優花里「仕方ないであります」
- 2016年04月12日 21:10
- SS、ガールズ&パンツァー
- 9 コメント
- Tweet
・シリアス展開で行きます
・優花里が戦車面以外ではコミュ症な設定です
・書き溜めはしてないのでゆっくり更新します
―――――――――――――――――――――――
練習中
みほ「麻子さん!右に40度迂回しつつその先の森に入ってください!」
麻子「了解」ガコッ
優花里「装填、完了しました!」
みほ「森の中の開けた場所でUターン、正面から迎え撃ちます!麻子さん、華さん準備はいいですか?」
麻子「任せろ」グググッ
華「了解しましたわ。花を生けるときのように・・・」ガチャ
沙織「敵、正面から来るよ!」
みほ「構えて・・・撃て!」
―――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――
桃「今日の練習は終了だ!全員解散!」
沙織「いやーみんなお疲れ!今日もクタクタだよ~・・・」
華「ふふ、お疲れ様でした、沙織さん。そしてみなさんも」
麻子「・・・私はもう帰って寝る。というかここで寝る」
沙織「もう、麻子~・・・あっ、そうだ!みんなで帰りにアイス屋よってかない?
麻子、おごってあげるからさ!」
麻子「・・・なら、いく」
華「みほさんと優花里さんは如何いたしましょう?」
みほ「あっ私も行きたいです!」
優花里「・・・・・・」
華「・・・優花里さん?」
優花里「・・・あっ!わっ私も!私もご一緒させてください!是非っ!」
沙織「おっけーおっけー、じゃあ行こう!」
優花里(・・・やっぱり・・・
私は、まだ・・・)
優花里(私の名前は秋山優花里といいます。
それぞれある人生の中でも一番最高な戦車道を嗜み、大切な仲間達と日々大切に過ごしている・・・
はず、なのですが。)
沙織「んー?どうしたのゆかりん。元気ないよ?」
優花里「ひっ!?いっ・・・いえ、なんでもないでありますよ武部殿~・・・っ」
優花里(実はわたし、コミュ症という奴なのです。・・・それも”重症”の)
優花里(戦車道をしているときやなにかしら戦車に携わっているときはまた別で、そこにはまったく別の
”秋山優花里”が顔を出すのですが。・・・日常生活となると、どうも・・・)
優花里(きっとそれも・・・ずいぶん昔の出来事から、来ているようで)
―――――――――――――――――――――――
13年前
淳五郎「優花里、誕生日おめでとうな!ほら、おもちゃ買ってきたぞ~?」
好子「あら!よかったね~優花里~」
淳五郎「いちおう二つあるんだけど・・・このボコられ熊?のボコと・・・
じゃーん!戦車だ!」
好子「戦車なんて・・・優花里喜ぶかしらね?ねえ優花里~」
優花里「・・・!せんしゃ!せんしゃ!!」
好子「あ・・・あら?ボコちゃんは?」
淳五郎「そうか!戦車が好きか!よーし、じゃあ今日からこれはお前の戦車だ!」
優花里「せんしゃ!せんしゃー!」
―――――――――――――――――――――――
10年前
入学式
淳五郎「ついに優花里も小学生、か・・・早い・・・早いもんだな・・・っ」
好子「こらこら、まだ泣かないの!人生始まったばっかりなんだから
・・・それにしてもあの子、友達ちゃんとできるでしょうかね?戦車ばっかりだから・・・」
優花里「ねえねえっ!戦車ってしってる?」
「えー?せんしゃ?あ、あのおっきいのでしょ!」
「けどあれ、おかあさんはふくがよごれるからのっちゃだめだって!」
「あんまりきょうみはないかな~」
優花里「・・・え・・・そ、そう、なんだ」
優花里(きっと、あの頃からわたしの”日常”は大きく変わっていったのだと思います)
キーンコーンカーン
「ねえねえっ!おひるやすみ、なにしてあそぼうか?」
「おままごとしよう!わたし、せんせいにかくれておにんぎょうさんもってきたんだ!」
「いいね!だれさそおっか?」
「ミチコちゃんでしょ??サトシくんでしょ?カズマくんでしょ?ユウキくんでしょ?それで、わたし!」
「おんなのこ、ひとりたりなくない?」
「そうだね~・・・あっ、・・・あそこにユカリ”さん”ならいるけど・・・」
「やめとこ!あのこ、いっつもせんしゃのはなししかしないし!」
「そうだね!ごにんでやろう!」
ワイワイ
優花里「・・・ぐすっ」
ユウキ「・・・」
―――――――――――
先生「あら、優花里さんどうしたの?お昼休みなのに一人で・・・」
優花里「・・・みんなが、みんなが戦車がきらいって・・・あそんでくれないの」
先生「・・・優花里さんは、戦車が好きなの?」
優花里「すき!だいすき!・・・けど・・・戦車が好きなままだと、みんな・・・みんなわたしを・・・」
先生「・・・いい?優花里さん」
優花里「?」
先生「あなたの戦車に対する愛情はすばらしいものだと思うわ。
けど、戦車が本当に好きなら戦車を嫌いになることだけは絶対にダメ」
優花里「え・・・けど、けどっみんなが!」
先生「みんなには先生から厳しく言っておくわ。いい?優花里さん。
あなたの戦車に対する愛が本物なのは知ってる。だからこそ、誰かに合わせて本当に好きなものを捨てちゃダメなのよ
なにを隠そう、私も戦車・・・いえ、戦車道、かしら。
大好きなんだから!」
優花里「・・・えっ・・・!」
先生「学生のころね、戦車道を私は学んでいたの。戦車のすばらしさを知ったわ・・・。
ちょっと変な勧誘みたいになっちゃうけど、優花里さんにも将来戦車のすばらしさを知ってほしいの!
だから、嫌いになっちゃダメ。あなたが”本当に好き”と思うならね。
・・・子供には、難しい話だったかしら?」
優花里「むずかしくない!むずかしくないよ、せんせい!・・・わたし、せんしゃどう、やってみたい!」
先生「・・・そう、ありがとうね。今の時代、戦車道には本当に好き嫌いのある人たちが多いから・・・
うれしいわ、先生。あの子たちにはちゃんと私からキツくいっておくから、安心して?」
優花里(あの日、私は始めて認められました。戦車に対する愛を・・・。
まあ、これで話が終わるようなら、戦車道以外の”日常”にトラウマを抱えることはないわけで)
「せんせいにおこられちゃった・・・」
「わたしも!ユカリさんのすきなことをきょぜつ?しちゃダメだって!」
「オレもおこられた・・・」
「ボクも!ユウキはどうだった?」
ユウキ「あ・・・いや、ぼくもおこられたよ。」
「ユカリさん、ひどい!わたしたちのことわるくいうなんて!」
「けどユカリさんとあそばなきゃあたしたちがおこられちゃうよ・・・」
優花里「みんな、あっあそぼうよ!」
「・・・」
「ユカリさん、わたしたちのことわるくいったんだ?」
優花里「えっ、ちっ・・・ちがうよ!わたしは・・・わたしは、なにもっ!」
「ウソつけ!じゃあオレらがおこられるわけねーだろ!」
「そうだ、そうだ!」
「・・・ユカリさん。つぎ、わたしたちのことをせんせいにゆったら・・・
みんなであなたのこといじめるから」
優花里「そ・・・そん、な・・・わだしは・・・わだしは、だだっ・・・」グスッ
優花里(みんなと仲良くなりたかっただけなのに。けれどあのころわたしは理解されることなくひとりぼっちのままでした)
優花里(”あの子”がくるまでは・・・)
秋山理髪店
ガチャ
優花里「ただいま・・・」
好子「あら、おかえり!・・・友達は、できた?」
優花里「・・・」トタトタ
好子「・・・困ったものね。あの子も・・・」
優花里自室
優花里「ううっ・・・ぐすっ、なんで、なんでみんな戦車がきらいなの・・・?
なんでわたしのことがきらいなの・・・?
せんせぇ・・・ううっ、うわあああん・・・」
ユウキ「いま・・・このおみせにはいっていったよな。うう・・・どうしよう、きんちょうする・・・」
好子「あら、お客さん?」
ユウキ「うわっ!いっいや、ちがいます!ぼくはユカリさん、って人をさがしてて・・・」
好子「あら!優花里のお友達かしら?どうぞどうぞ、・・・あら新しいお客さんみたい。
二階のすみっこの部屋が優花里の部屋だから、あの子に会ってあげて。
私、いまからお客さんの相手をしないとだめだから・・・」
ユウキ「あっ・・・はい!(や、やばいぞ・・・ユカリさんとははなしたことがないくらいなのに・・・)
ユウキ「こ、ここ・・・だよな。ユカリさんの、へや」
ガチャ
ユウキ「お、おじゃましまーす・・・」
優花里「ふ、ふえっ!?ユ、ユウキぐんっ?」グスッ
ユウキ「うわわっ!な、なんでないてるんだ!?」
優花里「・・・グスッ ・・・なにしに、きたの・・・?わだじを・・・また、ばかにしにきたの・・・?」
ユウキ「ち、ちがうよ!がっこうでははずかしくていいだせなかったけど・・・
きょ、きょうみあるんだ!戦車!」
優花里「・・・えっ?」
優花里(わたしは最初、何を言ってるんだろう?と思いました。
けれどユウキくんと話してるうちに、本当に戦車に興味がある子だと分かりました。
私にとっては、初めての友達となりました。)
ユウキ「へえ、これが・・・」
優花里「うん!ティガー1!すっごくつよい戦車なんだよ!」
ユウキ「あ、もうこんなじかんだ・・・ごめんね、ユカリさん。ぼく、もうかえらないと!」
優花里「え・・・あっ、うん。そうだよね。5じ、だもんね・・・」
ユウキ「また、あそびにくるから!ね?」
優花里「う・・・うんっ!ぜったい!ぜったいだよ!」
「おいユウキ、おまえあきやまりはつてんってさんぱつやにはいらなかったか?」
ユウキ「えっ・・・なんで?」
「ばかおまえ、あそこはあのユカリのうちだぞ!せんしゃバカになっちまうよ!」
ユウキ「・・・っ!そ、そうなんだ。ぼくはしらないけど」
「やっぱりきのせいか、そうだよな!」
優花里「・・・」
優花里「ユウキくん、これからはわたしのおうちであそばないようにしよう」
ユウキ「えっ・・・なんで!戦車、いっぱいあるのに!」
優花里「いいの。・・・ユウキくんがきらわれるよりか、ずっとましだよ」
ユウキ「・・・ごめんね、ユカリちゃん」
―――――――――――――――――――――――
秋山理髪店 優花里自室
優花里「ふうっ・・・」ドサッ
優花里「今日も疲れたでありますな~・・・」
優花里「それにしても今日の西住殿はかっこよかったでありますなー!
撃て!だって・・・一生聞いていたくなるくらいであります~・・・」ワシャワシャ
優花里「それに・・・武部殿も状況を的確に伝えてくれたし、冷泉殿もあんなに指示通り運転できるのはなかなか出来ないことで
ありますし、五十鈴殿もあれだけの集中力であの命中率・・・」
優花里「わたしは・・・ただ、装填してるだけ」
優花里「・・・仕方ないであります。わたしは、戦車を愛してるだけの能無し、ですから」
優花里「潜入捜査もあまり役にたったことはないし、戦車道中以外では自分から話しかけることも・・・
・・・昔よりは、まだマシ、なのでしょうが」
優花里「・・・西
コメント一覧
-
- 2016年04月12日 21:32
- スレタイ、9話で秋山殿、仕方ありませんって言ってた気が。
-
- 2016年04月12日 21:36
- 良い話だったのにバスケ部で草
-
- 2016年04月12日 21:56
- バレー部ェ・・・
-
- 2016年04月12日 22:00
- 秋山殿がコミュ症だったら潜入調査で変装なんて出来るわけないんだよなぁ…
-
- 2016年04月12日 22:27
- 涙袋に溜まっていた水分がバスケ部の文字でスンッと消えた
余韻とは一体・・・
-
- 2016年04月12日 22:37
- バスケ
-
- 2016年04月12日 22:40
- なんでみほが中二でキャプテンやってんだよまほはどうした
-
- 2016年04月12日 23:04
- バスケもバレーも似たようなもんでしょ(適当)
-
- 2016年04月12日 23:59
- 唐突なバスケ部は笑ってしまいますわ
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク