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 虚構新聞デジタル:「 ゜」紛失から半年 シャープ公式「中の人」に聞く
Kyoko Shimbun 2016.04.01 News

「 ゜」紛失から半年 シャープ公式「中の人」に聞く これは本当のニュースです

シャープ「中の人」(左)と本紙社主UK(右)
 ソーシャルメディアを使った企業の宣伝活動が広がるなか、ツイッターでは「中の人」と呼ばれる公式アカウント担当者の人間味あるつぶやきが人気だ。とりわけその「ゆるさ」だけでなく、最近は自社への言及にも大きな注目が集まっているシャープ株式会社公式ツイッターの「中の人」に、本紙社主UKが直接話を聞いた。

 「シャープさん」として知られるツイッター担当者は30代の男性。運用開始からずっと1人で担当しているという。3月29日には健康機器大手のタニタ公式アカウントとのやり取りをまとめた擬人化マンガ「シャープさんとタニタくん@」(仁茂田あい・著/リブレ出版)も発売された。昨年10月、本紙が報じた虚構記事「シャープ、゜の売却を検討 経営再建策」のエピソードも収録されている。


シャープ本社(大阪市阿倍野区)

UK 「 ゜」でおやつ抜き処分を受けた後に「いつか虚構新聞さんとおやつ食べたい」というツイートをもらったので、今日はおやつを持ってきました。何かと因縁ある森永ダースとパインアメです。

シャープさん では、お茶プレッソもありますし、飲みながらお話しましょう。


お茶プレッソ

UK シャープさんとの関係は、去年の「 ゜」でひときわ注目されましたが、社主の記憶では確か最初は2012年「世界の山中モデル」の記事がきっかけだったんですよ。

シャープさん よく覚えてます。洗濯機の記事ですよね。あの日はプラズマクラスターのCM撮影で、鹿児島の水産加工場にいました。虚構新聞さんの記事のことをつぶやいた後、ご飯食べに行って戻ってきたら、リツイートで通知欄がすごいことになってたのでびっくりしました。わあって。


UK 今にして思えば、企業の公式アカウントからツッコまれたのはあれが最初だったかもしれません。で、それから3年の時を経て、今回マンガのネタにもなった「シャーフ」に至りました。今だから言えますけど、あの記事を書いたときは内容が内容だけに、おそらくはスルー、下手したら怒られるんじゃないかと思ってたんですよ。だから夕方くらいまで特に何もなかったので、「ああ、ひとまず怒られなくてよかった」っていう安心感の方が先にありました。

シャープさん 怒ったりとかはないですよ。私も最初はスルーしようかなと思ってたんですが、特にネットでは意趣返しというものへの「期待感とか楽しさ」ってあるじゃないですか。そもそもこちらのターンだぞ、という反応が見えているのに、見て見ぬふりをするのは好きではない――それは私のポリシーでもあるのですが――、のでやりました。


「じゃあのらないわけにはいかないよね」(「シャープさんとタニタくん@」より)
→試し読みはこちら

UK しれっと言ってますが、「やりました」の段階でもう完全に白旗ですよ……。それにしてもあそこまで他の企業公式アカウントさんが次々と「 ゜見つけました」って、乗っかってくるとは……。茫然と眺めつつ、個人的にはパインアメさんが上手かったなあと。



シャープさん パインアメさんは普段から会話があるのでやるかな、と思ってました。でも日産さんのような初めて交流する公式アカウントさんも乗っかってきて、そういう意味では「 ゜」って参加しやすいテーマだったのではと思います。乗っかる分には平和ですしね。

UK タニタさんのところは社長さんまで直々に出てきてましたからね。「何やってんだ!」って見てました。結果、一連の流れは「とくダネ!」で取り上げられたほか、「シャープ株式会社、゜の消失」として、「突破クリエイティブアワード」という賞で審査員特別賞に選ばれました。他の受賞作品は名だたる広告会社が連なっているのに、これだけは企画立案から実行まで「シャープ株式会社」しか書いてないという。


審査員特別賞「シャープ株式会社、゜の消失」

シャープさん そもそもふだんから私、「ぼっち」ですからね。授賞式では他のみなさんは4人、5人とチームで登壇されるのに、私はひとりで。審査員の方には「怒られたらどうしようと思ってた?」と尋ねられたので「辞めなしゃあないですね」と。その後、審査員の方からも「辞表書いて企画通そうとした経験あるある」みたいなお話もお聞きできて、勇気づけられました。

UK その辺りが「突破クリエイティブ」として評価されたのでしょうね。

シャープさん ちなみにその時いただける予定だったトロフィー、まだもらってないんですよね…。

UK 関係者の方、これ見てたら早く送ってあげてください!

(*シャープさんのゆるツイートの秘密やマンガ化についてなど、「中の人」の本音にさらに深く迫ったこのインタビューの完全版は、「ねとらぼ」での連載「虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!」にて後日掲載予定です。)

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