戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://rss.rssad.jp/rss/artclk/T7he30zk4qYy/88f1bd150be8e6d5e3ac0ed4b17b88ac?ul=rtjA82Xy_G3vhG.SsJktQf9w1fANhfPeCRzgA6LtbBuwIaqjI_dRsNKIrx.RN37m8B7nFZpTZOUdHSxcWlYmBIW2DaSvqVn1Hy5JOqTwmWEdBu7Rd


「ハリー・ポッター」の透明マントは実現無理そうだけど「プレデター」みたいなのは可能っぽい : ギズモード・ジャパン

「ハリー・ポッター」の透明マントは実現無理そうだけど「プレデター」みたいなのは可能っぽい

2016.03.15 19:00
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

160315invisibilitycloaks.jpg


誰の目からも見えなくなる透明マント、ちょっと着てみたい気もしますよね。でも新たな研究によれば「ハリー・ポッター」に出てくる透明マントのように、誰にも気づかれないようなものは実現が無理なようです。でも「プレデター」の光学迷彩みたいな感じのものは可能なようですよ。

ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(ドイツ)とオタゴ大学(ニュージーランド)の研究者たちは、透明マントが実際にどう機能するのかを理解するために理論モデリングを行いました。透明マントを作るためには複数の方法がありますが、そのすべてに共通するのが、それにより覆われる物を光が迂回しないといけないので、時間差が生じるという問題。これはマントで覆われたものをまっすぐ光が通過できないために生じる現象です。

それでも一番現実味のありそうなのが「振幅マント」と呼ばれる方法。この方法では光の位相に関する情報を捨てて、その代わりに色を再現し、光学的距離の違いを埋めるために意図的に時間差を導入します。いいニュースは、この方法だと非常に現実に近いリアルな光景がつくれるということ。実際にこのような振幅マントは実験で作られています。

しかし、今回の研究では悪いニュースも判明しました。このタイプの透明マントがきちんと透明であるためには、それに覆われた物体と、それを外から見る観察者の両方の位置が固定されていないとだめなのです。その理由はオーギュスタン・ジャン・フレネル、アルマン・フィゾーの名のついた「Fresnel-Fizeau drag」と呼ばれる現象にあります。光が動く媒体(例えば水滴)に伝搬されると、光がその媒体に引きずられてしまうのです。そのため、透明マントに覆われた物体(もしくはその観察者)が動いていると、光もそれとともに引きずられてしまうのです。研究者のひとり、Jad Halimehはこう説明しています:

本当の透明マントはフィクションの世界にとどまることでしょう。あなたのマントは、もしそれが実用的なものであっても、それは「プレデター」のようなものになり、動くとひずみから何が隠れているのかがわかってしまうでしょう。

つまり実用的な「振幅マント」ができたとしても、動いてしまえば「なにかあそこに隠れてるっぽい」とわかってしまうようなものになるということ。でもマントの中のものも、それを見る人も動かない状態なら、十分にそこに何かが隠れているということがわからないものは可能なようだ、というわけです。


image by Tobias Hone
source: Physical Review A via PhysOrg

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文
(abcxyz)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
・関連メディア