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花陽
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1: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 00:30:30.04 ID:7erOfFIu.net
花陽「なぁに?それ」

海未「!? 知らないのですか!?」

花陽「(ビクッ) えっ、う、うん…」

海未「花陽ですら知らないとは……」

花陽「……?」


海未「いいですか、ササニシキとはお米の品種の一つです」

花陽「お米…」

海未「味の好みは人それぞれですが、このお米が最も美味しいという人も少なくありません」

花陽「…」ゴクリ

海未「かつてはコシヒカリとの二大横綱としてお米界に君臨していたそうです」

花陽「そ、そんなすごいお米があったんだ……」

海未「そう、そんな凄いお米なのですが……」

花陽「?」

3: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 00:32:22.54 ID:7erOfFIu.net
海未「実は、現在では殆ど作られておりません」

花陽「えっ!」ガビーン

海未「現に花陽も知らなかったでしょう。 今買おうと思っても、中々手に入らないはずです」

花陽「そんな…」ワナワナ

海未「ピーク時には20万ヘクタールという脅威の作付け面積を誇っていましたが、現在ではおよそ3000ヘクタールほどです」

花陽「なんでそんなことになっちゃったの!?」

海未「理由は大きく二つ、一つは病気や冷害に極端に弱いため、栽培が難しい事です」

花陽「…お米農家さんも大変だもんね」

海未「そうですね、 そしてもう一つなのですが……それは、消費者の姿勢です」

花陽「…?」

海未「不景気が長く続く日本では、『高くて美味しいお米』よりも『安価でそこそこの味のお米』のほうが求められているのです」

花陽「……」

海未「……これは誰が悪いという話では無いでしょう。 そして、決して安価なお米がクズ米ということでもありません」

海未「先ほど花陽が言ったとおり、お米農家さんは頑張っています、ですが、安価なお米を大量生産することが望まれている時代です」

海未「手のかかるお米を少量生産するということが、今の時代求められていないのです」

花陽「……そんな」

花陽「そんなの、お米が……お米農家さん達が可哀想だよ……」

5: 名無しで叶える物語(はんぺん)@\(^o^)/ 2015/07/12(日) 00:39:04.99 ID:7erOfFIu.net
海未「ですが、そう悲観するばかりではありません」

花陽「えっ?」

海未「元来、日本人とお米は切っても切れない関係にあると言えます。それはいつの時代も変わりません」

花陽「うんうん」

海未「それは、一般的なお米の二倍以上の値段の高級ブランド米が、普通のスーパーにも並んでいるのを見ればわかる通りです」

花陽「そうだよ、お米は大切だよ!」

海未「今では、より安価なお米の生産のため、日本の品種をタイやアメリカ、インドネシア等へ持ち出して生産実験を行っているようですが、結果は思わしくないようです」

海未「しかし、結果に納得がいかないということは、それもまた、日本人がお米にこだわりを持っているという証拠でもあります」

花陽「やっぱり、皆お米が大好きなんだね」

海未「先ほど話したササニシキですが、今ではその作付けの減少を憂い、生誕地である宮城県では生産拡大を目指しているそうです」

海未「それだけでなく、ササニシキの特性を生かしながら、病気などにも強くなるような品種改良が今も進められています」

花陽「じゃあ、私もササニシキを食べられるの!?」

海未「えぇ、日本人がお米への情熱を忘れない限り、お米は不滅です!」

花陽「うん!」クゥ~

花陽「あっ///」

海未「おやおや、さっそく、お米が大好きな人が見つかりましたね」

花陽「えへへ///」

海未「今日は私がご馳走しましょう、いいお米が手に入りましたから」

花陽「い、いただきます!」





海未「日本人にとって、お米はとても大切なものです」

花陽「皆さんも、ぜひこれから、お米を味わって食べてみてください」


終わり