エレン「あの味」
――朝――
エレン「アルミンのやつ、先に行っちまいやがって……」スタスタ
エレン「ん?」
ミカサ「…」
アルミン「…」
エレン「おーい、ミカサ、アルミン!」
ミカサ「!」ビクッ!
アルミン「やあ、おはよう、エレン」
エレン「おはよ。何やってんだ、こんなところで」
アルミン「ちょっと話してただけだよ」
ミカサ「そ、そう。話をしていた」オドオド
エレン「? どうしたんだ、ミカサ。具合でも悪いのか?」
ミカサ「な、なんでも、ない」
エレン「そうか?」
アルミン「あ、もう食堂に行かないと」
エレン「そうだな。ああ、そうだ、アルミン、なんで先に行ったんだよ」
アルミン「ごめん、朝早くに目が覚めちゃったから散歩してたんだ。そしたらミカサがいたから話してたんだよ」
ミカサ「そう……」コクンッ
エレン「ふぅん、そっか」
アルミン「さ、行こっか」
―――
――
―
――夜――
エレン「なあ、アルミン」
アルミン「なんだい?」
エレン「今度の休み、みんなで街に行かないか?」
アルミン「あ、あー……行きたいけど用事があってさ」アハハ…
エレン「用事?」
アルミン「うん、ちょっとやりたいことがあってね」
エレン「そっか……」
エレン(じゃあ、ミカサだけか)
アルミン「あ、ミカサも用事があるって言ってたよ」
エレン「えっ」
アルミン「一人で自主練するって言ってた」
エレン「あいつ更にやる気なのかよ! ちっ、オレも自主練する」
アルミン「エレンはこの前座学で低い点取っちゃったろ? 自習がいいんじゃないかなぁ」
エレン「ぐっ……両方やる」
アルミン「程々にね」
エレン「ああ」
アルミン「じゃあ、おやすみ」
エレン「おやすみ」
――――――――――――
――休日――
エレン「……ミカサ、いねぇな」
エレン「練兵用の森にいると思ってたんだけど……どっか違う所でやってんのかな」
エレン「まぁいいや。とりあえず筋肉鍛えとくか!」
――――――――――――
――休日明け――
ミカサ「おはよう、エレン、アルミン」
アルミン「おはよう、ミカサ」
エレン「はよ。お前休日、どこで自主練してたんだ? 練兵用の森にはいなかったよな?」
アルミン「……」
ミカサ「……部屋でやったり、外を走ったりしていた」
エレン「そうなのか」
ミカサ「……エレン、待ってた?」
エレン「いや、待ってねぇけど」
ミカサ「そう……」
エレン「いるんじゃねぇかと思ってたらいなかったから聞いただけだよ」
ミカサ「……そう」
アルミン「そろそろ食堂に行こうか」
カーンッ、カーンッ、カーンッ
エレン「うっわ! やっべ、早く行かねぇと食いぱっぐれちまう!!」ダッ
アルミン「話しすぎたね、急ごう!」ダッ
ミカサ「ん」ダッ
―――
――
―
エレン「あー、座学キツかったな……」グッタリ
ミカサ「アルミン、ちょっといい?」
アルミン「うん、何?」
ミカサ「えっと、その……」チラッ
エレン「?」
アルミン「あぁ……あっちで聞くよ」
スタスタスタ……
エレン「……」
エレン「なんだよ……」
―――
――
―
エレン「今日の座学の終わり、あれなんだったんだ」
アルミン「えっ?」
エレン「ミカサだよ」
アルミン「あぁ、あれね」
エレン「なんの話してたんだ?」
アルミン「……エレンが居眠りしないように見ててって。
ミカサが言うと喧嘩になることもあるだろ? だから時々僕にも頼めないかってさ」
エレン「…………あいつはオレの母ちゃんかよ」
アルミン「あはは、心配なんだよ」
エレン「心配されるほどガキじゃねぇよ」
アルミン「でも今日、居眠りしてたよね?」
エレン「うぐっ」
アルミン「ちょっと注意して見ることにするよ」クスクス
エレン「……くそっ」
――――――――――――
トーマス「よう、エレン。この前街にいただろ? なんか買ったのか?」
エレン「は? いや、街には行ってねぇけど」
トーマス「そうなのか? アルミンとミカサがいたからてっきりお前もいるんだと思ったんだけど」
エレン「えっ? それいつだ?」
トーマス「この前の休日だよ」
エレン「……」
トーマス「街で二人していろいろ見てたみたいだったな。あーでもないこーでもないって」
エレン「……そうか」
――――――――――――
エレン「アルミン、この間ミカサと二人で街にいたんだってな」
アルミン「えっ? いつ?」
エレン「この前の休日。トーマスが見かけたってさ」
アルミン「あぁ、たまたま会ったんだよ。ミカサは走った帰りだったみたいだよ」
エレン「そうなのか」
アルミン「うん」
エレン「ふぅん」
――――――――――――
エレン(なんか二人の様子がおかしいんだよな)スタスタ
エレン「あ」
アルミン「…」
ミカサ「…」
エレン(また二人で話してる。最近こういうことが多いな……)
エレン(遊びや自主練に誘ってもなんだかんだと断られるし)
エレン「……なんなんだよ」
――――――――――――
――食堂――
エレン「片付け遅くなっちまった」バタバタ
アルミン「…」
ミカサ「…」
エレン「……アルミン、ミカサ」
ミカサ「エ、エレン!」ビクッ
エレン「……」
アルミン「エレン、遅かったね」
エレン「ああ、ちょっと片付けに手間取ってさ」
ミカサ「夕飯、取ってる。食べて」
エレン「ああ」ガタッ
エレン「……今、何話してたんだ?」モグモグ
ミカサ「そ、それは……」
アルミン「ミカサに鍛え方を聞いてたんだよ。どうやったらうまく身体を鍛えられるか」
ミカサ「そう! それ」
エレン「……」
アルミン「なかなか筋肉つかなくてさ」
ミカサ「ひたすら頑張るしかない」
アルミン「うぅ……そっか」ハァー
エレン「……オレに話せないことかよ」ボソッ
ミカサ「えっ?」
アルミン「エレン?」
エレン「最近こそこそ二人で話してるだろ。オレが来たらやめるし」
ミカサ「あ、それは……」
アルミン「そんなんじゃないよ。今だって話したじゃないか」
エレン「アルミン、お前は隠すのがうまいけどミカサはそうじゃねぇんだ」
アルミン「――っ」
ミカサ「あ、えと……」オロオロ
エレン「すぐわかる」
ミカサ「エ、エレン、あの、」
アルミン「ミカサ」
ミカサ「あ……」
エレン「……もういいよ」
アルミン「エレン! 違うんだ!」
エレン「……」ガタッ
ミカサ「待って、エレン!」
エレン「うるせぇな」
ミカサ「残してはダメ。ちゃんと食べて」
エレン「は?」
アルミン「えっ?」
ミカサ「食べなければ戦えない。食べて」
エレン「……っ」
ミカサ「エレン、戦うんでしょう?」
エレン「……ちっ!」ガタンッ! ガツガツズズー
ミカサ「……」ジッ
エレン「……っこれでいいだろ!」ガタッ
ミカサ「ん」コクリッ
エレン「くそっ!」スタスタ
ミカサ「あ、エレン」
アルミン「ミカサ、あと少しだから……」
ミカサ「でも、喧嘩は違う」ションボリ
アルミン「うん……ちゃんと話してみるよ」
ミカサ「アルミン。お願い」
アルミン「うん」
エレン「なんだってんだよ、くそっ!」
ユミル「おう、なんか荒れてるな」
エレン「ユミル」
クリスタ「どうかしたの? ミカサとアルミンと喧嘩してたみたいだけど」
エレン「別に……喧嘩してねぇよ」
コニー「エレン、喧嘩はよくねぇぞ」
サシャ「エレンは声が通りますから丸聞こえでしたよ」
ジャン「はっ、どうせお前が悪いんだろ。すぐ暴走するしな」
エレン「……ああ?」
ジャン「なんだよ、仲間はずれにされて寂しいですかー?」
エレン「テメェ!!」
ライナー「やめろ!」
エレン「ライナー」
ライナー「ジャン、言い過ぎだ!」
ジャン「……ふん」
マルコ「ジャン、ダメだよ」
ジャン「……」
マルコ「何かあったのかい?」
エレン「……よくわかんねぇ。なんか知らねぇけどたまによそよそしいっていうか……」
ジャン「お前に呆れたんだろ」
ライナー「ジャン、お前はなにしに来たんだ。心配したから来たんだろ?」
ジャン「ち、ちげぇよ! ミカサが落ち込んでたか……っなんとなくだ!!」
ミーナ「ほぼ言っちゃってるから」
ジャン「うるせぇ!」
ベルトルト「確かに最近二人で話してること多いね」
エレン「だろ?」
アニ「……それくらい気にすること?」
エレン「うわっ!? びっくりした、アニか……」
アニ「いつもベッタリの方がおかしいんじゃないの」
ジャン「そりゃ言える」
マルコ「昔から一緒だったんでし
コメント一覧
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- 2016年03月30日 23:38
- マジかよアルベルト最低だな
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ネタバレごめんにぇ~