4月9日、「オールスター感謝祭‘16(TBS系)」の見どころ「赤坂5丁目ミニ駅伝」でトップバッターを務め、さらに「赤坂5丁目ミニマラソン」で初優勝したKAT-TUNの上田竜也の注目度が急上昇している。その鬼気迫る走りと表彰台でのコメントにハイフンはもちろん、今まで上田を知らなかった人も「感動した」「泣いた」という声が続々とあがった。

また、3月25日、『ミュージックステーション3時間スペシャル(テレビ朝日系)』では、田口淳之介脱退前の4人体制の最後の出演とあって、泣きながら歌う姿も感動を呼んだ。

上田竜也は「炎の体育会TV(TBS系)」を見ている人にはおなじみだが、亀梨、中丸に比べると比較的露出が少ない。大型音楽番組などにKAT-TUNが出演すると、ツイッターなどで「KAT-TUNの金髪の人」が話題になるが、イメージが固定しないこともあり、顔はわかるが名前は知らないという人も多い。そこで、今話題の上田竜也とはどんな人なのか、ジャニオタ目線から魅力の一部を紹介する。

■上田竜也の魅力は意外性と多面性?

上田竜也は、1983年10月4日生まれ。32歳。出身は神奈川県だが親の転勤で沖縄など各地を回り埼玉県に落ち着く。星座は天秤座、血液型はB型。家族は両親、姉、ペットは犬5匹と猫2匹と、動物好き。好物はタコとイカ、嫌いなのはグリンピースとウナギ。肉食系の発言をするが、好きな女性のタイプは昔も現在も変わらず「浮気をしない、優しくて家庭的な子」と堅実派だ。

子供の頃は、スイミング・絵画・英語・書道・そろばん・ピアノ・ヴァイオリンとたくさんの習いごとをしていたほか、塾にも通っていた。ピアノは自宅に先生が来て教わっていたそうで、裕福で教育熱心な家庭に生まれたことがうかがえる。高校も進学校に進み、将来は弁護士かパイロットを目指していたが、1998年にジャニーズ事務所に入所した。

性格は、メンバー(元メンバー含む)のコメントによると「裏表がない、嘘を全くつけない素直な人、天然、天真爛漫、我が道をいくマイペースなタイプ、KAT-TUNで一番仕事とプライベートのギャップがある人」などと言われている。自分では「メンバーで一番淋しがり屋。いつも誰かと一緒にいたい」と話している。

人前に出る仕事、アイドルなのに緊張すると手が震え、人見知りをする。口数が少なく、社交辞令で笑顔がつくれないため、一見無愛想でクール、怖いイメージをもたれることも多い。舞台で共演した中村獅童も、共演前は「怒ってるの?」と本人に聞いていた位だが、共演中は頻繁に自宅に呼ばれて自作のおでんを振る舞われるなど、親しくなった。見た目と内面のギャップは上田の魅力のひとつだ。噛めば噛むほど味が出るスルメのように、長く付き合うほど根本にある優しさや素直さがわかり、共演者やスタッフにも可愛がられている。

黒髪、短髪、甘栗ヘアなど激変してきた髪型とキャラ

上田はKAT-TUNとしてデビューしてから10年、何度となくイメージ、キャラを変えてきた。入所当時は坊主頭、デビュー前の2004年頃まではアクセサリーをジャラジャラつけて、敬愛するGackを目指し、ナルシストな雰囲気を醸し出し、「うちの庭に妖精がいる」「家では蝋燭で生活している」と発言していた“不思議ちゃん”キャラの時期があった。後に、「妖精が見える」発言は単なるノリで口にしたと話しているが、キャラが確立せず、自分を模索していた時期だったのだろう。その後も、キャラづくりで迷走した。

2007年、メンバーが5人になった頃は、女の子のようなビジュアルの中性的なキャラだったが、メンバーが4人になった頃(田中聖が抜けた後)は、オラオラ系のヤンキーキャラに変身。実は、グループのバランスをちゃんと考えてキャラを変えているように思える。

ヘアスタイルも、ドラマの役柄のための坊主頭、短髪、ショートヘア、ミディアムロング、色も黒髪、茶髪、メッシュ、金髪と変化。美形なのでどんな髪型も似合うが、今も上田担に絶大な人気を誇っているのが、2007年〜2010年頃の、茶髪にゆるい内巻きボブの「甘栗ヘア」だ(本人いわく“きのこヘア”)。その甘栗ヘア時代の上田を見るなら「TOUR 2007 cartoon KAT-TUN II You」〜「KAT-TUN LIVE TOUR 2010」あたりがお勧めだ。また、その頃、ライブのアンコールや一部でトップで一つに結んだちょんまげヘアにすることもあり、「可愛い上田好き」にはたまらない萌えビジュアルとなっている。

昨今は金髪のアップバンクスタイルで定着し、ワイルドキャラで、一番KAT-TUNのイメージに近いビジュアルになっている。年々肩の力が抜けて、自然体で自分を出している印象だ。

■得意ではなかった陸上を猛練習と強い意志でレベルアップ

「オールスター感謝祭‘16」の「赤坂5丁目ミニマラソン」では運動自慢のタレントとして出場、珍しく苦しそうな表情で大量の汗を流しながら鬼気迫る走りを見せた。沿道には上田のファンも多く集まり熱い声援を送っていたのも後押しになっただろう。青山学院大学の箱根駅伝連覇に貢献した神野大地選手(コニカミノルタ)を1秒差で振り切り優勝。ゴール後は倒れ込み、表彰台に上がる足元がふらつくほど、全力を出し切ったのがうかがえた。

森脇健児はブログで「死ぬ気で練習しないと次はないが、今回死ぬほど練習したのが上田竜也君」と、ハリー杉山も「1週間前から絶対優勝すると言っていた、有言実行の塊」と上田を讃えた。わずか1週間前の4月3日はナゴヤドームで3人体制初のKAT-TUNのハードなライブを行ったばかりだが、ライブの準備と並行して練習をするのは大変だったはずだ。

ちなみに森脇健児、森渉、佐野岳は陸上経験者だが、上田が本格的に陸上を始めたのは、「炎の体育会TV」の陸上部に入ってから。走ることが好きで始めたのではない陸上だが、毎日10kmのロードワークを行っているという。体脂肪は一ケタでアスリート並みの体型を維持。現在は解散した「炎の体育会TV」の陸上部のキャプテンになった。

表彰台でコメントを求められ、「苦しかったですが、今自分の背負っているものが……。メンバーとかファンの子とかいろいろあるので、絶対負けられないと思って、最後まで出しきりました」。早口だったが伝えようとする意思が伝わってきた。3回にわたりメンバーが抜け、ファンの期待を裏切る形になったことに対して「申し訳なさでいっぱい。それでもこういういろいろある状況でも応援してくれるファンの皆さんがいることは、本当に支えになるし、感謝している」と何度もファンへの心遣いを雑誌などで伝えている上田。ファンを笑顔にするために、KAT-TUNというグループのために、自分ができる最大限のことを体現した。

■ボクシングはプロテストを目指す本格派

ボクシングに関しては、かなり本格的だ。2007年からはまり、週3回、多い時で週5日ジムに通い、プロボクサーを目指す練習生と変わらない練習を積んできた。「炎の体育会TV」のレギュラーになった2012年10月以来、「いつか番組でボクシング企画をやりたい」と切望し続けてきた企画がようやく2014年12月に実現。マスク・ド・ボクサー(元世界チャンピオン、正体は薬師寺保栄)とのガチンコ勝負に挑んだ。

マスク・ド・ボクサーは左手ジャブのみ、2分3ラウンドで3ポイントを取ることができれば上田の勝ちで、マスクを脱がすことができるというルールだった。しかし反射的にマスク・ド・ボクサーの右パンチが出るなど、試合は白熱。結果は判定負けで、試合終了後には「リベンジしたい」と力強く語ったが、まだ再戦が実現していないことがずっと引っかかっているそうだ。

「プロボクサーになりたい。ボクシングと仕事を連動させられたら理想的」と何度か語っているが、プロテストを受験する資格が32歳までとなっているので、挑戦するとしたら今年10月まで。いくつかの発言から推測すると、事務所からの許可が下りていないようだ。

「ボクシングを始めたことで内面が鍛えられてきた」とも語っているが、役割を果たす責任感、ストイックさ、根性は普通ではない。2015年4月、『全世界極限サバイバル ジャングル!無人島!熱帯砂漠!極寒地帯で100時間生き残れ!(TBS系)』に出演した際も、上田の強い意思がうかがえた。最低気温マイナス50度の北極圏で100時間を過ごすサバイバル生活。スタッフも倒れ、カメラマンは凍傷になり「死を覚悟した」過酷なロケ。体力の限界と仮住居が崩壊するアクシデント、寒さと強風。上田はチャレンジ続行を希望したが、ドクターストップでリタイアを余儀なくされ、悔し涙を流しながらチャレンジは終了した。

■ドラマ・映画・舞台……蜷川幸雄も絶賛した俳優としての才能

俳優としては、2009年4月期の月9ドラマ『婚カツ!(フジテレビ系)』で本格的な連ドラに初出演。主演の中居正広の指名で、美容師の雨宮邦康役を好演した。その後、2011年10月期『ランナウェイ〜愛する君のために(TBS系)』に元ホストの滝本空也役、2012年7月期『ボーイズ・オン・ザ・ラン(テレビ朝日系)』には天才ボクサーの安藤龍役で出演した。

そのなかでも、上田が演じることの楽しさに開眼した節目は『ランナウェイ〜愛する君のために(TBS系)』だという。無実の罪をきせられ刑務所生活を強いられた4人の若者が刑務所を脱獄し、福岡県から東京まで様々な試練にあいながら逃亡していく。屈折した環境で育った憎めない天然の空也という難しい役柄をどう演じるか悩んだというが、ロケが主の撮影で、主演の市原隼人をはじめ、俳優として経験豊富な同世代の共演者とも仲良くなり刺激を受け、次第に上田竜也ではなく空也自身になりきっていった。

「『ランナウェイ〜愛する君のために』でガラリと考え方が変わりました。共演者に、こんなに素晴らしい仕事があるんだと教えてもらいました」と本人も語っている。特に、市原隼人からは芝居の楽しさ、役になりきることを教わったという。市原はこの時の上田について「『ここ、こういう風にしたほうがいいかな?』といろいろな人に聞きにいく。いい作品にしたいという気持ちが垣間見えました」と語っている。

2013年12月公開、百田尚樹原作のベストセラーを映画化した『永遠の0』で映画初出演。主演の岡田准一が演じる零戦部隊隊長の部下、小山役を熱演した。出番は多くないが、印象に残った。

舞台は、2009年3月-4月、『ロミオとジュリエット』(東京グローブ座、サンケイホールブリーゼ)のロミオ役で舞台初主演を果たす。続いて、2014年1月、蜷川幸雄氏演出の『冬眠する熊に添い寝してごらん』(Bunkamuraシアターコクーン、森ノ宮ピロティホール)で川下多根彦役、2015年11月、岩松了氏作・演出の『青い瞳』(Bunkamuraシアターコクーン)でチンピラ・サム役と難解な役に挑戦している。

『冬眠する熊に添い寝してごらん』では、蜷川氏が「『才能あるな』という印象。狂気がすごい」と絶賛した。本人いわく「役にのめり込んで演じるタイプ」。どちらかというと不器用で考えるタイプなので役柄について悩むことは多いが、共演の中村獅童や勝村政信らからアドバイスをうけて「楽しんで演じること」「(絡む)相手と楽しむこと」を実感したようだ。上田は舞台に立つだけで存在感があり、役者として異彩を放っていた。上田にしかできない役があるので、今後、個性派俳優としての活躍の場が増えることを期待したい。

■作詞・作曲、ピアノにギター、独自の世界観を表現するソロも秀逸

そして、KAT-TUNにおける上田だが、作詞・作曲を手掛け、ライブではピアノやギターも演奏する。2008年9月、初のソロコンサート『MOUSE PEACE』に続いて、2010年『MOUSE PEACE uniting with FiVe  TATSUYA UEDA LIVE 2010』を行った。KAT-TUNではソロライブを行っているのは元メンバーの赤西仁と上田のみだ。念願のバンドを結成し、曲は基本すべて自分で作詞、何曲か作曲もしている。楽曲の幅も広く、飽きさせない構成で、上田の音楽センスが際だつ“聴かせる”コンサートになった。ちなみにソロコンの最終日には号泣している。(公の場で涙を流している回数はKAT-TUNイチだ。)

また、毎回雰囲気をガラリと変えてこだわりのパフォーマンスを見せるKAT-TUNライブでのソロ曲は、上田竜也に興味をもった人は必見だ。「ソロは自分がどうありたいかという姿を見せる場所」と語っているように上田竜也しかできない世界観が表現され、見ごたえがある。

筆者のお勧めは不良キャラ&セクシーな上田の肉体美とダンスが堪能できる『KAT-TUN LIVE TOUR 2014 come Here』の『ART OF LIFE』だが、上田担には2010年の『MOUSE PEACE uniting with FiVe  TATSUYA UEDA LIVE 2010』と『KAT-TUN LIVE TOUR 2010』の東京ドーム会場で披露した『MARIE ANTOINETTE(マリーアントワネット)』の人気がダントツで高い。可愛い甘栗ヘア時代、わがままな女王様に扮した上田が、クマのぬいぐるみと戯れるなど、おとぎ話の世界だが、残念ながらCD化、映像化されていない。同じような世界観が垣間見られるのが『MONSTER NIGHT』で、ミニアルバム『楔-kusabi-』初回限定盤1にビデオクリップが収録されている。

そしてKAT-TUN愛が人一倍強い。「KAT-TUNでデビューが決まった時、他の全ての可能性を捨てた」と話している。それでも、デビュー当初のKAT-TUNは、KAT-TUNが好きではなかったメンバーも何人かいて、くだらないことでよく喧嘩をしていたという。上田もその一人でメンバー全員と喧嘩をしていたが、後に「遅い反抗期」と語っている。5人になった頃にコミュニケーションの大切さを再認識し、よく話し合うグループになり、メンバー一人ひとりが大人になった。

5人になった頃から、上田も折に触れて「自分のためになることが全部KAT-TUNのためになれば」といった発言をするようになった。「ファンの人たちの気持ちを第一に、そのために頑張ろう、踏ん張ろうという気持ちを強くもってやってきた」という思いは、上田の態度や発言からも十分に伝わってくる。

ソロコンサートやドラマ、舞台、バラエティ、運動番組などいろいろな経験をして、荒波と逆境の中でメキメキと成長し自分を確立してきた上田。3月で終了した『KAT-TUNの世界一タメになる旅(TBS系)』最終回では、特に上田には目をかけ、何かといじって鍛えてくれた天の声ことマッコイ斉藤さんが「KAT-TUNが3人になったら上田君が成長すればすごく良くなると思うんだよね」と言い、素直に「頑張ります」と答えた。

KAT-TUNの未来の大きなカギを握る上田は、普通の親しみやすいアイドルキャラではないが、行動や姿勢、パフォーマンスで感動を与えることができる数少ないアイドルではないだろうか。その魅力を披露するチャンスが増えることを期待したい。

(ライター:佐藤ジェニー)


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