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エイミ「一緒に地獄に堕ちます」|エレファント速報:SSまとめブログ

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エイミ「一緒に地獄に堕ちます」

1:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 19:56:26 ID:a/kztDC.

ラーハルト「あの人だかりはなんだ」

エイミ「号外のようですね…カール国の紋が付いています」

ヒュンケル「………!」

エイミ「まあ!フローラ様がご懐妊!?」

ラーハルト「ほう…」

ヒュンケル「…先生に子供が」

エイミ「とてもおめでたいニュースだわ」

ラーハルト「…もう夕暮れだ。今日の宿はこのままこの町でいいだろう」

ヒュンケル「あ、ああ…」



2:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 19:57:27 ID:a/kztDC.

ーーー
ラーハルト「ヒュンケル」

ヒュンケル「………」

ラーハルト「おい、こぼしてるぞ」

ヒュンケル「………」

ラーハルト「ヒュンケル!」

ヒュンケル「! す、すまん、ボーッとしていた」

エイミ「…スープをこぼしてます。というか口に入っていません」

ヒュンケル「…今日はもう食事はいい。部屋へ…戻る」

ラーハルト「?」

エイミ「?」



3:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 19:59:08 ID:a/kztDC.

………
ヒュンケル「……」

ラーハルト「なんだ、今日はおかしいぞ」

ヒュンケル「いつの間に部屋に…!…スピードの衰えを見せないな」

ラーハルト「普通に半刻ほど前からいたんだがな」

ヒュンケル「………なあ」

ラーハルト「なんだ」

ヒュンケル「男の子と女の子、どちらだと思う…?」

ラーハルト「…なんの話だ」



4:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:00:30 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「決まっている!アバンの子供のことだ」

ラーハルト「…まさか!先ほどからぼうっとしていたのはそのことを考えていたためか!?」

ヒュンケル「ああ、先生のように強く偉大な男の子か先生のように優しく聡明な女の子か…一体どちらが産まれるんだ…っ!」

ラーハルト「」

ヒュンケル「それにオレのことをなんと呼ばせるべきだ!?お兄さん!?ヒュンケルにいちゃん!?いっそ、ヒュンケルと呼び捨てか…!?」

ラーハルト「…どれでもいいだろう」

ヒュンケル「ああ、どれでも構わない…ただ」

ラーハルト「…ただ?」

ヒュンケル「大好きっと言われたら抱きしめない自信がオレにはない…っ!例え幸福に出来なくともだッ!」



5:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:01:40 ID:a/kztDC.

ラーハルト「おい、ヒュンケル。まだ生まれてもいない子供に対して先走りすぎだろう。名前すらないのではないか?」

ヒュンケル「名前!!!そうだ!名前だ!くっ…!こんな大切なことを見落としていたとは!!」

ラーハルト「今のはオレの人生最大の失言だったかもしれんな…」

ヒュンケル「男の子ならばアンケル…いや、アバケル…」

ラーハルト「なぜケルを入れる。そこに固執する必要はないだろう?」

ヒュンケル「なるほど、いっそヒュバン!」

ラーハルト「違う。そういう意味ではない」



6:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:02:28 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「女の子ならばアバルだろうな。それ以外は考えられない…!」

ラーハルト「ドヤ顔をやめろ」

ヒュンケル「それと明日、この町で買い物をしなくてはならないだろう?」

ラーハルト「ああ、食料は干し肉がだいぶ少なくなっていた」

ヒュンケル「干し肉?そんなものはいつでもいい。明日行くのは手芸店だ」

ラーハルト「手芸店?」

ヒュンケル「ヒュバンとアバルの為のよだれかけと靴下を作らなくては!」



7:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:03:20 ID:a/kztDC.

ラーハルト「待て、それは親が用意するものだろう?」

ヒュンケル「いや、よだれかけと靴下はいくらあっても困らない。刺繍の練習も始めなくては」

ラーハルト「…さっきから聞いているが、お前とは他人だろう?なぜそんなに肩入れする?」

ヒュンケル「他人ではない!先生はオレを誇りだと言ってくれた…それに恥じない接し方を模索しているだけだ!」

ラーハルト「オレにはそうは見えん!お前は色々と拗らせ過ぎている!」

ヒュンケル「…もし」

ラーハルト「?」

ヒュンケル「ダイが帰ってきて子供ができたらどうする…?」

ラーハルト「!」



8:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:04:50 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「十分あり得る話だ。その時ラーハルト…お前はどうする気だ?」

ラーハルト「オレは…ダラン様に生涯をささげよう」

ヒュンケル「ダ、ダラン…」

ラーハルト「ダイ様とバラン様から頂いた名だ。強く、たくましく…まるで竜神のような子になる」

ヒュンケル「女の子かもしれんぞ」

ラーハルト「…バダイラ様は女神のような崇高なお方になられるだろうな。この小さな女神のためにオレは腕でも脚でも捧げられるだろう」

ヒュンケル「大きく出たな」



9:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:05:57 ID:a/kztDC.

ラーハルト「忠誠とはそういうものだ」

ヒュンケル「忠誠心の話はしてない」

ラーハルト「いや、まて…」

ヒュンケル「なんだ」

ラーハルト「バラン様はオレをもう一人の息子だと…そう書き残してくれた」

ヒュンケル「息子…」

ラーハルト「ああ…つまりはオレの姪や甥にあたるのではないか…!?」

ヒュンケル「なるほど!」

扉/エイミ(それはちがうわ!)



10:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:07:24 ID:a/kztDC.

ラーハルト「こうしてはおれん!靴下とよだれかけだな!?店はどっちだっ!?」

ヒュンケル「ま、まて…!」

ラーハルト「止めるな!ヒュンケル!邪魔をするなら例えお前とてハーケンディストールをくらわせるぞ!」

ヒュンケル「違うんだ…!もう店は閉まっている…!!」

ラーハルト「!な…なんだと…!」

ヒュンケル「しまって…いるんだ…」

ラーハルト「…う、うあああああ!!!」

ラーハルト「あ…あ…申し訳ありません!ダラン様!バダイラ様…!!」

扉/エイミ(宿屋の主人から苦情がきたらどうしよう)



11:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:08:16 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「今はここでできることに死力を尽くすんだ」

ラーハルト「今、ここでできること…か。例えばどんなことがある?」

ヒュンケル「まず、母乳を出す」

ラーハルト「…それは流石に無理だろう」

ヒュンケル「アバンの使途に諦めは許されない…!」

ラーハルト「しかし母ではないし、女ですらないぞ」

ヒュンケル「副乳、というものを知っているか」

ラーハルト「いや、知らんな」



12:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:09:18 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「脇の下の膨らみ、腹にある対のホクロ…それらは乳とされることがある」

ラーハルト「乳とされる?」

ヒュンケル「ああ、犬猫と同じく複数乳あった頃の名残だ」

ラーハルト「なるほど」

ヒュンケル「その辺りをマッサージしながら揉め!」

ラーハルト「揉む?こうか?」

ヒュンケル「そうだ。乳腺がその辺りにはある!常に刺激しておくんだ」

ヒュンケル「そして、これだ!」

ラーハルト「なんだ?これは…?」

ヒュンケル「餅だ」



13:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:10:17 ID:a/kztDC.

ラーハルト「餅?」

ヒュンケル「焼いた餅を小豆を甘く煮たものに沈め、アイスクリームを乗せて食べるぞっ!」

ラーハルト「うまい」

ヒュンケル「…本来ならば母乳が分泌され過ぎて詰まるので妊婦は食べてはいけないものたちだ」

ラーハルト「な…なに!?なぜそれを食べるのだ!?答えろ!ヒュンケル!」

ヒュンケル「オレたちは乳腺が発達不足だ。それにこの闘気をまとった力でマッサージをしたら詰まるもなにもないっ!!むしろ積極的に摂取すべきだ!」

ラーハルト「うおおお!!オレは何杯でもいくぞっ!」

ヒュンケル「…流石だ。オレも負けられん…!」

扉/エイミ(一体なにを目指しているの…ヒュンケル)



14:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:11:35 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「次に高ーい高い!キャッキャッ!の練習だ」

ラーハルト「コツがあるのか…?」

ヒュンケル「オレやお前のスピードで高い高いを繰り出すのは危険だ」

ラーハルト「子供は喜ぶだろう?」

ヒュンケル「いや、揺さぶられっこ症候群の可能性がある」

ラーハルト「なんだそれは。初耳だぞ」

ヒュンケル「赤ん坊を強く揺らす、高い高いを繰り返すことだ。最悪、障害すら起こす」

ラーハルト「な、なに!」

ヒュンケル「高い高いの理想は1歳くらいからゆっくりと…だな」

ラーハルト「危なかった…つい全力で高い高いしてしまうところだったぞ」

扉/エイミ(この人たちが全力で高い高いしたら何メートルふっとぶのかしら…)



15:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:12:40 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「さ、最後に…くっ…!」

ラーハルト「どうした。なぜ泣く…!?」

ヒュンケル「ちゅ、ちゅーは禁止…だ…」

ラーハルト「!!!そんな!そんなはずないだろう!?ほっぺなら…ほっぺならいいはずだ…!

ヒュンケル「いや…ほっぺも…だめなのだ…」

ラーハルト「なっ…!」

ヒュンケル「それだけではない!あついでちゅかー?フーフーしてあげまちゅよーも、一口だけあげまちょうねー!これらも禁止だ」

ラーハルト「」

ヒュンケル「ラーハルト!意識を取り戻せ!」

ラーハルト「はっ!…もはや…目がかすむ……!」

ヒュンケル「………っ」

ラーハルト「フフッ…甘いやつだな。ひとの悲しみを我が事のように…」



16:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:13:28 ID:a/kztDC.

ラーハルト「しかしなぜだ!?なぜちゅーは禁止なのだ!?」

ヒュンケル「虫歯の原因菌が感染するのを防ぐためだ」

ラーハルト「なんと!」

ヒュンケル「2歳…およそ2歳まで我慢だ」

ラーハルト「2年…我慢するには長すぎるぞ!」

ヒュンケル「ならば歯が痛くて泣く様をお前は黙って見ていられるか!?」

ラーハルト「ぜったいむり」

ヒュンケル「同感だ」

ラーハルト「オレたちはなんと無力なんだ…」

扉/エイミ(部屋の中がお通夜のような空気になってるわ)



17:以下、名無しが深夜にお送りします 2016/02/24(水) 20:14:46 ID:a/kztDC.

ヒュンケル「しかし希望はある」

ラーハルト「この非情な世界でか…?」

ヒュンケル「ああ、我々がいつか師になることが出来るのだ!」

ラーハルト「な…なんと!」

ヒュンケル「オレは剣を教えよう」

ラーハルト「ならばオレは槍を!」

ヒュンケル「そして…先生…そう、先生!とよばれるのだっっ!!」

ラーハルト「素晴らしい世界だな」

ヒュンケル「フッ、ダイが全てをかけて守ったのだ。当たり前だろう」

扉/エイミ(あってい
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年02月24日 21:40
      • エイミも苦労してんだなぁ
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年02月24日 21:55
      • 4 やめて…ダイ大は俺のバイブルなんです…
        ヒュンケルとラーハルトはこんなこと言わない…
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年02月24日 22:18
      • 駄目だコイツら…早く何とかしないと…

        と思ってたら「揺さぶられっこ症候群」の下りでちょっとだけ見直した
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年02月24日 22:46
      • お祝いになんでこんな暴走したSSを書いたwww
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年02月24日 22:49
      • 宿屋でハーケンディストールは止めて!
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年02月24日 23:56
      • 体が熱い…力が目覚める…

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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