2016年03月03日 20:05
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何を書いても構いませんので@生活板 20
- 525 :1/2 : 2016/03/02(水)18:56:32 ID:UfG
- ジジイの思い出話をさせて下さい。
おーぷんは趣味の板などを一年ほど読んでおりますが、不手際がありましたらお詫びします。
私がまだ三十代の頃、新入社員を二名、教育係として担当しました。
簡単にAとBとします。
どちらも調子のいい男で、給料日の後には揃って「先輩なんかおごって下さいよ!」
などと言ってきて夕飯を付き合わされましたが、私も初めて後輩を直接に指導したので
可愛くて仕方なく、月に二度ほど夕食や酒をおごる日々が続きました。
翌年、忘れもしません五月の末の、よく晴れた日のことです。
その年には私の部署に新しい社員の補充がなかったため、月に一度くらいの頻度ですが
まだ先輩のおごり夕食は続いておりました。
ところが私が朝から腹の具合が悪く、若者たちの喜ぶようなガッツリとした食事は
避けたい気持ちだったため、おごり要求が来たものの別の日に、と断ろうとしました。
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- するとAが、先輩に合わせますよ、と言います。
Bも、たまには先輩の行きたいとこ行きましょうよ、などと調子を合わせます。
ひょっとすると、後日となったら来月あたりまでおごりを飛ばされると思ったのかも知れません。
本当に調子のいいヤツらなんです。
そこで私は、少し値は張りますが、とても優しい味の和食を出す小料理屋に連れて行きました。
その店は私も先輩から教えていただき、たまのご褒美に焼き魚や煮物をアテに酒を愉しむ
小さいけれど居心地のいい店です。
ご夫婦で営まれており、その頃、すでに五十代後半の旦那様がお料理を、奥様が接客を
されていました。
私はまだ腹の具合が落ち着かなかったので、焼き魚定食のご飯小盛りを。
Bは刺身だったかな? Aは鯖の味噌煮定食を頼みました。
そこの定食は、メインのおかず以外にも煮物や小鉢が豊富で、どれも出汁のきいた薄味です。
若者の口に合うかな、と不安でしたが、二人ともご飯をおかわりする勢いで食べてくれました。
それからまたしばらく経ったある日のこと、私が一人で当の小料理屋へ行くと
Aがカウンターに座っておりました。
聞けば、あの後、一人で何度も通っているとのこと。
私と一緒に行った日に食べた鯖の味噌煮が、Aの亡くなった祖母の味とそっくりだったため
懐かしくなり、酒は頼まず定食だけを食べに来ていたのだそうです。
店のご夫婦ともすっかり仲良くなったようで、それからも度々、彼を店で見かけました。 - 526 :2/2 : 2016/03/02(水)18:56:56 ID:UfG
- 二年後、Aは会社を退職し、その小料理屋で働き始めました。
やがて調理師の資格をとるために学校へも通い、私とBが店に行くと、定食に小鉢を
おまけしてくれたりするようになりました。
Aはそれまで料理などほとんどしたことがなかったはずです。けれどもその頃には
店のご主人が太鼓判を押すほど腕を上げておりました。
過日、その店のご主人が体調を崩され、Aに店を譲って隠居する運びとなりました。
店はしばらく休んでいたのですが、今夜、私とB、ほかに常連さんや店のご夫婦の
お知り合いなどを呼んで、ちょっとした引き継ぎ式のような席を設けます。
週末には、Aが初めて主人として、引き継いだ小料理屋の厨房に立ちます。
十年ほど前に結婚したAの奥様が、まだお元気な先代の奥様に手伝っていただきながら
接客をされるそうです。
Aの言った「あの日、先輩が腹を壊していてくれて良かったです」という、冗談なのか
よくわからない言葉が思い出されます。調子のいい、口のよく回るところは
ジジイに片足を突っ込んだ今も変わっておりません。
きっと、良い店主になるでしょう。
本当に、人の縁、人生の転機というものは予想が付かないものだと考えさせられます。
今夜は鯖の味噌煮を出してくれるとのこと。楽しんで来たいと思います。 - 528 :名無しさん@おーぷん : 2016/03/02(水)19:08:38 ID:zgD
- 予想に反していい話だった
- 531 :名無しさん@おーぷん : 2016/03/02(水)19:32:52 ID:PZG
- >>526
いい話だな
お腹の壊してくれたお陰で、いい話が読めた
良かった良かった、ありがとう - 537 :名無しさん@おーぷん : 2016/03/02(水)20:30:27 ID:uX8
- >>526
良い話だね。
人との縁や繋がりって本当に不思議だよね。
引き継ぎ式どうだったのか聞きたいわ。
これからもAさんたちといいご縁が続きますように。
お店も繁盛しますように。
コメント
鯖の味噌煮と腹痛がAの運命を変えたか、良い話だな
面白い良い話だった
人生ってどう転がるかほんと分かんないね
すごくいい話
でもこういう年寄りくさい書き方になるのはどうしてなんだろう?
実際のおじいさんとかおじさんとかって、あんまりそういう書き方にはならない気がする
意識すると出るものなのかな?
優しすぎて泣きそうになる……
結局必死で良い会社高い年収を追い求めてもそれが幸せか?やりたいことか?というと
うーん…違う場合が多い
体が疲れて辞める人、心が疲れて辞める人、沢山居る
こういう転職成功物語は、大人向けのおとぎ話みたいで夢があって癒されるいいもんだね
※4
若い人が創作で年寄りを演じてるからだろうな
演出過剰になるんだよ
涙腺が近頃緩くなってるから、こういう話は困る
※7
まあこれだろうな
実際に中高年の人がレスする時は多少語彙が古くてももっとくだけた語調になるもんだと思うが
創作する人は小説みたいな書き方を好むんだろう
※4
全部が全部とは言わないが、ある一定以上の年代の人はこういう書き方をする
相手によって話し言葉を変えるように、文章も、公用・私用・不特定用(誰が読んでも気分を害しない程度)と書き分けるようだ
年上の人から手紙もらう機会があれば読んでみるといい。実際と手紙の雰囲気が真逆なこともあるし面白いよ
いい話だし文章も読みやすい
珍しくお手本のような書き込み
いい話で反応に困るわ
そこの小料理屋の娘に恋したAとBが対立してAがストーカー化して襲った時にBが娘さんを助けて今度二人は結婚してAは塀の中ってのがパターンだろ
渋いグルメ漫画のエピソードにでもなりそうな話だな〜
いい話だー
で、自分は40代前半だけど
40代後半以上の人は、携帯メールなんかでも語調が違うなと感じている。
特に、ちょっといいところにお勤めの人なんかは
文語!?と思ってしまうような語彙がチラホラあったりするから、
こういう書き方もべつに違和感ないな。
気になるかな?親のメールってこんな感じな気がする
創作でも別にいいけど(誰も得しないし)
普通にいいお話だった
こんな話にまで創作認定厨が湧くなんて逆に笑えるw
いいとこで育った人なら、こういう語り口でも不思議はないと思う
創作認定の根拠としては弱いよ
ネットだと、ニュー速なんかでアホみたいな煽りや女叩きしてるのが実は50代だったりするからねw
自分が子供の頃は20歳過ぎたら完全に大人に見えたけど、実際なると全然…というように
上の世代の見積もりがズレてしまうことってある
おばあちゃん…鯖の味噌煮…
もしやAは「天の道を往き、総てを司る男」、天道Sという名前ではないか?
または小料理屋がフェイクで実はBistro la Salleという洋食屋では…
いい話だったんだけど読み進めていくにつれて、丁寧な語り口と、
最初は素通りしたはずの序盤で出てきた食べ物に対しての「ガッツリ」という表現のアンバランスさが気になってきてしまった
アラフィフで仕事もせず、ネットで「ウトメがー!」「男がー!」と日がな一日喚いてる専業オバサンたちは、自分たちを年相応の大人だと思ってんの?(笑)
創作ってすぐ言う人うんざり。
疑いだしたら全部創作じゃんww
味噌…腹を壊した…あっ(察し
おりました。とかバカ丁寧な文章で読む気なくしたら
※欄に創作って文字が多くてやっぱ読まなくて良かったと思った
キモい
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