d0244687_17463952

こちらはコメントにて当サイトに直接投稿いただきました記事です
【名無しの鬼女】 さんありがとうございます!

[投稿日時] 2016年03月10日 15:33
■体験談
何の役にも立たなかった物凄い記憶力を発揮した私の黒歴史を書く。

昔、6・7歳位の事だったと思う。その頃私はピアノを習っていて、産まれて初めての1人でのピアノ演奏発表会に出た。毎日毎日飽きっぽい私らしくもなく頑張ってピアノを練習して、先生に代表の1人にしてもらった。喜んだ私はピアノ発表会の前日も、何時間も、最早楽譜を見なくても曲が弾ける程弾き続け『これなら大丈夫!!』と太鼓判を貰ったはずだった。

当日。今でもハッキリ覚えている程ガチガチに緊張してしまった。舞台裏で足はガクガクして立っておられず、冷や汗が出てとても寒い。座った傍から何回もトイレに行く。「手の平に『人』文字を書いて飲み込むんだよ、そうすれば落ち着くよ」という助言に従い、何回人文字を飲み込んだか分からない。そうして、次は私の番だという時が来た。舞台傍で待機していた私は、ここで今なら信じられない程余計な記憶力を使ってしまう。





私の前に男の子(a君)が曲を発表し始めた。a君が弾いた曲は、彼のお母さん(Aさん)がa君の為に作曲した大事な曲だったらしい。それを最初から最後、途中の強弱云々に至るまで全部頭にコピーしてしまった。そしてあれ程何度も練習してきた筈の、本来の演奏曲を完っ全に忘れた。(発表会が終わった後も弾けなくなっていた)

恐らくは極度の緊張の余り脳がフィーバーしてしまったんだろう。弾くべき曲の全てがa君の曲に塗り替えられた私は、一生懸命その曲を弾いてしまった。そして弾き終わった後、完全にトチ狂った私が輝く笑顔で壇上から飛び降り『おかーさーん!!」と母に駆け寄る映像が残っている…。

今なら分かる。母は穴があったら入りたかったであろうと。色々、泣きたかったであろうと。

その直後はもう、母の謝罪をずっと見る事になった。どれだけAさん一家に申し訳ない事をしたか、それを懇々と諭されるも自分が何をしてしまったのか理解出来ず、ただ泣く私。Aさんと男の子に謝り続ける母…。

幸い、Aさんは『緊張しちゃったのねえ』『大丈夫です大丈夫です』とカラカラと笑って許して下さったそう。

『〇子、くぁwせdrftgyふじこ』タイトルのビデオテープを見つけ、不思議に思って再生した中身はコレだった。タイトル、本当は『〇子、初めてのピアノ発表会』とかそんな事が書いてあったんだろうなあ。文字が徹底的に塗りつぶされ、読めなかった。

最後まで見ておれず、Aさん、a君、お母さん…、ごめん。ごめんね。と物凄く後悔の念に駆られた勢いで書く。


当サイトで皆様の体験談、相談、愚痴、吐き出し。何でもお待ちしております
コメント欄 or メールフォーム から投稿下さい!