通に礼くらい言えるんだからね!」
幼「ねえ、もしさ。大気中の酸素の割合が40%だったら呼吸って今の二分の一で済むのかな?」
男「いきなりどうしたの?」
幼「いや、ちょっと気になって」
男「……何かで聞いたけど、酸素20%っていうのはそれ以上でも、それ以下でも生命はここまで繁栄しなかったって話のはず」
幼「へえー」
男「いや、自分でした質問にもうちょっと興味を持とうよ……」
幼「今日は男と二人で買い物!」
男「はしゃぐなって」
幼「はい、はーい! 今日のごはんは何にしますか!」
男「そうだな……カレーとかどう?」
幼「カレー作るの!?」
男「まあ頑張ってみるよ」
幼「楽しみ! ……あ、おかし買っても良い?」
男「300円までな」
幼「ケチー」
男「うちにお金の余裕はありません」
幼「まあいいや、選んでくる」
男「行ってらー。……あ、そうだ果物売り場に行かないと」
幼「えー今日もカレー?」
男「昨日はあんなに喜んでたのに……」
幼「そりゃ好きだけど朝昼晩ずっとカレーは……」
男「二日目のカレーおいしいだろ?」
幼「おいしくても、連続は嫌……」
男「……んー、ならカレーうどんにアレンジするか」
幼「それなら大丈夫!」
男「ちょっと待ってて」
幼「分かった!」
幼「やーだー。行かないで!」
男「だから仕方ないだろ。親に呼び出されたんだから。それに日帰りだから、夜には帰ってくるって」
幼「でも……」
男「たまには顔を見せないとな」
幼「…………」
男「……幼も一緒に帰らないか」
男「昔と同じでおまえんち俺の実家の隣だし」
幼「ごめん。……ちょっと無理」
男「……ま、そっか」
男「いい子でお留守番してくれよ」
幼「……分かった」
幼「海だー!!」
男「ご機嫌取りのつもりで連れてきたけど、楽しんでるみたいだな」
幼「ほら、男も泳ごうよ」
男「……そうだな!」
幼「ほら、私を捕まえてみせて!」
男「言ったなあ?」
幼「あ、ちょっと待って、まだスタートって言ってない……!」
男「問答無用!」
幼「きゃっ!」
男「ははっ……どうだ、幼、楽しいか!」
幼「うん、楽しい!」
男「今日は遊園地に来た」
幼「ジェットコースター楽しかった!!」
幼「もう一回乗ろうよ!!」
男「……次で五回目だよ?」
幼「ほら、早く早く!」
男「あんま絶叫系好きじゃないんだけど……」
幼「その後はコーヒーカップにメリーゴーランドに……あ、最後は観覧車に乗るんだからね!」
男「はいはい。幼様の仰せのままに」
幼(今日は夜景の見えるレストランでディナー……)
幼「ね、ねえ、本当にお金大丈夫なの?」
男「心配するなって、この日のためにちゃんと蓄えている」
幼「な、ならいいけど……」
男「落ち着かないか? やっぱりいつも通り家の方が良かったか?」
幼「……ううん。一度はこういう体験してみたかったし」
男「そっか……なら良かった」
幼「ねえ男……私、今幸せだよ」
男「僕も同じだ」
コメント一覧
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- 2016年02月21日 23:26
- 感動ものかよ
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- 2016年02月21日 23:34
- まさかの展開。
俺としては良いけど、これ親が知ったらどう思うのかな?
若いうちに目が覚めて楽しめたと思うのか。それとも殺したと恨むのか。
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- 2016年02月21日 23:43
- 最初と最後だけ読んだ
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- 2016年02月21日 23:43
- 残された遺族や今後のことを考えると
独りよがりの迷惑行為と言えなくもない。
しかもデスノを使った罪人と殺された人の
魂が当然一緒の所に行けるはずもなく…
ハッピーにはなれんとちゃうかな……
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- 2016年02月21日 23:51
- 途中いらない
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- 2016年02月21日 23:57
- もうちょっと、男の葛藤とか書いて欲しかったな。
こういうのって、終末期医療とかでよく扱われるけど、みんなはどう思うんだろうね。
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- 2016年02月21日 23:59
- この男の記述で最も恐ろしい所がここ
『近しい者と幸せな思い出を作って』
彼女本来の意思は反映されないって所だ
「もっと生きたい」や「死にたくない」とか
「目覚めなきゃよかった」などの心中否定思考が
あっても、全て男の都合良い結果に…
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