バルセロナで開催中のモバイル関連見本市 MWC 2016より。ソニーはスマートフォンの新ラインナップ Xperia Xシリーズを発表しました。従来のXperia Zシリーズからの変更点について、会場より速報レポートをお届けします。
- Xperia X Performance:Snapdragon 820搭載の高級機
- Xperia X:Snapdragon 650搭載のメインストリーム
- Xperia XA:MediaTek Helio P10搭載のミドルレンジ
Xperia Xシリーズは『Xperia Zとは別ライン』(担当者)としており、カメラ機能を強化したほか、『持ちやすさを重視』(担当者)して、画面サイズを5インチに統一。下記は5.2インチのXperia Z5(左)との比較写真ですが、一回りコンパクトになっていることがお分かりいただけるかと思います。
動きを予測するAF、前面カメラも1300万画素
まず最初の特徴がカメラです。高級モデルのXperia X PerformanceおよびXperia Xでは、Xperia Zと同じ2300万画素& ISO 12800のカメラを搭載します。そこに今回新たに「Predictive Auto Fucus」を採用。これは被写体の動きを予測して、予測した地点にフォーカスを合わせる技術で、AFの高速化を果たしたとしています。またインカメラは、Xperia XおよびPerformanceは1300万画素、ISOも6400となり、インカメラでも高解像度かつ明るい写真を撮影できるようになりました。
フルアルミボディは新アンテナで"スリットレス"を実現
2つ目の特徴が、背面にアルミニウム合金を採用した点です。Zシリーズのガラスとメタルのデザインとは質感が大きく異なります。なお、高級モデルのXperia X Performanceのみ背面にヘアライン加工を施し、高級感が高められています。ヘアライン加工が高級感を醸し出す Xperia X Performance
なお、同じアルミニウムボディを採用するiPhone 6sの場合、背面に横スリットがあります。これはアルミ筐体がアンテナを兼ねるためですが、Xperia Xシリーズでは、新開発のアンテナを採用したことで、背面にスリットのないフルアルミボディを実現しています。
またXperiaシリーズでじめて、フロントガラスのエッジを曲面にする2.5D加工を施し、外観の高級感が高められている印象です。
バッテリーの「寿命」を2倍にする最適化技術導入
通常、スマートフォンのバッテリーは充放電を繰り返すごとに劣化が進みます。Xperia Xシリーズには、ソニーがQnovoと共同開発したバッテリー充電最適化技術を搭載。これにより、ソニーによればバッテリーの寿命(劣化という意味)を最大で2倍に伸びるとしています。3機種は防水や指紋認証対応など仕様に細かな違い
Xperia Xシリーズの3機種には、対応する機能に細かな差異があります。まず防水ですが、こちらは高級モデルのXperia X Performanceのみが対応。Xperia XおよびXAは非対応です。さらに指紋認証は、Xperia X PerformanceとXperia Xだけが対応しています。ソニーが想定するシリーズのメインストリームは、Snapdragon 650を搭載した Xperia X です。同SoCは、ミッドレンジ向けのクアルコム最新モデルです。一部ハードウェアサイトで計測されたAnTuTuベンチマークでは現行のハイエンドクラスであるSnapdrgaon 808のスコアを上回る結果を出しており、処理速度の点ではかなり期待されているモデルでもあります。
担当者によると『スマートフォンのスペックは高止まりしており、多くのユーザーにはSnapdragon 650で十分と考えている。あくまでももっと上が欲しいというユーザー向けに、Snapdragon 820を搭載したXperia X Performanceも用意した』と話し、基本モデルはあくまでXperia Xのようです。
会場の担当者によると、Xperia Xシリーズは日本市場でも発売予定。詳細は未発表ながら『3機種全てが出ることはない』としています。日本市場の特性を考えれば、最高級のXperia X PerformanceとXperia Xの2機種が登場するのではないかと邪推してしまいますが、公式な発表を待ちたいところです。
(追記)
【19時10分追記】日本のソニーモバイルコミュニケーションズからXperia Xシリーズのプレスリリースが発表され、「日本ではX Performanceのみ発売予定」との記載が確認できました。
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