響「貴音!?」たかね「めんような!」【後半】
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【おおかみ少女】
響「すごいよっ、たかね! 早く起きて、早く早く!」
たかね「…… んん…… いちおう、たずねますが、なにがあるのですか」モゾモゾ
響「雪だよ! きれいに積もってるんだ、ホワイトクリスマスになったぞ!」
たかね「ひびき。わたくし、きょうというきょうは、だまされませんよ」
響「今までさんざん引っかけたのは悪かったってば。今日こそは、ホントにホントだから!」
たかね「ふっ…… そのてにはもう、かかりません。わたくし、きょうこそはひゃああっ!?」
響「えーい、それなら実力行使! このまま抱えて窓際まで連れてってやるさー!」
たかね「ひ、ひきょうなっ!? くちでかてないからと、ちからにうったえるなど、やばんで……」
たかね「…… ふわあぁ、すごい!! いちめん、まっしろです!!」
響「ねっ、言ったとおり自分、今日はウソついてないでしょ?」
たかね「ひ、ひびき、はやくおそとへでましょう! いっこくもはやく!」
響「まずはご飯食べてからね。これだけ積もってたら、すぐにはとけないから大丈夫」
【だいのじ(XS)】
たかね「ひびき、ひびき、みてください、みわたすかぎり、ゆきが……!」
響「うん、すごいなー! こんなに積もったのは自分もあんまり見覚えないよ」
たかね「はやく、はやくまいりましょう!」タタタッ
響「ちょっと、気持ちはわかるけど落ち着いてってば、たかね。そんなに走ったら――」
たかね「ふふ、ついてこないのなら、わたくしゅぶほっ」ボスッ
響「うわああっ!? だ、だから言ったのにーっ! 大丈夫!?」
たかね「……」ムクリ
響「あーあー、顔がまっしろだぞ。ほら、じっとしてて、雪払ってあげるから」
たかね「……とうっ!!」バフーッ
響「え、ええっ!? たかねっ、なんでわざわざ自分からっ!?」
たかね「……」ムクッ
響「うわあ、もっと雪まみれになっちゃって…… どうしたっていうの、一体」
【だいのじ(XS&S)】
たかね「みてください、ひびき! わたくしのからだのかたが、はんこのように!!」
響「う、うん、それはわかったから。でもたかね、身体が冷えちゃうよ、もう……」
たかね「ふわふわで、ひんやりしていて、たいへんここちよいです! もういちど、えいっ」ボフー
響「な…… っ、なに考えてるのさ、もーっ!? 三回もやればもう十分でしょ、ね」
たかね「さあ、ひびき、つぎは、ひびきもいっしょに!」
響「はあっ!? い、いや、自分はいいよ、それより早く事務所に行こ?」
たかね「えんりょするものではありませんよ、ひびき、さあさあ」グイグイ
響「ちょっ…… わわ、いきなり引っ張んないでって、ああっ、うぎゃーっ!?」
響「……ぷあっ!? もう、何するのさたかねぇ!」ムク
たかね「ふふっ、ひびきのおかおも、まっしろです! わたくしとおそろいですよ!」
響「…… ……ぷっ、くくく、あはは! ホントだなー、まったくもう!」
【福利厚生のためにお休みなのであって仕事がないわけじゃありませんってば!】
ガチャ
響「みんな、おっはよー! メリークリスマース!」
やよい「あっ、響さん、それにたかねちゃんも! おはようございまーすっ」ガルーン
たかね「めりー、くりしゅみゃ…… こほん、くりすましゅ!」
千早(言い直してもなお言えていない! ……のに、勝ち誇った顔したりして、ふふっ)
春香「おはようっ、二人とも! ステキなホワイトクリスマスになったねっ」
伊織「まーたにぎやかなのが増えたわね…… 約一名言えてないけど、メリークリスマス」
真「もー、遅いよ響ってば。たかねと響のこと、みんな待ってたんだから」
響「え? 自分たち、集合時間には遅れてないよね。何かあるんだったっけ?」
真美「おやおやー、とてもカンペキなひびきんの言うこととは思えませんなー?」
亜美「そーだよっ! こんだけ雪積もってるのになんにもしないとかモグリっしょー!」
あずさ「時間もあるし、この雪でしょう? みんなで雪合戦しよう、ってことになったのよ~、うふふ」
たかね「かっせん!? みなで、かっせんをするのですか!?」
雪歩「た、たかねちゃん、あくまで遊びだからね? 雪で玉を作ってね、みんなで投げあうの」
律子「……まったく。本当なら、クリスマスにそんな暇があることを気にするべきなのに」
小鳥「ふふ、いいじゃないですか、律子さん。みんなが揃うこんな機会、この先あるかわかりませんよ?」
P(…… 片手にビデオカメラ握り締めてさえなければ、もっとキマる台詞なのになぁ)
美希「えーっ、ホントに雪合戦するの……? ミキ、お留守番しとくから寝てていーい?」
律子「あんたはあんたで、ちょっと寒い思いするくらいがちょうどいいのよ。ほら起きなさい」グイ
美希「やーん、なのー」
【小鳥謹製あみだくじ:情熱の赤組】
美希「あふ…… ぅ、これもう、チームわけの時点で勝ち確定だって思うな」
真美「だーよねぃ! あっちで気をつけなきゃいけないの、ひびきんくらいっしょ」
春香「ほんと、ものの見事に偏ったよね……」
真「でもクジ運も勝負のうちだからね、手は抜かないよっ!」
やよい「わたしもがんばります! ……あれ、亜美、どうかしたの? 浮かない顔しちゃって」
亜美「いやぁ、たぶん大丈夫だとは思うんだけどさー…… あっち、律っちゃんいるじゃん?」
真美「なーに言ってんの亜美っ! 律っちゃんのひとりやふたり、どーってことないってば」
春香「そうだよ、わたしはさておき、運動神経のいいメンバー、ほぼ全員こっちだもん!」
【小鳥謹製あみだくじ:純情の白組】
律子「みんな、いいわね? この作戦でいけば、たぶん勝てるわ」
伊織「……いや、確かに可能性はなくもないだろうけど、どうなのよ、それ」
雪歩「か、考え方がえぐいですぅ……」
千早「あの、律子…… 遊びにそこまでする必要はあるのかしら?」
律子「やるからには勝ちを狙わなくてどうするの。それに本人、すっごく乗り気よ」
たかね「ええ! うでがなります!!」
あずさ「あらあら…… うふふ、これは頼もしいわね~」
伊織「わたし、止めたからね」
響「う、うーん、そんなにうまくいくかなぁ……」
【いくさがはじまる】
小鳥「それでは、不肖音無小鳥、本日の審判をつとめさせていただきます!」
P(ホイッスルまで持ってきて気合入ってるなー、音無さん)
小鳥「両チーム、準備いいわねっ? では…… 開始ーっ!」ピピー
真「よおーっし、さっそく…… !?」
たかね「まことがあいてですね! さあ、きなさい!」
春香「た、たかねちゃん一人だけが突出して……!?」
やよい「はわっ! ほかのみんなは、遠すぎてねらえないですー!」
真「えっ、ちょっと…… え、これ、ぶつけちゃっていいの?」
美希「真くん、ためらってる場合じゃないの!」
真「そんなこと言ったってさぁ!?」
たかね「そこですっ、まこと! すきあり!」ヘロッ
真「え、ああっ……!? しまったーっ!」ベシャ
小鳥「ヒットぉ! 当てられた真ちゃんはコートから出てねー!」ピーッ
真美「ああ!? こっちの最強こーほのまこちんがあっさりと!」
亜美「だーっ! やっぱこれ絶対、律っちゃんが裏で指示してるっしょー!?」
律子「読み通りね。たかねにためらいなく雪玉投げられる子なんて、うちにいるわけないもの」
伊織「ねえ、これ、やってることは割とはっきり外道よね?」
響「…… まあ、本人、盾にされてる自覚ないみたいだし、いいんじゃないかな」
律子「みんな、コートの端ぎりぎりからたかねの援護に徹すること! 絶対近寄らないのよ!」
たかね「さあさあさあ! つぎに、わたくしのゆきだまのえじきになりたいのはだれです!?」
【うらみはらさで】
真「あのさ、提案があるんだけど。チーム替え、しようよ」ゴゴゴゴゴ
やよい(ま、真さん…… 笑って言ってるけど、目がぜんぜん笑ってないですっ!)
亜美「そんで、そのとき、律っちゃんとおひめっちだけは絶対別チームでね?」
美希「……っていうか、メンドーだから、たかねをこっちのチームにくれるだけでいーの」
真美「うんうん。あ、なんならはるるんとおひめっちのトレードでもいいよん」
春香「ひどくない!?」
たかね「ふふふ…… わたくしのようにつよいものが、ひくてあまたなのは、とうぜんですね」
律子「…… いいわ、じゃあ、たかねだけチームチェンジってことでいきましょう」
伊織「ちょっと律子! あっさり要求に応じちゃってどうすんのよ!」
雪歩「うう…… 絶対、あっちもたかねちゃんを盾にしてくるはずですぅ……!」
千早「しかも、メンバーの運動神経的に、遠巻きにされるとより不利になってしまうわね……」
あずさ「勝ち負けがすべてじゃないのよ~。楽しかったらいいんじゃないかしら?」
律子「いいえ。もちろん次も勝ちに行きます」
雪歩「えっ、律子さん、なにかいいアイディアがあるんですか?」
律子「当然よ。というわけで雪歩、それに響、ちょっと耳貸しなさい」
響「え…… ええっ、自分!?」
伊織「……だいたいどんな手で行くのか、もう察しがついたわ、わたし」
【リベンジマッチ】
小鳥「じゃあ改めて、両チーム、覚悟はいい? 二回戦、始めーっ!」ピピーッ
真「よぉし、じゃあさっきあっちでやってたみた