フリーザ「今年の新入歓迎会を兼ねたお花見についてですが……」ギニュー「はっ!」
ギニュー「はっ!今年こそは機甲戦隊の連中に負けぬよう、我々自慢のスペシャルファイティングダンスにより磨きをかけて……」
フリーザ「ギニューさん、これは真面目な話なのですよ?」(イライラ)
ギニュー「は、はいっ!」(フ、フリーザ様が怒っていらっしゃる……!!やはり我々の昨年のダンスの失敗があまりにも……)
フリーザ「新入歓迎会の余興は、新しく我が軍団に入っていただいた方々に、我々の戦闘技能とその素晴らしさを知っていただく機会なのです。」
ギニュー「はっ!存じております!!昨年は不覚にも機甲戦隊に我々の情報が漏れてしまい、結果出し物が被ってしまうという不測の事態を……」
フリーザ「……そのことは別にいいんです。ギニューさん、先ほども言ったように、出し物は我々の戦闘技能と組織の素晴らしさを知っていただくものと私は言いましたよね?」
ギニュー「はい!」
フリーザ「昨年はそれをしっかりとアピールできなかった……要は、出し物自体に問題があったのです。」
ギニュー「は、はあ……」
フリーザ「いいですか、ギニューさん。今年こそは私の部下として、我が軍を十分にアピールできる素晴らしい出し物を披露していただかないと……」(クルッ)
ギニュー(ゴクリ)
フリーザ「あなたを使って私の戦闘力をみなさんにお見せすることになります。わかりますね?」(パウウウ)\デスボールタメ~/
ギニュー「しょ、承知致しましたっ!!」(シュバッ)
リクーム「あ~確かに、去年は機甲戦隊の連中のせいでシラケましたもんねえ~」
ジース「クソッ!サウザーのやつら、やることがコソコソと汚ねえんだよ!俺達が隊長の考えたスペシャルダンスの練習してることを知ってて、わざと被せてきやがって!」(ダンッ!)
バータ「俺達のダンスは完璧だった!なのに、機甲戦隊のやつら……!」
グルド「あの時のことを考えただけでもムカつくぜ!今年こそはあいつらをギャフンと言わせるポーズとダンスを考えてやる!」
ギニュー「……俺も、そう言いたいのは山々なのだがな、どうもフリーザ様は我々の出し物自体に問題があるとおっしゃったのだ……」
一同「!!!!」
ギニュー「ダンスでは、我々の戦闘力、そして素晴らしさが伝わらなかった……そうお考えなのだ……」
ジース「そんな!ダンス以外でどうやって俺達の素晴らしさをアピールするっていうんです!?」
バータ「そうだそうだ!隊長の考えたあのパーフェクトなスペシャルファイティングダンス以外に、一体どういう策があるっていうんだ!」(バンッ!)
リクーム「まさか隊長、今年はバレエにしちまうなんてこと、考えてませんよねえ?」
グルド「俺の超能力で一発芸とかじゃ、それこそシャレになりませんよ……」
ギニュー「黙れっ!!」
一同「シ~ン」
ギニュー「我々が……宇宙の支配者たるフリーザ様にお仕えするギニュー特戦隊が!これしきのことでうろたえてどうする!!」
ギニュー「いいか、フリーザ様は我々にチャンスをお与えになったのだ……今までの我々よりも、ずっとより良いアピールをできる素晴らしい戦士になれるようにな……」
ジース「た、確かに……」
バータ「なるほど……わざと俺達の得意なものを封印してアピールに挑み、それを成功させれば……」
グルド「フリーザ様に認められ、さらに俺達の軍団の中の評価も上がる!」
リクーム「この苦難を乗り越えれば……俺達は戦士として一皮むけるってもんですね。」
ギニュー「そういうことだ。さて、そこで何をすべきか、お前たちに案を出してもらいたい。」
バータ「ハイ!」(バッ!)
ギニュー「バータか。流石特戦隊の青い彗星、素早い!」
ジース「バーカ、それじゃあいつもの戦闘訓練になっちまうだろ。つまらん。第一、楽しい花見の席で仲間同士の殺し合い見せてどうすんだよ。」
リクーム「せっかく入ったところが仲間同士で血みどろの殺し合いするブラックな職場だなんて、新人さんの士気が下がっちゃうじゃ~ん?もうちょっとオツムを使おうねえ、バータちゃ~ん?」
グルド「エンターテイメントってのを考えろよな~。歓迎会の余興なんだぞ~?」
バータ「な、何だと!?」
ギニュー「余興の席で血を見せ、酒が不味くなったとフリーザ様から不興を買うなど笑止千万!却下!!」
バータ「チェッ……久しぶりに、メンバー内のポジション入れ替えができそうだったのによ~。」
ジース「何だよお前、結局それが本音か。」
バータ「じゃあお前は何かあるってのか?もし不採用だったらチョコレートパフェ奢れよな?」(ニヤニヤ)
ジース「ふふん、俺のはお前のなんかよりずっと凄いぞ。」(フンッ)
ギニュー「ほほう、これは期待できそうだな。よし、ジース言ってみろ。」
バータ「何を言うかと思えば……俺達に漫才でもやれってか?」
ギニュー「だが、それで我々の戦闘力がアピールできるのか?」
ジース「コントといってもただのコントではなく、我々が星を攻め滅ぼしたときを再現するコントというのはどうでしょうか?」
ギニュー「なるほど、寸劇という意味の方のコントか。」
リクーム「まどろっこしいな~てっきり俺が女装でもさせられるのかと思ったじゃな~い」
グルド「……冗談でもやめろよな、そういうの……」(ウエッ)
ジース「これなら俺達のカッコよさや強さを十二分にアピールできるかと思います!」(ドヤア)
ギニュー「だが、やられ役はどうするのだ?サイヤ人どもからサイバイマンでも借りるのか?」
ジース「あっ……そ、それはですね~……」
バータ「まさかお前、俺達の中からやられ役を選ぼうとしていたんじゃないだろうな~?」
ジース(テヘペロ)
ギニュー「この大馬鹿者がぁーーーーッ!!!」(チュドオオオオン!!)
ジース「うごおおおおっ!!!」
グルド「えっ……でも何で?」
ギニュー「いいから今すぐにだ!!間に合わなくなっても知らんぞーっ!!」
リクーム「は、はい!!」
一同「リクーム!バータ!ジース!グルド!」(ビシッ!!)
ギニュー「ギニュー!」(バアーン!)
一同「み・ん・な揃って!ギニュー特戦隊ッ!!」(ババアアーンッ!)
ギニュー「そう、俺達は5人揃ってこそのギニュー特戦隊ッ!」
ジース「……はっ!」(ガガアーンッ!)
ギニュー「隊員のうち一人の輝きを犠牲にするなどもっての他ッ!!」
ギニュー「却下だあああああッ!!」(ビシィィィィッ!)
ジース「ぬおおおおおおッ!!!」(ズドオオオン!!)
ジース「ぐぬぬぬ……」
バータ「約束だぞ~チョコレートパフェ奢れよ~?」
ギニュー「……しかし、一向にいいアイディアが出んな……これはどうしたものか……」
グルド(カタカタ……)
ギニュー「グルド!真面目な会議中にパソコンをいじるとは一体どういう了見だ!!」
バータ「態度悪いぞ~?」
グルド「まあまあ隊長、これを見てくださいよ。」(パチッ)
ギニュー「ん?なんだこの動画は?」
グルド「今、動画サイトで注目を集めてる動画です。余興ってモンはやっぱこう、流行に乗ったやつがウケやすいかと。」
ギニュー「ほほう。」
リクーム「あ~らグルドちゃん、珍しく冴えてるじゃないの~」
グルド「珍しくは余計だぞ、っと。」
グルド「アイスバケツチャレンジとかいうやつですよ。氷水を被るヤツです。チャリティーのために始まったヤツですがね。」
ジース「俺こういうの嫌いだわ~偽善の香りがプンプンしやがる!」
リクーム「まあまあ、これでカネが集まって人のためになるんならいいんじゃないの?強制じゃないしさあ?」
バータ「で?何だ?俺達にもこれをやれってか?」
グルド「いいや?俺達が氷水被ったところでなんともないからな。要は考え方だ。」
ギニュー「ふむ。」
グルド「この動画以外にも、色々な動画があるんだが……だいたい注目を集めやすいのは、何か無茶なことを成功させたり、耐えたりしているものが多い。」
リクーム「まあ、そうねえ~」
グルド「さっき隊長がおっしゃったように、何も一人を犠牲にすることはないだろ?全員を凄いと思わせればいいんだ。」
バータ「それで?」
グルド「氷水の代りに、交代でお互いの技をかけ合って耐えるってのはどうだ?事前に打ち合わせしとけば手加減もできるし、交代でやれば一人だけ損な役ってこともなくなる。デスマッチじゃないから殺し合いにもならないだろ?」
グルド「耐えたヤツも凄いってことになるし、俺達の戦闘での特技も披露できる。オーソドックスだが、見せ方によっては派手にすれば盛り上がることは間違いナシだと思う。」
グルド「きっちり打ち合わせとリハーサルをしとけば、本番トチって大喧嘩なんてこともないと思うんですがね。戦闘力が近い組み合わせにすりゃあ怪我も防げますし、俺も超能力で技の回避ぐらいはできますし。」
ギニュー「だがそれは、本当に皆を楽しませることになるのか?」
バータ「……確かに……」
ジース「無茶やってる動画って、注目は集めやすいけど調子にのってバカが事故を起こすケースが後を絶たんしな……」
ギニュー「耐えるヤツが一人ではなく全員という問題ではないのだ……」
グルド「つっても、歌を歌ってみるとかはダンスと同じようになっちゃうしなあ~」(カタカタ)
バータ「虫食ったりとかも嫌だなあ~俺。」
ジース「クラッシャーボールで地面にお絵かきしてみました~ってのもなんかなあ~」
リクーム「ひとまず、"戦い"ってモンから離れて考えましょうや~。もっとエンターテイメント的な部分から責めていかないと~。」
ギニュー「……!!」
ジース「隊長?」
ギニュー「そうだ、今一度原点に立ち返るのだ……!余興とは、まずは皆を楽しませるものなのだからな!!」
リクーム「んん~……そうですねえ~……」
ジース「……聞いた話によると……」
バータ「何でも、この前とある星を(否惑星ベジータ)フリーザ様自ら破壊なさったときに……」
グルド「それを"花火"に見立てて大層お喜びになられたとか……」
リクーム「そういや、フリーザ様って星を破壊するときはド派手にやっちまうのがお好きですよねえ~、こう、ボッカーン!と、見せしめとかなんとかで。」
ギニュー「それだっ!!」
一同「!?」
ギニュー「花火とは……誰が見ても美しく、心打たれるエンターテイメントの定番!どこかの星では芸術レベルに達しているものもあるそうだな……!!」
ジース「まさ
コメント一覧
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- 2016年03月13日 23:52
- 優しい世界
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