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勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」【後半】|エレファント速報:SSまとめブログ

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勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」【後半】

関連記事:勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」【前半】






勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」【後半】






616:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:49:46.24 ID:95TTvc4ho

ー 異界の最果て ー


側近「ま、魔王様ぁぁぁ!! 魔王様は何処に!!」キョロキョロ

側近「吹き飛ばされた方角からして、絶対こちらの方向にいるはずなのに! 最果てまで来ても一向に見つからない……!」

側近「一体、どこへ……!! 『闇の衣』を纏っている魔王様がやられるはずがない! あの方は絶対に生きておられる!!」



側近「魔王様ぁぁぁ!! 私の声が聞こえておられたら、どうかお返事を!! 魔王様ぁぁぁ!!」




「っ…………」




側近「!!」

側近「今、藪の中から、気配が……!! 声が……!!」


側近「魔王様! そちらにお出でなのですか!!」ダダダッ




魔王「ぁ……がっ……」ビクッ、ビクッ
残り体力:1

死神鳥A「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥B「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥C「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥D「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥E「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥F「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥G「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン
死神鳥H「カァァァ!! カァァァ!!」ツンツン



側近「ま、魔王様ぁぁぁぁぁーーーー!!!!!」



617:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:50:24.45 ID:95TTvc4ho

側近「このクソ鳥どもがっっ!! 魔王様に近付くな!!!」ジャキッ、ズバッ!!! (剣で払う)


死神鳥A「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥B「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥C「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥D「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥E「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥F「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥G「ガアアッ!!」バササッ (退避)
死神鳥H「ガアアッ!!」バササッ (退避)




魔王「っ……ぁっ……」ビクッ、ビクッ (瀕死)
『残り体力:1』


側近「おいたわしや、魔王様!! この様な無惨な姿に……!!」グスッ

側近「魔王様の盾となるべき私がついていながら、なんたる失態……!! 全てこの私の責任!!」ポロポロ

側近「今すぐお助け致します! 私の全魔力をお受け取り下さい!! これで魔王様は回復を!!」パァァァァッ!!!
『残り魔力:497万→0』


魔王「っ……! うぐっ……!!」ビクンッ!!!
『残り体力:1→62万』


側近「良かった……。持ち直されたか……。傷もふさがっていく……」グスッ



618:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:51:10.10 ID:95TTvc4ho

ー 数時間後、湖のほとり ー


魔王「うっ……」パチリ……

側近「魔王様、気が付かれましたか!」


魔王「ここは……」

側近「異界でございます! どこかは正確にはわかりませんが、かなり端の方かと!」


魔王「余は……何故……ここにこうして寝て……」

側近「そ、それは……。非常に申し上げにくい事なのですが……」


魔王「いや……良い。……思い出した」

側近「…………」


魔王「余は……負けたのだな……。この世界の魔王に……」

側近「はい……」


魔王「その辺りの記憶がいまいち戻って来ぬが……。余はどう負けたのだ……?」

側近「……ほとんど一瞬の事だったので、私にもわかりません。……気が付けば魔王様が吹き飛ばされていました」

魔王「そうか……。一瞬か……。一撃で余はやられたのか……」

側近「…………」



619:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:52:01.59 ID:95TTvc4ho

魔王「倒れていた時に……夢を見たのだ」

側近「……?」


魔王「夜に見る夢の方だ……。その夢の中では……余がまだ王にもなっておらぬ頃だった……。魔界を旅して……強くなって……」

魔王「もうこの魔界に敵はおらぬと思った頃……。師匠に出会い……そして今の様に一撃でやられた……」

魔王「実際は違うのだがな……。現実では……師匠は余を軽くあしらっただけで……手傷一つ負わせる事なく余に勝ったのだから……」

側近「…………」

魔王「その時の師匠と余ではそれだけの差があった……。だからこそ……こんな夢を見たのであろう……」

側近「……左様ですか」

魔王「そして、余はその夢の中で師匠に何か言われた……。覚えてはおらぬが、師匠は何と言っていたのか……」

魔王「困ったような……呆れたような……それでいて優しい顔をしていたが……」

側近「…………」



620:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:52:46.80 ID:95TTvc4ho

側近「魔王様……」

魔王「何だ……?」

側近「最終的には……魔王様は師匠を超えられたのですから。今度もまた……同じ事になると私は信じております」

魔王「そうだな……。余もそのつもりだ」

側近「一度の敗北など、取るに足りません。また研鑽を積まれ、次に会った時に雪辱を晴らせば宜しいかと」

魔王「わかっておる……案じるな。余は同じ相手に二度も負けはせぬ」

側近「はっ! それでこそ魔王様!! 我が主様です!!」



621:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:56:24.50 ID:95TTvc4ho

魔王「ならば……そろそろ行くか」ムクッ

側近「いえ! まだ休まれた方が! 御体調は万全とは言えません!」

魔王「構わぬ。話してる内に、感覚もずいぶんと戻ってきたからな。それに、手と足さえ動けば問題ない」

側近「ですが、まだ御養生なされるべきです!」

魔王「いや、時間の無駄だ。それに、再戦をしに行こうという訳ではないぞ。一時、魔王城へと戻る事とする。出直しだ」

側近「そうですか……それならば……」

魔王「異界に来たのは無駄足となってしまったが、新たな目標が出来たのだ。決して悪い気分ではない。凱旋は出来ぬが、それは次回の楽しみに取っておこう」

側近「はっ!」

魔王「それと、御苦労であったな、側近。倒れている間、余をずっと守っていたのであろう。この有り様を見ればお前がどれほど奮戦したか手に取るようにわかる」

側近「いえ、これしきの事は……」
『残り体力:26万』




烈火オオカミ「」…… (骸)
凍結鳥A「」…… (骸)
凍結鳥B「」…… (骸)
四手の怪奇サル「」…… (骸)
暗黒ゾウA「」…… (骸)
暗黒ゾウB「」…… (骸)
暗黒ゾウC「」…… (骸)
巨大キラーアントA「」…… (骸)
巨大キラーアントB「」…… (骸)
灼熱ムカデ「」…… (骸)
鋼鉄イノシシ「」…… (骸)
鬼ゾンビ「」…… (骸)
死神の鎧A「」…… (骸)
死神の鎧B「」…… (骸)
死神の鎧C「」…… (骸)



622:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:58:01.67 ID:95TTvc4ho

側近「それよりも、魔王様……」

魔王「何だ」

側近「魔王城へ戻りましたら、どうか私を処罰して下さい。どの様な処分でもお受け致します」

魔王「意味がわからぬな」

側近「私は魔王様の盾となるべき存在です。それが、あの時は何も出来ず、魔王様をみすみす危機に追いやりました。処罰を受けて当然の事でございます」

魔王「下らぬな。余はこうして生きているし、お前の働きがなければどうなっていたかはわからぬ。誉める理由はあれど、処罰する理由はない」

側近「いえ、あの時、私が魔王様の身代わりとなって死ぬべきでした。それこそが盾たる私の役目。それを全う出来なかったのは全て私の責任でございます。どうか、ご処罰を」

魔王「ならば、側近には次の事を命じる。心して聞け」

側近「はっ」

魔王「お前はこれから先、寿命以外で死ぬ事を許さぬ。その上で、生涯をかけて余の盾たる役目を全うせよ」

側近「……!」

魔王「良いな。それがお前への罰だ。余の許しなく勝手に冥界に行く事は許さぬ」

側近「はっ!! 必ずや!!」ポロポロ……



623:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:58:39.86 ID:95TTvc4ho

ー 同時刻、山奥の村 ー


約束の木「」…… (倒壊)



聖女「…………」

剣聖「…………」

女闘神「…………」

真魔王「…………」

女大富豪「ご、ごめんなさい……」シュン



624:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 16:59:32.34 ID:95TTvc4ho

真魔王「……折っちゃたんだ」

女大富豪「わ、わざとじゃないの……。ゴーレムで着陸した時に、当たっちゃって……」シュン

女闘神「何て言ったらいいか……。どうしような、これ……」

剣聖「……聖女、お前の奇跡で何とかならないか? これじゃ、勇者が戻ってきた時に悲しむぞ」

聖女「わかってる。そう思って、今、木さんにお願いしてるんだけど……」ソッ (木に手で触れる)


約束の木「」…… ピカーッ(光り輝く)


聖女「もう寿命が近いからって……。どうせ近い内に枯れるなら、治さずにこのままがいいって言ってるから……」シュン

剣聖「そうか……。それならもう仕方がないか……」

女闘神「真魔王、あんたでも無理? 時魔法とかで時間戻して何とかなんないの?」

真魔王「そこまで魔法は万能じゃないからね……。時の加速は出来ても、逆行は出来ないよ。そこら辺は女大富豪の方が詳しいよね?」

女大富豪「うん……。因果律に逆らう様な魔法は存在しないの……。それが出来たら歴史が目茶苦茶になっちゃうし……」


※注釈
因果律。原因があるから結果があるのであって、その逆は有り得ないという考え


女闘神「じゃあもう、どうしようもないって事か……」ハァ……



625:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/18(金) 17:00:50.98 ID:95TTvc4ho

聖女「しょうがないよね……。勇者が来たら、訳を話して謝ろう。女大富豪ちゃんもわざとじゃないんだし、きっと許してくれると思うよ」

剣聖「そうだな。あいつは優しかったし、それに、器量も人一倍大きかった。きっと、許してくれるはずだ」

真魔王「そうだね。勇者なら間違いなく大丈夫だと思う」

聖女「木さんもごめんね……。女大富豪ちゃんを許してあげてね」ソッ


約束の木「」…… ピカーッ(光り輝く)


聖女「うん……そっか。大丈夫だって。気にしないでって言ってる。良