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『ヒメゴト~十九歳の制服~』がぐう名作だった件
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2016年04月11日
傑作だ…。
新刊でもなんでもなく遥か前に完結しているんですけど『ヒメゴト~十九歳の制服~』がぐう素晴らしかった。俺は今までこの漫画を読んでこなかったのかって後悔したレベル。
サンデーで連載している『初恋ゾンビ』の指宿くんが最近とても可愛くてニヤニヤできたので、作者・峰浪りょう先生の前作はどんなもんだろと手にとってみたわけです。
そしたらこれが大ヒットのストライクど真ん中。
名作だったわけ。超面白い!「ドキドキ」と「キュンキュン」と「ハラハラ」と「グギギギ」が満載で読んでる時の感情の揺れ幅が半端じゃなかったです。上ったり下がったりのジェットコースター状態ですよ。それでいて読了後の満足感と充実感たらないね。
<試し読み一応できる>
・『ヒメゴト~十九歳の制服~』(コミック小学館ブックス)
主な登場人物は3人のヒロイン(?)です。
■由樹(ヨシキ)
本名は「ユキ」なのですが回りからは「ヨシキ」と呼ばれています。性別は女なのですが常に男の子のような格好をしております。口調も格好も仕草も完全に男。そんな由樹にはある「ヒミツ」があります。
由樹
それは、部屋でこっそり高校生時代のスカートを履くこと。
女の子らしい格好をするのが嫌だと公言しているものの、本当は女になることを望んでいます。
■未果子(ミカコ)
見た目は清楚なお嬢様そのもの。大学でも人気が高い絵に描いたような完璧な美少女で回りの人に露呈している性格も良し(本当の性格はゲスだが)。彼女にも「ヒミツ」があります。夜は街に出ておっさん相手に15歳と偽ってウリをしています。
未果子
昼は学校で清純派!夜は街で汚れビッチ!
清純派とビッチが組み合わさっているのは未果子。凄いですね。薩長同盟もビックリの組み合わせ。業が深い。
■佳人(カイト)
イケメン佳人は大学の女子からモテモテ。年上の女性と付き合ってお金を貰っています。ヒメですね。佳人にも「ヒミツ」があり、彼は夜な夜な憧れの未果子と同じ格好をして街を徘徊します。女装男子である。
佳人
憧れの人と同じ格好をする。ほら、『あの花』のゆきあつだってめんまの格好して夜な夜な女装してたじゃないですか。あれと一緒です。女装して街を堂々と練り歩く佳人は誰よりも女の子でありたいと思うのでした。
そんな、由樹、未果子、佳人の3人のグチャグチャに混ざり合って何とも形容しがた人間関係を構築していきます。3人がタイトル通り「ヒメゴト」を抱えており、キーワードは「制服」で身を包む秘め事であるところ。
由樹は自分が女の子だと確認する高校時代の制服。未果子は自分が15歳で通用する事を確認する、憧れてたお嬢様学校の制服。佳人は未果子ののうな女の子になりたいと合わせ鏡としての制服。『ヒメゴト』は秘め事である制服をいかにして脱ぐかという青春群像物語。
3人が複雑に絡む様子が手に汗握ってドキドキハラハラ。
最初は佳人の女装癖を由人に見られて、そこから2人は女友達になります。
女友達
男の格好をしている由樹と女装してる佳人の「女友達」な関係。ちょっと歪ではありますが実に微笑ましい。しかし、これがきっかけで3人(プラス1人)の人間関係はドロリ濃厚に陰湿で痛々しい方向へ絡んでいくのでした。
例えば、由樹の中学からの親友・祥くん。実はずーっと由樹のことが好きだったのですが、由樹と佳人が付き合ってると聞かされ、由樹に告白し襲ってしまう。なんつーか、祥は顔を背けて見てられないぐらい哀れです。由樹は男友達だと思ってたのに憎悪され、未果子に害虫駆除されたり。見ちゃおれん。
また由樹は女友達のはずの佳人に段々と惹かれていき、佳人もまんざらでなかったり、未果子は由樹に惚れてしまったり。徐々に複雑にドロドロと絡みあう人間関係。手に汗握る関係の変化が実に良いです。
初期はこんな感じの人間関係。
由樹 →(気になる) 佳人 →(憧れ) 未果子 →(好き) 由樹
これが後半は書き表す事が出来ないぐらいグチャグチャな三角関係になっていきます。よくもまあ複雑に黒く絡むものだなと関心するやら呆れるやら。なんだよこの関係図はと震えてしまいこと無数。
説明する事が不可能な三角関係
また19歳というのも良い年齢具合です。佳人が未果子の格好が出来るギリギリのタイムリミットであり、また未果子にとっては15歳でおっさん達を騙す少女でいられる最後の年齢であります。実に見事に「十九歳の制服」を描くってものです。
個人的にお気に入りなのは理想が木っ端微塵にぶっ壊れる瞬間。偶像が虚像と判明する瞬間はこの漫画の屈指の名シーン。例えば佳人は理想なお嬢様と思ってた未果子の真の姿を知る。また、未果子は「男」でない理想のオトコノコだと思ってた由樹の中の女を知ったり。
終盤の息を吐かせぬ展開の連続はページをめくるのがやめられないとまらないカルビーかっぱえびせんでしたね。先を知りたいという欲求と同時に、読み終わりたくないという願望が入り混じった、複雑な気分でした。途中から面白すぎる!これは傑作だ!と気付き噛みしめるように読んでいました。
この漫画は秘め事である「制服」を脱ぐための話でしたけど、その制服は3人の過去のトラウマが含まれており、3人が制服を脱ぐ瞬間はとても素晴らしかった。
私制服脱ぎます!
「制服」は彼女たちを慰めてたけど、同時に縛り付けていたアイテムでもありました。3人が制服を脱ぐためのに悩み葛藤し、トラウマを克服するように「十九歳の制服」を脱ぎ捨てたシーンは鳥肌モノでしたね。青春の蹉跌を克服し、自分が自分になった3人は二十歳になるのでした。感動した!
心理描写も圧巻。3人とも似た者同士で、でもどこか違う個性で3人が3人とも惹かれ合っていく過程が繊細に描かれているので、男が読んでも普通に共感してしまった。
んで、複雑に絡んで歪みまくっていた話が最後は見事に綺麗に着地させているのも芸術的。19歳の男女のドロドロした青春と人間関係にもみくちゃにされる。それでも最後には気持ちよく終わるという。傑作やった!これは間違いなく「面白い」って断言できる作品や。
あとね、最初こそ由樹はあんま可愛くないなって思ってたものですが。
後半の由樹は最高と断言するに些かの躊躇も持ちません。
恋する乙女と化した由樹
圧倒的な可愛さであった!
つまりまとめると由樹ちゃんペロペロという単純なものでした。まる。
名作だったわけ。超面白い!「ドキドキ」と「キュンキュン」と「ハラハラ」と「グギギギ」が満載で読んでる時の感情の揺れ幅が半端じゃなかったです。上ったり下がったりのジェットコースター状態ですよ。それでいて読了後の満足感と充実感たらないね。
周囲から男っぽく見られている女子大生・由樹(ユキ)。彼女は誰にも言えない秘密の儀式を行っていた――。燻り続ける己の欲望に苦悩する日々を送る由樹。一方、同じ大学に通う佳人(カイト)と未果子(ミカコ)の2人も他人には明かせぬ「秘密」を抱えていて――。「ヒメゴト」を持つ3人の19歳が繰り広げる「ヨクボウ」と「セイフク」の物語――。
<試し読み一応できる>
・『ヒメゴト~十九歳の制服~』(コミック小学館ブックス)
主な登場人物は3人のヒロイン(?)です。
■由樹(ヨシキ)
本名は「ユキ」なのですが回りからは「ヨシキ」と呼ばれています。性別は女なのですが常に男の子のような格好をしております。口調も格好も仕草も完全に男。そんな由樹にはある「ヒミツ」があります。
由樹
それは、部屋でこっそり高校生時代のスカートを履くこと。
女の子らしい格好をするのが嫌だと公言しているものの、本当は女になることを望んでいます。
■未果子(ミカコ)
見た目は清楚なお嬢様そのもの。大学でも人気が高い絵に描いたような完璧な美少女で回りの人に露呈している性格も良し(本当の性格はゲスだが)。彼女にも「ヒミツ」があります。夜は街に出ておっさん相手に15歳と偽ってウリをしています。
未果子
昼は学校で清純派!夜は街で汚れビッチ!
清純派とビッチが組み合わさっているのは未果子。凄いですね。薩長同盟もビックリの組み合わせ。業が深い。
■佳人(カイト)
イケメン佳人は大学の女子からモテモテ。年上の女性と付き合ってお金を貰っています。ヒメですね。佳人にも「ヒミツ」があり、彼は夜な夜な憧れの未果子と同じ格好をして街を徘徊します。女装男子である。
佳人
憧れの人と同じ格好をする。ほら、『あの花』のゆきあつだってめんまの格好して夜な夜な女装してたじゃないですか。あれと一緒です。女装して街を堂々と練り歩く佳人は誰よりも女の子でありたいと思うのでした。
そんな、由樹、未果子、佳人の3人のグチャグチャに混ざり合って何とも形容しがた人間関係を構築していきます。3人がタイトル通り「ヒメゴト」を抱えており、キーワードは「制服」で身を包む秘め事であるところ。
由樹は自分が女の子だと確認する高校時代の制服。未果子は自分が15歳で通用する事を確認する、憧れてたお嬢様学校の制服。佳人は未果子ののうな女の子になりたいと合わせ鏡としての制服。『ヒメゴト』は秘め事である制服をいかにして脱ぐかという青春群像物語。
3人が複雑に絡む様子が手に汗握ってドキドキハラハラ。
最初は佳人の女装癖を由人に見られて、そこから2人は女友達になります。
女友達
男の格好をしている由樹と女装してる佳人の「女友達」な関係。ちょっと歪ではありますが実に微笑ましい。しかし、これがきっかけで3人(プラス1人)の人間関係はドロリ濃厚に陰湿で痛々しい方向へ絡んでいくのでした。
例えば、由樹の中学からの親友・祥くん。実はずーっと由樹のことが好きだったのですが、由樹と佳人が付き合ってると聞かされ、由樹に告白し襲ってしまう。なんつーか、祥は顔を背けて見てられないぐらい哀れです。由樹は男友達だと思ってたのに憎悪され、未果子に害虫駆除されたり。見ちゃおれん。
また由樹は女友達のはずの佳人に段々と惹かれていき、佳人もまんざらでなかったり、未果子は由樹に惚れてしまったり。徐々に複雑にドロドロと絡みあう人間関係。手に汗握る関係の変化が実に良いです。
初期はこんな感じの人間関係。
由樹 →(気になる) 佳人 →(憧れ) 未果子 →(好き) 由樹
これが後半は書き表す事が出来ないぐらいグチャグチャな三角関係になっていきます。よくもまあ複雑に黒く絡むものだなと関心するやら呆れるやら。なんだよこの関係図はと震えてしまいこと無数。
説明する事が不可能な三角関係
また19歳というのも良い年齢具合です。佳人が未果子の格好が出来るギリギリのタイムリミットであり、また未果子にとっては15歳でおっさん達を騙す少女でいられる最後の年齢であります。実に見事に「十九歳の制服」を描くってものです。
個人的にお気に入りなのは理想が木っ端微塵にぶっ壊れる瞬間。偶像が虚像と判明する瞬間はこの漫画の屈指の名シーン。例えば佳人は理想なお嬢様と思ってた未果子の真の姿を知る。また、未果子は「男」でない理想のオトコノコだと思ってた由樹の中の女を知ったり。
終盤の息を吐かせぬ展開の連続はページをめくるのがやめられないとまらないカルビーかっぱえびせんでしたね。先を知りたいという欲求と同時に、読み終わりたくないという願望が入り混じった、複雑な気分でした。途中から面白すぎる!これは傑作だ!と気付き噛みしめるように読んでいました。
この漫画は秘め事である「制服」を脱ぐための話でしたけど、その制服は3人の過去のトラウマが含まれており、3人が制服を脱ぐ瞬間はとても素晴らしかった。
私制服脱ぎます!
「制服」は彼女たちを慰めてたけど、同時に縛り付けていたアイテムでもありました。3人が制服を脱ぐためのに悩み葛藤し、トラウマを克服するように「十九歳の制服」を脱ぎ捨てたシーンは鳥肌モノでしたね。青春の蹉跌を克服し、自分が自分になった3人は二十歳になるのでした。感動した!
心理描写も圧巻。3人とも似た者同士で、でもどこか違う個性で3人が3人とも惹かれ合っていく過程が繊細に描かれているので、男が読んでも普通に共感してしまった。
んで、複雑に絡んで歪みまくっていた話が最後は見事に綺麗に着地させているのも芸術的。19歳の男女のドロドロした青春と人間関係にもみくちゃにされる。それでも最後には気持ちよく終わるという。傑作やった!これは間違いなく「面白い」って断言できる作品や。
あとね、最初こそ由樹はあんま可愛くないなって思ってたものですが。
後半の由樹は最高と断言するに些かの躊躇も持ちません。
恋する乙女と化した由樹
圧倒的な可愛さであった!
つまりまとめると由樹ちゃんペロペロという単純なものでした。まる。
ヒメゴト~十九歳の制服~(1)
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