イーロン・マスク率いる SpaceX のFalcon 9 ロケットが、ついに無人船への垂直着陸に成功しました。2015年12月には地上への垂直着陸を成功させていましたが。これまで一度も洋上の無人船への着陸は成功していませんでした。 SpaceXは、これまでに9回、Falcon 9 ロケットで人工衛星などを軌道へと届けてきました。そして、そのたびに繰り返してきたのが、再利用を目的としたロケット第1段回収へのチャレンジ。具体的には、洋上に配置した無人船めがけてロケットを降下し、垂直に起立した状態で軟着陸させようという試みです。

今回、SpaceX は国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて Dragon 補給船を送り出したあと、 "Of Course I Still Love You"と名付けられた無人船に優雅にタッチダウンをきめました。



Falcon 9 ロケットは少し前よりブースターを強化した Falcon 9 Full Thrust バージョンに変わっています。今回は何度か破損していた着陸用の脚に、重量増加にも耐えられるよう改良を施していました。
　 　
SpaceX の飛行信頼性担当リーダーの Hans Koenigsmann は「基本的にはマイナーチェンジしかしていないけれど、それが全体のレベルを押し上げている」と語りました。

次のステップは着陸したロケットを再利用してもう一度宇宙へと打ち上げること。計画どおりにプロジェクトが進めば、それは5月もしくは6月ごろになる見込みです。

なお、SpaceX の初めてのロケット垂直着陸成功を受けてオバマ米大統領が祝福のメッセージを贈っています。



下は着陸の瞬間の映像。展開する着陸脚に注目。
今回の打ち上げの全映像。打ち上げは19分ごろ、第1段の着陸成功は27～28分ごろ
オンボードカメラからの映像