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イエスの磔刑は、キリスト教や聖金曜日でもっともなじみのあるイメージのひとつだが、しかし、磔刑とはなんだろう? どうしてイエスはこのような殺され方をされることになったのだろうか?
イギリス、シェフィールド大学で聖書と宗教を研究しているメレディス・ウォレンによると、イエスは十字架に釘で打ちつけられた、または縄でくくりつけられた、などさまざまな言い伝えがあるという。
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イエス・キリストの磔に関する記述を検証
トマスによる福音書など初期の福音書には、イエスの磔刑については書かれていない。しかし、イエスが磔によって死んだことは、4つの福音書の正典の中で一致したエピソートのひとつとなっている。
それぞれ少しづつ違っているが、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書には皆、この磔刑について記述されている。
新約聖書の福音書には、イエスが釘打ちされたのか、縛りつけられたのかについてはふれられていないが、ヨハネによる福音書には、イエスの両手にできた傷についての記述がある。
おそらく、イエスの手足が十字架に縛りつけられたのではなく、釘打ちされたという伝説につながったのは、このくだりだろう。
1、2世紀ごろに描かれたとされる外典、ペトロによる福音書では、21節でイエスの死後、その手から釘が引き抜かれた様子が記されている。また、十字架そのものを生きたキャラクターとして表わしていることでも有名である。
41〜42節では、十字架が神に向かって自らの声で答える。
そして、彼らは、"眠りに落ちた者に宣言したのか?"という天からの声を聞いていた。そして、十字架が"はい、しました"と答える服従の声が聞こえた
伝説は明らかに、この福音書の極めて重要な部分から引用されている。
イエスは釘で打ちつけられたのか、縄で縛られていたのか?
この数年、イエスの手足に打ちつけられた実際の釘を発見したと主張する人々が出てきた。だが毎回、聖書学者や考古学者がこうした主張の根拠が仮定にすぎないことや、誤解であることを指摘している。
おもしろいことに、福音書ではイエスが釘づけにされたという個所はないのだ。にもかかわらず、彼らはあくまでも釘を打たれたことに固執している。
現存する古代の証拠品
磔刑が屈辱的な死に方だとすれば、キリスト教徒たちが十字架にかけられたイエスのイメージを取り入れるようになるのにしばらく時間がかかったのはうなずける。驚くのは、磔刑の初期のイメージが示しているものだ。
イエスの死を称えた、おなじみの信心深い肖像というより、この2世紀初期のイメージはキリスト教徒を揶揄する落書きとして書かれている。アレクサメノスの掻き絵という初期の落書きには、十字架にかけられたロバの頭をもつ人物と共に、"アレクサメノス 彼の神を拝む"という言葉が書かれている。
ミヌキウス・フェリクス(オクタウィウス9章3節、28章7節)や、テルトゥリアヌス(弁明16章12節)のような古代の嘲笑と共通点がある。
この落書きがキリスト教徒によるものではないのは明らかなので、2世紀という早い時期に、非キリスト教徒がキリスト教徒の信仰のコアな要素をよく知っていたことを示している。
魔術のために使われる貴石にも、イエスの磔刑の初期のイメージが描かれているものがある。この2世紀か3世紀の碧玉には、魔術の呪文のような言葉に囲まれた、十字架にかけられた男が描かれている。
また、指輪に加工された別の紅玉髄にもやはり磔刑のイメージが彫られている。コンスタンザの貴石として知られるこの石は、紀元4世紀にさかのぼるものだと見られており、このイメージは、釘では落ちてしまうせいか、イエスの手首は釘ではなく、縄で縛られているように見える。
こうした古代の証拠品があっても、イエスが十字架に釘で打ちつけられたのか、縄で縛られていたのか、明確な答えは得られていない。伝説はこうした共通のイメージをなぞっている。
映画『パッション』を観た人は、監督のメル・ギブソンがイエスを十字架に釘で打ちつける場面にどれくらい時間をかけたか覚えているだろう。たっぷり5分はかけているのだ。
福音書の中では磔刑についてあまり語られていないので、これはリアルな描写として目立っている。モンティ・パイソンの『ライフ・オブ・ブライアン』では、磔刑で釘は使われていないと仮定した映画のひとつだ。ここではイエス以外の多くの磔刑の犠牲者が出てくるが、彼らは十字架に縄で縛りつけられている。
ついに、皇帝コンスタンティヌスが、処刑の方法としての磔刑を終わらせたが、それは倫理的な理由からではなく、イエスが崇拝の対象になることを阻止するためだった。
しかし、結果的に十字架のイエスのイメージが永続することになり、磔刑に使われたのが釘であろうが縄であろうが、アートや伝承の中でイエスの死をもっとも鮮明に呼び覚ますイメージとなったのだ。
こちらは推定900〜950年のものと思われるデンマークで発見された十字架である。重さ13.2グラム、縦の長さ4.1センチの小さなゴールドのペンダントで、細かく細工された金糸と金の粒でできている。考えられているよりも早くからデンマーク人はキリスト教を信仰していたことを示している。
■磔刑とはなにか?via:dailymail・translated konohazuku
ローマの処刑方法。大きな十字架に吊るされた犠牲者は、窒息か極度の疲労によって死ぬ。死に至るまでが長く、延々と苦しみが続く。奴隷や罪人を大勢の前で辱しめるだけでなく、身分の低い者たちや国家に反逆する者向けの処刑方法だった。
福音書の中に書かれている、イエスが磔刑になった理由は、彼がユダヤ人の王として、ローマ帝国の覇権に挑戦したからだという(マタイ:27章37節、マルコ:15章26節、ルカ:23章38節、ヨハネ:19章19〜22節)。
磔刑のやり方にはいろいろある。キリスト教の伝統では、木の十字架に四肢を釘で打ちつけるとされているが、穴をあけたのが手のひらなのか、もっと構造的にしっかりした手首なのかについては諸説ある。しかし、ローマ人は磔刑に必ずしも釘を使ったわけではなく、縄で縛りつけることもあったという。実際に、釘を使った磔刑の考古学的証拠は、ヤハウェの墓から出土した、1世紀に処刑された男性の足首の骨だけだ。
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コメント
1.
2. 匿名処理班
パッションは磔刑以外も痛い描写が多い
でもちょっと誇張しすぎだと思う
むち打ちとかも実際はショック死するであろう方法だった
3. 匿名処理班
手のひらに釘だと 体重を支え切れずに手のひらが裂けて釘から外れるから 実際は手首に釘だった というのは昔読んだことがある
4. 匿名処理班
手のひらに釘を打ち付ける描写が圧倒的に多いけど、手のひらに打ち付けただけの場合はそのまま釘がイエスの手のひらの肉を裂いて腕は十字架からずり落ちてしまうらしい。なので手の平に打ち付けた上で手首を縛りあげたという考察や実際には手の平ではなく手首に打ち付けたという考察も多い。
ピオ神父など霊的能力に秀でたごく一部の敬虔なクリスチャンに起きるイエスの磔刑の肉体の再現現象が果たして史実に忠実なのかが気になるところです。
5. 匿名処理班
縄と釘、併用でもおかしくはないよな。
明文化された決まりがなかったなら、固定用に縄+苦痛用に釘とか普通に考えそう。
6. 匿名処理班
Always Look On The Bright Side Of Life♪
なんて釘打たれてたらアイタタタで歌ってられませんものね
7. 匿名処理班
キリストという人物自身実在していたのか知りたい
墓から遺体が見つからないというかそもそもいなかったんじゃないのかと
8. 匿名処理班
やっぱ縄で
ゆわえたんじゃない?
でないと体重支えられないと思うぞ
9.
10. 匿名処理班
キリストの影響力拡大を危惧していたローマ帝国が、磔刑という象徴として残りやすい形で処刑したというのは、何か違和感があるな。現実に、磔刑に使われた十字架がキリスト信仰の象徴として膾炙して、現在まで残っているし。結果論とはいえ火刑や斬刑等、遺体を徹底的に損壊する処刑を行っておけば、復活といった奇蹟も起こったかどうか分からない。
何というか十字の象徴化、復活の奇蹟を織り込んだ上での伝説といった感じで、後付け設定な臭いを感じるけれど、あまり踏み込むとバチカン13課に成敗されそう。
11.
12. 匿名処理班
根拠が有るか無いかも微妙だが、磔にされたのはキリストの双子の弟の方で兄の方は渡航して青森にやって来た説が有るんだけど、みんなは信じる?信じない?
13. 匿名処理班
縄っぽいな
体重支えられなくてちぎれ落ちて逃げれそうだし裂傷だけで死なないと思うわ
14. 匿名処理班
イエス・キリストは存在しない架空の人物という説がある。またこんな説もある、十字架にかかったのはイエス・キリストではなく、叔父説や双子説である。そして、イエス・キリストはアラブ人であり、CGで再現された画像によると、ふっくらとしていた
政治が腐敗すると、イエス・キリストや日本では聖徳太子の様なスーパーマンみたいなのが現れる。そもそもイエス・キリストって何者何者なんでしょうかね?蘇ったとか、天に帰ったとか、イエス・キリストの名の元に数え切れない人が亡くなり、争いが絶えない。聖書には、偽者のイエス・キリストが現れるから気を付けましょうとも書かれている。またキリストは武器を弟子に持つ様に指示した場面もある。私はクリスチャンでは無いので、真意は判りませんが
イエス・キリストについては、本能寺の変並みに不思議な事が多いですね
15. 匿名処理班
イエス様って今、異世界に飛ばされてるみたいですよ?
16. 匿名処理班
T十字に罪状板つけて処刑になったはずやで。
刑場まで自力で十字架の横木を運んでな。
17.
18. 匿名処理班
※10
「磔刑という象徴として残りやすい形」って発想そのものが後付けなんじゃ?
記事にも書かれてるけど、当時の磔刑は別に特別なものではなく、卑しい処刑法の一種でしかなかった。それが何か特別な処刑法のような感じがするとしたら、キリスト教が教祖の死に方として特別視したことによる影響だろう。
聖人伝とか読むとわかるけど、火刑に斬首に針山に車輪にと、あらゆる処刑法で殺された人々でも奇跡が起きてる(って伝承されてる)から、
磔刑じゃなかったら奇跡にはならなかった、とは言い切れないと思う。
19. 匿名処理班
なんで磔の形が聖なる象徴みたくなってのかな
20. 匿名処理班
少し前のコミックで勇午というネゴシエイターの主人公がテンプル騎士団の生き残りとキリストの十字架の足乗せ板をめぐって争奪戦を繰り広げるという巻があった。
その中で手にクギだけでは体重を支えられずに手がちぎれて落ちてしまう
そのために十字架に足の乗せる板がありその上に乗っていたと
だからその板にはキリストの地がたっぷり吸っていて遺伝子を採集して・・・という話だったな
21. 匿名処理班
※10
そもそもローマはそこまで処刑に固執してなかったと思うけどね。
責任者である総督が反ユダヤ(実際にに罷免されてる)ではあったけど、流石に宣教師に国家反逆罪を適用は無理があったし、キリストはどちらかというとローマよりの考え方。
処刑当時、キリストを処刑したがったのはユダヤでありなかば暴徒化した群衆に押し切られる形だったはず。
22. 匿名処理班
ぶっちゃけこの人のエピソードって
2000年もの間、誇張やら編集やらが入りまくって
もはや原型は何なのかわからんよね、たぶん・・・
しかもそれキッチリ追求しようとすると止められるんでしょ?
23. 匿名処理班
本当に実在した証拠 何もないんだよね
実在しない人の処刑方法なんて答えがあるわけない
24. 匿名処理班
>■磔刑とはなにか?
>ローマの処刑方法。大きな十字架に吊るされた犠牲者は、窒息か極度の疲労によって死ぬ。
窒息で死ぬっていうのがよくわからないな
槍で肺を刺すってことなのだろうか
25. 匿名処理班
最大にして最強の宗教の開祖であるキリストを磔にした
十字架とかいう最強の兵器
26. 匿名処理班
「そもそも第1次史料と呼ばれるものでさえ事実の記録とは限らず、記録者や政治、時代による何らかの偏向が入っている」との意見を最近聞いて、なるほど史料はそういうものとして見なければならないことを知った。
有名になればなるほどそういう、政治や宗教などのたくさんの利害関係がからんでほんとうのことが判りにくくなってるんだろうな、とは思うけれど史実はどうだったのかを知りたいのもまた人情…
27.
28. 匿名処理班
また、現れる聖痕の位置が変わってくるのか
29. 匿名処理班
※14
聖徳太子みたいなものかもね。
複数人の善行を1つの人格に仕立て上げて表現するっていう。
30. 匿名処理班
※15
俺は日本の安アパートで仏陀と暮らしてるって聞いたな。
31. 匿名処理班
>>20
たしか「マグダラの止まり木」だったね
32. 匿名処理班
エッセネ派の人たちが大麻草を吸って考えついた、擬人化した太陽の物語。
それが新約聖書におけるナゼレのイエズスなんだよね。
その後も、聖アポロニウスやアトランティスの超人マヌーといった、聖者と超人を合わせたような存在への憧れとオマージュは、歴史上に様々散見されている。
その最も成功した例の一つがイエズス伝説というに過ぎない。