転載元:男「別れよう」ヤンデレ「……!」
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〜第五部 ストーリーなんて飾りです。
偉い人にはそれが分からんのですよ編〜
男「う……! うぁっ……!」
ヤンデレ「ねぇ……まだ……?」
男「ぐっ……ちょ、ちょっと待て」
ヤンデレ「はぁはぁ」
男「や、やめろ……ヤンデレ、それ以上は……っ!」
ヤンデレ「だめ。やめてあげない」
男「あっ……もうヤバい! だめだって!」
ヤンデレ「ふふ……男、今どんな表情してるの……? 暗くて良く見えない……」
男「ぐっ……! あぁ……来る! もう来るってば!」
ヤンデレ「ペースあげるね」
男「あっ! こら、だっ、だめ! 来ちゃう! 来ちゃうんだって!」
ヤンデレ「はぁ……はぁ……」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン!
男「らめぇええそんなにチャイム鳴らしたらお隣さん来ちゃうのぉおおおお!!!」
〜〜
男「ていっ」
ヤンデレ「あうっ」
男「人がう○こしてる最中に訪ねてきやがって……しかも、なかなか出てこないから浮気と疑ったんだろどうせ」
ヤンデレ「……私よりう○こが大事なの? 私はう○こ以下のクソ女だって言いたいの? 男、ひどい」
男「ちげーよ、っつーかどこのミコノさんだよ」
ヤンデレ「あまたくん!」
男「ねーから。光の翼が足から出てきたりしないから」
ヤンデレ「まぁ冗談はさておき……」
男「近所迷惑っていう部分に関しては冗談になってないんだけどな」
ヤンデレ「ダイジョウブ。お隣さんが『いなければ』文句を言う人はいない……」
男「待て、お前……。201号室と203号室の人……どこにやった?」
ヤンデレ「……君のような勘の良いガキは嫌いだよ」
男「ニーナ、アレキサンダーッ!!!」
ヤンデレ「ジョバンニが一晩で殺ってくれました」
男「『やる』の意味が違うから!」
ヤンデレ「圭一君、お隣さんは『転校』したんだよ……だよ?」
男「サトシにぃにーーー!」
ヤンデレ「こほん。隣が留守であることは調査済み、男が最中であることも調査済み」
男「よかった……ほんとに。さーて、監視カメラどこだー?」
ヤンデレ「あう……」
〜〜
ヤンデレ「キスを……してみませんか、キスをして、いただけますか…違う……キスを……しま、キスをしましょう。阿良々木くん」
男「ガハラさんみたいな言い方してもダメだし、俺は阿良々木くんじゃないし」
ヤンデレ「ちぇ」
男「で、なに」
ヤンデレ「……?」
男「そこで小首を傾げるか。何の用か、ってこと」
ヤンデレ「用なんて……ないよ?」
男「なるほど。人の大便を邪魔する理由にはなってないな、という訳でゴーホーム!」
ヤンデレ「分かった。もっかい帰ってまた来るね?」
男「同じだから! 結果同じだから!」
ヤンデレ「じゃあ男の家に帰るね?」
男「ここだから! 俺の家! やはり結果変わってないから!」
ヤンデレ「じゃあ、男の実家に帰って挨拶してくるね?」
男「ここにいてくださいお願いします!」
ヤンデレ「やだもう男ってば……言われなくてもそのつもりなのに……」
男「……はあ、いい。いいよもう……居とけよ」
ヤンデレ「えっ……『俺の傍にいろよ』だなんて……男、ダイタン……」
男「言ってねえから。それは幻聴だから」
ヤンデレ「照れ屋……」
男「はぁ、とりあえず漫画でも読んどけよ。俺はもっかいトイレにこもらせてもらう」
ヤンデレ「わかった。出そうになったら言ってね?」
男「ああ、わかっ……いや言わねえよ!? さも当然の如く言われたけど、何するつもりなの!?」
ヤンデレ「大丈夫。さすがにそういうディープな趣味はない……けど、男の苦悶に満ちた表情をハァハァ」
男「十分ディープだし、最後ハァハァでいえてないし」
ヤンデレ「眉間にしわを寄せていきむところから出しきったところの解放感に満ち溢れた表情の一部始終を……」
男「いいから! 最後まで言わなくていいから!」
ヤンデレ「そう……じゃあ、漫画でも読むことにする。ちょうど……第五部だから、ジ○ジョ第五部読んでおく」
男「メタな話しちゃらめなのぉおおお!」
ヤンデレ「男はお腹の中のムーディー○ルースをトイレでエ○ロスミスッ! してきていいよ?」
男「いいよ? じゃねえよ! 荒○先生に怒られるぞお前!」
ヤンデレ「戻ってきたらブチャのかっこよさについて語ろう……」
男「くっ……大便とヤンデレの相手、両方やらなくっちゃあならないのが幹部の辛いところだ……ッ!」
〜WC後〜
男「アリーヴェデルチッ!」
ジャゴー(トイレの水を流す音)
男「すっきり!」
ヤンデレ「もう、男ってば……いっぱい溜めてたのね」
男「やめて! 何か違う別のものを溜めてたように聞こえるから!」
ヤンデレ「あ……ごめん、気づかなくて」
カチャカチャ
男「待て」
ヤンデレ「どうして止めるの……?」
男「普通いきなりズボンのベルトをカチャカチャされたら止めるだろう」
ヤンデレ「……。スティッキーフィンガーズッ!」
男「無駄無駄無駄ァッ! 読めていたぞッ!」
ヤンデレ「でも……男のスピ○ット・オブ・ソードもうこんなにダブルオーバーソウルだよ……?」
男「だよ……? じゃねえよ! 武井先生にも怒られるぞお前!」
ヤンデレ「あなたの甲縛式OSになりたい」
男「十分縛られてるんで遠慮します」
ヤンデレ「じゃあ、あなたと憑依合体したい」
男「どっちか死なないと無理!」
ヤンデレ「男が死んだら、持霊にしてあげる……」
男「まん太ぁあああ!」
ヤンデレ「リーパイロンみたいに身体そのままでゾンビ化も捨てがたい……かも」
男「何をする気だ、俺の体を媒介にして」
ヤンデレ「コホン。さて、今日は良いものを持ってきました」
男「うわーヤンデレは相変わらず唐突だなー」
ヤンデレ「良いもの、一体なんでしょう……?」
男「なんだ?」
ヤンデレ「ナウいものです」
男「うん、まずその言い方がナウくねーわ」
ヤンデレ「色のついた丸が描かれています」
男「……国旗?」
ヤンデレ「男面白い」
男「不正解なんだな。そうかそうか。いやー外れちゃったな残念だな。寝るわ」
ヤンデレ「あっ、待って待って……恋人同士で楽しむものです」
男(どうせツイスターゲームとかなんだろうな)
ヤンデレ「当たり」
男「マジだった! ていうか心を読むな!」
ヤンデレ「読唇術を以てすれば容易い……」
男「動いてないから! 唇は一切動いてないから!」
ヤンデレ「……?」
男「小首をかしげられても!」
〜〜
男「じゃあ次、緑な」
ヤンデレ「あっ……」
男「ほらほら次行くぞー、黄色」
ヤンデレ「んっ……だめ……!」
男「まだまだ行くぞー、おっと、ここで青」
ヤンデレ「ん……!」
男「次は……」
ヤンデレ「ちょっとタンマ」
男「どうした」
ヤンデレ「思ってたのと……違う」
男「そうか?」
ヤンデレ「うん……私が思ってたのは、そう、男と私が密着してイチャラブな感じの……」
男「残念だが、俺はここで針を回すことしかできない」
ヤンデレ「え……?」
男「だがヤンデレにはヤンデレにしかできない、ヤンデレにならできることがあるはずだ」
ヤンデレ「加持さん……?」
男「誰も強要はしない。自分で考え、自分で決めろ」
ヤンデレ「じゃあ男と一緒にツイス」
男「誰も強要はしない。自分で考え、自分で決めろ」
ヤンデレ「昔見たMADを思い出す言い回し……」
男「分かってくれればいいんだ」
ヤンデレ「あぅ……」
〜〜
ヤンデレ「あ、昔のアルバムがある」
男「目ざとい奴だな」
ヤンデレ「これ、男が高校入学のときのやつ……」
男「うむ。いかにも」
ヤンデレ「ふふ。このとき、緊張しすぎて入学式初日から遅れちゃったんだよね……」
男「うむ! いかにも!」
ヤンデレ「こっちは文化祭……女装メイドの男可愛いかったなぁ」
男「黒歴史だからやめて……」
ヤンデレ「すね毛剃ったら女の子の足だよね……うふふ……」
男「やめてー! 見ないで―!」
ヤンデレ「こうしてると私たちが出会ったときのことを思い出すね……」
男「……」
ヤンデレ「……思い出すね?」
男「……その件なんだが」
ヤンデレ「なにかな? ……かな?」
男「俺、お前と出会った『記憶』が一切ないんだが」
ヤンデレ「それぐらい自然に男と仲良くなれたってこと……? 嬉しい……」
男「ははは……いや、そうじゃねーよ……」
男(……いや、ちょ、改めて考えると怖いなこれ……)
男(俺は『出会った覚えのない女』と付き合ってるということになるのか)
ヤンデレ「どうしたのかな? なんだか震えてるみたいだよ? ……だよ?」
男「いやぁ……ははは、ちょっと待って」
ヤンデレ「なんで後ずさるの? 逃げられたら追いかけたくなっちゃう……」
男「うん、よくよく考えたらおかしな話なんだよな……」
ヤンデレ「何もおかしいことなんてないよ……?」
男「いや……、おかしいんだよ。お前は……だって、『女子高』出身だろ? なんで他校の、共学の俺の様子を、自分の目で見たかのように事細かに知っているんだ? お前は何なんだ……?」
ヤンデレ「ふふ……おかしな男、私は私……だよ? 男のことが大好きな、私。男のことならなんでも知ってる、私」
男「……そうか」
ヤンデレ「……そうだよ? だよ?」
男「……」
ヤンデレ「……」
男(三十六計逃げるにしかず、と俺の中のヒューズ(故)が申している!)
男「……俺、ちょっとコンビニいっ」
ヤンデレ「だめ」ガシッ
男「なっ……!」
ヤンデレ「ちょっと痛いけど……我慢して、ね?」
ブスッ
男「な……それ……注射、器……?」
ヤンデレ「大丈夫。ちょっと眠るだけ」
ヤンデレ「起きたら全て終わってる。そう……ひぐらし的なものが泣く頃に」
男「ていうか、それ……ひぐらしだよね……!?」バタッ
ヤンデレ「……」
〜〜
男「はっ」
ヤンデレ「あ、男……気が付いた?」
男「う……、なんだかひどく嫌な夢を見ていた気がする」
ヤンデレ「うん。なんだか、うなされてたもん」
ヤンデレ「遊びに来たら、一人で床に寝てるんだからびっくりしちゃった……びつくり」
男「わざわざ小さい『っ』を『つ』に直す意味は分からんが、一人で……?」
ヤンデレ「そうだよ……? 一人で。」
男「うん……? おっかしいな……」
ヤンデレ「そんなことより、ご飯のこと考えよ? 夕飯、何がいい? 私好きなもの作ってあげる」
男「……」
ヤンデレ「男、どうせロクなもの食べてないでしょ……」
男「いや、おかしい」
ヤンデレ「……なにが?」
男「何か隠していることはないか?」
ヤンデレ「なんのことかな……ひょっとして男、まだ寝ぼけてる?」
男「そう、それだ」
ヤンデレ「えっ」
男「普通さ、寝てた人が起きたら『気が付いた?』って声をかけるかな……? と思って」
ヤンデレ「……」
男「いや、不思議ではないよ。でも、明らかに寝てるんなら、『あ、起きた?』とかいう反応になるんじゃないかな……と」
ヤンデレ「……ふふ、そんなの、どっちでもいいじゃない」
男「そうだな。どっちでもいいか、はっはっは」
ヤンデレ「そうだよ……。男、心配性」
男「そうだな。悪い悪い。ところでヤンデレ」
ヤンデレ「なに……?」
男「お前、いつから料理できるようになったんだ?」
〜なんだかよくわからないがちょっぴりホラーEND〜
ハッハッハ!どこへ行こうというのかね!
>>1!
盛り上がってまいりました
第6部〜ツンデレ現るの巻〜
ヤンデレ「男。鬼ごっこをしよう」
男「え……なんでそんな幼稚な遊び……?」
ヤンデレ「私が鬼。男が佐藤さん」
男「それ違う鬼ごっこだよね!?」
ヤンデレ「捕まったら……、うん」
男「うん!? 濁すなよ、怖いだろ!」
ヤンデレ「捕まったら手錠で両手両足を拘束して24時間私の監視下におく……二度と外出はできないし、男の口に入るものは全て私が作る」
男「待て。具体性を帯びてより怖くなったので先ほどの発言は撤回する」
ヤンデレ「もう……男ってば、かわずなんだから」
男「……ひょっとして『いけず』と言いたかったんだろうか」
ヤンデレ「蛙であってる……。私という井戸から逃れられない蛙さん……ふふふ」
男「こえぇ!」
ヤンデレ「鬼ごっこ。やりますか? やりませんか? 今なら可愛い妹もついてくるですよ?」
男「電話越しでマスター探す翠ちゃんみたいな言い方してもやりません。それに妹なら義理の妹がいるので間に合っています」
ヤンデレ「やるのかい? やらないのかい? どっちなんだい?」
男「な○やまきんにくんみたいな言い方してもやりません!」
ヤンデレ「ちぇ。じゃあ『はないちもんめ』」
男「おいおい。また懐かしい遊びを。っていうか、どう考えても2人でできるもんじゃないだろ。ははは」
ヤンデレ「男を一匁で私が買うゲーム」
男「あれ、俺が安値で買われて終わりじゃね!?」
ヤンデレ「シンプルイズベスト」
男「シンプルすぎるわ。まって、他の遊びをしよう」
ヤンデレ「じゃあ、どろけい」
男「なつっ! それ地域によって『けいどろ』とか言うアレだよね!? これもまた深刻な人数不足なんですけど」
ヤンデレ「大丈夫。警察に追われる泥棒が捕まって国家権力の犬に良いように凌辱されるゲームだから」
男「あー、遊びってそういう意味か。プレイ的な? で、何が大丈夫なんだ? ん?」
ヤンデレ「大丈夫。警察役は任せて……ハァハァ」
男「いやー!!! しかも俺が凌辱される側かよー!!!」
〜学校〜
???「ちょっと、そこのアンタ!」
男「んあ? 特にインタールードに意味はないけど……」
???「何、意味不明な寝言言ってんのよ。ほら、プリント落ちてたわよ。名前、これアンタのでしょ」
男「ああ、サンキュ……ええと、確か君は……」
ツンデレ「べっ、べつにアンタのためにやってあげた訳じゃないんだからね!」
男(うわぁ、ツンデレだ。金髪ツインテールとか。絵に描いたようだ……)
ツンデレ「な、なによ。アタシの顔になんかついてる?」
男「すごく……ベタベタだ」
ツンデレ「べっ、ベタベタ!? なにがついてるの!? 油汚れ的なナニカ!?」
男(すごくベタなツンデレだ)
ツンデレ「もういい! 鏡見てくる! あ……。アンタ、もうプリント落とすんじゃないわよ?」
男「わかった。以後気を付ける……ありがとな」
ツンデレ「なっ……! べっ、べべべ別にアンタのたたたたた」
男「わかった! わかったから! お礼が言いたかっただけだから!」
〜図書室〜
男(読みたい本が……結構高くにあるな)
男「よっ……と」
ツンデレ「よいしょっ……と」
男「ん?」
ピトッ
ツンデレ「ふえっ?」
男「ああ、悪い悪い。手が触れてしまった……って、なんだ君か……さっきはプリントありが」
ツンデレ「ぎにゃー!!!」
ドガッ!
男「とうっ!!!」
ツンデレ「あ、アアアンタ……この、この……うぅ……痴漢!」
男「ぐふ……っ、なお、加害者は殴るけるの暴行を加えた上に『置換』などという意味不明の言葉を発しており……」
ツンデレ「痴漢よ、痴漢! 別の言葉に置き換えてんじゃないわよ、『置換』だけに!」
男「おおっ、ツンデレは馬鹿と相場が決まっているがお前中々ウィットに富んだ返しをするじゃあないか!」
ツンデレ「な、なにがよ! なんでちょっと嬉しそうなのよ! そんなに湿った言い方したアタシ!?」
男(それはウェットだ……やはり馬鹿だ。よかった安心……)
男「……嬢ちゃん、良い後ろ回し蹴りだったぜ……がく」
ツンデレ「だ、誰が嬢ちゃんよ! って、え? だ、大丈夫!? ちょ、誰か消防車―!!!」
男(それは大げさだと思うが、せめて救急車を呼んでくれ……)
〜保健室〜
男「ん……」
ツンデレ「だ、大丈夫?」
男「俺は目を覚ました。すると目の前には金髪ツインテールのツンデレがいて、何やら意味不明の言葉を発していた」
ツンデレ「ア、アタシだって人の心配ぐらいするわよ! ていうかラノベ風に解説しないでよねっ!」
男「悪い悪い。強い衝撃を受けたおかげで持病の『自分がライトノベルの主人公だと信じて疑わない病』が再発してしまった」
ツンデレ「ず、随分器用な病気ね……ていうか、それ残念だけど中二病って言うのよ? 知ってた?」
男「驚愕の真実が俺に告げられた。俺は驚いてびっくりした」
ツンデレ「某作家みたいな言い回しはやめなさい。ダブってるからそれ」
男「中二病――ふ、断じて中二病などありえない」
ツンデレ「う、ううん……某菌糸類? 論者成分も入っている気が」
男「我は決して中二病などではありませんぞwww」
ツンデレ「いや、これ完全に論者だ!」
男「我の必然力によって今回も助かりましたなwwwメタな話をすると最近よく倒れている気がしますぞwww作者の展開力不足ですなwww」
ツンデレ「ああっ、それ以上言うと痛いことになるからやめたげて!」
男「とまあ、冗談はこのくらいにして……」
ツンデレ「はあ……まったく」
男「ツンデレ、今は西暦何年だ?」
ツンデレ「冗談よね!? それ冗談なのよね!? 何らかの使命を帯びてタイムリープしてきた未来人もしくは過去人みたいな言い回しやめて!?」
男「はっはっは、冗談だよ。ところで、さっきから抱えているその本は……」
ツンデレ「こ、これはその……アンタに貸そうと思って……」
男「ん? 何モジモジしてるんだ気持ち悪い。これはさっき俺が手に取ろうとして回し蹴りされた『今すぐ使える雑学大全集、特選256連発!』じゃないか!」
ツンデレ「ええ、工学系の学生が喜んで『キリがいい!』とか言い出しそうな微妙な数の雑学を収めた例の本よ。ところでアンタ今さりげなく『気持ち悪い』っつった?」
男「そんな訳ないだろう。……貸してくれるのか?」
ツンデレ「か、勘違いしないでよねっ! これは、その……と、とにかくこれで貸し借りなしなんだからねっ!」
男「ありがとう」
ツンデレ「なっ、なななな! アンタにお礼を言われる筋合いはないんだからねっ!」
男「素直じゃないな……ま、そういうところは可愛……おっと、チャイムだ」
ツンデレ「かっ……かわ、かわわわ! な、何言ってるのよアンタ馬鹿じゃないの!? ば、ばーか、ばーか! わ、私は授業あるから行くけど、アンタはもうちょっと休養していなさいよね! 後でまた様子見に来てあげないこともないんだからねっ!」
男「お前案外良い奴だな……」
ツンデレ「なっ……! か、かかか勘違いしないでよねー!」
バタバタ
男「行ったか……」
男(今度から関わるのが面倒なときは褒めちぎることにしよう……と固く心に誓った俺なのであった)
〜第6部:完?〜
乙!
これは危ない橋を渡りそうだな
〜翌日〜 通学路
ツンデレ「ちょっとアンタ!」
男「ん? ああ、ツンデレじゃないか。おはよう」
ツンデレ「お、おは、おはよう……。って、そうじゃなくて、その、昨日は」
男「なんだ?」
ツンデレ「昨日はその……、うぅ……ごめんなさい」
男「これはご丁寧に」
ツンデレ「な、なによっ! そりゃ謝るわよ! 謝らない方が不思議でしょ! ニヤニヤすんなっ! 笑うな!」
男「えっ、俺今ニヤニヤしてた? いやー、ごめん無意識だったわ―。完全に無意識だったわー」
ツンデレ「なんでちょっとミサワ風に言うのよ! と、とりあえず……ちゃんと謝ったんだからね!」
男「ち、ちゃんと謝られたんだからね!」
ツンデレ「ちょっ! 真似しないでよね!」
男「だ、誰がアンタの真似なんかするもんですか! 頼まれたってしないんだからねっ!」
ツンデレ「う、うわぁ……なんだか普段の自分を垣間見ているようで恥ずかしい気持ちになってきた」
男(面白い)
男(というか、昨日で一件落着して、お互い遺恨はないはずだが)
男「ま、このくらいにして……、用件はそれだけか?」
ツンデレ「そうよっ! 悪い!?」
男(なぜケンカ腰なんだ……ツンデレに理由を求めるほうが無粋というものか)
男「じゃ、用が済んだところで学校へ行くか」
ツンデレ「ふ、ふんっ。アンタがどうしてもって言うなら、その、一緒に登校してあげないこともないんだからねっ!」
男(……。なるほど、ツンデレは俺と一緒に学校へ行きたいからわざわざ通学路で待ち伏せして昨日のことを蒸し返してきたわけか。)
男(でも……これ言ったらまたシャイニングウィザード的なものが俺にヒットすること間違いなしだから言わないでおくか)
男「なるほど、ツンデレは俺と一緒に学校へ行きたいのか」
男(あれ、俺自殺願望でもあるのか!?)
ツンデレ「なっ!?」
ツンデレ「なっ、ななな……そ、そんな訳なくなくないんだからねー!!!」
男「あべしっ!」
〜保健室〜
男「知らない天井だ……」
ツンデレ「……あんた馬鹿?」
男「ツンデレよ、さすがだ。ツンデレという言葉に市民権を与えた立役者の一人、某セカンドチルドレンの台詞を即座に反してくれるとは」
ツンデレ「いや、意味が分からないんですけど」
男「ちくしょう! 素かよ!」
ツンデレ「な、なによ! 私が何したっていうのよ!」
男「そうだな、俺が再びここへ運ばれたのは何故だ?」
ツンデレ「あ、アタシは悪くないもん! アンタが変なこと言うからでしょっ! 自業自得よ!」
男「なるほど。確かにあれは俺もどうかしていた」
ツンデレ「でしょ、ふふん」
男「それにしても……ツンデレと関わると気絶落ちの回数が増えてしょうがないな。マンネリだ。倦怠期だ。俺たち別れよう」
ツンデレ「いや、そもそも付き合ってないから!」
男「ひどいっ! 私のことは遊びだったのね!」
ツンデレ「アタシチャラ男かよ!」
男「所詮体目当てだったのね!」
ツンデレ「いや、違うけど! むしろいらないけど!」
男「どうせ別の女に乗り換えるんでしょう!」
ツンデレ「そ、そんな趣味ないわよ! 確かに後輩の女の子からラブレターもらうことはなくもないけど……ないわよ!」
男「さて、ところで俺は何回ボケたでしょう?」
ツンデレ「なにそのタイ○ショックの『ところで今何問目?』的な質問」
男「ふむ。素晴らしい反応だ。君ならゼロシステムを扱えるかもしれん」
ツンデレ「乗らないから。どこぞの自爆野郎じゃないから、アタシ」
男「或いはお前を見習うべきなのか……」
ツンデレ「ならひとつだけ忠告しておく。死ぬほど痛いぞ……って、だからどこぞのタンクトップ野郎じゃないから!」
男「お前が乗るんだ。シンジ」
ツンデレ「いや、サードチルドレンでもないから!」
男「お前が信じる、お前を信じろ!」
ツンデレ「しないから。天元突破しないから!」
男「今ならクロとシロもおつけしますよ」
ツンデレ「そんな気安くファミリアおまけしてもいいの!? いや、私魔装○神操者でもないから!」
男「じゃあ何に乗りたいんだよ」
ツンデレ「ロ、ロボットの話はもういいのよ! ていうか何気について行けてる自分が怖い!」
男「スパロボやってればそれくらいの知識は身につくさ」
ツンデレ「く……何故それを……っ!?」
男「あれ図星?」
ツンデレ「ちくしょう! 嵌められた!」
男「俺OGだったらエグゼク○バインが好きなんだよね」
ツンデレ「あー、完全に中二病ね」
ツンデレ「あの主人公然とした態度、身なり、ストーリ、そして機体性能。念動力まで……。何度も機体verアップするわBBCは追加されるわ。優遇されすぎなのよ」
男「がーんっ! だが、そこがいいんじゃないか! そういうお前は一体何が好きなんだよ!」
ツンデレ「やっぱりビルト系よね」
男「それこそツ○ンバードストライクするマシンじゃないか」
ツンデレ「いや、でも一番好きなのはシュナーベルかな」
男「渋すぎるっ!!!」
ツンデレ「し、渋くないわよ! あの機動性と眼鏡っ娘の組み合わせ最高でしょ!」
男「いやでも……うぅん……」
ツンデレ「な、なによ! 文句あるの!?」
男「いや、そういう人もいるか……」
本編開始
〜放課後〜
男「まいったな……雨か。傘を忘れてしまった……」
男(さすがに借りパクは気が引けるし、妹を呼ぶにしてもヤンデレを呼ぶにしても、それはそれで面倒だな)
男「晴れないかな……」
ツンデレ「ふん……晴れないわよ。今日は午後から降水確率100%だもの」
男「うおっ、いつから居たんだ!?」
ツンデレ「た、たまたまよ! たまたま! べ、べつにアンタの後をつけてきたわけじゃないんだからね!」
男(つけられてたのか!?)
ツンデレ「アンタ、今日傘持ってないみたいだったから、どうするのかちょっと気になっただけなんだから!」
男「あの……、俺のことよく見てるね……?」
ツンデレ「っ……!? べべべべつにアンタのことなんかくぁwせdrftgyふじこlp」
男「それどうやって発音してんの!?」
ツンデレ「と、とにかくっ! ア、アンタがどうしてもっていうなら私の傘に入れてあげないこともないんだからねっ!」
男「じゃあ遠慮なく」スッ
ツンデレ「は、はぁああー!? ちょ、そこは『いやそれはさすがに……』って遠慮するところでしょう!? 何をさも当然に入ってきてるのよ!? アンタ馬鹿なの!? 死ぬの!?」
男「ちょ、寒い寒い。濡れるって。いや……ツンデレが入れって言ったんじゃないか。」
ツンデレ「言ってないわよ! アンタがどうしても入れてほしいって言うのなら私が百歩譲って……!」
男「どうしても入れてほしいのでお邪魔します」スッ
ツンデレ「でてけー!!!」
ガスッ!
男「理不尽っ!!!」
ツンデレ「なめんな! ツンデレなめんな! ち、ちょっと優しくしたからって調子に乗らないでよねっ!」
男(この女めんどくせぇな)
男「わかった、わかった。じゃあ、駅前まで一緒の傘に入れてくれ、頼む」
ツンデレ「言い方がだめ。もっと取引先に言うみたいに」
男「カズマ!? 一体なぜ……ま、まさかツンデレつながりか!?」
ツンデレ「ほら早くしてよね! アタシだって暇じゃないんだから!」
男「ぐ……すみませんが、傘を忘れてしまったので、一緒の傘に入れていただけないでしょうか」
ツンデレ「い、いいわよ……しょうがないわね!」
男「はー、たかが傘に入れてもらうだけで一苦労だ」
ツンデレ「よし、そんなに濡れて帰りたいのね? ほらほら出て行きなさい」
男「冗談だよハニー、はっはっは」
ヤンデレ「はっはっは」
ツンデレ・男「!?」
ヤンデレ「……ふうん、仲よさそうだね誰その女っていうか私と言うものがありながら他の女と相合傘するなんて男ってばそんなに私に焼きもちを焼かせたいのいいよ焼いてあげる私の中で業火が燃え盛って今にもその女を消し炭にしてしまいそうなぐらいだよで、誰がハニーで誰がダーリンなのかな今すぐ教えてもらえるかなもちろんダーリンは男でハニーは私のことだろうけどえ、まさか別の女に向けて言ったのかなそんなことはないよねだって」
男「いやいやいやいやヤンデレさん! これには深いワケが」
ヤンデレ「ふうん深いワケ、不快な言い訳じゃなくて? そうか男にも言い分はあるもんね私ばっかり喋ってちゃ早とちりしてしまいそうだもんねごめんごめんいいよ、どうぞ好きなだけ弁解のチャンスをあげるよ今この場で仲よさそうに相合傘をして男が他の女と下校しようとしていた事実はなくならないしましてや、まんざらでもなさそうな顔をしていた両名だけれども、それがどうしてもこの雨の中一緒に帰らざるを得なくなった理由聞いてあげるどうぞ?」
ツンデレ「……。ア、アタシはこれで失礼して」スチャッ
ガシッ
ヤンデレ「うふふつーかーまーえーたっ。どこに行くのかなまだ話は終わってないよっていうか始まってすらいないよ当事者がいなくちゃお話にならないじゃない文字通り。ああそうか、初めて話す相手だから緊張してるんだねごめんなさい私の名前はヤンデレそこで小刻みに震えている男君の彼女です以後よろしくねそれで、お前いえ失礼あなたのお名前はなんでしょう? よろしければ聞かせてもらえるかしら冥土の土産に。もちろん、冥土に行くのはあなただけれど。ふふっ」
ツンデレ「いーやー!!!!」
男「久々の真ヤンデレモードか……」ガクガク
ヤンデレ「さぁ……お前の罪を数えろ」
ツンデレ「ウラタ○ス――!?」
ヤンデレ「一つ。私の男に半径1メートル以上近づいた罪。二つ。私の男と仲よさそうにそのペラペラ回る口で楽しそうにおしゃべりしていた罪。三つ。私の男を気安くアンタ呼ばわりした罪あなたがどれだけ親しいか分からないけれどクラスメイトの分際でよくもまぁいけしゃあしゃあと、どうしても用事があるときは『さん』づけでよそよそしく男を呼ぶことを許可しないでもないけれど(まぁ許さないけど)とりあえずそれが三つめ」
ツンデレ(漏れてる!? 心の声漏れてるよヤンデレさんっ!! そして私の罪はあなたが数えるんだね!)
ヤンデレ「四つ。私の男に私を差し置いてあろうことかハニーなどと呼ばれた罪」
ツンデレ(それ完璧にアタシじゃなくてコイツが悪いわよね!? 言ったら多分死ぬから言わないけど!)
ヤンデレ「五つ。私を差し置いて男と一緒の空気を共有した罪。六つ。男と相合傘なんぞにあやかろうとした罪、以上の六つに加えて七つ目の罪は私を怒らせた罪。そう、テメーは俺を怒らせた」
ツンデレ「じょうたろうっ!?」
ヤンデレ「あらあら誰が喋って良いと言ったのかしらお話をしようと言ったのは私だけれども人の話の途中で口をはさむなんて失礼じゃないかしらましてやツッコミができるなんていい度胸だと思うわ。いい度胸だと思います。まだ余裕があるならボケもツッコミもできないようにして差し上げる……これで」スッ
やんでれは まほうのすてっきを とりだした!
ツンデレ「バール!?」
ヤンデレ「これは魔法のステッキです。恋する乙女に無限大×死のパワーを与えたもう神聖にして真正なるレアアイテムです。ふるうのは私。ふるわれるのは貴女。ドゥーユーアンダスタン、ビッチ?」
ツンデレ(恋する乙女は死のパワーなんか使わないと思いますが!?)
ヤンデレ「綱紀粛正〜」
ビュン
ツンデレ「がふっ!!」
男「脳天ッ!?」
ヤンデレ「その目その耳あけるなりかっぽじるなりしてよく見なさいそして聞きなさい。男の彼女は私です。私のものです。私の所有物です。私の愛玩物です。独占物件です。他人には渡しません。あなたには渡しません。触れさせません。近づけさせません。見ることも許しません。匂いを嗅ぐことも許しません。声を聞くことも許しません」
ヤンデレ「貴女は男に近づきすぎた。触れすぎた。おしゃべりをし過ぎた。見すぎた。私の許可なく。もちろん、許可なんて誰にも与えるつもりはないけれど、断りもなく貴女は当たり前のように話しかけた。コミュニケーションを取った。言葉のやりとりをした。距離を詰めた。それが私には許せないのです。それが私には耐えがたいのです。その感情全てがどうしようもなく、怒りに代わってしまうのです。ひとえに愛情ゆえです」
ヤンデレ「私は男が大好きです。私は男が超大好きです。私は男を愛しています。他の誰にも好きにさせない。他の誰にも渡さない。愛させない。惚れさせない。慕わせない。想わせない。その義務があり、その権利があります。私が男の彼女だからです」
ヤンデレ「私の気持ちが分かりますか? ド低能の貴女に分かりますか? 私の怒りが分かりますか? 私の感情が伝わりますか? しょうがないよね、だって好きなんだもん。私のものなんだもん。貴方だって人を想う気持ちがあるならわかるでしょう? わかってくれるよね? ううん、わかりなさい? これは当然のこと。人のものは取ったらダメ。触ったらダメ。馴れ馴れしくしたらダメ。オーケー?」
男(もの……ていうか、ツンデレ大丈夫か?)
ツンデレ「はにゃ……お星さまがみえる……」
男(全然大丈夫じゃない!)
ヤンデレ「お星さま? あなたこの状況で星空に思いをはせているの? ロマンティックね。斬新ね。まぁいいわ。初回だからこれくらいで許しま……あら? 許しま……あら、言葉がうまく紡げない。許し……許せ……ない……許s……まぁいいわ。許しませんけど、二回目はないわよわかる? なにがないって? あなたの命が。ふふふ。」
ツンデレ「うん……わかったよお星さま……」
男(全然大丈夫じゃない!)
ヤンデレ「わかったならいいの。とっとと消えなさい? 消え失せなさい? ゴーホームよビッチ?」
ツンデレ「うん……帰る……ビッチお家帰る……」
男(ET!?)
つんでれは ふらふらとしたあしどりで かえっていった!
ヤンデレ「さて男」
男「」
男(矛先が)
ヤンデレ「ねぇ男」
男「」
ヤンデレ「あ、耳が聞こえなくなっちゃった? あの女と喋ったせいで、声を聴いたせいで、耳が腐ってしまったのかしら大変。私の声が聞こえるなら返事をしてくれるかな? 男」
男「はい」
ヤンデレ「よかったぁ。ちゃんと聞こえるんだ……どうして黙ってたのかな。私とおしゃべりしたくないのかな? 可愛い彼女とお話ししたくないのかな? さっきの金髪ツインテールとはあんなに楽しそうにおしゃべりしていたのに? ああ、思い出したら殺意……いえ、愛情が裏返りかけちゃった。ごめんごめん。でも安心して? 私は男を傷つけるようなことはしないよ? 安心してね。ね? 男」
男(こ……こえぇー!!!)
ヤンデレ「で、男はもちろんあの女のことは遊びだったんだよね、遊びっていうかむしろ路傍の石ころを蹴ったくらいの何でもないことだったんだろうけど男にとっては。でも、私にとってはすごくすごく重要なことだったの、わかる? わかるかな? わかるよね? 私の彼氏だもん」
男「はい」
ヤンデレ「うふふよかったわかってくれて。どうしてあんなことしたのかな? 受け身だったらいいと思った? 主体的じゃなければ大丈夫だと思った? 勘違いしちゃったのかな? 男は私以外の女と楽しそうにおしゃべりしちゃいけないのに、そんな重要なことを忘れちゃってたのかな? ましてや私以外の女と相合傘だなんて、これは大事件だよ。とんでもないことだよ。雛見沢級だよ」
男(ひぃいー!!!)
ヤンデレ「さ、続きは帰ってからにしよう? 雨降ってて寒いし、ほらそうだ私傘を持ってきてるんだー、一本だけ。よかった、これで相合傘して帰れるね。男がさっきまでしたがってた相合傘。嬉しいよね? 嬉しくないはずないよね? 喜んでごらん?」
男「わ、わーい」
ヤンデレ「そう、そんなに嬉しいんだ。じゃあちょっと遠回りしてかえろっか。電車を使わないで帰ろうか。もう二度と他の女と相合傘なんてしなくてすむように、したいと思わなくなるように、たっぷり時間をかけて相合傘して帰ろうね」
男「ひぃいー!」
ヤンデレ「ひぃい? やだ男ってば、そんな奇声を発するぐらい嬉しいのね。私も張り切っちゃうぞー。ほら早く入って? 濡れちゃうよ? 風邪引いちゃうよ? まぁもちろん男が風邪を引いたら私が24時間体制でつきっきりで甲斐甲斐しく看病することもいとわないのだけれど、というか彼女としてそうする義務があるし、わたしがそうしたいからそうすると思うのだけれど」
男「入らせていただきます」
ヤンデレ「やだもう、ダイタンなんだから」
男「どうにでもしてくれ……」
ヤンデレ「うんわかった。煮るなり焼くなり愛でるなり撫でるなり嗅ぐなり触れるなり見るなり聞くなり私の好きにさせてもらうからね」
男「ひぃいー!」
ヤンデレ「だからそんなに嬉しがることないじゃない、男ってば。うふふ……」
その後、男の行方を知るものはいない。
〜第6部 完〜
ツンデレの会話書いてて楽しそうだな
ツンデレほど完全な被害者もいないけど
乙!
ノリノリだなw
乙
第7部マダー?
〜第6.5部【番外編】とあるツンデレの日常〜
ツンデレちゃんの日常を紹介します。
べ、べつにアンタに知ってほしくて紹介するんじゃないんだからねっ!
ツンデレの朝は早い。
まずアラームを止めることから彼女の朝は始まる。
ツンデレ「むにゃ……」
ジリリリリ!
ツンデレ「……ていっ!」
ツンデレ「べ、べつにアンタに起こされて起きたわけじゃないんだからねっ!」
ツンデレ「一人でも起きれるんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!」
とまあ、このように目覚ましに向かって突っ込んでしまう可哀想な少女。それがツンデレなのである。
ツンデレ「はっくし!」
ツンデレ「だ、誰かがアタシの噂をしているわ……べ、べつに噂されても嬉しくないんだからね!」
ツン姉「アンタ、朝っぱらから何やってんの」
ツンデレ「お、おおおお姉ちゃん部屋に入るときはノックしてっていつもくぁwせdrftgyふじ」
ツン姉「どうやって発音してんの!? いいからアンタ落ち着きなさいよ」
ツンデレ「ふぁい……ほんの出来心だったんです……」
ツン姉「いや、いいんだけど……朝ごはん、どうする?」
ツンデレ「トーストとスクランブルエッグ、ベーコン、あとブラックコーヒーで。きりっ」
ツン姉「いや、メニューはもう決まってるんだけど」
ツン姉(ていうか、「きりっ」てなに)
ツンデレ「ブラックコーヒーは?」
ツン姉「アンタどうせ飲めないでしょ」
ツンデレ「えー」
ツン姉「カフェオレにしたら? 半分だけミルク混ぜて」
ツンデレ「カフェオレ! ……苦さ半分、甘さ半分。それはまるで究極のツン・デレね! さすがお姉ちゃん!」
ツン姉「いや、そういうつもりじゃ……」
ツンデレ「そうと決まればカフェオレよ! ちなみにエスプレッソにミルクを混ぜたものがカフェラテよ! 良い子のみんな、べつに教えてあげたかったわけじゃないんだからね!」
ツン姉「我が家の妹は今日も元気だなぁ」
〜学校〜
ツン友「おはよう、ツンデレちゃん」
ツンデレ「おはよう。べ、べつにアンタに会いたかったわけじゃないんだからね!」
ツン友「うふふ、ツンデレちゃんは面白いなぁ」
ツンデレ「ツンデレだからね! さて、今日の授業は……あ! シュクダイ忘れた!」
ツン友「え、また忘れたの? よかったら私の見る?」
ツンデレ「べ、べつに見せてほしい訳じゃないんだからねっ!」
ツン友「ふうん。じゃあ見ーせない」
ツンデレ「えっ」
ツン友「ツンデレちゃんは偉いなぁ。宿題忘れたけど自分で頑張るなんて」
ツンデレ「ちょちょちょ、待った待った。いや、待ってほしくないんだからね! 待ってほしくないんだけどちょっと待って!」
ツン友「え……わけがわからないよ」
ツンデレ「QB!? タンマタンマ!」
ツン友「人生にタンマなんてないよツンデレちゃん」
ツン友「自分の言ったことには責任を持たなきゃ」
ツンデレ「いやいやいや、ツンデレが『いいえ』と言ったらそれは『はい』なのよ!」
ツン友「じゃあ突然だけどツンデレちゃん、今この場でツンデレちゃんはわさびとからしを鼻の穴に突っ込むことはできる?」
ツンデレ「はぁ? そんなの『できるわけない』じゃない。というかやりたくもな」
ツン友「そっかー、なるほどなー」
ズブニュッ
ツンデレ「ほあああ!? い、いきなりなにす……辛ーーー!!!?」
ツン友「ツンデレが出来ないと言えば、それはできる」
ツンデレ「できるわけないじゃない! アンタ馬鹿なの!? 死ぬの!? 辛っ! ちょ、ほんとに辛いんだけど!」
ツン友「ツンデレの辞書に、不可能と言う文字はない」
ツンデレ「あるわよ! ナポレオンじゃないんだから、あるわよ!」
ツン友「ツンデレは一日にしてならず」
ツンデレ「ちょ、ローマみたいに言わないでよねっ!」
ツン友「ツンデレ思う、ゆえにツンデレあり」
ツンデレ「それは全面的に同意だわ」
ツン友「えっ、なにそれこわい」
ツンデレ「えっ」
ツン友「こほん。ツンデレの、ツンデレによる、ツンデレのためのー?」
ツンデレ「えっ。……ツ、ツンデレ……?」
ツン友「正解!」
ツンデレ「いやいやいや、意味わかんないし!」
ツン友「時は金なり。じゃあツンデレは?」
ツンデレ「金髪なり……?」
ツン友「……! 大正解!」
ツンデレ「いやいや、だから意味わかんないし! 確かに上手いこと言った感はあったけれども!」
ツン友「ツンドラって十回言って?」
ツンデレ「は? なによいきなり……」
ツン友「いいから、はやく」
ツンデレ「はぁ? しょ、しょうがないわね……ツンドラツンドラツンドラツンドラ…………」
ツン友「さてここで問題です。タッ○ーの進化形は?」
ツンデレ「シー○ラ! って、さっきのツンドラは一体何の意味が!? 全く間違える要素ないわよね!? ていうかツンデレに関係する何かしらを言わせようとしたんじゃないの!?」
ツン友「ちっ」
ツン友「さてここで問題です。ツンデレと言えば」
ツンデレ「待って、今舌打ちしたよね」
ツン友「ツンツンデレデレした人のことを言いますが、普段は無口・無表情だけど好きな人の前だとデレッデレになる人のことは何という?」
ツンデレ「あ、シカトですか……えーっと、確かクーデレよね?」
ツン友「FF?」
ツンデレ「FAでしょ!? なんでファ○ナルファンタジー? って聞かれないといけないのよ!」
ツン友「ぶっぶー、正解はフロントエンジン・フロントドライブでしたー」
ツンデレ「あー、そっちかー……じゃなくて、問題変わってるし!」
ツン友「ツンデレよ、大志を抱け!」
ツンデレ「ビー、アンビシャース!! ってなによこれ!? いきなり何やらせんのよ!」
ツン友「山と言ったら川。ではツンと言ったら!?」
ツンデレ「デレ!! ……ってだからなによこれ!」
ツン友「デレと言ったら?」
ツンデレ「ツン!! って、逆になっただけじゃないの! なによデレツンて! 語呂悪っ!」
ツン友「吾輩はツンデレである。名前はまだない」
ツンデレ「……どこでこじらせたかとんと見当がつかぬ。なんでも薄暗いじめじめした所で『か、勘違いしないでよねっ!』『べ、べつにアンタのためじゃないんだからねっ!』と言っていたことだけは記憶している……ってそんな訳ないんだからね!!」
ツン友「……!」プルプル
ツンデレ「自分から振っといてツボに入ってんじゃないわよ!」
ツン友「あー、満足満足。あ、ほらツンデレちゃん、涙出てるよ? ハンカチ」
ツンデレ「あ、ありがと……って、アンタのせいじゃないのよ! もう!」
ツン友「世の中には自業自得という言葉があってね、ツンデレちゃん。自らの業で、自分自身が得をするって意味なんだけどね?」
ツンデレ「それゼッタイ違う!」
ツン友「でも、おいしかったでしょ?」
ツンデレ「リアクション芸人じゃないからアタシ!」
キーンコーンカーンコーン
ツンデレ「宿題!!!」
ツン友「あうとー」
〜放課後〜
男「ん?」
ツンデレ「あ」
男「よう、ツンデレじゃないか」
ツンデレ「べ、べつにアンタに会いたかったわけじゃないんだからねっ!」
男「そうか、そんなに俺に会いたかったのk、あべしっ!」
ツンデレ「偶然よ! だいいち、なんでアンタが駅なんかにいるのよ!」
男「え、いや、帰るから……? 電車に乗って……」
ツンデレ「なんでちょっと引き気味なのよ」
男「いや、ちょっと頭おかしいのかなって」
ツンデレ「ちょ、ストレートに人をキ○ガイ扱いしてんじゃないわよ!」
男「ちょっと頭おかしいのかなって」
ツンデレ「二回も言わないでよ! どうせならオブラートに包んで言いなさいよっ!」
男「そこはビブラートに包むってボケろよ……」
ツンデレ「な、なんでアタシ引き気味でダメだしされてるの」
男「えー、じゃあ、『少し変わっているのかな』」
ツンデレ「悪くないわね」
男「『皆より一歩先を行っているのかな』」
ツンデレ「その調子よ」
男「『こいつアホだ』」
ツンデレ「オブラート破り捨ててんじゃないわよ!」
男「しまった! つい本音が!」
男「まぁそれは置いといてツンデレよ、この間はすまなかったな」
ツンデレ「へ? なにが?」
男「それは雨の降る放課後のことでした……」
ツンデレ「な、なによその怪談チックな語り口調は!?」
男「あれ、覚えてない? 名状しがたいバールのようなもので……」
ツンデレ「」ビクッ
男「……ああ、なるほどトラウマになっちゃったか」
ツンデレ「名状しがたいバールという名前を聞いた時に何かよくないことを思い出しそうになったわ……」
男「名状しがたいバールって、それきちんと名状できてるからな? まあとにかく、この間はヤンデレがすま」
ツンデレ「」ビクッ
ツンデレ「今の『ヤンデレ』という固有名詞を聞いた途端、ちょっと背筋に悪寒を感じたわ」
男「重傷だな……。おっと、まぁそういう訳で、悪いが俺はお前と喋ることはあまりできないんだ」
ツンデレ「え……」
男「まぁそう寂しそうな顔をするなツンデレよ」
ツンデレ「しっ、してないんだからね! さびしそうな顔とか! 全然!」
男「今生の別れっていう訳でもない。ただ、ほとぼりが冷めるまでお前との関係は無しだ」
ツンデレ「ちょ、アタシを愛人みたく扱わないでくれる!? どういう関係性よ私たち!?」
男「え……そう聞かれると返答に困るな。なんだよツンデレ、俺の口から直接言わせたいのか? 恥ずかしいじゃないか」
ツンデレ「な、ななな何を言うつもりなのよ、いいから言ってみなさいよ」
男「漫才コンビだ」
ツンデレ「は?」
男「俺がボケて、ツンデレがその強気なキャラで『なんでやねん!』と突っ込んでいく。たまにノリツッコミもする。いい相方だった……」
ツンデレ「いやいや、綺麗にまとめようとしないでくれる!?」
男「まあ、そういう訳だ。じゃあな」
ツンデレ「ちょっ……!」
男が電車に乗り込み、ドアがプシューという音を立てて閉まった。
ツンデレ「なによ……! 勝手なやつなんだから! もうっ!」
車内から男がこちらを見て、手を振り、さよならと伝えてきた。
アタシはいつもの「ふんっ!」という調子で、プイと顔を背けた。
男はアタシの様子がおかしかったのか、少しだけ口元を緩めた。
電車が動き出す。
男を乗せて、アタシを乗せていない電車が。
ゆっくりと動き出す。
アタシの知らないところへ帰っていく、男を乗せた電車が。
「あーあ……乗っちゃえばよかったかな」
でも、それからどうする? その先は? 一体アタシはどうしたいんだろう。……否、どうしたかったのだろう。
誰に言うでもなく呟いたその言葉を、『彼女』は聞いていた。
「いいえ、あなたは正しい選択をしたわ……」
「!」
鈍い衝撃。殴られたのだと気付いた時には、もう遅かった。
薄れゆく意識の中で、『でも、残念』という彼女の声を聴いた気がした。
〜第6.5部 【番外編】とあるツンデレの日常 完〜
〜第7部 クーデレ現る〜
高校で図書委員を兼任している男君。
ある日彼は物静かな少女と出会う。
男「あのー、そろそろ閉めたいんだけど……」
?「……困る」
やあ、皆! 俺の名前は男!
男らしい名前だろ? なんせ男だからね! 野暮なツッコミは無しだぜ!
ある日俺は図書委員として働いていると、まるで長門……某ヒューマノイドインターフェース風の美少女と出会ったんだ。
彼女は図書館の奥のテーブルで一人、じっと読書にのめりこんでいたのさ。
青髪ではないのが残念だけれど、現実だからしょうがないよねっ! え、現実じゃない?
こ れ は 現 実 じゃ な い?
ルイズルイズうわぁあああああ!以下略
脳内で奇妙奇天烈なモノローグを再生していると、某長門風の美少女は無言でじっとこちらを見つめていた。
上目遣いだ。だが無表情だ。萌えである。
「いやでも、規則だから……俺も帰れなくなっちゃうし」
「……そう」
少女はポツリと呟くと、やはり無表情で帰りの支度を始めた。
ちら、と少女が読んでいたタイトルに目をやると、ドストの『罪と罰』、文庫本上巻だった。
「渋いな!」
思わず出たツッコミに少女が驚いて、一瞬ビクッと身体を震わせた。
男「こんなの読むのか……今時の女子高生は」
?「流行ってる」
男「嘘だッ!!!」
?「マイブーム」
男「って、お前の中だけかい! ……あ、悪い、勢いでお前とか言って」
?「別にいい」
男「そうか、なら良かった。……じゃあ、そろそろ暗いし、気を付けて帰ってな……ええと」
?「クー子。名前」
男「あ、ああ。クー子か、実にクーデレらしい名前だな、うん」
クー子「クーデレ?」
男「いやいやこっちの話だ。じゃあ、またな。クー子」
クー子「……じゃ」
彼女は片手を上げ、手のひらを僕のほうにビッと向けて颯爽とさっていった。
男「つかめない奴だ……一体何を考えているんだ、クー子よ」
〜翌日〜
男「さて、本日も業務終了で閉館時間な訳だが……」
図書館の奥をのぞく。……いた。例のヒューマノイドインターフェース風の少女、クー子である。
今日も今日とて、閉館時間を過ぎたところで微動だにしない。
華奢な女の子が一人、放課後の図書室で本の世界に浸っているというのは非常に絵になる情景ではあるが、
しかしそれはそれ。これはこれである。
今日も俺は閉館のお知らせを少女に告げなければならない。
しかし昨日と同じように『あのー』などと他人行儀な声のかけ方をする無粋な俺ではない。
ここはひとつ、ジャ○ーさん風に言ってみよう。
男「ヘイ、ユー!」
クー子「……」
ガン無視だ。
男「閉館時間だし、ユー帰っちゃいなよ」
クー子「……」
男「ユ、ユー聞いてる?」
クー子「……」
男「ミーが扉をロックするからユーはゴーホームしちゃいなよ」
クー子「……」ペラ
男「ガン無視だッ!!」
しまいにはページをめくりやがった! ていうか最後ルーっぽくなってしまった!
思わず出た心の声に、またもやビクッと肩を震わせて驚くクー子。どうやら自分のことだと気が付いたらしい。
クー子「昨日の人」
男「おう。昨日の人だ。そして悪いが、今日も閉館時間なんでな、鍵をしめさせてもらうぜ」
クー子「わかった。私がやっておく」
男「おう。じゃあ後は頼んだぜ! これが図書室の鍵だ! ……とはならない」
クー子「なぜ……?」
男「いや、よくないっしょ。刑法的に」
思わず某くうきよめやさん風に突っ込んでしまったが、刑法はおそらく関係ない。
クー子「困る」
男「俺も困るぞ……はぁ」
視線をテーブルの上に落とすと、『罪と罰』文庫版下巻になっていた。
男「これ好きなのか?」
クー子「実に面白い」
クー子は眼鏡を中指でくいっと押し上げた。お前は湯川先生か。とツッコミそうになるのをこらえた。
男「湯川先生か! お前は」
こらえきれなかった。しかも倒置法になった。またお前と言ってしまった。
クー子「原書が読みたい」
男「ロシア語だぞ……」
クー子「この作者の違う作品も読みたい」
男「そうか。なら地下室の手記とかおすすめだぞ」
クー子「わかった」
スッと椅子を引いて、クー子は立ち上がった。
クー子「帰る」
男「いきなりだな……まあ、そうしてくれると助かるよ」
クー子「じゃ」
手の平を俺に向けて、少女は颯爽と去って行った。
男「本当によくわからんやつだ……無表情だし」
〜翌日〜
例によって閉館間際に奥のテーブル席を除くと、クー子がいた。
例によって俺は施錠をしなければならないのだが、やはり『閉館するから出て行け』などというお役所仕事をする気はさらさらない。
と言ったらお役所に失礼だが。
だからせめて彼女に少しでも楽しんでもらうため、という押しつけがましい優しさを上乗せしたテンションで俺は話しかけるのだった。
男「そしてーかーがやーくウルトラソウッ!」
クー子「」ビクッ
男「へい!」
クー子「……」ペラ
男「何事もなかったことにされた!」
クー子「ごめんなさい……でも、こんなときどういう顔をすればいいか分からないの」
男「笑えばいいと思うよ」
どこの綾波だ、お前は。
男「えー、本日も閉館と相成りましたことをお伝えする次第であります」
クー子「困る」
男「そうだな、困るな。だがそこをなんとか……ん?」
ふとテーブルの上を見ると、平置きにされた『罪と罰』文庫本下巻が置かれてあった。
男「もう読んだのか。早いな」
クー子「読んだ」
男「面白かったか?」
クー子「面白かった」
子供に学校の様子を尋ねる父親の気分だ。学校は楽しいか? 勉強はどうだ? みたいな。
男「どのへんが一番面白かった?」
クー子「ソーニャが拳銃を撃って、ラスコーリニコフに『キスでもしてるんだな……地面さんに、熱烈なやつをよォ』っていうシーン」
男「違うから! それグ○ード・ミスタがギ○ッチョに言うやつだから!」
十字路の真ん中に立って、貴方が汚した大地にキスしなさい的な感じだっただろうに。
ソーニャ拳銃撃たないし。
クー子「混ざった」
男「ジョ○ョにも精通しているとは、ただのビブリオマニアかと思いきや恐るべし」
クー子「面白ければなんでもいい」
男「雑食か……」
クー子「BL本も読む」
男「なぜこのタイミングで、そして一切の恥じらいも見せず腐女子カミングアウトを!?」
クー子「流れで」
男「流れぶった切ってたけど!」
クー子「……」ペラ
コイツ会話が面倒になりやがったな。
男「まぁ、そういう訳だ。今日のところはお引き取り願おう……あ、ちょっと窓の施錠してくるわ」
クー子「わかった」
意外とすんなりクー子は承諾し、俺が窓を閉めている間に「じゃ」と言って(例のポーズを取って)図書室から出て行った。
男「じゃ、俺も帰るか」
ふと、奥のテーブルの上に紙切れが乗っているのを発見した。
メモだ。
さっきまでなかった、ということはクー子の残したものだ。
男「どれどれ」
『地下室の手記も、読んだ。面白かった』
『橋の上でお偉いさんとすれ違うシーンがよかった』
男「読むの早いなー、アイツ。そしてわかってるな」
感想については、それ以上のことは記載されていなかった。
あとは、一番下のほうに小さく『次もおすすめ、おしえて』とだけ書かれていた。
男「わざわざメモで……口頭でいえばいいものを」
正直言って、萌えた。
〜翌日〜
閉館時間30分前。
いつも5分前ぐらいに話しかけるのだが、今回はちょっと早めに行動してみた。
理由は、なんとなくだ。もう少しアイツと話がしたいとか、興味が湧いたとか、そういったものだ。
男「なぁ、クー子」
クー子「……」ペラ
男「おーい」
クー子「なに」
男「聞こえてんじゃんか、返事ぐらいしたほうがいいぞ。愛想は大事だ」
クー子「……」
男「あいそうですかー! つって」
俺の糞みたいなダジャレが炸裂した瞬間、クー子の表情が凍りついた。
クー子「」ガタッ
男「」ビクッ
なんか気に障ったのだろうか。俺がうざいテンションで話しかけたからか。
クー子はいきなり席を立つと、俺に顔を背けたまま、窓際まで行ってそこで立ち止まった。
男「ク、クー子さん……?」
気のせいか、肩をワナワナと震わせているような気がする。
怒っているのだろうか。
クー子「すぅ……はぁ……」
深呼吸している。あ、戻ってきた。
クー子「……」スチャッ
座った。
クー子「……」ソッ
差し出されたクー子の左手には、どこからともなく取りだされたイエローカードがあった。
男「もう一回言ったらどうなる?」
クー子「退場」
図書館の出入口を指さされた。
どうやらクー子はダジャレがあまり好きではないらしい。今後気を付けよう。
男「ところでクー子、今日は何を読んでるんだ?」
クー子「さあ、なんでしょう」
男「わからぬ。ヒントをくれ」
俺はエスパータイプではない。そもそもポケモンでもないが。
クー子「ヒントは……哲学」
手元を覗き込もうとしたら、本を閉じられた。文庫カバーがかかっているのでタイトルはわからない。
男「哲学ねぇ……ニーチェとかヘーゲルとか? そのへんあんまり詳しくないが」
クー子「ぶぶー」
『違う』とか言われるのかと思ったら可愛らしい効果音で返答された。
クー子「もっとなじみ深い」
男「なじみ深い哲学書に心当たりがないんだが……」
クー子「正解はこれ」
男「どれどれ……」
シャー○ンキングだった。
男「漫画かよっ!!!」
図書館全体に俺のツッコミが響き渡った。
幸い、俺とクー子の二人だけだったので事なきを得た。
クー子「考えさせられる」
男「それはそうだが!」
ずるいじゃないか。まさか漫画だなんて……あ、そういえばコイツジョジョも好きだったな。漫画好きなのか……。面白ければ何でもいいって言ってたしな。
クー子「ところで、まだ閉館には早い」
男「そうだな」
クー子「なぜ?」
クー子は小首を傾げてこちらを見た。
『なぜ?』とは、なぜ私に話しかけてくるのかまるでわからない、といったニュアンスを含んでいた。
男「それはな、お前が寂しそうだったからだ」
クー子「べつに寂しくない」
現実とはそういうものだ。
一人でいるやつほど、寂しさとは無縁だったりするのである。
つまり俺の余計なお世話だったわけだ。まずい、これは恥ずかしい。顔から火が出そうだ。
クー子「……」ペラ
男「今どのへん?」
クー子「ちびマルコ」
男「あぁ、ラキスト戦ね……」
クー子「詳しい」
男「そうでもないよ」
クー子「そう」ペラ
男「ところで」
クー子「なに」
男「ずっと座ってて、尻痛くならないか?」
クー子「……」
スッとイエローカードを差し出された。
男「なぜっ!」
クー子「だめ」
男「なにが!?」
クー子「めっ」
お尻に関するお話はダメらしい。
〜翌日〜
男「よっ、クー子」
クー子「……よ。」
男「おぉ、まさか返事が返ってくるとは」
クー子「愛想、大事」
俺に向かってそう呟くと、クー子は再び本に目を落とした。
男「今日は何読んでんだ?」
クー子「本」
男「あー、なるほど、本ね。って、見りゃわかるわーい!」
クー子「……」ペラ
男「人が頑張ってノリツッコミしたのに……ひどい……」
クー子「こんなとき、どういう顔をすれば以下略」
男「笑えよ。笑ってくれよ」
クー子「……ふっ」
男「鼻で!?」
クー子「とりあえず、座るといいと思う」
クー子は自分の隣の席を指さした。座布団が敷かれてある。
男「図書館に座布団はなかったはずだが、私物か?」
クー子「そう。長時間座っても痛くない」
男「ほほう。それは俺に隣で長時間座っていて欲しいということかい? クー子ちゃん」
クー子「イエローカード、進呈。」
男「へいへい。以後気を付けます」
クー子「今日はこれ」
クー子が差し出した本の表紙には、『斜陽』と書かれてあった。
斜陽。人間失格の人が書いた、没落貴族のお話である。
男「良いセンスだ」
クー子「そう」
最近、クー子の「そう」にも色々なニュアンスがあることが分かった。
今のは、褒められてちょっと嬉しいけどそれを表に出すのは恥ずかしいときの「そう」である。
男「恥ずかしがることないんだぞ、クー子よ」
クー子「……?」
違ったみたいだ。不思議そうに小首を傾げている。
男「忘れてくれ……」
クー子「わかった」
〜翌日〜
男「お前、整った顔立ちしてるよな」
クー子「……」ペラ
クー子は無言でページをめくった。心なしか、顔が赤く染まっているように見える。
男「照れてるのか?」
クー子「照れてない」
男「そうか。でも、本当にお人形さんみたいだな」
クー子「……」ペラ
男「赤くなった」
クー子「なってない」
男「いや、ほんと赤いって」
クー子「気のせい」
男「照れt」
クー子「照れてない」
クー子はこちらに表情が見えないよう、本で顔を覆うように読み始めたのだった。可愛い奴め。
男「ちなみに俺の今日のおすすめはこれだ」
クー子「……じゅっかくかん」
男「そう。綾辻先生の館シリーズ第一作目だ。オチも有名な、1行で全ての謎が分かる例のアレだ」
クー子「ごくり」
男「どうだ、興味をそそられるか?」
クー子「面白そう」
男「そうか。だったらその斜陽読み終わったら借りるといい」
クー子「わかった」
男「また、感想教えてな」
クー子「うん」
〜翌日〜
図書館の一角。クー子がいつも座っているテーブル席を覗くと、お菓子が山盛りになっていた。
男「持ち込んだのか」
クー子「そう」
男「一応、禁止なんだけどな……」
クー子「汚したら掃除する」
男「まぁいいけどさ。他にも食ってるやついるし」
クー子「わかった」
クー子はそういうと、隣の席を引いてポンポン、と叩いた。座れ、ということなのだろうか。
男「フレンドリーだな、今日は」
クー子「そうでもない」
男「そうでもないことないと思うけど」
クー子「お菓子、食べていい」
クー子は山盛りのチョコ、キャラメル、ビスケット類を指さした。
男「くれるのか」
クー子「一人じゃ食べきれない」
男「そうだろうけどさ」
やっぱりコイツ、今日フレンドリーだな。
クー子「今日はこれ」
クー子が差し出した本は、工学者森先生のS&Mシリーズ第一作だった。
天才がOS作ったり、萌えーな女の子が256の2乗を計算するお話だ。なんのこっちゃ。
男「ほほう。それは文庫版の表紙に書いてある現実に関する考察が良いよな」
クー子「現実、普段それは存在しない」
男「中二病が読んだら将来建築学科への道を志しかねない作品だよな……」
クー子「タバコも吸うようになる。きっと」
男「まぁ、それぐらい魅力的なキャラクタだよ。犀川先生は」
クー子「萌絵たんも」
男「たん!?」
クー子「もう読んだ」
男「早いな……そうだ、犀川先生が同じ靴下ばかり買う理由知ってる?」
クー子「知らない」
男「多分後から分かると思うけど、片一方無くしても大丈夫だから、だってさ」
クー子「無くすこと前提……」
男「そういう意味では、人間味あるよなぁと思って印象に残ってんだよな。そのくだり」
クー子「人間味……犀川先生でも物をなくすことがある、という部分?」
男「いいや。靴下1つを惜しむ庶民的な感覚を所有しているんだなって」
クー子「なるほど」
クー子がふむふむと頷く。
そのとき、後方から女子生徒の声がかかった。
女子生徒1「あのー、ちょっといいですか」
男「おっと、また後でな」
クー子「……」
女子生徒1「探してる本が見当たらなくって、ちょっと貸出状態調べてもらっていいですか?」
男「はいはい。ちょっと待ってね。タイトルは?」
女子生徒1「『ロータリーエンジンの歴史』っていう本なんですけど」
男「渋いな! 今時の女子高生ってそんなもの読むのか!?」
女子生徒1「えっ? いや、まぁ……」
男「ああ、悪い悪い。思わず突っ込んでしまった。えっと……あれ、返却されてるはずなんだけどな」
女子生徒1「えー、本棚になかったと思うんですけど……一緒に探してもらっていいですか?」
男「ああ、わかった……」
クイッ
男「ん?」
ふと横を見ると、クー子が俺の袖を引っ張っていた。
男「なんだ?」
クー子「急にお腹が痛くなった」
男「へ?」
クー子「動けないくらい痛いので、保健室まで連れてって」
男「あー、なるほど。お腹がね。って、思いっきり立って歩いてるやーん!」
華麗なノリツッコミが炸裂した。
クー子「早く」
スルーされた。
男「いやいやお前、ゼッタイ嘘だろ」
クー子「ほんと」
男「いやいや……」
クー子「痛くて死にそう」
女子生徒1「あー……なるほど、なんかごめんね、1人で探すよ。悪いね邪魔しちゃって!」
男「邪魔?」
なんだそれは。どういう誤解だ。
女子生徒はパタパタと足早に本棚のほうへ向かっていった。
男「おいおい。お前どうしたんだ?」
クー子「……」
男「まぁいいけど、ほら、保健室行くぞ?」
クー子「……治った」
男「は?」
クー子「治った。でもまた急に痛くなるかも知れないので、男は私の傍に居ておくべき」
男「なんだそりゃ」
クー子「いいから」
男「はぁ……しょうがないやつだな」
その日俺は、クー子に一日中べったりせざるを得なかった。
〜某日〜
俺は例のクー子の変化を『発作』と呼ぶことにした。
それは、決まって俺が他の生徒、しかも女子生徒の相手をしているときに起きる。
女子生徒2「すいませーん、この本延長したいんですけど」
男「はいはいちょっと待って……ん?」
クー子が袖を引っ張っている。
男「どうした?」
クー子「急にあの高いところにある『雪国』が読みたくなった」
男「そうか」
クー子「届かないから取ってほしい」
男「後でな」
クー子「今すぐ読まなければ」
男「なにゆえ!?」
クー子「なにがなんでも」
男「わけがわからないよ……」
〜〜
女子生徒3「恋海っていう恋愛小説がー、めっちゃ泣けるらしいんですよー、図書館に入れてもらえませーん?」
男「いやちょっと俺の一存では」
女子生徒3「まじでぇー、感動するらしいんですよー。恋愛小説とか読みませーん?」
男(ごめん、全然読みませーん!)
クイッ
男「なんだクー子」
今回ばかりは渡りに船だ。ナイスタイミングだクー子。なんでもいいぞ、我儘を言ってみろ。
クー子「こんなものが……」
しかし、今回は違った。
我儘とかそういうんじゃなくて、このくだらない日常に亀裂が走るような、そういった類の出来事だったのである。
男「なんだ? 紙切れ……?」
クー子から渡されたノートの切れ端には、こう書いてあった。
『男へ。――それ以上、他の女子と仲良くしたらコロス』
男「……!?」
クー子「……私のいつも座っている机に置いてあった」
男「……」
女子生徒3「いやマジでー、入れるべきだってー」
男「ちょっとごめん、先生と相談してみて」
女子生徒3「えー」
男「クー子、ちょっと来い」
クー子「……わかった」
人気のない一角まで移動すると、俺は紙切れを食い入るように見つめながら言った。
男「いつからあった?」
クー子「さっき、席を外して戻ってきたときに、置いてあった」
男「さっき……」
今日、図書館には大勢の人が居た。試験前で勉強する輩が集まっていたからだ。
いつも閑散としているクー子の周りの席にも、ちらほら勉強している人がいた。
誰もが疑わしく、誰も疑えない。誰にでも可能である。
男「……少し、距離を置こう」
せめて、誰がこんなことをしたのか分かるまでは。
〜某日〜
誰かに後をつけられている、と気づいたのは電車を降りて数分した頃だった。
暗い夜道を自分以外の、もう一人の足音がピタリと這うようについてくる。
振り返るが姿は見えない。おそらく電柱の陰、曲がり角、看板の後ろ。
しかし確かめる勇気はない。近づいたらアウトだ。
下宿まであと少し。
俺はペースを速めた。
後ろの足音のペースも上がる。
止まる。振り返る。誰もいない。その繰り返し。
一息つけたのは、一人暮らしの部屋にたどり着き、鍵とチェーンをかけた後だった。
男「誰だ……、お前は」
心当たりはある。ありすぎる。身近な人物だ。
最近姿を見ていない、ごく身近な人物だ。
〜〜
男「お前も、後をつけられているのか」
クー子「そう」
1週間ぶりの近況報告は、あまりよろしくない状況を俺に再認識させた。
周囲に自分たちを観察している人がいないか注意しながら、俺はクー子と小声で話をしていた。
話を聞くと、クー子にまとわりついている人影も、足音のみしか聞こえないらしい。
男「気味の悪い奴だ」
クー子「その人、きっと私に嫉妬してる」
男「俺と仲良くしているからか」
クー子「そう」
クー子は表情こそ変わらないが、手が小さく震えていた。
男「大丈夫だ。俺が……その、なんというか……守る」
クー子「ありがとう……」
それこそこんな場面を見られたら、殺されかねない。
誰に? しかし、そいつは……。
〜某日〜
午後8時。ひどく喉が渇いたので近くのコンビニまで出かけることにした。
コーラを買って飲みながら帰っている途中。
例のまとわりつくような足音が聞こえてきた。
緊張が頭のてっぺんから足先まで走る。
誰だ。いったい誰なんだ。
そして、何故なんだ。
男「お前か……?」
後方に向かって問いかける。
返事はない。
しかし、『アイツ』だったら、何故、姿を表さないのか。
曲がり角に差し掛かる。
俺は足早に角を曲がって見せた。すると、足音は慌てた様子でついてくる。
白黒つけなければいけない。
俺は勝負に出た。
まず見えたのは白い腕だった。右腕だ。
鼓動が早鐘を打つ。その白い腕を掴む。
小さい悲鳴が上がった。女のものだ。
女はジーンズに半袖。帽子を深くかぶっていて顔が見えない。
左手になにか持っている。それが電灯に光を受けて反射する。
カッターだ。
危険を察知し、咄嗟に手を放す。
女は脱兎のごとく駆け出した。
俺は腰が抜けて、それをただ見送るしかできなかった。
〜〜
近況報告。
やはりクー子のほうも相変わらずつけられているらしい。
顔がひどくやつれているように見える。
男「会わないようにしているのに、何故だ……」
クー子「マークされている」
男「執念深いやつだ」
クー子「そう。執念深い。男も被害が拡散しないよう、行動には制限を設けるべき」
男「被害……? ああ、そういうことか」
要するに、女子と積極的に話して、みだりにターゲットを増やさないようにするということだ。
男「しかし、おかしいよな。他の女子と仲良くしたらコロス。っていうのは、コロス対象は俺のはずだろう?」
男「何故、クー子が見張られる? 俺さえマークしておけばいいんじゃないか?」
クー子「それは……」
男「お前、その手、どうしたんだ」
クー子は右手にリストバンドを巻いている。
クー子「切られた」
男「はぁ!?」
もしそうだとしたら一大事、警察沙汰だ。
男「いつだ?」
クー子「昨日、8時頃」
俺がアイツに会ったときと、同じ時間帯……?
男「お前、そんときどこにいたんだ?」
クー子「家の近くの公園の脇を歩いて……」
……家の近く? 確かコイツの家は……。
男「なぁ……クー子。人ってさ、嘘をつくとき、完全な嘘はつけないって本に書いてあったんだよ。お前それ信じるか?」
クー子「……なんの話?」
男「例えば、右上を見ながらだと嘘をついている、とか、あるじゃん」
クー子「……」
男「お前の家って、反対方向の電車だよな」
クー子「……」
男「俺の家からだと、歩いても1時間以上はかかる」
クー子「……」
男「お前が腕を切られた時刻を尋ねられた時、咄嗟に8時と答えたよな。いや、『答えてしまった』」
クー子「……」
男「それはちょうど俺がアイツと出会った時間帯だ。しかし、待ってくれ。同時刻に、異なる場所に2人の人間が存在するのはおかしいんだ」
クー子「もしかしたら、犯人は複数……」
男「クー子。お前のリストバンド、外して見せてくれるか」
クー子「……!」
男「お前の言うことが真実なら、切り傷があるはずだ」
クー子「できない」
男「なぜだ」
クー子「人に見せられるようなものじゃない」
男「この状況でそんなことを言うのか」
クー子「できない」
男「いいから見せろ」
クー子「やっ……!」
強引にリストバンドを外すと、そこにはちょうど人に握られたような形で、くっきりと痣がついていた。
男「……やっぱりお前か」
クー子「……」
男「最初の手紙も、おかしな話だ。お前の周りに座っている人物に尋ねてみたんだよ。そしたら、お前は『ずっと席に座って本を読んでいた』らしい」
男「席を外してなんかいない。誰がお前に気付かれずに、手紙を机の上に置くことができたんだ?」
クー子「……」
男「答えは簡単だ。自分自身で書いた。置いた」
クー子「……!」
男「なぁクー子。教えてくれよ。なんでこんなことしたんだ?」
クー子「……」
男「だって、こんなことしなくったって、俺達は普通に仲良く、くだらない話とか、真面目な話とか、どうでもいい話とか、していたじゃないか」
クー子「……」
男「なんで、」
クー子「あはははははははは」
男「!?」
クー子「おかしな男。私じゃないのに……」
クー子「ほら、ストーカーの仕業だよ」
クー子は取り出したカッターで自分の左手首を切った。
赤く染まる制服。白い肌に飛び散る、赤。
男「お、おい! やめろクー子!」
クー子「来たら危ないよ」
ぶん、とクー子はカッターを振り回す。
本気だ。洒落にならない。説得はおろか近づくことさえできない。
クー子「ほら、ストーカーがまた」
言うが早いか、クー子は再び自分自身を切りつける。
ストーカーとは誰なんだ。クー子。それは他ならぬお前自身じゃないのか。
手首、足、腕、体のいたるところをクー子は切り刻む。
血飛沫。赤。紅。緋。
狂気。
俺は今、人間の狂気を目の当たりにしている。
少女がカッターで自傷行為を繰り返す。ただそれだけの現象。
しかし、そこに至るまでの過程。矛盾だらけの思考。
受け入れがたい現実を前にして、俺は吐いた。
少女の笑い声が響く。
残響。
赤い世界。
暗転する視界。
『なんで』
何に対してか、誰に対してなのか、判断のつかない疑問だけを残して、意識が薄れて行った。
〜少女の日記〜
私の世界に人が訪れた。
私以外の人間なんて久しぶりだ。
でもすぐいなくなってしまうだろう。
過度な期待などしない。私には本だけ。それだけ。
またあの人だ。
私とお話をしてくれた。
くだらない話だ。どうでもいい話だ。
久々にこんなにくだらない話をした。
私が読書の世界に没頭していると、決まって声をかけられる。
それが腹立たしくも、ひどく嬉しいことに自分自身驚いている。
私は変わってしまったのか。
いやだ。変わりたくない。
どうせ一人になるのなら、温もりなんか知らなくていい。
おすすめの本を教えてもらった。
あの人は色々な本を知っている。
私が好きな漫画も知っている。
でも、私のことは何も知らない。
知ってほしい。
そして、知りたい。
図書館で話すことが日課になってきた。
彼は私のことを目にかけてくれている。
そして私はそれに甘えている。
嫌だけど、嬉しい。
あの人は、麻薬だ。
そして私は狂ってしまっている。
あの人が他の人と話していると、イライラする。
私だけのものにしたい。
私だけを見ていて欲しい。
きっとこれは恋。いや、愛かも知れない。
私だけのものにしたい。
私にはあなたしかいない。
あなたにも、私だけしかいなくなればいいのに。
他の女の子なんか見ないで。私だけを……。
私だけを見て。
私だけに話しかけて。
私だけに構って。
私だけにやさしくして。
嫉妬。憎悪。愛情。
全ての感情がごちゃまぜになる。
こんな私はいらない。
こんな私は、私じゃない。
一人だけの世界でよかった。
こんなに苦しいものが恋なの?
こんなに苦しいものが愛なの?
いらない。でも欲しい。
欲さずにはいられない。
醜い私。
こんな私はなくなればいいのに。
こんな私はいらない。
こんな私は私じゃない。
あなたが憎い。貴方が愛しい。
こんなわたしは――
消しました。
〜某日〜
ヤンデレ「ちゃお」
男「なんだよ、来るなら来るって連絡しろよな」
ヤンデレ「連絡したよ? 携帯に何回も」
男(着信がうるさいから携帯の電源切ってた……)
ヤンデレ「お邪魔しまーす。わ、すごい散らかってる」
男「ああ、色々探し物してたんだよ」
ヤンデレ「昔隠したAVとか?」
男「そうそう……って、ちゃうわーい!」
ヤンデレ「私ってばお茶目」
男「自分で言うな、っと」
タークス風になってしまった。
ヤンデレ「これは……」
ヤンデレは一冊のノートに目を落とした。
男「日記だ」
ヤンデレ「……」
男「お前に出会ったのは、大学の入学式だったな」
私のこと、覚えてますか? って素っ頓狂なことを聞かれたのを覚えている。
俺は「初対面だ」と言った。
それにしても、自分のタイプな女の子だと思った。
あの事件が衝撃的過ぎて、情けないことに俺は記憶喪失になっていたらしい。
ヤンデレ「男……?」
男「でも、それは間違いだ。大学が初めてじゃない」
ヤンデレ「……!」
男「そして、お前が女子高出身だというのも正しいが、正確ではない」
男「お前は共学から女子高に転校したんだ」
ヤンデレ「……」
男「元々は一緒の高校だった。そこで出会った」
ヤンデレ「男、記憶が……?」
男「思えばくだらない話を色々したよな」
男「『ツインテール』が好きだとか、『巨乳』が好きだとか、どういうくだりでそういう話になったのかもわからんが」
ヤンデレ「……!」
男「まぁとりあえず、再会の挨拶でもしようか」
男「久しぶり、クー子」
〜第7部 END〜
男「別れよう」ヤンデレ「……!」【後編】へつづく
・SS速報VIPに投稿されたスレッドの紹介でした
【SS速報VIP】男「別れよう」ヤンデレ「……!」
・管理人 のオススメSS(2015/07/04追加)
・【超絶悲報】ベッキー、上戸の稽古場マンションで川谷とセッ●スしてた・・・・・
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307: ぐう 2013/10/06(日) 03:22:42 ID:bTX3fZl6
〜第五部 ストーリーなんて飾りです。
偉い人にはそれが分からんのですよ編〜
男「う……! うぁっ……!」
ヤンデレ「ねぇ……まだ……?」
308: ぐう 2013/10/06(日) 03:23:14 ID:bTX3fZl6
男「ぐっ……ちょ、ちょっと待て」
ヤンデレ「はぁはぁ」
男「や、やめろ……ヤンデレ、それ以上は……っ!」
ヤンデレ「だめ。やめてあげない」
男「あっ……もうヤバい! だめだって!」
309: ぐう 2013/10/06(日) 03:24:02 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「ふふ……男、今どんな表情してるの……? 暗くて良く見えない……」
男「ぐっ……! あぁ……来る! もう来るってば!」
ヤンデレ「ペースあげるね」
310: ぐう 2013/10/06(日) 03:24:39 ID:bTX3fZl6
男「あっ! こら、だっ、だめ! 来ちゃう! 来ちゃうんだって!」
ヤンデレ「はぁ……はぁ……」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン!
男「らめぇええそんなにチャイム鳴らしたらお隣さん来ちゃうのぉおおおお!!!」
311: ぐう 2013/10/06(日) 03:25:19 ID:bTX3fZl6
〜〜
男「ていっ」
ヤンデレ「あうっ」
男「人がう○こしてる最中に訪ねてきやがって……しかも、なかなか出てこないから浮気と疑ったんだろどうせ」
312: ぐう 2013/10/06(日) 03:25:50 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「……私よりう○こが大事なの? 私はう○こ以下のクソ女だって言いたいの? 男、ひどい」
男「ちげーよ、っつーかどこのミコノさんだよ」
ヤンデレ「あまたくん!」
男「ねーから。光の翼が足から出てきたりしないから」
ヤンデレ「まぁ冗談はさておき……」
313: ぐう 2013/10/06(日) 03:26:29 ID:bTX3fZl6
男「近所迷惑っていう部分に関しては冗談になってないんだけどな」
ヤンデレ「ダイジョウブ。お隣さんが『いなければ』文句を言う人はいない……」
男「待て、お前……。201号室と203号室の人……どこにやった?」
ヤンデレ「……君のような勘の良いガキは嫌いだよ」
男「ニーナ、アレキサンダーッ!!!」
314: ぐう 2013/10/06(日) 03:27:06 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「ジョバンニが一晩で殺ってくれました」
男「『やる』の意味が違うから!」
ヤンデレ「圭一君、お隣さんは『転校』したんだよ……だよ?」
男「サトシにぃにーーー!」
315: ぐう 2013/10/06(日) 03:27:36 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「こほん。隣が留守であることは調査済み、男が最中であることも調査済み」
男「よかった……ほんとに。さーて、監視カメラどこだー?」
ヤンデレ「あう……」
316: ぐう 2013/10/06(日) 03:28:10 ID:bTX3fZl6
〜〜
ヤンデレ「キスを……してみませんか、キスをして、いただけますか…違う……キスを……しま、キスをしましょう。阿良々木くん」
男「ガハラさんみたいな言い方してもダメだし、俺は阿良々木くんじゃないし」
ヤンデレ「ちぇ」
317: ぐう 2013/10/06(日) 03:28:42 ID:bTX3fZl6
男「で、なに」
ヤンデレ「……?」
男「そこで小首を傾げるか。何の用か、ってこと」
ヤンデレ「用なんて……ないよ?」
男「なるほど。人の大便を邪魔する理由にはなってないな、という訳でゴーホーム!」
318: ぐう 2013/10/06(日) 03:29:12 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「分かった。もっかい帰ってまた来るね?」
男「同じだから! 結果同じだから!」
ヤンデレ「じゃあ男の家に帰るね?」
男「ここだから! 俺の家! やはり結果変わってないから!」
319: ぐう 2013/10/06(日) 03:29:47 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「じゃあ、男の実家に帰って挨拶してくるね?」
男「ここにいてくださいお願いします!」
ヤンデレ「やだもう男ってば……言われなくてもそのつもりなのに……」
男「……はあ、いい。いいよもう……居とけよ」
320: ぐう 2013/10/06(日) 03:30:24 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「えっ……『俺の傍にいろよ』だなんて……男、ダイタン……」
男「言ってねえから。それは幻聴だから」
ヤンデレ「照れ屋……」
男「はぁ、とりあえず漫画でも読んどけよ。俺はもっかいトイレにこもらせてもらう」
321: ぐう 2013/10/06(日) 03:30:56 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「わかった。出そうになったら言ってね?」
男「ああ、わかっ……いや言わねえよ!? さも当然の如く言われたけど、何するつもりなの!?」
ヤンデレ「大丈夫。さすがにそういうディープな趣味はない……けど、男の苦悶に満ちた表情をハァハァ」
男「十分ディープだし、最後ハァハァでいえてないし」
322: ぐう 2013/10/06(日) 03:31:26 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「眉間にしわを寄せていきむところから出しきったところの解放感に満ち溢れた表情の一部始終を……」
男「いいから! 最後まで言わなくていいから!」
ヤンデレ「そう……じゃあ、漫画でも読むことにする。ちょうど……第五部だから、ジ○ジョ第五部読んでおく」
男「メタな話しちゃらめなのぉおおお!」
323: ぐう 2013/10/06(日) 03:32:01 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「男はお腹の中のムーディー○ルースをトイレでエ○ロスミスッ! してきていいよ?」
男「いいよ? じゃねえよ! 荒○先生に怒られるぞお前!」
ヤンデレ「戻ってきたらブチャのかっこよさについて語ろう……」
男「くっ……大便とヤンデレの相手、両方やらなくっちゃあならないのが幹部の辛いところだ……ッ!」
324: ぐう 2013/10/06(日) 03:33:10 ID:bTX3fZl6
〜WC後〜
男「アリーヴェデルチッ!」
ジャゴー(トイレの水を流す音)
男「すっきり!」
325: ぐう 2013/10/06(日) 03:33:42 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「もう、男ってば……いっぱい溜めてたのね」
男「やめて! 何か違う別のものを溜めてたように聞こえるから!」
ヤンデレ「あ……ごめん、気づかなくて」
カチャカチャ
男「待て」
326: ぐう 2013/10/06(日) 03:34:14 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「どうして止めるの……?」
男「普通いきなりズボンのベルトをカチャカチャされたら止めるだろう」
ヤンデレ「……。スティッキーフィンガーズッ!」
男「無駄無駄無駄ァッ! 読めていたぞッ!」
327: ぐう 2013/10/06(日) 03:34:47 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「でも……男のスピ○ット・オブ・ソードもうこんなにダブルオーバーソウルだよ……?」
男「だよ……? じゃねえよ! 武井先生にも怒られるぞお前!」
ヤンデレ「あなたの甲縛式OSになりたい」
男「十分縛られてるんで遠慮します」
328: ぐう 2013/10/06(日) 03:35:17 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「じゃあ、あなたと憑依合体したい」
男「どっちか死なないと無理!」
ヤンデレ「男が死んだら、持霊にしてあげる……」
男「まん太ぁあああ!」
329: ぐう 2013/10/06(日) 03:35:53 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「リーパイロンみたいに身体そのままでゾンビ化も捨てがたい……かも」
男「何をする気だ、俺の体を媒介にして」
ヤンデレ「コホン。さて、今日は良いものを持ってきました」
男「うわーヤンデレは相変わらず唐突だなー」
ヤンデレ「良いもの、一体なんでしょう……?」
330: ぐう 2013/10/06(日) 03:36:25 ID:bTX3fZl6
男「なんだ?」
ヤンデレ「ナウいものです」
男「うん、まずその言い方がナウくねーわ」
ヤンデレ「色のついた丸が描かれています」
男「……国旗?」
331: ぐう 2013/10/06(日) 03:36:56 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「男面白い」
男「不正解なんだな。そうかそうか。いやー外れちゃったな残念だな。寝るわ」
ヤンデレ「あっ、待って待って……恋人同士で楽しむものです」
男(どうせツイスターゲームとかなんだろうな)
332: ぐう 2013/10/06(日) 03:37:27 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「当たり」
男「マジだった! ていうか心を読むな!」
ヤンデレ「読唇術を以てすれば容易い……」
男「動いてないから! 唇は一切動いてないから!」
333: ぐう 2013/10/06(日) 03:37:58 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「……?」
男「小首をかしげられても!」
334: ぐう 2013/10/06(日) 03:38:29 ID:bTX3fZl6
〜〜
男「じゃあ次、緑な」
ヤンデレ「あっ……」
男「ほらほら次行くぞー、黄色」
335: ぐう 2013/10/06(日) 03:39:29 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「んっ……だめ……!」
男「まだまだ行くぞー、おっと、ここで青」
ヤンデレ「ん……!」
男「次は……」
336: ぐう 2013/10/06(日) 03:40:02 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「ちょっとタンマ」
男「どうした」
ヤンデレ「思ってたのと……違う」
男「そうか?」
ヤンデレ「うん……私が思ってたのは、そう、男と私が密着してイチャラブな感じの……」
337: ぐう 2013/10/06(日) 03:40:46 ID:bTX3fZl6
男「残念だが、俺はここで針を回すことしかできない」
ヤンデレ「え……?」
男「だがヤンデレにはヤンデレにしかできない、ヤンデレにならできることがあるはずだ」
ヤンデレ「加持さん……?」
男「誰も強要はしない。自分で考え、自分で決めろ」
338: ぐう 2013/10/06(日) 03:41:18 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「じゃあ男と一緒にツイス」
男「誰も強要はしない。自分で考え、自分で決めろ」
ヤンデレ「昔見たMADを思い出す言い回し……」
男「分かってくれればいいんだ」
ヤンデレ「あぅ……」
339: ぐう 2013/10/06(日) 03:41:48 ID:bTX3fZl6
〜〜
ヤンデレ「あ、昔のアルバムがある」
男「目ざとい奴だな」
340: ぐう 2013/10/06(日) 03:42:18 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「これ、男が高校入学のときのやつ……」
男「うむ。いかにも」
ヤンデレ「ふふ。このとき、緊張しすぎて入学式初日から遅れちゃったんだよね……」
男「うむ! いかにも!」
341: ぐう 2013/10/06(日) 03:42:50 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「こっちは文化祭……女装メイドの男可愛いかったなぁ」
男「黒歴史だからやめて……」
ヤンデレ「すね毛剃ったら女の子の足だよね……うふふ……」
男「やめてー! 見ないで―!」
342: ぐう 2013/10/06(日) 03:43:24 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「こうしてると私たちが出会ったときのことを思い出すね……」
男「……」
ヤンデレ「……思い出すね?」
男「……その件なんだが」
ヤンデレ「なにかな? ……かな?」
343: ぐう 2013/10/06(日) 03:43:57 ID:bTX3fZl6
男「俺、お前と出会った『記憶』が一切ないんだが」
ヤンデレ「それぐらい自然に男と仲良くなれたってこと……? 嬉しい……」
男「ははは……いや、そうじゃねーよ……」
男(……いや、ちょ、改めて考えると怖いなこれ……)
男(俺は『出会った覚えのない女』と付き合ってるということになるのか)
344: ぐう 2013/10/06(日) 03:44:27 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「どうしたのかな? なんだか震えてるみたいだよ? ……だよ?」
男「いやぁ……ははは、ちょっと待って」
ヤンデレ「なんで後ずさるの? 逃げられたら追いかけたくなっちゃう……」
男「うん、よくよく考えたらおかしな話なんだよな……」
ヤンデレ「何もおかしいことなんてないよ……?」
345: ぐう 2013/10/06(日) 03:45:02 ID:bTX3fZl6
男「いや……、おかしいんだよ。お前は……だって、『女子高』出身だろ? なんで他校の、共学の俺の様子を、自分の目で見たかのように事細かに知っているんだ? お前は何なんだ……?」
ヤンデレ「ふふ……おかしな男、私は私……だよ? 男のことが大好きな、私。男のことならなんでも知ってる、私」
男「……そうか」
ヤンデレ「……そうだよ? だよ?」
346: ぐう 2013/10/06(日) 03:45:47 ID:bTX3fZl6
男「……」
ヤンデレ「……」
男(三十六計逃げるにしかず、と俺の中のヒューズ(故)が申している!)
男「……俺、ちょっとコンビニいっ」
ヤンデレ「だめ」ガシッ
347: ぐう 2013/10/06(日) 03:46:42 ID:bTX3fZl6
男「なっ……!」
ヤンデレ「ちょっと痛いけど……我慢して、ね?」
ブスッ
男「な……それ……注射、器……?」
ヤンデレ「大丈夫。ちょっと眠るだけ」
348: ぐう 2013/10/06(日) 03:47:14 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「起きたら全て終わってる。そう……ひぐらし的なものが泣く頃に」
男「ていうか、それ……ひぐらしだよね……!?」バタッ
ヤンデレ「……」
349: ぐう 2013/10/06(日) 03:47:46 ID:bTX3fZl6
〜〜
男「はっ」
ヤンデレ「あ、男……気が付いた?」
男「う……、なんだかひどく嫌な夢を見ていた気がする」
350: ぐう 2013/10/06(日) 03:48:20 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「うん。なんだか、うなされてたもん」
ヤンデレ「遊びに来たら、一人で床に寝てるんだからびっくりしちゃった……びつくり」
男「わざわざ小さい『っ』を『つ』に直す意味は分からんが、一人で……?」
ヤンデレ「そうだよ……? 一人で。」
351: ぐう 2013/10/06(日) 03:48:50 ID:bTX3fZl6
男「うん……? おっかしいな……」
ヤンデレ「そんなことより、ご飯のこと考えよ? 夕飯、何がいい? 私好きなもの作ってあげる」
男「……」
ヤンデレ「男、どうせロクなもの食べてないでしょ……」
男「いや、おかしい」
352: ぐう 2013/10/06(日) 03:49:22 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「……なにが?」
男「何か隠していることはないか?」
ヤンデレ「なんのことかな……ひょっとして男、まだ寝ぼけてる?」
男「そう、それだ」
ヤンデレ「えっ」
353: ぐう 2013/10/06(日) 03:49:59 ID:bTX3fZl6
男「普通さ、寝てた人が起きたら『気が付いた?』って声をかけるかな……? と思って」
ヤンデレ「……」
男「いや、不思議ではないよ。でも、明らかに寝てるんなら、『あ、起きた?』とかいう反応になるんじゃないかな……と」
ヤンデレ「……ふふ、そんなの、どっちでもいいじゃない」
男「そうだな。どっちでもいいか、はっはっは」
354: ぐう 2013/10/06(日) 03:50:29 ID:bTX3fZl6
ヤンデレ「そうだよ……。男、心配性」
男「そうだな。悪い悪い。ところでヤンデレ」
ヤンデレ「なに……?」
男「お前、いつから料理できるようになったんだ?」
〜なんだかよくわからないがちょっぴりホラーEND〜
355: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/06(日) 04:21:31 ID:3k6FyLxQ
ハッハッハ!どこへ行こうというのかね!
>>1!
357: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/06(日) 14:43:41 ID:55uo4ltQ
盛り上がってまいりました
369: ぐう 2013/11/17(日) 22:02:11 ID:Mak0om9c
第6部〜ツンデレ現るの巻〜
ヤンデレ「男。鬼ごっこをしよう」
男「え……なんでそんな幼稚な遊び……?」
ヤンデレ「私が鬼。男が佐藤さん」
男「それ違う鬼ごっこだよね!?」
370: ぐう 2013/11/17(日) 22:02:45 ID:Mak0om9c
ヤンデレ「捕まったら……、うん」
男「うん!? 濁すなよ、怖いだろ!」
ヤンデレ「捕まったら手錠で両手両足を拘束して24時間私の監視下におく……二度と外出はできないし、男の口に入るものは全て私が作る」
男「待て。具体性を帯びてより怖くなったので先ほどの発言は撤回する」
371: ぐう 2013/11/17(日) 22:03:22 ID:Mak0om9c
ヤンデレ「もう……男ってば、かわずなんだから」
男「……ひょっとして『いけず』と言いたかったんだろうか」
ヤンデレ「蛙であってる……。私という井戸から逃れられない蛙さん……ふふふ」
男「こえぇ!」
372: ぐう 2013/11/17(日) 22:04:36 ID:Mak0om9c
ヤンデレ「鬼ごっこ。やりますか? やりませんか? 今なら可愛い妹もついてくるですよ?」
男「電話越しでマスター探す翠ちゃんみたいな言い方してもやりません。それに妹なら義理の妹がいるので間に合っています」
ヤンデレ「やるのかい? やらないのかい? どっちなんだい?」
男「な○やまきんにくんみたいな言い方してもやりません!」
373: ぐう 2013/11/17(日) 22:07:50 ID:Mak0om9c
ヤンデレ「ちぇ。じゃあ『はないちもんめ』」
男「おいおい。また懐かしい遊びを。っていうか、どう考えても2人でできるもんじゃないだろ。ははは」
ヤンデレ「男を一匁で私が買うゲーム」
男「あれ、俺が安値で買われて終わりじゃね!?」
374: ぐう 2013/11/17(日) 22:09:20 ID:Mak0om9c
ヤンデレ「シンプルイズベスト」
男「シンプルすぎるわ。まって、他の遊びをしよう」
ヤンデレ「じゃあ、どろけい」
男「なつっ! それ地域によって『けいどろ』とか言うアレだよね!? これもまた深刻な人数不足なんですけど」
375: ぐう 2013/11/17(日) 22:09:57 ID:Mak0om9c
ヤンデレ「大丈夫。警察に追われる泥棒が捕まって国家権力の犬に良いように凌辱されるゲームだから」
男「あー、遊びってそういう意味か。プレイ的な? で、何が大丈夫なんだ? ん?」
ヤンデレ「大丈夫。警察役は任せて……ハァハァ」
男「いやー!!! しかも俺が凌辱される側かよー!!!」
376: ぐう 2013/11/17(日) 22:12:37 ID:Mak0om9c
〜学校〜
???「ちょっと、そこのアンタ!」
男「んあ? 特にインタールードに意味はないけど……」
377: ぐう 2013/11/17(日) 22:13:23 ID:Mak0om9c
???「何、意味不明な寝言言ってんのよ。ほら、プリント落ちてたわよ。名前、これアンタのでしょ」
男「ああ、サンキュ……ええと、確か君は……」
ツンデレ「べっ、べつにアンタのためにやってあげた訳じゃないんだからね!」
男(うわぁ、ツンデレだ。金髪ツインテールとか。絵に描いたようだ……)
378: ぐう 2013/11/17(日) 22:15:03 ID:Mak0om9c
ツンデレ「な、なによ。アタシの顔になんかついてる?」
男「すごく……ベタベタだ」
ツンデレ「べっ、ベタベタ!? なにがついてるの!? 油汚れ的なナニカ!?」
男(すごくベタなツンデレだ)
379: ぐう 2013/11/17(日) 22:15:40 ID:Mak0om9c
ツンデレ「もういい! 鏡見てくる! あ……。アンタ、もうプリント落とすんじゃないわよ?」
男「わかった。以後気を付ける……ありがとな」
ツンデレ「なっ……! べっ、べべべ別にアンタのたたたたた」
男「わかった! わかったから! お礼が言いたかっただけだから!」
380: ぐう 2013/11/17(日) 22:16:46 ID:Mak0om9c
〜図書室〜
男(読みたい本が……結構高くにあるな)
男「よっ……と」
ツンデレ「よいしょっ……と」
381: ぐう 2013/11/17(日) 22:19:11 ID:Mak0om9c
男「ん?」
ピトッ
ツンデレ「ふえっ?」
男「ああ、悪い悪い。手が触れてしまった……って、なんだ君か……さっきはプリントありが」
382: ぐう 2013/11/17(日) 22:20:17 ID:Mak0om9c
ツンデレ「ぎにゃー!!!」
ドガッ!
男「とうっ!!!」
ツンデレ「あ、アアアンタ……この、この……うぅ……痴漢!」
383: ぐう 2013/11/17(日) 22:20:56 ID:Mak0om9c
男「ぐふ……っ、なお、加害者は殴るけるの暴行を加えた上に『置換』などという意味不明の言葉を発しており……」
ツンデレ「痴漢よ、痴漢! 別の言葉に置き換えてんじゃないわよ、『置換』だけに!」
男「おおっ、ツンデレは馬鹿と相場が決まっているがお前中々ウィットに富んだ返しをするじゃあないか!」
ツンデレ「な、なにがよ! なんでちょっと嬉しそうなのよ! そんなに湿った言い方したアタシ!?」
男(それはウェットだ……やはり馬鹿だ。よかった安心……)
384: ぐう 2013/11/17(日) 22:21:52 ID:Mak0om9c
男「……嬢ちゃん、良い後ろ回し蹴りだったぜ……がく」
ツンデレ「だ、誰が嬢ちゃんよ! って、え? だ、大丈夫!? ちょ、誰か消防車―!!!」
男(それは大げさだと思うが、せめて救急車を呼んでくれ……)
385: ぐう 2013/11/17(日) 22:22:31 ID:Mak0om9c
〜保健室〜
男「ん……」
ツンデレ「だ、大丈夫?」
男「俺は目を覚ました。すると目の前には金髪ツインテールのツンデレがいて、何やら意味不明の言葉を発していた」
ツンデレ「ア、アタシだって人の心配ぐらいするわよ! ていうかラノベ風に解説しないでよねっ!」
386: ぐう 2013/11/17(日) 22:26:24 ID:Mak0om9c
男「悪い悪い。強い衝撃を受けたおかげで持病の『自分がライトノベルの主人公だと信じて疑わない病』が再発してしまった」
ツンデレ「ず、随分器用な病気ね……ていうか、それ残念だけど中二病って言うのよ? 知ってた?」
男「驚愕の真実が俺に告げられた。俺は驚いてびっくりした」
ツンデレ「某作家みたいな言い回しはやめなさい。ダブってるからそれ」
387: ぐう 2013/11/17(日) 22:35:08 ID:Mak0om9c
男「中二病――ふ、断じて中二病などありえない」
ツンデレ「う、ううん……某菌糸類? 論者成分も入っている気が」
男「我は決して中二病などではありませんぞwww」
ツンデレ「いや、これ完全に論者だ!」
388: ぐう 2013/11/17(日) 22:38:17 ID:Mak0om9c
男「我の必然力によって今回も助かりましたなwwwメタな話をすると最近よく倒れている気がしますぞwww作者の展開力不足ですなwww」
ツンデレ「ああっ、それ以上言うと痛いことになるからやめたげて!」
男「とまあ、冗談はこのくらいにして……」
ツンデレ「はあ……まったく」
男「ツンデレ、今は西暦何年だ?」
ツンデレ「冗談よね!? それ冗談なのよね!? 何らかの使命を帯びてタイムリープしてきた未来人もしくは過去人みたいな言い回しやめて!?」
389: ぐう 2013/11/17(日) 22:39:03 ID:Mak0om9c
男「はっはっは、冗談だよ。ところで、さっきから抱えているその本は……」
ツンデレ「こ、これはその……アンタに貸そうと思って……」
男「ん? 何モジモジしてるんだ気持ち悪い。これはさっき俺が手に取ろうとして回し蹴りされた『今すぐ使える雑学大全集、特選256連発!』じゃないか!」
ツンデレ「ええ、工学系の学生が喜んで『キリがいい!』とか言い出しそうな微妙な数の雑学を収めた例の本よ。ところでアンタ今さりげなく『気持ち悪い』っつった?」
390: ぐう 2013/11/17(日) 22:43:35 ID:Mak0om9c
男「そんな訳ないだろう。……貸してくれるのか?」
ツンデレ「か、勘違いしないでよねっ! これは、その……と、とにかくこれで貸し借りなしなんだからねっ!」
男「ありがとう」
ツンデレ「なっ、なななな! アンタにお礼を言われる筋合いはないんだからねっ!」
391: ぐう 2013/11/17(日) 22:44:35 ID:Mak0om9c
男「素直じゃないな……ま、そういうところは可愛……おっと、チャイムだ」
ツンデレ「かっ……かわ、かわわわ! な、何言ってるのよアンタ馬鹿じゃないの!? ば、ばーか、ばーか! わ、私は授業あるから行くけど、アンタはもうちょっと休養していなさいよね! 後でまた様子見に来てあげないこともないんだからねっ!」
男「お前案外良い奴だな……」
ツンデレ「なっ……! か、かかか勘違いしないでよねー!」
バタバタ
男「行ったか……」
男(今度から関わるのが面倒なときは褒めちぎることにしよう……と固く心に誓った俺なのであった)
392: ぐう 2013/11/17(日) 22:50:50 ID:Mak0om9c
〜第6部:完?〜
393: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/17(日) 22:57:31 ID:Vo1ydXys
乙!
これは危ない橋を渡りそうだな
397: ぐう 2013/11/21(木) 23:07:54 ID:HPPzgkT.
〜翌日〜 通学路
ツンデレ「ちょっとアンタ!」
男「ん? ああ、ツンデレじゃないか。おはよう」
ツンデレ「お、おは、おはよう……。って、そうじゃなくて、その、昨日は」
398: ぐう 2013/11/21(木) 23:08:50 ID:HPPzgkT.
男「なんだ?」
ツンデレ「昨日はその……、うぅ……ごめんなさい」
男「これはご丁寧に」
ツンデレ「な、なによっ! そりゃ謝るわよ! 謝らない方が不思議でしょ! ニヤニヤすんなっ! 笑うな!」
399: ぐう 2013/11/21(木) 23:11:59 ID:HPPzgkT.
男「えっ、俺今ニヤニヤしてた? いやー、ごめん無意識だったわ―。完全に無意識だったわー」
ツンデレ「なんでちょっとミサワ風に言うのよ! と、とりあえず……ちゃんと謝ったんだからね!」
男「ち、ちゃんと謝られたんだからね!」
ツンデレ「ちょっ! 真似しないでよね!」
400: ぐう 2013/11/21(木) 23:13:10 ID:HPPzgkT.
男「だ、誰がアンタの真似なんかするもんですか! 頼まれたってしないんだからねっ!」
ツンデレ「う、うわぁ……なんだか普段の自分を垣間見ているようで恥ずかしい気持ちになってきた」
男(面白い)
男(というか、昨日で一件落着して、お互い遺恨はないはずだが)
401: ぐう 2013/11/21(木) 23:25:28 ID:HPPzgkT.
男「ま、このくらいにして……、用件はそれだけか?」
ツンデレ「そうよっ! 悪い!?」
男(なぜケンカ腰なんだ……ツンデレに理由を求めるほうが無粋というものか)
男「じゃ、用が済んだところで学校へ行くか」
402: ぐう 2013/11/21(木) 23:27:13 ID:HPPzgkT.
ツンデレ「ふ、ふんっ。アンタがどうしてもって言うなら、その、一緒に登校してあげないこともないんだからねっ!」
男(……。なるほど、ツンデレは俺と一緒に学校へ行きたいからわざわざ通学路で待ち伏せして昨日のことを蒸し返してきたわけか。)
男(でも……これ言ったらまたシャイニングウィザード的なものが俺にヒットすること間違いなしだから言わないでおくか)
男「なるほど、ツンデレは俺と一緒に学校へ行きたいのか」
男(あれ、俺自殺願望でもあるのか!?)
403: ぐう 2013/11/21(木) 23:27:43 ID:HPPzgkT.
ツンデレ「なっ!?」
ツンデレ「なっ、ななな……そ、そんな訳なくなくないんだからねー!!!」
男「あべしっ!」
408: ぐう 2013/11/25(月) 23:32:21 ID:LQO3Bvdk
〜保健室〜
男「知らない天井だ……」
ツンデレ「……あんた馬鹿?」
男「ツンデレよ、さすがだ。ツンデレという言葉に市民権を与えた立役者の一人、某セカンドチルドレンの台詞を即座に反してくれるとは」
409: ぐう 2013/11/25(月) 23:34:06 ID:LQO3Bvdk
ツンデレ「いや、意味が分からないんですけど」
男「ちくしょう! 素かよ!」
ツンデレ「な、なによ! 私が何したっていうのよ!」
男「そうだな、俺が再びここへ運ばれたのは何故だ?」
ツンデレ「あ、アタシは悪くないもん! アンタが変なこと言うからでしょっ! 自業自得よ!」
410: ぐう 2013/11/25(月) 23:39:08 ID:LQO3Bvdk
男「なるほど。確かにあれは俺もどうかしていた」
ツンデレ「でしょ、ふふん」
男「それにしても……ツンデレと関わると気絶落ちの回数が増えてしょうがないな。マンネリだ。倦怠期だ。俺たち別れよう」
ツンデレ「いや、そもそも付き合ってないから!」
411: ぐう 2013/11/25(月) 23:40:05 ID:LQO3Bvdk
男「ひどいっ! 私のことは遊びだったのね!」
ツンデレ「アタシチャラ男かよ!」
男「所詮体目当てだったのね!」
ツンデレ「いや、違うけど! むしろいらないけど!」
412: ぐう 2013/11/25(月) 23:49:24 ID:LQO3Bvdk
男「どうせ別の女に乗り換えるんでしょう!」
ツンデレ「そ、そんな趣味ないわよ! 確かに後輩の女の子からラブレターもらうことはなくもないけど……ないわよ!」
男「さて、ところで俺は何回ボケたでしょう?」
ツンデレ「なにそのタイ○ショックの『ところで今何問目?』的な質問」
男「ふむ。素晴らしい反応だ。君ならゼロシステムを扱えるかもしれん」
ツンデレ「乗らないから。どこぞの自爆野郎じゃないから、アタシ」
413: ぐう 2013/11/26(火) 00:02:05 ID:PPc/UWSg
男「或いはお前を見習うべきなのか……」
ツンデレ「ならひとつだけ忠告しておく。死ぬほど痛いぞ……って、だからどこぞのタンクトップ野郎じゃないから!」
男「お前が乗るんだ。シンジ」
ツンデレ「いや、サードチルドレンでもないから!」
414: ぐう 2013/11/26(火) 00:05:18 ID:PPc/UWSg
男「お前が信じる、お前を信じろ!」
ツンデレ「しないから。天元突破しないから!」
男「今ならクロとシロもおつけしますよ」
ツンデレ「そんな気安くファミリアおまけしてもいいの!? いや、私魔装○神操者でもないから!」
男「じゃあ何に乗りたいんだよ」
ツンデレ「ロ、ロボットの話はもういいのよ! ていうか何気について行けてる自分が怖い!」
415: ぐう 2013/11/26(火) 00:06:03 ID:PPc/UWSg
男「スパロボやってればそれくらいの知識は身につくさ」
ツンデレ「く……何故それを……っ!?」
男「あれ図星?」
ツンデレ「ちくしょう! 嵌められた!」
416: ぐう 2013/11/26(火) 00:07:01 ID:PPc/UWSg
男「俺OGだったらエグゼク○バインが好きなんだよね」
ツンデレ「あー、完全に中二病ね」
ツンデレ「あの主人公然とした態度、身なり、ストーリ、そして機体性能。念動力まで……。何度も機体verアップするわBBCは追加されるわ。優遇されすぎなのよ」
男「がーんっ! だが、そこがいいんじゃないか! そういうお前は一体何が好きなんだよ!」
417: ぐう 2013/11/26(火) 00:07:57 ID:PPc/UWSg
ツンデレ「やっぱりビルト系よね」
男「それこそツ○ンバードストライクするマシンじゃないか」
ツンデレ「いや、でも一番好きなのはシュナーベルかな」
男「渋すぎるっ!!!」
418: ぐう 2013/11/26(火) 00:10:18 ID:PPc/UWSg
ツンデレ「し、渋くないわよ! あの機動性と眼鏡っ娘の組み合わせ最高でしょ!」
男「いやでも……うぅん……」
ツンデレ「な、なによ! 文句あるの!?」
男「いや、そういう人もいるか……」
423: ぐう 2013/11/27(水) 22:54:05 ID:Q1EPQ0XY
本編開始
〜放課後〜
男「まいったな……雨か。傘を忘れてしまった……」
男(さすがに借りパクは気が引けるし、妹を呼ぶにしてもヤンデレを呼ぶにしても、それはそれで面倒だな)
男「晴れないかな……」
424: ぐう 2013/11/27(水) 22:56:02 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「ふん……晴れないわよ。今日は午後から降水確率100%だもの」
男「うおっ、いつから居たんだ!?」
ツンデレ「た、たまたまよ! たまたま! べ、べつにアンタの後をつけてきたわけじゃないんだからね!」
男(つけられてたのか!?)
425: ぐう 2013/11/27(水) 22:57:37 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「アンタ、今日傘持ってないみたいだったから、どうするのかちょっと気になっただけなんだから!」
男「あの……、俺のことよく見てるね……?」
ツンデレ「っ……!? べべべべつにアンタのことなんかくぁwせdrftgyふじこlp」
男「それどうやって発音してんの!?」
426: ぐう 2013/11/27(水) 22:58:39 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「と、とにかくっ! ア、アンタがどうしてもっていうなら私の傘に入れてあげないこともないんだからねっ!」
男「じゃあ遠慮なく」スッ
ツンデレ「は、はぁああー!? ちょ、そこは『いやそれはさすがに……』って遠慮するところでしょう!? 何をさも当然に入ってきてるのよ!? アンタ馬鹿なの!? 死ぬの!?」
男「ちょ、寒い寒い。濡れるって。いや……ツンデレが入れって言ったんじゃないか。」
427: ぐう 2013/11/27(水) 22:59:33 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「言ってないわよ! アンタがどうしても入れてほしいって言うのなら私が百歩譲って……!」
男「どうしても入れてほしいのでお邪魔します」スッ
ツンデレ「でてけー!!!」
ガスッ!
男「理不尽っ!!!」
428: ぐう 2013/11/27(水) 23:01:21 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「なめんな! ツンデレなめんな! ち、ちょっと優しくしたからって調子に乗らないでよねっ!」
男(この女めんどくせぇな)
男「わかった、わかった。じゃあ、駅前まで一緒の傘に入れてくれ、頼む」
ツンデレ「言い方がだめ。もっと取引先に言うみたいに」
男「カズマ!? 一体なぜ……ま、まさかツンデレつながりか!?」
429: ぐう 2013/11/27(水) 23:02:15 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「ほら早くしてよね! アタシだって暇じゃないんだから!」
男「ぐ……すみませんが、傘を忘れてしまったので、一緒の傘に入れていただけないでしょうか」
ツンデレ「い、いいわよ……しょうがないわね!」
男「はー、たかが傘に入れてもらうだけで一苦労だ」
430: ぐう 2013/11/27(水) 23:03:09 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「よし、そんなに濡れて帰りたいのね? ほらほら出て行きなさい」
男「冗談だよハニー、はっはっは」
ヤンデレ「はっはっは」
ツンデレ・男「!?」
431: ぐう 2013/11/27(水) 23:04:22 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「……ふうん、仲よさそうだね誰その女っていうか私と言うものがありながら他の女と相合傘するなんて男ってばそんなに私に焼きもちを焼かせたいのいいよ焼いてあげる私の中で業火が燃え盛って今にもその女を消し炭にしてしまいそうなぐらいだよで、誰がハニーで誰がダーリンなのかな今すぐ教えてもらえるかなもちろんダーリンは男でハニーは私のことだろうけどえ、まさか別の女に向けて言ったのかなそんなことはないよねだって」
男「いやいやいやいやヤンデレさん! これには深いワケが」
ヤンデレ「ふうん深いワケ、不快な言い訳じゃなくて? そうか男にも言い分はあるもんね私ばっかり喋ってちゃ早とちりしてしまいそうだもんねごめんごめんいいよ、どうぞ好きなだけ弁解のチャンスをあげるよ今この場で仲よさそうに相合傘をして男が他の女と下校しようとしていた事実はなくならないしましてや、まんざらでもなさそうな顔をしていた両名だけれども、それがどうしてもこの雨の中一緒に帰らざるを得なくなった理由聞いてあげるどうぞ?」
ツンデレ「……。ア、アタシはこれで失礼して」スチャッ
432: ぐう 2013/11/27(水) 23:06:14 ID:Q1EPQ0XY
ガシッ
ヤンデレ「うふふつーかーまーえーたっ。どこに行くのかなまだ話は終わってないよっていうか始まってすらいないよ当事者がいなくちゃお話にならないじゃない文字通り。ああそうか、初めて話す相手だから緊張してるんだねごめんなさい私の名前はヤンデレそこで小刻みに震えている男君の彼女です以後よろしくねそれで、お前いえ失礼あなたのお名前はなんでしょう? よろしければ聞かせてもらえるかしら冥土の土産に。もちろん、冥土に行くのはあなただけれど。ふふっ」
ツンデレ「いーやー!!!!」
男「久々の真ヤンデレモードか……」ガクガク
433: ぐう 2013/11/27(水) 23:07:18 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「さぁ……お前の罪を数えろ」
ツンデレ「ウラタ○ス――!?」
ヤンデレ「一つ。私の男に半径1メートル以上近づいた罪。二つ。私の男と仲よさそうにそのペラペラ回る口で楽しそうにおしゃべりしていた罪。三つ。私の男を気安くアンタ呼ばわりした罪あなたがどれだけ親しいか分からないけれどクラスメイトの分際でよくもまぁいけしゃあしゃあと、どうしても用事があるときは『さん』づけでよそよそしく男を呼ぶことを許可しないでもないけれど(まぁ許さないけど)とりあえずそれが三つめ」
ツンデレ(漏れてる!? 心の声漏れてるよヤンデレさんっ!! そして私の罪はあなたが数えるんだね!)
434: ぐう 2013/11/27(水) 23:08:24 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「四つ。私の男に私を差し置いてあろうことかハニーなどと呼ばれた罪」
ツンデレ(それ完璧にアタシじゃなくてコイツが悪いわよね!? 言ったら多分死ぬから言わないけど!)
ヤンデレ「五つ。私を差し置いて男と一緒の空気を共有した罪。六つ。男と相合傘なんぞにあやかろうとした罪、以上の六つに加えて七つ目の罪は私を怒らせた罪。そう、テメーは俺を怒らせた」
ツンデレ「じょうたろうっ!?」
435: ぐう 2013/11/27(水) 23:14:13 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「あらあら誰が喋って良いと言ったのかしらお話をしようと言ったのは私だけれども人の話の途中で口をはさむなんて失礼じゃないかしらましてやツッコミができるなんていい度胸だと思うわ。いい度胸だと思います。まだ余裕があるならボケもツッコミもできないようにして差し上げる……これで」スッ
やんでれは まほうのすてっきを とりだした!
ツンデレ「バール!?」
ヤンデレ「これは魔法のステッキです。恋する乙女に無限大×死のパワーを与えたもう神聖にして真正なるレアアイテムです。ふるうのは私。ふるわれるのは貴女。ドゥーユーアンダスタン、ビッチ?」
436: ぐう 2013/11/27(水) 23:15:00 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ(恋する乙女は死のパワーなんか使わないと思いますが!?)
ヤンデレ「綱紀粛正〜」
ビュン
ツンデレ「がふっ!!」
男「脳天ッ!?」
437: ぐう 2013/11/27(水) 23:15:49 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「その目その耳あけるなりかっぽじるなりしてよく見なさいそして聞きなさい。男の彼女は私です。私のものです。私の所有物です。私の愛玩物です。独占物件です。他人には渡しません。あなたには渡しません。触れさせません。近づけさせません。見ることも許しません。匂いを嗅ぐことも許しません。声を聞くことも許しません」
ヤンデレ「貴女は男に近づきすぎた。触れすぎた。おしゃべりをし過ぎた。見すぎた。私の許可なく。もちろん、許可なんて誰にも与えるつもりはないけれど、断りもなく貴女は当たり前のように話しかけた。コミュニケーションを取った。言葉のやりとりをした。距離を詰めた。それが私には許せないのです。それが私には耐えがたいのです。その感情全てがどうしようもなく、怒りに代わってしまうのです。ひとえに愛情ゆえです」
ヤンデレ「私は男が大好きです。私は男が超大好きです。私は男を愛しています。他の誰にも好きにさせない。他の誰にも渡さない。愛させない。惚れさせない。慕わせない。想わせない。その義務があり、その権利があります。私が男の彼女だからです」
ヤンデレ「私の気持ちが分かりますか? ド低能の貴女に分かりますか? 私の怒りが分かりますか? 私の感情が伝わりますか? しょうがないよね、だって好きなんだもん。私のものなんだもん。貴方だって人を想う気持ちがあるならわかるでしょう? わかってくれるよね? ううん、わかりなさい? これは当然のこと。人のものは取ったらダメ。触ったらダメ。馴れ馴れしくしたらダメ。オーケー?」
438: ぐう 2013/11/27(水) 23:17:37 ID:Q1EPQ0XY
男(もの……ていうか、ツンデレ大丈夫か?)
ツンデレ「はにゃ……お星さまがみえる……」
男(全然大丈夫じゃない!)
ヤンデレ「お星さま? あなたこの状況で星空に思いをはせているの? ロマンティックね。斬新ね。まぁいいわ。初回だからこれくらいで許しま……あら? 許しま……あら、言葉がうまく紡げない。許し……許せ……ない……許s……まぁいいわ。許しませんけど、二回目はないわよわかる? なにがないって? あなたの命が。ふふふ。」
439: ぐう 2013/11/27(水) 23:19:55 ID:Q1EPQ0XY
ツンデレ「うん……わかったよお星さま……」
男(全然大丈夫じゃない!)
ヤンデレ「わかったならいいの。とっとと消えなさい? 消え失せなさい? ゴーホームよビッチ?」
ツンデレ「うん……帰る……ビッチお家帰る……」
男(ET!?)
440: ぐう 2013/11/27(水) 23:20:53 ID:Q1EPQ0XY
つんでれは ふらふらとしたあしどりで かえっていった!
ヤンデレ「さて男」
男「」
男(矛先が)
441: ぐう 2013/11/27(水) 23:22:18 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「ねぇ男」
男「」
ヤンデレ「あ、耳が聞こえなくなっちゃった? あの女と喋ったせいで、声を聴いたせいで、耳が腐ってしまったのかしら大変。私の声が聞こえるなら返事をしてくれるかな? 男」
男「はい」
442: ぐう 2013/11/27(水) 23:22:53 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「よかったぁ。ちゃんと聞こえるんだ……どうして黙ってたのかな。私とおしゃべりしたくないのかな? 可愛い彼女とお話ししたくないのかな? さっきの金髪ツインテールとはあんなに楽しそうにおしゃべりしていたのに? ああ、思い出したら殺意……いえ、愛情が裏返りかけちゃった。ごめんごめん。でも安心して? 私は男を傷つけるようなことはしないよ? 安心してね。ね? 男」
男(こ……こえぇー!!!)
ヤンデレ「で、男はもちろんあの女のことは遊びだったんだよね、遊びっていうかむしろ路傍の石ころを蹴ったくらいの何でもないことだったんだろうけど男にとっては。でも、私にとってはすごくすごく重要なことだったの、わかる? わかるかな? わかるよね? 私の彼氏だもん」
男「はい」
443: ぐう 2013/11/27(水) 23:23:44 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「うふふよかったわかってくれて。どうしてあんなことしたのかな? 受け身だったらいいと思った? 主体的じゃなければ大丈夫だと思った? 勘違いしちゃったのかな? 男は私以外の女と楽しそうにおしゃべりしちゃいけないのに、そんな重要なことを忘れちゃってたのかな? ましてや私以外の女と相合傘だなんて、これは大事件だよ。とんでもないことだよ。雛見沢級だよ」
男(ひぃいー!!!)
ヤンデレ「さ、続きは帰ってからにしよう? 雨降ってて寒いし、ほらそうだ私傘を持ってきてるんだー、一本だけ。よかった、これで相合傘して帰れるね。男がさっきまでしたがってた相合傘。嬉しいよね? 嬉しくないはずないよね? 喜んでごらん?」
男「わ、わーい」
444: ぐう 2013/11/27(水) 23:24:52 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「そう、そんなに嬉しいんだ。じゃあちょっと遠回りしてかえろっか。電車を使わないで帰ろうか。もう二度と他の女と相合傘なんてしなくてすむように、したいと思わなくなるように、たっぷり時間をかけて相合傘して帰ろうね」
男「ひぃいー!」
ヤンデレ「ひぃい? やだ男ってば、そんな奇声を発するぐらい嬉しいのね。私も張り切っちゃうぞー。ほら早く入って? 濡れちゃうよ? 風邪引いちゃうよ? まぁもちろん男が風邪を引いたら私が24時間体制でつきっきりで甲斐甲斐しく看病することもいとわないのだけれど、というか彼女としてそうする義務があるし、わたしがそうしたいからそうすると思うのだけれど」
男「入らせていただきます」
445: ぐう 2013/11/27(水) 23:27:30 ID:Q1EPQ0XY
ヤンデレ「やだもう、ダイタンなんだから」
男「どうにでもしてくれ……」
ヤンデレ「うんわかった。煮るなり焼くなり愛でるなり撫でるなり嗅ぐなり触れるなり見るなり聞くなり私の好きにさせてもらうからね」
男「ひぃいー!」
ヤンデレ「だからそんなに嬉しがることないじゃない、男ってば。うふふ……」
446: ぐう 2013/11/27(水) 23:28:49 ID:Q1EPQ0XY
その後、男の行方を知るものはいない。
〜第6部 完〜
447: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 00:27:32 ID:JVhBDoEI
ツンデレの会話書いてて楽しそうだな
ツンデレほど完全な被害者もいないけど
乙!
448: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/29(金) 00:38:35 ID:NaS4BrgI
ノリノリだなw
乙
449: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/12/08(日) 11:35:16 ID:SyBFhFhE
第7部マダー?
454: ぐう 2014/01/06(月) 22:11:48 ID:C/heC9o6
〜第6.5部【番外編】とあるツンデレの日常〜
455: ぐう 2014/01/06(月) 22:12:49 ID:C/heC9o6
ツンデレちゃんの日常を紹介します。
べ、べつにアンタに知ってほしくて紹介するんじゃないんだからねっ!
ツンデレの朝は早い。
まずアラームを止めることから彼女の朝は始まる。
ツンデレ「むにゃ……」
456: ぐう 2014/01/06(月) 22:13:35 ID:C/heC9o6
ジリリリリ!
ツンデレ「……ていっ!」
ツンデレ「べ、べつにアンタに起こされて起きたわけじゃないんだからねっ!」
ツンデレ「一人でも起きれるんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!」
458: ぐう 2014/01/06(月) 22:14:08 ID:C/heC9o6
とまあ、このように目覚ましに向かって突っ込んでしまう可哀想な少女。それがツンデレなのである。
ツンデレ「はっくし!」
ツンデレ「だ、誰かがアタシの噂をしているわ……べ、べつに噂されても嬉しくないんだからね!」
ツン姉「アンタ、朝っぱらから何やってんの」
459: ぐう 2014/01/06(月) 22:17:29 ID:C/heC9o6
ツンデレ「お、おおおお姉ちゃん部屋に入るときはノックしてっていつもくぁwせdrftgyふじ」
ツン姉「どうやって発音してんの!? いいからアンタ落ち着きなさいよ」
ツンデレ「ふぁい……ほんの出来心だったんです……」
ツン姉「いや、いいんだけど……朝ごはん、どうする?」
460: ぐう 2014/01/06(月) 22:18:19 ID:C/heC9o6
ツンデレ「トーストとスクランブルエッグ、ベーコン、あとブラックコーヒーで。きりっ」
ツン姉「いや、メニューはもう決まってるんだけど」
ツン姉(ていうか、「きりっ」てなに)
ツンデレ「ブラックコーヒーは?」
461: ぐう 2014/01/06(月) 22:18:53 ID:C/heC9o6
ツン姉「アンタどうせ飲めないでしょ」
ツンデレ「えー」
ツン姉「カフェオレにしたら? 半分だけミルク混ぜて」
ツンデレ「カフェオレ! ……苦さ半分、甘さ半分。それはまるで究極のツン・デレね! さすがお姉ちゃん!」
462: ぐう 2014/01/06(月) 22:19:23 ID:C/heC9o6
ツン姉「いや、そういうつもりじゃ……」
ツンデレ「そうと決まればカフェオレよ! ちなみにエスプレッソにミルクを混ぜたものがカフェラテよ! 良い子のみんな、べつに教えてあげたかったわけじゃないんだからね!」
ツン姉「我が家の妹は今日も元気だなぁ」
464: ぐう 2014/01/06(月) 23:12:17 ID:C/heC9o6
〜学校〜
ツン友「おはよう、ツンデレちゃん」
ツンデレ「おはよう。べ、べつにアンタに会いたかったわけじゃないんだからね!」
ツン友「うふふ、ツンデレちゃんは面白いなぁ」
465: ぐう 2014/01/06(月) 23:14:59 ID:C/heC9o6
ツンデレ「ツンデレだからね! さて、今日の授業は……あ! シュクダイ忘れた!」
ツン友「え、また忘れたの? よかったら私の見る?」
ツンデレ「べ、べつに見せてほしい訳じゃないんだからねっ!」
ツン友「ふうん。じゃあ見ーせない」
ツンデレ「えっ」
466: ぐう 2014/01/06(月) 23:15:41 ID:C/heC9o6
ツン友「ツンデレちゃんは偉いなぁ。宿題忘れたけど自分で頑張るなんて」
ツンデレ「ちょちょちょ、待った待った。いや、待ってほしくないんだからね! 待ってほしくないんだけどちょっと待って!」
ツン友「え……わけがわからないよ」
ツンデレ「QB!? タンマタンマ!」
ツン友「人生にタンマなんてないよツンデレちゃん」
467: ぐう 2014/01/06(月) 23:16:49 ID:C/heC9o6
ツン友「自分の言ったことには責任を持たなきゃ」
ツンデレ「いやいやいや、ツンデレが『いいえ』と言ったらそれは『はい』なのよ!」
ツン友「じゃあ突然だけどツンデレちゃん、今この場でツンデレちゃんはわさびとからしを鼻の穴に突っ込むことはできる?」
ツンデレ「はぁ? そんなの『できるわけない』じゃない。というかやりたくもな」
468: ぐう 2014/01/06(月) 23:17:34 ID:C/heC9o6
ツン友「そっかー、なるほどなー」
ズブニュッ
ツンデレ「ほあああ!? い、いきなりなにす……辛ーーー!!!?」
ツン友「ツンデレが出来ないと言えば、それはできる」
ツンデレ「できるわけないじゃない! アンタ馬鹿なの!? 死ぬの!? 辛っ! ちょ、ほんとに辛いんだけど!」
469: ぐう 2014/01/06(月) 23:18:34 ID:C/heC9o6
ツン友「ツンデレの辞書に、不可能と言う文字はない」
ツンデレ「あるわよ! ナポレオンじゃないんだから、あるわよ!」
ツン友「ツンデレは一日にしてならず」
ツンデレ「ちょ、ローマみたいに言わないでよねっ!」
470: ぐう 2014/01/06(月) 23:46:10 ID:C/heC9o6
ツン友「ツンデレ思う、ゆえにツンデレあり」
ツンデレ「それは全面的に同意だわ」
ツン友「えっ、なにそれこわい」
ツンデレ「えっ」
471: ぐう 2014/01/06(月) 23:46:41 ID:C/heC9o6
ツン友「こほん。ツンデレの、ツンデレによる、ツンデレのためのー?」
ツンデレ「えっ。……ツ、ツンデレ……?」
ツン友「正解!」
ツンデレ「いやいやいや、意味わかんないし!」
472: ぐう 2014/01/06(月) 23:47:14 ID:C/heC9o6
ツン友「時は金なり。じゃあツンデレは?」
ツンデレ「金髪なり……?」
ツン友「……! 大正解!」
ツンデレ「いやいや、だから意味わかんないし! 確かに上手いこと言った感はあったけれども!」
473: ぐう 2014/01/06(月) 23:48:11 ID:C/heC9o6
ツン友「ツンドラって十回言って?」
ツンデレ「は? なによいきなり……」
ツン友「いいから、はやく」
ツンデレ「はぁ? しょ、しょうがないわね……ツンドラツンドラツンドラツンドラ…………」
474: ぐう 2014/01/06(月) 23:49:19 ID:C/heC9o6
ツン友「さてここで問題です。タッ○ーの進化形は?」
ツンデレ「シー○ラ! って、さっきのツンドラは一体何の意味が!? 全く間違える要素ないわよね!? ていうかツンデレに関係する何かしらを言わせようとしたんじゃないの!?」
ツン友「ちっ」
ツン友「さてここで問題です。ツンデレと言えば」
ツンデレ「待って、今舌打ちしたよね」
475: ぐう 2014/01/06(月) 23:50:30 ID:C/heC9o6
ツン友「ツンツンデレデレした人のことを言いますが、普段は無口・無表情だけど好きな人の前だとデレッデレになる人のことは何という?」
ツンデレ「あ、シカトですか……えーっと、確かクーデレよね?」
ツン友「FF?」
ツンデレ「FAでしょ!? なんでファ○ナルファンタジー? って聞かれないといけないのよ!」
476: ぐう 2014/01/06(月) 23:51:27 ID:C/heC9o6
ツン友「ぶっぶー、正解はフロントエンジン・フロントドライブでしたー」
ツンデレ「あー、そっちかー……じゃなくて、問題変わってるし!」
ツン友「ツンデレよ、大志を抱け!」
ツンデレ「ビー、アンビシャース!! ってなによこれ!? いきなり何やらせんのよ!」
477: ぐう 2014/01/06(月) 23:53:56 ID:C/heC9o6
ツン友「山と言ったら川。ではツンと言ったら!?」
ツンデレ「デレ!! ……ってだからなによこれ!」
ツン友「デレと言ったら?」
ツンデレ「ツン!! って、逆になっただけじゃないの! なによデレツンて! 語呂悪っ!」
478: ぐう 2014/01/06(月) 23:54:56 ID:C/heC9o6
ツン友「吾輩はツンデレである。名前はまだない」
ツンデレ「……どこでこじらせたかとんと見当がつかぬ。なんでも薄暗いじめじめした所で『か、勘違いしないでよねっ!』『べ、べつにアンタのためじゃないんだからねっ!』と言っていたことだけは記憶している……ってそんな訳ないんだからね!!」
ツン友「……!」プルプル
ツンデレ「自分から振っといてツボに入ってんじゃないわよ!」
479: ぐう 2014/01/06(月) 23:55:50 ID:C/heC9o6
ツン友「あー、満足満足。あ、ほらツンデレちゃん、涙出てるよ? ハンカチ」
ツンデレ「あ、ありがと……って、アンタのせいじゃないのよ! もう!」
ツン友「世の中には自業自得という言葉があってね、ツンデレちゃん。自らの業で、自分自身が得をするって意味なんだけどね?」
ツンデレ「それゼッタイ違う!」
480: ぐう 2014/01/06(月) 23:56:32 ID:C/heC9o6
ツン友「でも、おいしかったでしょ?」
ツンデレ「リアクション芸人じゃないからアタシ!」
キーンコーンカーンコーン
ツンデレ「宿題!!!」
ツン友「あうとー」
487: ぐう 2014/01/26(日) 22:29:44 ID:m9lR9cFI
〜放課後〜
男「ん?」
ツンデレ「あ」
488: ぐう 2014/01/26(日) 22:30:16 ID:m9lR9cFI
男「よう、ツンデレじゃないか」
ツンデレ「べ、べつにアンタに会いたかったわけじゃないんだからねっ!」
男「そうか、そんなに俺に会いたかったのk、あべしっ!」
ツンデレ「偶然よ! だいいち、なんでアンタが駅なんかにいるのよ!」
489: ぐう 2014/01/26(日) 22:30:55 ID:m9lR9cFI
男「え、いや、帰るから……? 電車に乗って……」
ツンデレ「なんでちょっと引き気味なのよ」
男「いや、ちょっと頭おかしいのかなって」
ツンデレ「ちょ、ストレートに人をキ○ガイ扱いしてんじゃないわよ!」
490: ぐう 2014/01/26(日) 22:31:34 ID:m9lR9cFI
男「ちょっと頭おかしいのかなって」
ツンデレ「二回も言わないでよ! どうせならオブラートに包んで言いなさいよっ!」
男「そこはビブラートに包むってボケろよ……」
ツンデレ「な、なんでアタシ引き気味でダメだしされてるの」
491: ぐう 2014/01/26(日) 22:33:13 ID:m9lR9cFI
男「えー、じゃあ、『少し変わっているのかな』」
ツンデレ「悪くないわね」
男「『皆より一歩先を行っているのかな』」
ツンデレ「その調子よ」
男「『こいつアホだ』」
ツンデレ「オブラート破り捨ててんじゃないわよ!」
492: ぐう 2014/01/26(日) 22:33:57 ID:m9lR9cFI
男「しまった! つい本音が!」
男「まぁそれは置いといてツンデレよ、この間はすまなかったな」
ツンデレ「へ? なにが?」
男「それは雨の降る放課後のことでした……」
ツンデレ「な、なによその怪談チックな語り口調は!?」
493: ぐう 2014/01/26(日) 22:35:36 ID:m9lR9cFI
男「あれ、覚えてない? 名状しがたいバールのようなもので……」
ツンデレ「」ビクッ
男「……ああ、なるほどトラウマになっちゃったか」
ツンデレ「名状しがたいバールという名前を聞いた時に何かよくないことを思い出しそうになったわ……」
男「名状しがたいバールって、それきちんと名状できてるからな? まあとにかく、この間はヤンデレがすま」
ツンデレ「」ビクッ
494: ぐう 2014/01/26(日) 22:36:43 ID:m9lR9cFI
ツンデレ「今の『ヤンデレ』という固有名詞を聞いた途端、ちょっと背筋に悪寒を感じたわ」
男「重傷だな……。おっと、まぁそういう訳で、悪いが俺はお前と喋ることはあまりできないんだ」
ツンデレ「え……」
男「まぁそう寂しそうな顔をするなツンデレよ」
ツンデレ「しっ、してないんだからね! さびしそうな顔とか! 全然!」
495: ぐう 2014/01/26(日) 22:37:30 ID:m9lR9cFI
男「今生の別れっていう訳でもない。ただ、ほとぼりが冷めるまでお前との関係は無しだ」
ツンデレ「ちょ、アタシを愛人みたく扱わないでくれる!? どういう関係性よ私たち!?」
男「え……そう聞かれると返答に困るな。なんだよツンデレ、俺の口から直接言わせたいのか? 恥ずかしいじゃないか」
ツンデレ「な、ななな何を言うつもりなのよ、いいから言ってみなさいよ」
496: ぐう 2014/01/26(日) 22:38:08 ID:m9lR9cFI
男「漫才コンビだ」
ツンデレ「は?」
男「俺がボケて、ツンデレがその強気なキャラで『なんでやねん!』と突っ込んでいく。たまにノリツッコミもする。いい相方だった……」
ツンデレ「いやいや、綺麗にまとめようとしないでくれる!?」
497: ぐう 2014/01/26(日) 22:38:57 ID:m9lR9cFI
男「まあ、そういう訳だ。じゃあな」
ツンデレ「ちょっ……!」
男が電車に乗り込み、ドアがプシューという音を立てて閉まった。
ツンデレ「なによ……! 勝手なやつなんだから! もうっ!」
498: ぐう 2014/01/26(日) 22:40:17 ID:m9lR9cFI
車内から男がこちらを見て、手を振り、さよならと伝えてきた。
アタシはいつもの「ふんっ!」という調子で、プイと顔を背けた。
男はアタシの様子がおかしかったのか、少しだけ口元を緩めた。
電車が動き出す。
男を乗せて、アタシを乗せていない電車が。
ゆっくりと動き出す。
アタシの知らないところへ帰っていく、男を乗せた電車が。
499: ぐう 2014/01/26(日) 22:41:20 ID:m9lR9cFI
「あーあ……乗っちゃえばよかったかな」
でも、それからどうする? その先は? 一体アタシはどうしたいんだろう。……否、どうしたかったのだろう。
誰に言うでもなく呟いたその言葉を、『彼女』は聞いていた。
501: ぐう 2014/01/26(日) 22:42:14 ID:m9lR9cFI
「いいえ、あなたは正しい選択をしたわ……」
「!」
鈍い衝撃。殴られたのだと気付いた時には、もう遅かった。
薄れゆく意識の中で、『でも、残念』という彼女の声を聴いた気がした。
〜第6.5部 【番外編】とあるツンデレの日常 完〜
509: ぐう 2014/03/02(日) 23:55:41 ID:zvfbTmUs
〜第7部 クーデレ現る〜
高校で図書委員を兼任している男君。
ある日彼は物静かな少女と出会う。
男「あのー、そろそろ閉めたいんだけど……」
?「……困る」
510: ぐう 2014/03/02(日) 23:56:26 ID:zvfbTmUs
やあ、皆! 俺の名前は男!
男らしい名前だろ? なんせ男だからね! 野暮なツッコミは無しだぜ!
ある日俺は図書委員として働いていると、まるで長門……某ヒューマノイドインターフェース風の美少女と出会ったんだ。
彼女は図書館の奥のテーブルで一人、じっと読書にのめりこんでいたのさ。
青髪ではないのが残念だけれど、現実だからしょうがないよねっ! え、現実じゃない?
こ れ は 現 実 じゃ な い?
ルイズルイズうわぁあああああ!以下略
511: ぐう 2014/03/02(日) 23:57:34 ID:zvfbTmUs
脳内で奇妙奇天烈なモノローグを再生していると、某長門風の美少女は無言でじっとこちらを見つめていた。
上目遣いだ。だが無表情だ。萌えである。
「いやでも、規則だから……俺も帰れなくなっちゃうし」
「……そう」
少女はポツリと呟くと、やはり無表情で帰りの支度を始めた。
ちら、と少女が読んでいたタイトルに目をやると、ドストの『罪と罰』、文庫本上巻だった。
512: ぐう 2014/03/02(日) 23:58:32 ID:zvfbTmUs
「渋いな!」
思わず出たツッコミに少女が驚いて、一瞬ビクッと身体を震わせた。
男「こんなの読むのか……今時の女子高生は」
?「流行ってる」
男「嘘だッ!!!」
513: ぐう 2014/03/03(月) 00:00:14 ID:7K46rizs
?「マイブーム」
男「って、お前の中だけかい! ……あ、悪い、勢いでお前とか言って」
?「別にいい」
男「そうか、なら良かった。……じゃあ、そろそろ暗いし、気を付けて帰ってな……ええと」
?「クー子。名前」
男「あ、ああ。クー子か、実にクーデレらしい名前だな、うん」
514: ぐう 2014/03/03(月) 00:01:05 ID:7K46rizs
クー子「クーデレ?」
男「いやいやこっちの話だ。じゃあ、またな。クー子」
クー子「……じゃ」
彼女は片手を上げ、手のひらを僕のほうにビッと向けて颯爽とさっていった。
男「つかめない奴だ……一体何を考えているんだ、クー子よ」
516: ぐう 2014/03/03(月) 00:02:12 ID:7K46rizs
〜翌日〜
男「さて、本日も業務終了で閉館時間な訳だが……」
図書館の奥をのぞく。……いた。例のヒューマノイドインターフェース風の少女、クー子である。
今日も今日とて、閉館時間を過ぎたところで微動だにしない。
華奢な女の子が一人、放課後の図書室で本の世界に浸っているというのは非常に絵になる情景ではあるが、
しかしそれはそれ。これはこれである。
今日も俺は閉館のお知らせを少女に告げなければならない。
しかし昨日と同じように『あのー』などと他人行儀な声のかけ方をする無粋な俺ではない。
ここはひとつ、ジャ○ーさん風に言ってみよう。
517: ぐう 2014/03/03(月) 00:03:16 ID:7K46rizs
男「ヘイ、ユー!」
クー子「……」
ガン無視だ。
男「閉館時間だし、ユー帰っちゃいなよ」
クー子「……」
518: ぐう 2014/03/03(月) 00:04:16 ID:7K46rizs
男「ユ、ユー聞いてる?」
クー子「……」
男「ミーが扉をロックするからユーはゴーホームしちゃいなよ」
クー子「……」ペラ
男「ガン無視だッ!!」
しまいにはページをめくりやがった! ていうか最後ルーっぽくなってしまった!
思わず出た心の声に、またもやビクッと肩を震わせて驚くクー子。どうやら自分のことだと気が付いたらしい。
519: ぐう 2014/03/03(月) 00:05:54 ID:7K46rizs
クー子「昨日の人」
男「おう。昨日の人だ。そして悪いが、今日も閉館時間なんでな、鍵をしめさせてもらうぜ」
クー子「わかった。私がやっておく」
男「おう。じゃあ後は頼んだぜ! これが図書室の鍵だ! ……とはならない」
クー子「なぜ……?」
男「いや、よくないっしょ。刑法的に」
思わず某くうきよめやさん風に突っ込んでしまったが、刑法はおそらく関係ない。
520: ぐう 2014/03/03(月) 00:09:34 ID:7K46rizs
クー子「困る」
男「俺も困るぞ……はぁ」
視線をテーブルの上に落とすと、『罪と罰』文庫版下巻になっていた。
男「これ好きなのか?」
521: ぐう 2014/03/03(月) 00:10:35 ID:7K46rizs
クー子「実に面白い」
クー子は眼鏡を中指でくいっと押し上げた。お前は湯川先生か。とツッコミそうになるのをこらえた。
男「湯川先生か! お前は」
こらえきれなかった。しかも倒置法になった。またお前と言ってしまった。
522: ぐう 2014/03/03(月) 00:12:21 ID:7K46rizs
クー子「原書が読みたい」
男「ロシア語だぞ……」
クー子「この作者の違う作品も読みたい」
男「そうか。なら地下室の手記とかおすすめだぞ」
クー子「わかった」
スッと椅子を引いて、クー子は立ち上がった。
523: ぐう 2014/03/03(月) 00:12:52 ID:7K46rizs
クー子「帰る」
男「いきなりだな……まあ、そうしてくれると助かるよ」
クー子「じゃ」
手の平を俺に向けて、少女は颯爽と去って行った。
男「本当によくわからんやつだ……無表情だし」
527: ぐう 2014/03/03(月) 01:13:16 ID:7K46rizs
〜翌日〜
例によって閉館間際に奥のテーブル席を除くと、クー子がいた。
例によって俺は施錠をしなければならないのだが、やはり『閉館するから出て行け』などというお役所仕事をする気はさらさらない。
と言ったらお役所に失礼だが。
だからせめて彼女に少しでも楽しんでもらうため、という押しつけがましい優しさを上乗せしたテンションで俺は話しかけるのだった。
528: ぐう 2014/03/03(月) 01:14:05 ID:7K46rizs
男「そしてーかーがやーくウルトラソウッ!」
クー子「」ビクッ
男「へい!」
クー子「……」ペラ
男「何事もなかったことにされた!」
529: ぐう 2014/03/03(月) 01:14:46 ID:7K46rizs
クー子「ごめんなさい……でも、こんなときどういう顔をすればいいか分からないの」
男「笑えばいいと思うよ」
どこの綾波だ、お前は。
男「えー、本日も閉館と相成りましたことをお伝えする次第であります」
クー子「困る」
男「そうだな、困るな。だがそこをなんとか……ん?」
530: ぐう 2014/03/03(月) 01:15:40 ID:7K46rizs
ふとテーブルの上を見ると、平置きにされた『罪と罰』文庫本下巻が置かれてあった。
男「もう読んだのか。早いな」
クー子「読んだ」
男「面白かったか?」
クー子「面白かった」
子供に学校の様子を尋ねる父親の気分だ。学校は楽しいか? 勉強はどうだ? みたいな。
531: ぐう 2014/03/03(月) 01:16:39 ID:7K46rizs
男「どのへんが一番面白かった?」
クー子「ソーニャが拳銃を撃って、ラスコーリニコフに『キスでもしてるんだな……地面さんに、熱烈なやつをよォ』っていうシーン」
男「違うから! それグ○ード・ミスタがギ○ッチョに言うやつだから!」
十字路の真ん中に立って、貴方が汚した大地にキスしなさい的な感じだっただろうに。
ソーニャ拳銃撃たないし。
532: ぐう 2014/03/03(月) 01:17:50 ID:7K46rizs
クー子「混ざった」
男「ジョ○ョにも精通しているとは、ただのビブリオマニアかと思いきや恐るべし」
クー子「面白ければなんでもいい」
男「雑食か……」
533: ぐう 2014/03/03(月) 01:18:38 ID:7K46rizs
クー子「BL本も読む」
男「なぜこのタイミングで、そして一切の恥じらいも見せず腐女子カミングアウトを!?」
クー子「流れで」
男「流れぶった切ってたけど!」
クー子「……」ペラ
コイツ会話が面倒になりやがったな。
534: ぐう 2014/03/03(月) 01:19:16 ID:7K46rizs
男「まぁ、そういう訳だ。今日のところはお引き取り願おう……あ、ちょっと窓の施錠してくるわ」
クー子「わかった」
意外とすんなりクー子は承諾し、俺が窓を閉めている間に「じゃ」と言って(例のポーズを取って)図書室から出て行った。
男「じゃ、俺も帰るか」
ふと、奥のテーブルの上に紙切れが乗っているのを発見した。
メモだ。
さっきまでなかった、ということはクー子の残したものだ。
535: ぐう 2014/03/03(月) 01:20:41 ID:7K46rizs
男「どれどれ」
『地下室の手記も、読んだ。面白かった』
『橋の上でお偉いさんとすれ違うシーンがよかった』
男「読むの早いなー、アイツ。そしてわかってるな」
536: ぐう 2014/03/03(月) 01:23:51 ID:7K46rizs
感想については、それ以上のことは記載されていなかった。
あとは、一番下のほうに小さく『次もおすすめ、おしえて』とだけ書かれていた。
男「わざわざメモで……口頭でいえばいいものを」
正直言って、萌えた。
540: ぐう 2014/03/10(月) 01:45:17 ID:GaiHsheI
〜翌日〜
閉館時間30分前。
いつも5分前ぐらいに話しかけるのだが、今回はちょっと早めに行動してみた。
理由は、なんとなくだ。もう少しアイツと話がしたいとか、興味が湧いたとか、そういったものだ。
男「なぁ、クー子」
クー子「……」ペラ
541: ぐう 2014/03/10(月) 01:45:57 ID:GaiHsheI
男「おーい」
クー子「なに」
男「聞こえてんじゃんか、返事ぐらいしたほうがいいぞ。愛想は大事だ」
クー子「……」
男「あいそうですかー! つって」
542: ぐう 2014/03/10(月) 01:46:28 ID:GaiHsheI
俺の糞みたいなダジャレが炸裂した瞬間、クー子の表情が凍りついた。
クー子「」ガタッ
男「」ビクッ
なんか気に障ったのだろうか。俺がうざいテンションで話しかけたからか。
クー子はいきなり席を立つと、俺に顔を背けたまま、窓際まで行ってそこで立ち止まった。
男「ク、クー子さん……?」
543: ぐう 2014/03/10(月) 01:47:03 ID:GaiHsheI
気のせいか、肩をワナワナと震わせているような気がする。
怒っているのだろうか。
クー子「すぅ……はぁ……」
深呼吸している。あ、戻ってきた。
クー子「……」スチャッ
座った。
544: ぐう 2014/03/10(月) 01:47:33 ID:GaiHsheI
クー子「……」ソッ
差し出されたクー子の左手には、どこからともなく取りだされたイエローカードがあった。
男「もう一回言ったらどうなる?」
クー子「退場」
図書館の出入口を指さされた。
どうやらクー子はダジャレがあまり好きではないらしい。今後気を付けよう。
545: ぐう 2014/03/10(月) 01:48:32 ID:GaiHsheI
男「ところでクー子、今日は何を読んでるんだ?」
クー子「さあ、なんでしょう」
男「わからぬ。ヒントをくれ」
俺はエスパータイプではない。そもそもポケモンでもないが。
クー子「ヒントは……哲学」
手元を覗き込もうとしたら、本を閉じられた。文庫カバーがかかっているのでタイトルはわからない。
546: ぐう 2014/03/10(月) 01:49:40 ID:GaiHsheI
男「哲学ねぇ……ニーチェとかヘーゲルとか? そのへんあんまり詳しくないが」
クー子「ぶぶー」
『違う』とか言われるのかと思ったら可愛らしい効果音で返答された。
クー子「もっとなじみ深い」
男「なじみ深い哲学書に心当たりがないんだが……」
547: ぐう 2014/03/10(月) 01:51:27 ID:GaiHsheI
クー子「正解はこれ」
男「どれどれ……」
シャー○ンキングだった。
男「漫画かよっ!!!」
図書館全体に俺のツッコミが響き渡った。
幸い、俺とクー子の二人だけだったので事なきを得た。
クー子「考えさせられる」
男「それはそうだが!」
548: ぐう 2014/03/10(月) 01:52:12 ID:GaiHsheI
ずるいじゃないか。まさか漫画だなんて……あ、そういえばコイツジョジョも好きだったな。漫画好きなのか……。面白ければ何でもいいって言ってたしな。
クー子「ところで、まだ閉館には早い」
男「そうだな」
クー子「なぜ?」
クー子は小首を傾げてこちらを見た。
『なぜ?』とは、なぜ私に話しかけてくるのかまるでわからない、といったニュアンスを含んでいた。
549: ぐう 2014/03/10(月) 01:57:22 ID:GaiHsheI
男「それはな、お前が寂しそうだったからだ」
クー子「べつに寂しくない」
現実とはそういうものだ。
一人でいるやつほど、寂しさとは無縁だったりするのである。
つまり俺の余計なお世話だったわけだ。まずい、これは恥ずかしい。顔から火が出そうだ。
クー子「……」ペラ
550: ぐう 2014/03/10(月) 01:58:11 ID:GaiHsheI
男「今どのへん?」
クー子「ちびマルコ」
男「あぁ、ラキスト戦ね……」
クー子「詳しい」
男「そうでもないよ」
クー子「そう」ペラ
男「ところで」
551: ぐう 2014/03/10(月) 01:59:52 ID:GaiHsheI
クー子「なに」
男「ずっと座ってて、尻痛くならないか?」
クー子「……」
スッとイエローカードを差し出された。
552: ぐう 2014/03/10(月) 02:00:22 ID:GaiHsheI
男「なぜっ!」
クー子「だめ」
男「なにが!?」
クー子「めっ」
お尻に関するお話はダメらしい。
557: ぐう 2014/03/23(日) 05:38:45 ID:P6VCBjVI
〜翌日〜
男「よっ、クー子」
クー子「……よ。」
男「おぉ、まさか返事が返ってくるとは」
クー子「愛想、大事」
俺に向かってそう呟くと、クー子は再び本に目を落とした。
558: ぐう 2014/03/23(日) 05:39:20 ID:P6VCBjVI
男「今日は何読んでんだ?」
クー子「本」
男「あー、なるほど、本ね。って、見りゃわかるわーい!」
クー子「……」ペラ
男「人が頑張ってノリツッコミしたのに……ひどい……」
559: ぐう 2014/03/23(日) 05:40:00 ID:P6VCBjVI
クー子「こんなとき、どういう顔をすれば以下略」
男「笑えよ。笑ってくれよ」
クー子「……ふっ」
男「鼻で!?」
クー子「とりあえず、座るといいと思う」
クー子は自分の隣の席を指さした。座布団が敷かれてある。
560: ぐう 2014/03/23(日) 05:40:56 ID:P6VCBjVI
男「図書館に座布団はなかったはずだが、私物か?」
クー子「そう。長時間座っても痛くない」
男「ほほう。それは俺に隣で長時間座っていて欲しいということかい? クー子ちゃん」
クー子「イエローカード、進呈。」
男「へいへい。以後気を付けます」
561: ぐう 2014/03/23(日) 05:41:44 ID:P6VCBjVI
クー子「今日はこれ」
クー子が差し出した本の表紙には、『斜陽』と書かれてあった。
斜陽。人間失格の人が書いた、没落貴族のお話である。
男「良いセンスだ」
クー子「そう」
最近、クー子の「そう」にも色々なニュアンスがあることが分かった。
今のは、褒められてちょっと嬉しいけどそれを表に出すのは恥ずかしいときの「そう」である。
562: ぐう 2014/03/23(日) 05:43:47 ID:P6VCBjVI
男「恥ずかしがることないんだぞ、クー子よ」
クー子「……?」
違ったみたいだ。不思議そうに小首を傾げている。
男「忘れてくれ……」
クー子「わかった」
563: ぐう 2014/03/23(日) 05:44:38 ID:P6VCBjVI
〜翌日〜
男「お前、整った顔立ちしてるよな」
クー子「……」ペラ
クー子は無言でページをめくった。心なしか、顔が赤く染まっているように見える。
男「照れてるのか?」
クー子「照れてない」
564: ぐう 2014/03/23(日) 05:45:26 ID:P6VCBjVI
男「そうか。でも、本当にお人形さんみたいだな」
クー子「……」ペラ
男「赤くなった」
クー子「なってない」
565: ぐう 2014/03/23(日) 05:46:03 ID:P6VCBjVI
男「いや、ほんと赤いって」
クー子「気のせい」
男「照れt」
クー子「照れてない」
クー子はこちらに表情が見えないよう、本で顔を覆うように読み始めたのだった。可愛い奴め。
566: ぐう 2014/03/23(日) 05:49:51 ID:P6VCBjVI
男「ちなみに俺の今日のおすすめはこれだ」
クー子「……じゅっかくかん」
男「そう。綾辻先生の館シリーズ第一作目だ。オチも有名な、1行で全ての謎が分かる例のアレだ」
クー子「ごくり」
567: ぐう 2014/03/23(日) 05:50:26 ID:P6VCBjVI
男「どうだ、興味をそそられるか?」
クー子「面白そう」
男「そうか。だったらその斜陽読み終わったら借りるといい」
クー子「わかった」
男「また、感想教えてな」
クー子「うん」
571: ぐう 2014/03/24(月) 01:45:39 ID:yhRgnC0.
〜翌日〜
図書館の一角。クー子がいつも座っているテーブル席を覗くと、お菓子が山盛りになっていた。
男「持ち込んだのか」
クー子「そう」
男「一応、禁止なんだけどな……」
572: ぐう 2014/03/24(月) 01:46:14 ID:yhRgnC0.
クー子「汚したら掃除する」
男「まぁいいけどさ。他にも食ってるやついるし」
クー子「わかった」
クー子はそういうと、隣の席を引いてポンポン、と叩いた。座れ、ということなのだろうか。
573: ぐう 2014/03/24(月) 01:46:55 ID:yhRgnC0.
男「フレンドリーだな、今日は」
クー子「そうでもない」
男「そうでもないことないと思うけど」
クー子「お菓子、食べていい」
クー子は山盛りのチョコ、キャラメル、ビスケット類を指さした。
574: ぐう 2014/03/24(月) 01:47:34 ID:yhRgnC0.
男「くれるのか」
クー子「一人じゃ食べきれない」
男「そうだろうけどさ」
やっぱりコイツ、今日フレンドリーだな。
575: ぐう 2014/03/24(月) 01:48:17 ID:yhRgnC0.
クー子「今日はこれ」
クー子が差し出した本は、工学者森先生のS&Mシリーズ第一作だった。
天才がOS作ったり、萌えーな女の子が256の2乗を計算するお話だ。なんのこっちゃ。
男「ほほう。それは文庫版の表紙に書いてある現実に関する考察が良いよな」
クー子「現実、普段それは存在しない」
男「中二病が読んだら将来建築学科への道を志しかねない作品だよな……」
576: ぐう 2014/03/24(月) 01:49:04 ID:yhRgnC0.
クー子「タバコも吸うようになる。きっと」
男「まぁ、それぐらい魅力的なキャラクタだよ。犀川先生は」
クー子「萌絵たんも」
男「たん!?」
577: ぐう 2014/03/24(月) 01:49:41 ID:yhRgnC0.
クー子「もう読んだ」
男「早いな……そうだ、犀川先生が同じ靴下ばかり買う理由知ってる?」
クー子「知らない」
男「多分後から分かると思うけど、片一方無くしても大丈夫だから、だってさ」
クー子「無くすこと前提……」
578: ぐう 2014/03/24(月) 01:50:34 ID:yhRgnC0.
男「そういう意味では、人間味あるよなぁと思って印象に残ってんだよな。そのくだり」
クー子「人間味……犀川先生でも物をなくすことがある、という部分?」
男「いいや。靴下1つを惜しむ庶民的な感覚を所有しているんだなって」
クー子「なるほど」
クー子がふむふむと頷く。
そのとき、後方から女子生徒の声がかかった。
579: ぐう 2014/03/24(月) 01:51:19 ID:yhRgnC0.
女子生徒1「あのー、ちょっといいですか」
男「おっと、また後でな」
クー子「……」
女子生徒1「探してる本が見当たらなくって、ちょっと貸出状態調べてもらっていいですか?」
男「はいはい。ちょっと待ってね。タイトルは?」
580: ぐう 2014/03/24(月) 01:52:06 ID:yhRgnC0.
女子生徒1「『ロータリーエンジンの歴史』っていう本なんですけど」
男「渋いな! 今時の女子高生ってそんなもの読むのか!?」
女子生徒1「えっ? いや、まぁ……」
男「ああ、悪い悪い。思わず突っ込んでしまった。えっと……あれ、返却されてるはずなんだけどな」
581: ぐう 2014/03/24(月) 01:52:47 ID:yhRgnC0.
女子生徒1「えー、本棚になかったと思うんですけど……一緒に探してもらっていいですか?」
男「ああ、わかった……」
クイッ
男「ん?」
ふと横を見ると、クー子が俺の袖を引っ張っていた。
582: ぐう 2014/03/24(月) 01:53:35 ID:yhRgnC0.
男「なんだ?」
クー子「急にお腹が痛くなった」
男「へ?」
クー子「動けないくらい痛いので、保健室まで連れてって」
583: ぐう 2014/03/24(月) 01:54:10 ID:yhRgnC0.
男「あー、なるほど。お腹がね。って、思いっきり立って歩いてるやーん!」
華麗なノリツッコミが炸裂した。
クー子「早く」
スルーされた。
584: ぐう 2014/03/24(月) 01:54:48 ID:yhRgnC0.
男「いやいやお前、ゼッタイ嘘だろ」
クー子「ほんと」
男「いやいや……」
クー子「痛くて死にそう」
585: ぐう 2014/03/24(月) 01:55:24 ID:yhRgnC0.
女子生徒1「あー……なるほど、なんかごめんね、1人で探すよ。悪いね邪魔しちゃって!」
男「邪魔?」
なんだそれは。どういう誤解だ。
女子生徒はパタパタと足早に本棚のほうへ向かっていった。
男「おいおい。お前どうしたんだ?」
クー子「……」
586: ぐう 2014/03/24(月) 01:56:13 ID:yhRgnC0.
男「まぁいいけど、ほら、保健室行くぞ?」
クー子「……治った」
男「は?」
クー子「治った。でもまた急に痛くなるかも知れないので、男は私の傍に居ておくべき」
587: ぐう 2014/03/24(月) 01:57:57 ID:yhRgnC0.
男「なんだそりゃ」
クー子「いいから」
男「はぁ……しょうがないやつだな」
その日俺は、クー子に一日中べったりせざるを得なかった。
588: ぐう 2014/03/24(月) 01:58:29 ID:yhRgnC0.
〜某日〜
俺は例のクー子の変化を『発作』と呼ぶことにした。
それは、決まって俺が他の生徒、しかも女子生徒の相手をしているときに起きる。
女子生徒2「すいませーん、この本延長したいんですけど」
男「はいはいちょっと待って……ん?」
クー子が袖を引っ張っている。
589: ぐう 2014/03/24(月) 01:59:26 ID:yhRgnC0.
男「どうした?」
クー子「急にあの高いところにある『雪国』が読みたくなった」
男「そうか」
クー子「届かないから取ってほしい」
男「後でな」
590: ぐう 2014/03/24(月) 01:59:56 ID:yhRgnC0.
クー子「今すぐ読まなければ」
男「なにゆえ!?」
クー子「なにがなんでも」
男「わけがわからないよ……」
591: ぐう 2014/03/24(月) 02:00:51 ID:yhRgnC0.
〜〜
女子生徒3「恋海っていう恋愛小説がー、めっちゃ泣けるらしいんですよー、図書館に入れてもらえませーん?」
男「いやちょっと俺の一存では」
女子生徒3「まじでぇー、感動するらしいんですよー。恋愛小説とか読みませーん?」
男(ごめん、全然読みませーん!)
592: ぐう 2014/03/24(月) 02:01:50 ID:yhRgnC0.
クイッ
男「なんだクー子」
今回ばかりは渡りに船だ。ナイスタイミングだクー子。なんでもいいぞ、我儘を言ってみろ。
クー子「こんなものが……」
しかし、今回は違った。
我儘とかそういうんじゃなくて、このくだらない日常に亀裂が走るような、そういった類の出来事だったのである。
593: ぐう 2014/03/24(月) 02:02:30 ID:yhRgnC0.
男「なんだ? 紙切れ……?」
クー子から渡されたノートの切れ端には、こう書いてあった。
『男へ。――それ以上、他の女子と仲良くしたらコロス』
男「……!?」
594: ぐう 2014/03/24(月) 02:03:53 ID:yhRgnC0.
クー子「……私のいつも座っている机に置いてあった」
男「……」
女子生徒3「いやマジでー、入れるべきだってー」
男「ちょっとごめん、先生と相談してみて」
女子生徒3「えー」
男「クー子、ちょっと来い」
クー子「……わかった」
595: ぐう 2014/03/24(月) 02:04:55 ID:yhRgnC0.
人気のない一角まで移動すると、俺は紙切れを食い入るように見つめながら言った。
男「いつからあった?」
クー子「さっき、席を外して戻ってきたときに、置いてあった」
男「さっき……」
今日、図書館には大勢の人が居た。試験前で勉強する輩が集まっていたからだ。
いつも閑散としているクー子の周りの席にも、ちらほら勉強している人がいた。
誰もが疑わしく、誰も疑えない。誰にでも可能である。
596: ぐう 2014/03/24(月) 02:05:52 ID:yhRgnC0.
男「……少し、距離を置こう」
せめて、誰がこんなことをしたのか分かるまでは。
597: ぐう 2014/03/24(月) 02:06:38 ID:yhRgnC0.
〜某日〜
誰かに後をつけられている、と気づいたのは電車を降りて数分した頃だった。
暗い夜道を自分以外の、もう一人の足音がピタリと這うようについてくる。
振り返るが姿は見えない。おそらく電柱の陰、曲がり角、看板の後ろ。
しかし確かめる勇気はない。近づいたらアウトだ。
下宿まであと少し。
俺はペースを速めた。
598: ぐう 2014/03/24(月) 02:07:37 ID:yhRgnC0.
後ろの足音のペースも上がる。
止まる。振り返る。誰もいない。その繰り返し。
一息つけたのは、一人暮らしの部屋にたどり着き、鍵とチェーンをかけた後だった。
男「誰だ……、お前は」
心当たりはある。ありすぎる。身近な人物だ。
最近姿を見ていない、ごく身近な人物だ。
599: ぐう 2014/03/24(月) 02:08:23 ID:yhRgnC0.
〜〜
男「お前も、後をつけられているのか」
クー子「そう」
1週間ぶりの近況報告は、あまりよろしくない状況を俺に再認識させた。
周囲に自分たちを観察している人がいないか注意しながら、俺はクー子と小声で話をしていた。
話を聞くと、クー子にまとわりついている人影も、足音のみしか聞こえないらしい。
600: ぐう 2014/03/24(月) 02:09:16 ID:yhRgnC0.
男「気味の悪い奴だ」
クー子「その人、きっと私に嫉妬してる」
男「俺と仲良くしているからか」
クー子「そう」
クー子は表情こそ変わらないが、手が小さく震えていた。
601: ぐう 2014/03/24(月) 02:10:13 ID:yhRgnC0.
男「大丈夫だ。俺が……その、なんというか……守る」
クー子「ありがとう……」
それこそこんな場面を見られたら、殺されかねない。
誰に? しかし、そいつは……。
602: ぐう 2014/03/24(月) 02:11:17 ID:yhRgnC0.
〜某日〜
午後8時。ひどく喉が渇いたので近くのコンビニまで出かけることにした。
コーラを買って飲みながら帰っている途中。
例のまとわりつくような足音が聞こえてきた。
緊張が頭のてっぺんから足先まで走る。
誰だ。いったい誰なんだ。
そして、何故なんだ。
603: ぐう 2014/03/24(月) 02:12:06 ID:yhRgnC0.
男「お前か……?」
後方に向かって問いかける。
返事はない。
しかし、『アイツ』だったら、何故、姿を表さないのか。
曲がり角に差し掛かる。
俺は足早に角を曲がって見せた。すると、足音は慌てた様子でついてくる。
白黒つけなければいけない。
俺は勝負に出た。
604: ぐう 2014/03/24(月) 02:12:48 ID:yhRgnC0.
まず見えたのは白い腕だった。右腕だ。
鼓動が早鐘を打つ。その白い腕を掴む。
小さい悲鳴が上がった。女のものだ。
女はジーンズに半袖。帽子を深くかぶっていて顔が見えない。
左手になにか持っている。それが電灯に光を受けて反射する。
カッターだ。
危険を察知し、咄嗟に手を放す。
女は脱兎のごとく駆け出した。
俺は腰が抜けて、それをただ見送るしかできなかった。
605: ぐう 2014/03/24(月) 02:13:46 ID:yhRgnC0.
〜〜
近況報告。
やはりクー子のほうも相変わらずつけられているらしい。
顔がひどくやつれているように見える。
男「会わないようにしているのに、何故だ……」
クー子「マークされている」
男「執念深いやつだ」
606: ぐう 2014/03/24(月) 02:14:38 ID:yhRgnC0.
クー子「そう。執念深い。男も被害が拡散しないよう、行動には制限を設けるべき」
男「被害……? ああ、そういうことか」
要するに、女子と積極的に話して、みだりにターゲットを増やさないようにするということだ。
男「しかし、おかしいよな。他の女子と仲良くしたらコロス。っていうのは、コロス対象は俺のはずだろう?」
男「何故、クー子が見張られる? 俺さえマークしておけばいいんじゃないか?」
607: ぐう 2014/03/24(月) 02:15:19 ID:yhRgnC0.
クー子「それは……」
男「お前、その手、どうしたんだ」
クー子は右手にリストバンドを巻いている。
クー子「切られた」
男「はぁ!?」
もしそうだとしたら一大事、警察沙汰だ。
608: ぐう 2014/03/24(月) 02:16:03 ID:yhRgnC0.
男「いつだ?」
クー子「昨日、8時頃」
俺がアイツに会ったときと、同じ時間帯……?
男「お前、そんときどこにいたんだ?」
クー子「家の近くの公園の脇を歩いて……」
……家の近く? 確かコイツの家は……。
609: ぐう 2014/03/24(月) 21:23:40 ID:yhRgnC0.
男「なぁ……クー子。人ってさ、嘘をつくとき、完全な嘘はつけないって本に書いてあったんだよ。お前それ信じるか?」
クー子「……なんの話?」
男「例えば、右上を見ながらだと嘘をついている、とか、あるじゃん」
クー子「……」
男「お前の家って、反対方向の電車だよな」
クー子「……」
610: ぐう 2014/03/24(月) 21:25:59 ID:yhRgnC0.
男「俺の家からだと、歩いても1時間以上はかかる」
クー子「……」
男「お前が腕を切られた時刻を尋ねられた時、咄嗟に8時と答えたよな。いや、『答えてしまった』」
クー子「……」
男「それはちょうど俺がアイツと出会った時間帯だ。しかし、待ってくれ。同時刻に、異なる場所に2人の人間が存在するのはおかしいんだ」
611: ぐう 2014/03/24(月) 21:29:04 ID:yhRgnC0.
クー子「もしかしたら、犯人は複数……」
男「クー子。お前のリストバンド、外して見せてくれるか」
クー子「……!」
男「お前の言うことが真実なら、切り傷があるはずだ」
612: ぐう 2014/03/24(月) 21:31:40 ID:yhRgnC0.
クー子「できない」
男「なぜだ」
クー子「人に見せられるようなものじゃない」
男「この状況でそんなことを言うのか」
613: ぐう 2014/03/24(月) 21:32:59 ID:yhRgnC0.
クー子「できない」
男「いいから見せろ」
クー子「やっ……!」
強引にリストバンドを外すと、そこにはちょうど人に握られたような形で、くっきりと痣がついていた。
男「……やっぱりお前か」
616: ぐう 2014/03/25(火) 23:55:27 ID:FdGgrGFs
クー子「……」
男「最初の手紙も、おかしな話だ。お前の周りに座っている人物に尋ねてみたんだよ。そしたら、お前は『ずっと席に座って本を読んでいた』らしい」
男「席を外してなんかいない。誰がお前に気付かれずに、手紙を机の上に置くことができたんだ?」
クー子「……」
男「答えは簡単だ。自分自身で書いた。置いた」
クー子「……!」
617: ぐう 2014/03/25(火) 23:58:09 ID:FdGgrGFs
男「なぁクー子。教えてくれよ。なんでこんなことしたんだ?」
クー子「……」
男「だって、こんなことしなくったって、俺達は普通に仲良く、くだらない話とか、真面目な話とか、どうでもいい話とか、していたじゃないか」
クー子「……」
男「なんで、」
618: ぐう 2014/03/25(火) 23:59:07 ID:FdGgrGFs
クー子「あはははははははは」
男「!?」
クー子「おかしな男。私じゃないのに……」
クー子「ほら、ストーカーの仕業だよ」
クー子は取り出したカッターで自分の左手首を切った。
赤く染まる制服。白い肌に飛び散る、赤。
619: ぐう 2014/03/26(水) 00:00:22 ID:rXtMS6L.
男「お、おい! やめろクー子!」
クー子「来たら危ないよ」
ぶん、とクー子はカッターを振り回す。
本気だ。洒落にならない。説得はおろか近づくことさえできない。
クー子「ほら、ストーカーがまた」
言うが早いか、クー子は再び自分自身を切りつける。
620: ぐう 2014/03/26(水) 00:02:20 ID:rXtMS6L.
ストーカーとは誰なんだ。クー子。それは他ならぬお前自身じゃないのか。
手首、足、腕、体のいたるところをクー子は切り刻む。
血飛沫。赤。紅。緋。
狂気。
俺は今、人間の狂気を目の当たりにしている。
少女がカッターで自傷行為を繰り返す。ただそれだけの現象。
しかし、そこに至るまでの過程。矛盾だらけの思考。
621: ぐう 2014/03/26(水) 00:05:15 ID:rXtMS6L.
受け入れがたい現実を前にして、俺は吐いた。
少女の笑い声が響く。
残響。
赤い世界。
暗転する視界。
『なんで』
何に対してか、誰に対してなのか、判断のつかない疑問だけを残して、意識が薄れて行った。
622: ぐう 2014/03/26(水) 00:08:39 ID:rXtMS6L.
〜少女の日記〜
私の世界に人が訪れた。
私以外の人間なんて久しぶりだ。
でもすぐいなくなってしまうだろう。
過度な期待などしない。私には本だけ。それだけ。
623: ぐう 2014/03/26(水) 00:09:23 ID:rXtMS6L.
またあの人だ。
私とお話をしてくれた。
くだらない話だ。どうでもいい話だ。
久々にこんなにくだらない話をした。
624: ぐう 2014/03/26(水) 00:10:01 ID:rXtMS6L.
私が読書の世界に没頭していると、決まって声をかけられる。
それが腹立たしくも、ひどく嬉しいことに自分自身驚いている。
私は変わってしまったのか。
いやだ。変わりたくない。
どうせ一人になるのなら、温もりなんか知らなくていい。
625: ぐう 2014/03/26(水) 00:10:59 ID:rXtMS6L.
おすすめの本を教えてもらった。
あの人は色々な本を知っている。
私が好きな漫画も知っている。
でも、私のことは何も知らない。
知ってほしい。
そして、知りたい。
626: ぐう 2014/03/26(水) 00:11:49 ID:rXtMS6L.
図書館で話すことが日課になってきた。
彼は私のことを目にかけてくれている。
そして私はそれに甘えている。
嫌だけど、嬉しい。
あの人は、麻薬だ。
そして私は狂ってしまっている。
627: ぐう 2014/03/26(水) 00:12:24 ID:rXtMS6L.
あの人が他の人と話していると、イライラする。
私だけのものにしたい。
私だけを見ていて欲しい。
きっとこれは恋。いや、愛かも知れない。
628: ぐう 2014/03/26(水) 00:12:59 ID:rXtMS6L.
私だけのものにしたい。
私にはあなたしかいない。
あなたにも、私だけしかいなくなればいいのに。
他の女の子なんか見ないで。私だけを……。
629: ぐう 2014/03/26(水) 00:13:42 ID:rXtMS6L.
私だけを見て。
私だけに話しかけて。
私だけに構って。
私だけにやさしくして。
630: ぐう 2014/03/26(水) 00:14:18 ID:rXtMS6L.
嫉妬。憎悪。愛情。
全ての感情がごちゃまぜになる。
こんな私はいらない。
こんな私は、私じゃない。
631: ぐう 2014/03/26(水) 00:15:37 ID:rXtMS6L.
一人だけの世界でよかった。
こんなに苦しいものが恋なの?
こんなに苦しいものが愛なの?
いらない。でも欲しい。
欲さずにはいられない。
632: ぐう 2014/03/26(水) 00:16:37 ID:rXtMS6L.
醜い私。
こんな私はなくなればいいのに。
こんな私はいらない。
こんな私は私じゃない。
あなたが憎い。貴方が愛しい。
633: ぐう 2014/03/26(水) 00:17:24 ID:rXtMS6L.
こんなわたしは――
消しました。
634: ぐう 2014/03/26(水) 00:18:17 ID:rXtMS6L.
〜某日〜
ヤンデレ「ちゃお」
男「なんだよ、来るなら来るって連絡しろよな」
ヤンデレ「連絡したよ? 携帯に何回も」
男(着信がうるさいから携帯の電源切ってた……)
635: ぐう 2014/03/26(水) 00:19:23 ID:rXtMS6L.
ヤンデレ「お邪魔しまーす。わ、すごい散らかってる」
男「ああ、色々探し物してたんだよ」
ヤンデレ「昔隠したAVとか?」
男「そうそう……って、ちゃうわーい!」
636: ぐう 2014/03/26(水) 00:20:33 ID:rXtMS6L.
ヤンデレ「私ってばお茶目」
男「自分で言うな、っと」
タークス風になってしまった。
ヤンデレ「これは……」
ヤンデレは一冊のノートに目を落とした。
637: ぐう 2014/03/26(水) 00:21:38 ID:rXtMS6L.
男「日記だ」
ヤンデレ「……」
男「お前に出会ったのは、大学の入学式だったな」
私のこと、覚えてますか? って素っ頓狂なことを聞かれたのを覚えている。
俺は「初対面だ」と言った。
それにしても、自分のタイプな女の子だと思った。
あの事件が衝撃的過ぎて、情けないことに俺は記憶喪失になっていたらしい。
638: ぐう 2014/03/26(水) 00:22:52 ID:rXtMS6L.
ヤンデレ「男……?」
男「でも、それは間違いだ。大学が初めてじゃない」
ヤンデレ「……!」
男「そして、お前が女子高出身だというのも正しいが、正確ではない」
639: ぐう 2014/03/26(水) 00:24:46 ID:rXtMS6L.
男「お前は共学から女子高に転校したんだ」
ヤンデレ「……」
男「元々は一緒の高校だった。そこで出会った」
ヤンデレ「男、記憶が……?」
男「思えばくだらない話を色々したよな」
640: ぐう 2014/03/26(水) 00:26:02 ID:rXtMS6L.
男「『ツインテール』が好きだとか、『巨乳』が好きだとか、どういうくだりでそういう話になったのかもわからんが」
ヤンデレ「……!」
男「まぁとりあえず、再会の挨拶でもしようか」
男「久しぶり、クー子」
〜第7部 END〜
男「別れよう」ヤンデレ「……!」【後編】へつづく
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