女勇者「アイドルから勇者に転身しました♪」
中ボス「ガーッ」
勇者「きゃーん!」
戦士「ゆうちゃん危ない!」バッ
賢者「僕がゆうちゃん周囲に防護壁を張る! 2人とも、魔物をやっつけて!」
弓師「よしきた! 今すぐ片付けるから心配すんなよ、ゆうちゃん!」
勇者「ゆう、応援ソング歌うよー! 皆ぁ、拍手お願ーい!」
楽師「よし出番だ!」ポロロン♪
追っかけ「「ウオオオオオォォォ」」
~♪
王宮魔術師(何だこれ?)
勇者「皆ぁ、戦闘お疲れ様♪」ニコニコ
戦士「ゆうちゃんこそ、歌お疲れ様! はい、水!」
賢者「いいコンサートでしたよ、ゆうちゃん。僕のMPも回復しました!」
弓師「皆、ゆうちゃんに拍手だ!」
追っかけ「ゆうちゃーん」「ウオオオォォ」「最高ーッ!」
王宮魔術師「もしもし?」
賢者「あ、王宮魔術師さん。ごきげんよう」
王宮魔術師「只今の戦闘を拝見させて頂きましたが…」
戦士「いい歌だったろ。それに間奏の時のダンスも可愛いよな~」
弓師「俺、振り付け覚えた!」
王宮魔術師「えっと。現在パーティーの人数は…40名ほどですか?」
戦士「いや? 4人だぜ?」
王宮魔術師「…では彼は?」
楽師「ただの楽曲担当です。メインはあくまでゆうちゃんですので、私のことは気にせずに…」ポロン♪
王宮魔術師「それで、彼らは…」
追っかけ「俺らはただの追っかけです。ゆうちゃんと同じステージに立つなど、そんなのはおこがましい!」
勇者「皆、いつもありがとー♪ ゆうと皆はパーティーは違っても、心で繋がってるよー♪」
追っかけ「「ウオオオオォォォ」」
王宮魔術師「と、とりあえずパーティーに属してないことはわかりました」
戦士「俺は前衛での戦いや、力仕事を担当している」
賢者「僕は魔法全般と、情報収集等ですかね」
弓師「俺は後衛で2人のバックアップと、あと家事担当」
王宮魔術師「それで、勇者様は?」
勇者「歌です」ニコ
王宮魔術師「……」
戦士「一言で歌と言っても、ゆうちゃんの持ち歌は20を越える!」
賢者「状況によって歌やダンスを使い分け、我々の士気を上げる…その判断力、侮れません」
弓師「しかも、本番で失敗しない為に毎日練習を怠らないんだ。その頑張りっぷりには頭が下がるぜ」
勇者「皆も、いつも戦ってくれてありがとう♪」
王宮魔術師「ちょっと待て」
勇者「どうしたんですか~?」
勇者「そうそう、これかっこいいでしょ~♪ ファンの方に頂いたんです!」
王宮魔術師「それ、使ったことはありますか?」
勇者「勿論、ありますよぅ」
戦士「ゆうちゃんの剣さばきは見事なんだぜ!」
王宮魔術師「ほう。見せて頂いてもよろしいでしょうか?」
勇者「オッケー! ミュージック、スタート!」
王宮魔術師「…ミュージック?」
楽師「奏でます…"戦乙女は愛ゆえに"」ポロロン♪
勇者「♪花よ蝶よと言うけれど~、乙女の道は甘くない~」
追っかけ「「ハイ、ハイ、ハイハイハイッ!」」
勇者「♪そうよ剣は箸より重いけど! 戦うの、この茨道~」チャキ
王宮魔術師(あ、剣を抜いた)
勇者「♪行くわ私、愛の為に! 辛くて泣いちゃう時もあるけど、それは許してね~」シュッシュッ
追っかけ「「辛けりゃいいんだ泣いたってー!」」
王宮魔術師「……」
王宮魔術師(音楽が始まった段階で、踊りのフリで使うことは予想できてました)ハァ
勇者「やーん、そんなの怖くてできなぁーい!」
戦士「いいんだよゆうちゃん、魔物なんてのは俺がやっちゃるから」グッ
賢者「ゆうちゃんの剣は魔物を斬る為ではなく、癒やしの為の剣ですからね」
王宮魔術師「あのー…。貴方がたの旅の目的は?」
弓師「魔王を倒すことだろ?」
王宮魔術師「…で、"勇者"とは何だかわかっています?」
弓師「人々の英雄だろ?」
王宮魔術師「それで…その為に勇者様は何をすべきですか?」
勇者「頑張って歌います!」
追っかけ「「頑張れゆうちゃーん!!」」ウオオオォォ
王宮魔術師(ちっげーだろが…)ビキビキビキビキ
戦士「おう、いいぜ。でも妙なことすんなよ」
賢者「まぁ王宮魔術師さんは女性ですから、ゆうちゃんに変なことはしないと思いますけど」
勇者「皆ぁ、ちょっと待っててね~♪」
勇者「それで、お話って何ですかぁ?」
王宮魔術師「…そりゃ、貴方は気の毒だとは思いますよ」
勇者「はい?」キョトーン
王宮魔術師「全国を渡り歩いてアイドル活動していた所で、神託により勇者に選ばれ、魔王討伐の責務を背負わせてしまった境遇…同情はします」
勇者「そんなそんな! 全然、気にしてませんよぅ!」ブンブン
王宮魔術師「ですがね、もう少し勇者としての自覚を持って頂きたいのです」
勇者「勇者としての自覚…ですかぁ?」
王宮魔術師「例えば弱い魔物相手でいいので、修行するとか…」
勇者「やぁ~ん。ゆう、乱暴なことするのはイヤー。それに戦うのは戦士君達がやってくれるしぃ~…」
王宮魔術師「いい加減にしなさい」
勇者「っ!」ビクッ
王宮魔術師「魔王討伐の旅は道楽じゃないんです。人々を救う為、貴方にも本気になって頂かないと困るのですよ」
勇者「……」
勇者「…うふふっ」
王宮魔術師「? 何がおかしいのですか?」
勇者「だってねーぇ…」
勇者「おバカな男の人を手玉に取って利用することの何がいけないんですかぁ?」クスクス
王宮魔術師「」
王宮魔術師「ま、まぁ確かに…短期間でかなりのレベルアップをされているようですが」
勇者「それはね、ゆうが応援したから3人とも頑張ってくれたんですよぉ~」
王宮魔術師「そ、それなら貴方も頑張って…」
勇者「駄目ですよぉ。あの3人は、守るものがある方が燃えるタイプだもん。ゆうが強くなったら、萎えちゃうと思うなぁ~」
王宮魔術師「貴方は"勇者"なんですよ!?」
勇者「仲間の皆を強くして魔王を倒すのも十分アリだと思いますぅ」
王宮魔術師「仲間ばかり危ない目に遭わせて、罪悪感はないんですか!?」
勇者「そこは役割分担ですよぉ」
王宮魔術師「…仲間の方々に言いつけますよ」
勇者「女の嫉妬だと思われるのがオチですよ?」
王宮魔術師「……」
勇者「ふふっ」ニコッ
王宮魔術師「…よく、その本音を明かしましたね?」
勇者「女性相手にブリッコしても仕方ないじゃないですかぁ~」
王宮魔術師(この女…)
勇者「そうそう、皆おバカなんですよ~。あ、おバカってのは愛情表現であって、純粋という意味でぇ」
王宮魔術師「勇者様が大きな失敗をすれば、それが致命傷となりかねない…。それがひどく心配です」
勇者「んー、じゃあ~…王宮魔術師さんも旅に同行しますぅ?」
王宮魔術師「……え?」
勇者「知的で有能で若くして王宮付きになった王宮魔術師さんなら、心強いです~」ニコニコ
王宮魔術師(このブリッコが同性相手に媚びるとは…何を企んでいるの!?)ビクビク
勇者「それにぃ、同じ女の子のお友達も欲しかったしぃ」モジモジ
王宮魔術師(…見下し要員? 私のような冴えない女を側に置くことで自分の魅力を強調する気?)
勇者「ねぇ~? 皆おバカなんだもん、王宮魔術師さんも来て下さいよぉ~」ギュッ
王宮魔術師(そうですね…確かにこのままだと、パーティーの行く末が心配です)
王宮魔術師「わかりました、同行しましょう勇者様」
勇者「やったぁ♪ じゃあ、ゆうのことは"ゆうちゃん"って呼んで!」
王宮魔術師「ゆ、ゆうちゃん?」
勇者「それで私は王宮魔術師さんのこと…おねーさまって呼ばせて頂きますぅ~!」
王宮魔術師(おばさんって意味かしら…? まぁ、この子に比べればおばさんなんだけど…)
勇者「それじゃあ早速皆に挨拶しましょうねぇ、おねーさまぁ♪」グイッ
王宮魔術師「わわっ」
魔物「ガルルル!」
勇者「きゃーん」
戦士「ゆうちゃんに手を出すんじゃねえええぇぇ!!」ズバアアァッ
魔物「ギャアアァァ」
勇者「怖かったぁ~。戦士君は頼りになるね!」
戦士「へへへへへ」
王宮魔術師(勇者様の叫び声ひとつで、ここまでやる気を出すとは…)
勇者「あ、弓師君。あの木になったリンゴが食べたいなぁ♪」
弓師「任せろ!」ビュンッ
勇者「わー、採れた! 弓師君、凄いすごぉい!」
楽師「腕を上げたな」ポロン♪
弓師「へへっ、ゆうちゃんの為よ!」
王宮魔術師(きっと本当に勇者様の為に頑張ったのでしょうねぇ)
賢者「ゆうちゃん! 今日は魔物を沢山倒したので、沢山ゴールドが貯まりましたよ!!」
勇者「わぁ、皆のお陰だねっ♪」
賢者「フフ…今日はスイートルームに泊まって下さい、ゆうちゃん!」
勇者「えぇ、いいのぉ!?」
賢者「勿論。あ、ゆうちゃんの大好きなショコラケーキを買う余裕もありますね」
勇者「やったぁ♪ ありがとう、ゆう嬉しいなぁ~」
賢者「何を言いますか。ゆうちゃんが1番頑張っていたじゃありませんか」フフン
王宮魔術師(勇者様の為に気持ちよく貢いでいる…)
王宮魔術師「身近で見ると、勇者様は本当に上手くパーティーの手綱を握っているのがわかります」
勇者「ゆうちゃんって呼んでって言ってるのにぃ~」プンプン
王宮魔術師「いえ…それは抵抗があると言いますか…」
勇者「おねーさまったら、奥ゆかしいんだからぁ」ウフフ
王宮魔術師「その『おねーさま』も、ガラじゃありませんし…」
勇者「でもでもぉ~。おねーさま、お胸おっきぃしぃ♪ いいなぁ、EかFくらいあるんじゃないですかぁ~?」
王宮魔術師「!!! ふ、太ってるからですよ…!」カアァ
勇者「そんなことなぁ~い。ぷ
コメント一覧
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- 2016年03月20日 20:13
- ゆうちゃんの得意技は遠隔だぜ
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- 2016年03月20日 20:16
- アイドル衣装着た片〇祐輔氏を想像してしまうな
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- 2016年03月20日 20:19
- これがゆうちゃんを救う会か……
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- 2016年03月20日 20:31
- ※欄でびっくりするほど萎えたw
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- 2016年03月20日 20:44
- ※欄に幻滅しました
みくにゃんのファンやめて那珂ちゃんのファンになります
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- 2016年03月20日 21:03
- ゆうちゃぁぁあぁああぁぁぁん!!
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- 2016年03月20日 21:50
- 女装したゆうちゃん
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- 2016年03月20日 21:54
- 追っかけは脳を遠隔操作されていた…?
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- 2016年03月20日 22:05
- ゆうぢゃ~ん!!ゆぅ"ぢゃ~ん!!ヴォエエエエ
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- 2016年03月20日 22:32
- こんなに罪深い※欄はあっただろうか?
オェェェェェ
吐きそう
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- 2016年03月20日 22:58
- ○ね
-
- 2016年03月20日 23:13
- 読んでないけど、まぁテンション上げるのは大事だし、ドラクエ並感
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