勇者「伝説の剣が錆び付いてボロボロなんだけど」
僧侶「いやあ長かったねぇ」
魔法使い「まさか竜の巣の最奥に隠されてたなんてね~…」
女剣士「はよ見せて!!はよ!!!」
勇者「よし、鞘から抜くぞ…!」
ススッ…
ギシッ
女剣士「……ぎし?」
勇者「待ってこれ…」
ギギッギシッ…ギェギ…
勇者「うわなにこれめっちゃ錆びてるんだけど」
魔法使い「もはやただの茶色い棒ね」
女剣士「錆すぎてて刃が全くないんだがこれ」
勇者「え、なにそれ。つまりナマクラってことデスカネ…」
女剣士「そうなるな」
僧侶「もはや鈍器」
魔法使い「でも叩いたら真ん中から折れそう」
勇者「待って俺の心が折れそう」
魔法使い「鍛冶屋でどうにかなるのあれ」
勇者「なんなかったら死ぬ」
鍛冶屋「錆すぎてて使いモンになんねぇなこれ」
勇者「 」
鍛冶屋「伝説の剣だか知らねぇがこれならウチの廃品の方がマシだな」
僧侶「なんとか復元とかできないんですか?」
鍛冶屋「少なくともウチじゃ無理だな。西の魔女ならモノの時間を戻せるらしいから当たってみたらどうだ?」
勇者「よっしゃ行こう今すぐ行こう!!!!!」
勇者「お願いします!!!なんとかしてください!!!!」
魔法使い「アンタどんだけ使いたいのよこの剣」
勇者「だってあんなに苦労したじゃん!!竜の巣だよ!?俺食われかけたんだよ!?!」
魔法使い「でも勇者ってマズそうよね」
女剣士「わかる」
魔法使い「僧侶くんはおいしそう」
女剣士「甘そうな匂いする」
勇者「何の話してんの!?」
僧侶「甘そうな匂い…するのかなボク…」スンスン
西の魔女「私が復元できるのは最大で200年ほどだが…とりあえずやってみよう」
勇者「どうですか!?!?!?」
西の魔女「ふふふ…驚くなよ?」
スッ…ギシッ…
西の魔女「この辺を見ろ。ちょっとだけ錆が減っているだろう?」ドヤァ
勇者「チェンジで」
西の魔女「何がチェンジだ貴様」
勇者「もおおおおぉぉやだああああぁぁぁ…」
女剣士「よしよし泣かない泣かない」
僧侶「あの、何か他に方法とか心当たりないですか…?」
西の魔女「そうだな…ここから南の森に真実を写す泉というものがあるんだが、その泉の水で洗えばもしかしたら…」
勇者「よっしゃあああ行くぞお前ら!!!!!!!」
西の魔女「ただ森にはヒト嫌いのエルフが住んでいるから気を付けたまえ」
エルフ「貴様ら一体何が目的だ!?」
僧侶「さっそく捕まりましたね…」
勇者「真実の泉に行きたいんですけど」
エルフ「疑わしい」
魔法使い「私たちが嘘を言ってるかどうか、泉に行けばわかるんじゃない?」
エルフ「疑わしきは罰せよ」
僧侶「聞く耳のみの字もない…」
女剣士「エルフってスタイルいいんだなー、うらやましい」
勇者「唐突に何言ってるのねえ」
エルフ「貴様……それが目的か」キッ
女剣士「くっ、殺せ!とか言いそう」
エルフ「くっ、馬鹿にしおって…!」
女剣士「惜しいッ!」
魔法使い「惜しくないから」
勇者「何言ってんのお前ら」
女剣士「痛い」ヒリヒリ
勇者「あと三発くらい蹴ってもいいんだけど?」
僧侶「話がこじれる前に開放してもらいましょう?」
女剣士「……」
勇者「どうした、女剣士」
女剣士「いや、エルフってお○ぱいでかいんだな…」
勇者「お願い黙って」
エルフ「なっ、貴様ら…!!殺す!!今この場で殺す!!!」カアァァァ
魔法使い「ほら、怒らせちゃった」
エルフ「私に乱暴する気でしょう!ヒトの薄い書物みたいに!」ドキドキ
女剣士「かわいい」
勇者「お前もう黙れマジで」
女剣士「おねえさんといいことしない?」
勇者「よーしエルフこいつ殺していいぞ」
エルフ「……や、優しく、して…」ビク…
勇者「なんで乗り気なんだよマジ」
女剣士「そういうことよ」ワキワキ
僧侶「…………」カアァァァァ
魔法使い「純情僧侶くんかわいい」
勇者「ねえもうおかしくないこれ?意味わかんないこれ。ヒト嫌いってなんだったの」
エルフ「ヒトのオスは汚らわしい」
女剣士「おねえさんは?」
エルフ「……すき」ポッ
魔法使い「あー、ヒト嫌いってそういう」ニッコリ
僧侶「ははは、破廉恥ですよぅ…」
勇者「何なのお前ら僧侶が一番乙女してるじゃん」
勇者「さっそく泉の水で洗ってみよう」
ゴシゴシ…
僧侶「変わりませんね」
ジャバジャバ…
魔法使い「もっとこう、腰を入れてみれば?」
ザバザバ……
女剣士「貸してみ」スッ
女剣士「そぉい!!」ドボーーーン!!
勇者「はあああああぁぁお前なに伝説の剣泉に投げ込んでんだよ!?」
僧侶「女剣士さん何考えてるんですか!?」
女剣士「むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない」
魔法使い「水しぶきすっごい高かったわね…」
エルフ「…キレイだった」
勇者「さっさとサルベージしてきやがれ!!!」ドカッ
女剣士「きゃあ乱暴」ドボーーーーーン!!
魔法使い「大丈夫よ。どうせなんか企んでるわ」
エルフ「ここは真実の泉。浴びればモノもイキモノも真実の姿になる」
魔法使い「女剣士の真実…ってアイツほど本能に正直なヒト知らないんだけど」
僧侶「あれは完全に素でやってますよね」
勇者「素だな。余計にタチ悪い…ん?」
ザバアアアァァァ……
『あなたたちが落としたのはこの錆びた剣ですか?それともこっちの焼きまんじゅうですか?』
勇者「いやお前女剣士だろ」
魔法使い「というかなんで焼きまんじゅう持ってんのよ」
僧侶「泉の水でドロドロになってますし」
女剣士「…よろしい、正直者の勇者にはこの国王様ステッカーを贈呈しようぞ」ペッカーー
勇者「すごい、めっちゃいらない」
僧侶「というか国王様ステッカーってなんですか」
女剣士「ちまたでハヤリのおにゅーなアイテムだぜ。ナウなヤングに人気だぜ」
魔法使い「むしろアレじゃない?錆びてるけど聖なる力で魔物によく効くとか」
僧侶「魔王の前で真の姿を取り戻すとか」
女剣士「斬れないモノを斬る剣とか。メルフォースッ!!」シュバッ
勇者「そうだな…秘めたる力があるのかもしれないな」
僧侶「片っ端から試してみましょうか」
女剣士「それじゃあまずは勇者のお昼ご飯のおにぎりから試してみよーか」
勇者「女剣士って斬れるのかなー」シュッシュッ
女剣士「待ってそれ伝説の剣じゃなくて普段使ってるや、ちょま」
勇者「女剣士は斬れなかったな…手当たり次第試してみるか」
女剣士「斬れてたまるか」フンス
魔法使い「とりあえず木の枝とか」
勇者「てやっ」ペキッ
僧侶「これは斬れたってより折れた、だね」
魔法使い「訓練用のわら人形」
勇者「うりゃっ」ボフッ
魔法使い「魔法はどうかな?ファイアー!」ボァアッ
勇者「そりゃあー」ボアァアッ!
僧侶「斬れてないね…」
魔法使い「やっぱりただのナマクラなのかなぁ…」
女剣士「勇者×僧侶の薄い書物」
勇者「おりゃああああああッ!!!」ビリィッ
女剣士「力任せに叩き斬りやがったこいつ」
勇者「なんでお前がそんなもの持ってるの?ねぇ?」
女剣士「楽しいよ」
僧侶「あ、ボクは魔法使いさん一筋なので」
魔法使い「僧侶くん…」ポッ
勇者「惚気んなマジぶっ殺すぞ」
女剣士「勇者…ポッ」
勇者「あー頑張れば女剣士叩き斬れそうな気がしてきた」ブンブン
勇者「ここまできてナマクラだったら立ち直れないかも」
僧侶「と、とりあえず試してみましょうか!」
魔法使い「まずはほら、そこのスライムとか」
スライム「グゲァアァ」
勇者「だらぁー!!」ブチッ
スライム「グギャアアアアア…」
僧侶「完全に鈍器ですね…」
魔法使い「少なくとも斬れてはいないわね」
女剣士「見て見てローパー捕まえてきたよー」
ローパー「キシャアアアア」
勇者「うおらぁー!!」ベチィ
ローパー「キエエエエエェェ…」
女剣士「ローパーたーーーん!!!」
ゾンビ「ヴァーー…」
ワーム「キョアアアアアア」
オオカラス「グアーーッ!!」
ガーッ!! ピルルルッ!! フゴォア… キーキー!!
都合よく 色んな魔物が 集まってきた!
勇者「都合よすぎだろ!!」
女剣士「頑張れ勇者ー」
魔法使い「伝説の剣の真価を発揮するのよ!」
僧侶「回復は任せてください!」
勇者「えっ俺一人で戦うのこれ」
女剣士「私らが手伝っては意味がないだろう」
魔法使い「もしかしたら効果の高い魔物がいるかもしれないわよ」
僧侶「一人でも戦えるようにサポートは頑張りますよ」
勇者「何だろう僧侶の優しさがすごいつらい」
コメント一覧
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- 2016年03月24日 22:00
- 鉄砕牙に見せかけた天生牙
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- 2016年03月24日 22:00
- おめでとう
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- 2016年03月24日 22:01
- おめでとう
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- 2016年03月24日 22:02
- ありがとう
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- 2016年03月24日 22:03
- なんだと!?さびた勇者の剣ならばいなずまの剣で在りし日の姿を取り戻すのではないのか!?
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- 2016年03月24日 22:05
- きっと剣のパワーが足りないんだろ
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- 2016年03月24日 22:26
- 松脂塗ろう、ついでに火炎壺も投げよう
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- 2016年03月24日 22:40
- 午前0時を過ぎたら~♪
1~番に伝えよ~お♪
happybirthday♪happybirthday♪
happybirthda~y♪to~♪you~♪
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- 2016年03月24日 22:41
- 切れないものを切るのはルーンセイブやで
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- 2016年03月24日 22:47
- メルフォースは真空剣だろ
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- 2016年03月24日 22:49
- オデノケンハボドボドダ
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- 2016年03月24日 22:54
- おめでとう
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- 2016年03月24日 22:56
- おめでとう
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- 2016年03月24日 22:58
- どういたしまして
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- 2016年03月24日 23:01
- 大地の結晶と古龍の血山程用意してだな…
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- 2016年03月24日 23:06
- 希望の証か勇気の証も必要だな
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- 2016年03月24日 23:09
- 後世の勇者が無駄に東奔西走しないように「この剣はこれで正常です」って立てとかなきゃ…………いや、東奔西走するのも伝説の剣を使いこなす為の試練の内なのか?
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- 2016年03月24日 23:16
- 錆びてボロボロの剣でも大木ぶった切れるようになって、明鏡止水への第一歩を踏みだすんやろ?
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- 2016年03月24日 23:22
- ※10
切れないもの切る剣はルーン・セイブだもんな。
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- 2016年03月24日 23:28
- おめでとう
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