ジョジョの奇妙な冒険DU第01話「空条承太郎! 東方仗助に会う」感想
あれ? 承太郎先輩、少し痩せた? それに、我々とは異なる次元からやってきた?
と思わずミサワっぽく突っ込みたくなるような変貌を遂げた承太郎さん28歳。
10年も経てば人間もカドが取れて老成します。見た目、若返ってるようにすら…と言いますか、11年前が老け顔すぎとも言えます。
11年前の承太郎先輩はこんな感じでした。
触れるもの皆傷つけるかのような鋭い眼光。
この頃に比べるとやはり作画的な意味に限定せずとも線が細くなっているようです。
結婚とか子育てでそれなりに苦労しているのでしょう、きっと。
承太郎さんの背後で妙にすっきりした顔しているスタプラも、そりゃもう以前は脂ぎってました。
ノリノリの頃のスタープラチナ。手を開くと口も一緒に開くくらい超ノリノリでした。
原作自体からして絵柄は連載当時の流行を参考に変えているそうなので、恐らくこれも時代なのでしょう。
しかしながら杜王町の時代設定は正に世紀末です。- 杜王町レイディオ あなたの隣人 カイ原田
- 冒頭、杜王朝の爽やかな朝の始まりかと思いきや、唐突に切断された右手ドーン!
アニメ開始からものの1分ぐらいで、いきなり断面黒塗りです。まったく杜王町は世紀末だぜ!
紛うことなく吉良吉影の仕業ですが、切断した女性の右腕を使って料理を作らせるとかぶっ飛びすぎです。
死人の片手使ってタマゴ割ったりとか、やけにテクニシャンです。精密動作性超スゴイです。
吉良さんは死人の片手で自分のケツがふけるぐらいのテクニシャンなので、タマゴ割るくらい余裕なのです。
そして何よりも異常なのは、切断された右腕から血が垂れていた場面です。
絵面的に凶悪なのは元より、金田一やコナン等の探偵漫画でもお馴染みのレトリックとして
出血があるという事は、死後間もない状態である可能性が高いという事です。
とすれば、爽やかな朝食準備風景が吉良の自宅の渋めの数寄屋住宅の中でもない事から
ベーコンエッグ調理していた現場は右手の女性の家であったのではないかと思われます。
ここから吉良の行動を推測すると、「家に侵入⇒ターゲットと会話して楽しむ⇒爆殺⇒そのまま朝食準備」
というサイコとしか言いようがない行動をやってのけているわけです。怖いですよ本当。
いくら自分がスタンド使いで、殺人の証拠を全て消せるからってガイシャ宅で料理とか普通に物証残りまくりです。
きっと料理に使った道具とか皿とかも全部爆破しているんでしょうけれども、それでも異常性十分です。
そしてこの一連の流れを吉良本人は異常とも思わず、大勢の他の杜王町民が過ごす日常と同じものと受け止めて
前向きにこの日常を送り続けているというのが一番、異常です。 - 駅前でいい
- 東方家の住所を知っているのに何故かタクシーの運転手さんにそれを告げずに駅前に向かわせる承太郎さん。
おそらく運転手さんに詳しい説明をするのが面倒くさくなっての状況判断なのでしょう。
タクシーの運転手が「実は自分は杜王町に詳しくない」とカミングアウトしたのも住所を伝えなかった理由かもしれませんが
他人と会話のキャッチボールを続けたがらない承太郎さん28歳の悪い癖です。康一君も後々、承太郎さん相手に苦労します。 - で、でっけぇ~ 190以上はあるぞ
- 視聴者や読者のほとんどが「康一君が小さすぎる」と総ツッコミの世界です。
とは言え、康一君の視点から見た他人など未知の世界は何もかも大きく見えるという漫画的表現でもあります。
未知や脅威を抱いた状態でものを見ると、それが大きく見えるという事は往々にしてあるのでしょう。
例えばそれが枕とかであったとしても。 - ウダラなにニヤついてんじゃァーーーッ
- 1部でいうところのシビれる憧れるの取り巻き的な存在でありながら、ジョジョの名付け親でもあるウダラ先輩。
セリフが漫画では「ウダラ何ニヤついてんがァーーーッ」でしたがアニメでは「…てんじゃァーーーッ」と聞こえました。
多分、テンガ(TENGA)が放送コードに引っかかったための台詞変更ではないかと思われます。 - 血縁上はお前の甥ってヤツになるのかな
- サザエさんで言うと仗助がカツオで承太郎さんがタラちゃんですね。こんな磯野家やだ。
- 片桐安十郎 アンジェロ
- ギリギリのラインまで犯罪描写が再現されていたような生粋の凶悪アンジェロ。時代が世紀末であることを再認識させられます。
原作漫画には無かった、事後のような描写まで挿入されていましたが、流石に最後の犯罪についてはカット。あと何気にフーゴより高い知能指数IQ160を持っている事に言及していた台詞もカットされてました。
承太郎さんの「便所の鼠ですらどす黒い気分になる」という台詞の後が省略されている形です。
気になる人は原作を読んでドブネズミのクソ以下の最低な気分に浸りましょう。
相手が男の子の少年なのに何故暴行を?とゲスな犯罪の意味がよく分からなかったピュアな時代に戻りたいです(≧▽≦)
ですがアンジェロのこの少年もストライクゾーンに含まれるという異常性がジョセフの念写に写った理由でもあるはずです。
異常性だけでなら吉良吉影の方ががアンジェロより優先されて念写に写る可能性だって大いにあったはずなのですが
結果としてアンジェロの方が優先して念写に写っています。
写真繋がりでアトム・ハート・ファーザーの加護が吉良吉影に働き、念写を妨害したとも考えられますが
仗助に迫りつつある危機としてアンジェロと吉良を比べると、断然アンジェロの方が危険です。
吉良は自分から積極的な行動を取る事は一応は慎んでおり、性的嗜好のターゲットも手の綺麗な女性に限られますが
アンジェロは男でもかまわず食っちまいます。仗助もタッパあるっちゃとは言えカテゴリー的には少年です。美少年です、多分。
アンジェロの嗜好を抜きにしても、仗助に対するエンカウント率はアンジェロの方が吉良よりも遥かに上だったのでしょう。
隠者の紫の警告も、自覚症状もなく進行する病のような危機にではなく、すぐそばに迫りつつある危機に対して強く反応したわけです。
以上、冒頭の吉良さん調理シーンのインパクトが大きかったのもさることながら
改めてアニメで見るとアンジェロがリアルガチでやべぇって思い知らされた第1話の感想です。ありがとうございました。