めぐみん「カズマは私達どっちを選ぶんですか」カズマ「魔王を倒した後にも祝福を!」
- 2016年04月14日 23:10
- SS、この素晴らしい世界に祝福を!
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俺は魔王を倒した
正確に言うと相討ちになってしまったのだが
女神からの魔王討伐報酬というやつで俺はこの世にもう一度生をを受けることが出来た
折角拾った命だ、もう冒険なんてしない!そう!俺は魔王を倒したのだ!
つまり英雄!
英雄にはそれなりの待遇ってのが待っているはずなんだ!
街を挙げてのパレードだったり、綺麗な踊り子が踊ってたりとそりゃもう贅沢三昧が待ってるはずだったんだ
……なのにだ
「カズマカズマ!」
「……今度はどうした」
「今日は凄いやつを見つけたのでそれを爆裂しに行きましょう!」
「後でな」
「カズマ聞いてくれ!去年行われた我慢大会が今年は更にレベルアップするらしいんだ!ああ、今から胸が躍る」
「俺は全く踊ってない……」
「カズマー。紅茶いれてー」
「自分でいれろ……」
俺は以前とまーったく、ちーっとも変わらない生活を送っていた
いや、変わったといえば変わっている
例えば頭のおかしい爆裂娘が夜な夜な添い寝に来たり、おかしな趣味のドMクルセイダーが部屋に誘ってきたりと確かにイベントは起きている
起きているのだが、何かが違う!
それは、そう。言うなればこうだ
「……思ってたのと違う」
「カズマ?ちょっと今の発言がどういう意味か教えてもらいましょうか。返答によっては爆裂魔法を放つ場所が変更されるので」
「物騒なこと言ってないで、さっさと撃ちに行くぞー」
「あ!待ってください!」
「ちょっとカズマー!私の紅茶ー!」
後ろから聞こえる駄目神の声を無視してそそくさと屋敷を出る
慌てて後ろからついてきためぐみんが俺の手を掴む
「待ってくださいって何度も言ってますよ」
「あ、ああ」
「全く……少しは私のことを考えてください」
「いや、お前は厄介事で俺を悩ませるだろうが……」
「う……そっち方面以外で考えて欲しいのですよ」
「その手には乗らんぞ」
「……最近のカズマは何だか前より耐性がついて面白くないですね」
「そりゃお前やダクネスがしょっちゅう俺を誘ってくるからだろ……いやでも耐性がつくわ」
「この人嫌とか言いましたよ!こんなに可愛らしい子からのお誘いなのに!あと、ダクネスの名前を出すのは今は禁止です」
「わかったからほれ、今日は何を爆裂するんだ」
「ふっふっふ……それはですね……」
「どうですか!あの艶!あの色!あのデカさ!まさにうってつけじゃないですか!」
「バカ野郎!お前あれ元領主の城じゃねえか!」
もう随分と懐かしいがデュラハンが住んでいた城であり、そして俺が大量の借金を負わされる羽目になった元凶だ
「大丈夫ですよ!あれから随分と経つのに人の気配を感じませんし!街からこんなに離れてるんですからきっと廃城にされたままなんですよ!」
「駄目だ!また絶対にロクな目に合わないのが目に見えている!」
「ああ!沈まれ我が呪われし右手よ!」
俺の説明も聞かずにめぐみんが杖に魔力を込めだしたので俺は強攻策に出ることにした
「……うぅ……全身を……カズマに吸われました」
5分後、息も絶え絶えに赤面した状態で地面に寝そべっているめぐみんがいた
「変な言いがかりは辞めてもらおうか。俺はお前の魔力を吸っただけだ」
「ダクネスとアクアにカズマに弄ばれたと報告するのです」
「……俺は無実だ」
「きっとダクネスはあらぬ妄想を膨らませてカズマの頭をグシャリとするぐらいのアイアンクローをするのです」
「……」
あのど変態クルセイダーならありえる
というか自分が頭を掴まれ片手で持ち上げられる姿が容易に想像出来てしまう
「……ふふ」
「めぐみん?」
「いえ、やっぱり私はこういった生活が大好きみたいです」
「あ、ああ」
いくら最近耐性が付き始めたといっても女の子から大好きとか言われたらドキリとしてしまうのは仕方ない
だって俺まだ童貞なんだもん
「カズマ、これからも一緒にいてくださいね?」
……もう、いいよな?
このままめぐみんルート突入しちゃってもいいよなぁ!?
今まで散々こいつらには思わせぶりな発言や行動されてきたんだ!
ここまで来たらもう100%だよ!100%俺のこと好きだよ!
だからいいよなぁ!?
そこでめぐみんが手を伸ばしてきているの気がついた
「めぐみん?」
これは、あれかこの手を掴んで持ち上げてお姫様だっこでもするべきなのか
いや、それとも魔力を戻してちゃんと立たせてそこから仕切りなおしてキスの一つでも
……よし!後者だな!
特にやましい思いはないけどやっぱ魔力とか体力を奪うって良くないことだもんな!
俺はガッとめぐみんの手を掴みドレインタッチを行いめぐみんに魔力と体力を渡していく
そしてしっかりと奪った魔力をそのまま返したあたりで俺はめぐみんを起こした
「……カズマ」
「……め、めぐみん」
めぐみんが俺をウルウルとした目で見上げている
俺はゆっくりとめぐみんに近づき、目を閉じ……
「エクスプロージョン!」
突如として上げられた声とそれに続く爆音と衝撃により、閉じた目を開けることになったのだった
「お前ってやつは!お前ってやつは!」
「痛い!痛いですカズマァ!」
「うるせえ!今のだけは絶対に許さねえ!」
「縛られて喜ぶのはダクネスぐらいなのですよ!私にはそんな趣味はイタタタ!カズマ!本当に洒落にならないぐらい締まってます!許してください!この縛り方だと私の大事なところが潰れてしまいます!」
「屋敷につくまで一定間隔でドンドン締め付けていくからな。後お前のそれは潰れるほどない」
「鬼です!鬼畜王カズマです!後後者の言葉の意味をイチから聞かせてもらおうか。さもないと明日朝イチでカズマの頭上に爆裂魔法が炸裂しますよ」
「何とでも言え!その代わりどんどん締め付けてやるからな」
「ごめんなさい!本当に痛いので勘弁してください」
俺はさっきの腹いせに爆裂魔法を撃ったせいで身動きが取れないめぐみんにバインドをかけて徐々に縛る力を強めている
最初は抵抗しなかっためぐみんは流石に痛くなってきたのか先程から抗議を始めている
「お前……あの城がまだ貴族の誰かの持ち物だったら、確実にダグネスにアイアンクローされるからな」
「……まずいですよカズマ!私は暫くゆんゆんの宿に泊めて貰います!ですから屋敷ではなくて宿のほうに!」
「もう遅い。俺はお前を売るつもりだ」
「酷いです!悪魔ですか!」
「お前が悪い」
「だ、ダクネス!話を!話を聞いてください!」
「全くお前らは何時も何時も!あの城は現在あのクソッタレな元領主の悪徳な取引の証拠現場として保存されていたというのに!」
「俺のせいじゃない、俺は止めたぞ!」
「話せばわかりますダクネス!」
「ほう?では納得のいく理由をしっかりと聞かせてもらおうか」
ダクネスがめぐみんに標的を定めたので俺はそそくさと部屋に逃げ込む
何だかんだで怒った時のダクネスは怖い
近寄らないで済むならそれに越したことはない
「カズマ!カズマああ!本当に頭が割れてしまいます!助けてくださあああああ」
後ろから聞こえるめぐみんの叫びを俺は聞こえないふりを決め込む
……こんな日常を俺は魔王討伐後も送っているのだ
まぁそれはそれで?楽しくはあるんだ
あるんだけどさぁ?
もっとあってもいいじゃん?
例えばエリス様ルートが解禁されたりさ?サキュバスのおねえさん達にチヤホヤされたりさ?
この国のお姫様からありがとうございましたって式典を開いてもらったりさ?
……まぁ、そんなものは訪れなかったんだけどな
エリス様は魔王討伐によって使うことがなくなった神器の回収に忙しいらしい
たまにその手伝いをするがあの人にもたまには休息があってもいいんじゃないかと思う
例えばソファーで一日ぐうたらと過ごしている駄目な方な女神と変わってもらったりとかさ
サキュバスのお姉さんにはチヤホヤされたりもしたがそれはやはり仕事としてだ
やっぱりこう、違うんだよなぁ……
仕事とかそういうのじゃなくて心の底からチヤホヤされたいんだよなぁ……
後は国のお姫様って言っても俺にそんな知り合い……
ピンポーン
そんな時、屋敷にインターホンの音が響いた
慌てて俺は部屋に入り鍵を閉め、財布をポケットに突っ込み窓の鍵を開け何時でも脱出できるように準備を進める
……と、トントンとドアがノックされる
「な、なんだ!?さっきも言ったが俺は無実だぞ!」
ヤバイヤバイ!俺本当に関係なのにこんな事でまた刑務所に入れられるなんてゴメンだぞ!
「いきなり何を言っている。カズマ殿。私だ。クレアだ」
クレア……?
クレア…………誰だっけ?
いや、だが確かに聞いたことのある声だ
「カズマ。何を考えているかはしらないが早く鍵を開けて出てこい。この方はアイリス様の護衛であり、シンフォニア家の長女様であるぞ」
ダグネスの言葉で俺は一人の女性が頭に浮かんだ
あの頭にくる白スーツやろうか!
いや、待てそれよりもアイリスだと!?俺をお兄ちゃんと呼び妹枠として確固たる地位を確立したあのアイリスか!
いたよ!いるじゃん!そうだよ!国のお姫様!
アイリスがいたじゃないか!
「アイリスいるのか!」
「ふぎゃ!」
勢いよくドアを開けると、そのドアで頭をぶつけたクレアがうずくまっていた
「……で?何かよう?」
「おいカズマ!失礼だぞ!すみません、相変わらず無礼者で」
「いえ、ダスティネス卿が気になさることはありません、このモノの事は我々も多少は知っておりますので」
「何でアイリスがいないんだよ……白スーツだけとか全く心がトキメかないぞ」
「そのアイリス様が貴様に会いたいと仰られている」
「え?マジ!?」
「はい。魔王討伐に対する勲章と気持ちばかりのパーティを開催したいと思っております」
勲章!
パーティ!
これだ!これだよ!こういったのを待ってたんだよ!
「しかし、この男をそのような場に……」
「おっとダクネス。そこまでだ。それ以上口を開くとお前が夜な夜な何をしているかばらす事になるぞ」
「なっ!?」
「よ、夜な夜な!?」
「さて、それよりもそのパーティについて詳しく聞こうじゃないか」
「おいカズマ、考え直したらどうだ」
「いやだ」
「そうですよ!あの娘は危険です!私と属性が被りすぎてムシャクシャするんですよ!」
「お前は口リ枠だろうが」
「んな!?」
「カズマカズマ!今度こそお嬢様に私の素晴らしい芸を見せつけてもいいのよね!?」
「ああ!とびっきりのやつで場を盛り上げてくれ」
「やめろ!頼むからやめてくれ!アクア!せめて危険のないもので頼むぞ!本当に頼むぞ!?」
急遽降って沸いた魔王討伐による祝勝会に俺とアクアは浮かれまくっていた
ダクネスと何故かめぐみんは反対のようだが知ったことじゃない
妹!この世界における正統派ヒロインのアイリスが俺を呼んでいるのだ
だったら会いに行くのが男ってものだろう
以前別れた際のゴタゴタの際にスティールしてしまった指輪もしっかりとまだ持っている
これもどうにかこっそりと返してやれたらいいんだけどな
「本当に、本当に頼むからな!?変なことをすると祝勝会が一転して処刑場になってしまうのだぞ!?」
「まぁ前の時も何とかなったし、そんなに気負うなよダクネス」
「お前が一番心配なんだ……前科があるからな……」
しみじみと呟くダクネスを他所にめぐみんは
「やはり決着を付けないといけないみたいですね」
なんて呟いてやがる
俺はただ別れて離れ離れになってしまった妹に会いに行くだけだと言うのにどうしてこいつらはこんなに深刻になっているんだ……
「お久しぶりです!お兄様!」
「よ!久しぶりだなアイリス!」
「この度は魔王討伐本当にご苦労様でした!どうぞ中に入ってください!その時の話を是非!」
「ああ。ちょっと長くなるけどいいか?」
「構いませんよ!お兄様のお話をずっと心待ちにしていたんです!」
まるでウサギのようにぴょこぴょことこっちに近寄りキラキラと目を輝かせるアイリス
ああ、まじで天使だ
心が癒される
死んでまで魔王倒してよかったよ
「相変わらずお兄様お兄様とうるさいお嬢様ですね!」
「な!めぐみん!私がお兄様と呼ぼうと貴女には関係ないことよ!」
「ええ!確かに関係ないですね!いえ、お兄様とぐらい呼ばせてあげるのが大人というものでしょうか!私とカズマはそれ以上に確固た
コメント一覧
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- 2016年04月14日 23:23
- めぐみん見てると僕の股間がエクスプロージョンしそうです^^
-
- 2016年04月14日 23:28
- web版だと最後に選んだのが正にエリス様だったんだよね
-
- 2016年04月15日 00:01
- やっぱこのすばは魔王討伐後こそ読みたいよなぁ
ラブコメ的視点だと
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