韓国のゲームメーカーZemina社の唯一のオリジナルファミコンソフトであると同時に、屈指のレアソフトとして海外レトロゲーマーの間で知られていた『Magic Kid Googoo』の動画が公開され、ちょっとした議論が巻き起こっている。
Zemina社は1981~1992年まで韓国に存在したゲームメーカー。初期はMSX規格の日本のパクリゲームをせっせとつくっていたが、1987年にコンピュータプログラムの著作権保護法が制定されると、オリジナルゲームもつくるようになったとか。しかしそれでもやっぱり内容は日本のゲームにそっくりだったという。
そして1992年、何を思ったかファミコンに参入。『Magic Kid Googoo』というアクションゲームをつくったあと、同社は忽然と姿を消した。結果的に同ソフトはZemina社ではただひとつのファミコンソフトとなったのだ。
たしか任天堂は1990年に韓国へ進出しているので(
参照記事 )、時期的に矛盾はないが……
こちらのページ (ハングル注意)によると、『Magic Kid Googoo』が幻のソフトになった理由として「国内(韓国)のゲームだから
エミュレータにも収録されていない 」と言及。サイト主が15年ぶりにこれを入手するまで、プレイ映像はおろかスクリーンショットすらどこにもなかったという。
RedditGamingのNESコミュニティでも同ソフトはエミュレーションによって保存できない数少ないNESソフトのひとつとして知られていた。
今回Youtubeにアップされた動画はそんな韓国サイトを見つけた海外レトロゲーマーの一人がこの貴重な映像を絶やさないように、多くの人間が見られるようコンバートしたものである。
VIDEO 韓国のゲームの歴史をまとめる「
A History of Korean Gaming 」は同ソフトについて『スーパーマリオブラザーズ』の影響はみられるが、いくつかの興味深いオリジナルアイデアが盛り込まれていると指摘。
たとえばクラゲ、カメ、ペンギンなどに変身してそれぞれの能力を発揮するのだという。さらに、広大なステージ構成や豊富な楽曲も魅力のひとつであるとしている。また、パスワードシステムが採用され韓国初のファミコンゲームということである。
なお、この動画が再アップされたのを機に、RedditGamingの
NESコミュニティ では、この唯一の所持者とされる人物へエミュレータへダンプするよう訴える動きが起こった一方で、いくらゲームの保存が目的であっても、それをお願いすること、ましてやそれを「独占している」として非難することは筋違いであるとして議論が巻き起こっている。
以下はその主な意見。
・彼がこれをダンプしない理由はありますか? ・そんなことをすれば、どうせコピーが出回るだろ。 ・いや、そもそもアップロードすることは違法。 ・なぜそのような要求をするのか。 ・彼はちゃんとブログで紹介してるじゃないか。 ・このゲームの歴史的重要性って何? ・ただの『スーマリ2』(注:日本ではマリオUSA)のパクリじゃん。
動画見たけど、たしかに『マリオUSA』っぽい要素は多いが、言うほどでもない気がする。むしろそれを下地にして色んなゲームの要素を盛り込んだという感じ。したがって世界観バラバラだけどキャラクタが良いB級感をかもしだしているなあと思いました。
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ダンプを行うのはエミュでなく吸い出し機やマジコン等の機器なので。
海外の一部コミュニティでは
ダンプ費用の資金を募って出回ってないタイトルをダンプしてもらうというのは
結構事例があることだったりします。