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アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)は、軍隊使用のための新技術開発および研究を行うアメリカ国防総省の機関である。大統領と国防長官の直轄の組織でありアメリカ軍から直接的な干渉を受けない組織でもある。
そんなDARPAでは、幾つもの風変わりなプロジェクトが進行している。そうしたプロジェクトの目的の1つは、アメリカの敵に「技術的驚き」を与えることである。戦場の敵兵士が目にした瞬間、「何だあれ?」と仰天させたいのだ。そんなDARPAが実際に取組んでいる変わり種プロジェクトをご紹介しよう。
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1. 9トンの物資を運搬できる飛行船
AEROSCRAFT World's Most Advanced AIRSHIP First Flight Commercial CARJAM TV 2014
DARPAによる新型飛行船への挑戦は2006年に中止された。技術的問題が解決できなかったことが原因だ。だが、そのプロジェクトは2013年に再開された。目標は5日間で9トンの物資を地球半周分輸送することだ。
これによって部隊は即座に完全武装で展開できるようになる。とは言え、戦車はここに含まれないだろう。
2. 自動運転式の超高速ライトウェイトマシン
DARPA - Ground X-Vehicle Technology (GXV-T) Crew Augmentation Simulation
グラウンドXビークルは四輪車とクモを融合したかのような姿をしている。直接運転することもできるが、目的地を指定して自動運転させることもできる。いずれのモードでも、敵の接近や地形の凹凸など、状況に応じて適切に行動してくれる。
3. ドローンが着艦し、補給可能な空中プラットフォーム
無人ドローンを専用の空中プラットフォームに着艦させ補給を行うという点で、アメリカのドローンプロジェクトは他国よりも一歩進んでいる。ドローンが戦隊を組んで戦うとなれば、なおさら有効だろう。米軍がかつて開発した飛行空母よりは成果を挙げると信じたい。
4. 植物を燃料代わりに食べて稼働するロボット
DARPAの無人地上車両プロジェクトでは、補給することなく永遠に活動できる無人機の開発も視野に入っている。それを可能にするのが、戦術的エネルギー自律型ロボットだ。これは植物を食べて、それをエネルギーに変換する。また状況に応じて、敵から燃料を奪ってもいいだろう。
5. 遠隔操作の昆虫型偵察ロボット
Cyborg beetles to be the US military's latest weapon
遠隔操作のスパイ昆虫が背負うセンサーバックパックは昆虫自体から電力を供給される。すでにDARPAでは蛹にコントロール装置を移植し、昆虫の動きを利用して発電するジェネレーターを開発済みだ。
現時点で残された課題は、この技術を超小型のセンサーに応用することと、スパイ昆虫と情報収集にあたる操縦者間の通信を可能にすることだ。
6. 全角度カメラ
Enemy of the state - Freeze,Rotate,Zoom,Focus,Enhance!
これを実現する方法はDARPAと言えどもまだ把握していない。現時点ではプレノプティック機能(強度、色、方向など、三次元空間の光の情報をすべて記録する機能)を利用して、あらゆる角度から観測できるセンサーが研究されている。そのカメラは従来のものとは全く異なり、映画『エネミー・オブ・アメリカ』の一場面のような使い方ができる。
7. 原子GPS追跡機
心配には及ばない。原子とは言っても、発電や爆発させるためのものではない。速度を把握するためのものだ。水中深くを潜行する潜水艦のように、GPS信号が届きにくい場所では車両やミサイルの誘導が難しくなる。この問題へのDARPAの回答がこれである。
チップ大連結原子ナビゲーター(Chip-Scale Combinatorial Atomic Navigator=C-SCAN)は非常に高度な技術を要するが、原子核の崩壊による原子を正確に測定することで、GPS信号に頼らずに正確なナビゲーションを可能にする。
8. PTSD対策の鍵を握る脳インプラント
完全に治療目的とDARPAは約束している。
少々胸がざわつくが、SUBNETS(Systems-Based Neurotechnology for Emerging Therapies)は脳に電流を流し、マッピングしたり、変更したりする。心的外傷後ストレス障害に対する切り札になるかもしれない。
9. 対生物兵器病原菌
抗生物質に耐性がある細菌を使用した生物兵器は大きな脅威である。DARPAはこの脅威の芽を早いうちに摘み取り、米兵や市民を生物兵器から守ろうとしている。その方法は、生物兵器の細菌を殺すことができ、かつ培養可能な病原菌を研究することだ。
via:The 9 weirdest projects DARPA is working on・translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
どれも兵器利用のためとしか思えないあたりがアメーリカ!!
2.
3. 匿名処理班
ウェポンX計画はまだですか?
4. 匿名処理班
「目の付けどころがDARPAでしょ。」
DARPA局長ドナルド・アンダーソン談。
1.の飛行船は実用化されたときはオリーブ色で2号と名乗っていただきたい。
5. 匿名処理班
PTSDは人間が生来備えた同族殺しへの最終警告であり拒絶反応
だから軍隊は可能な限り殺しへの免疫をつけさせる訓練を洗練させてきた経緯がある
もしもPTSD用インプラントでの救いが患者の罪悪感や後悔を感じさせなくするモノであるならば、それは感情に起伏の乏しいソシオパスの類を軍が大幅徴用するのと何か変わるんだろうか?
願わくば真の意味で人を助けて欲しい。
6. 匿名処理班
脳を直接改造することで過去のトラウマを克服できるというのなら、俺なら・・・やるな。でも、ただ単に記憶をけして忘れるだけなら意味が無い。免疫がつかないと。
7. 匿名処理班
既にアメリカは数年前にアフガンに自立思考戦闘ロボット投入したから
まあ、現地でONにした瞬間味方に向けて攻撃しようとしたので、即電源切ってアメリカに送り返えされたけど(一応、操作員も兵士も信用してなくて怖いから弾は入れてなかったから被害は無かった)
8. 匿名処理班
どことやり合う気なんだ。昆虫愛護団体に怒られるぞ。全滅するまで自律戦闘できるマシンなんて人類詰んだな。
9. 匿名処理班
次世代飛行船に使われてるヘリウムは国際的に枯渇が心配されてる戦略物資だ
日本では無為な浪費で備蓄を使い果しているが、米国はヘリウム生産国として国外へは禁輸している
10. 匿名処理班
初めてDARPAの存在をを知ったのはメタルギアだった
どうせ開発するならメタルギア作ってほしい
11. 匿名処理班
その昔、ソニーが本気で超能力研究をしてたっけ