現実の壁を壊す! アナログ/デジタルを巧みに交差するアートフォトグラファーの世界
湖をボートでゆらりと来てみたら、水面がガラスに変わってた。
こんな「夢を具現化しちゃった!」みたいな写真を撮ったのはスウェーデン出身のフォトグラファー、Erik Johanssonさん。普段はアドビやグーグル、マイクロソフト、ボルボなどの大手企業のスチール写真を撮るプロのカメラマンなんです。しかし、彼のパーソナルワークは「distorted reality compositons(歪められた現実をつくる作品)」とも称されるような不思議な世界に満ちた作品たち。そのひとつが上の画像の作品です。
彼の作品は、実際に撮られた写真とコンピューターによるレタッチや加工によって構成されています。その結果として「現実の要素を使いながら、現実から少しだけはみ出したような」そんな世界が作られているんですよね。
今度はこんな作品です。これなんかエッシャーのだまし絵みたいじゃないですか? 「現実では構成することができない建造物を絵画の中で表現する」だまし絵を写真でやっているって感じなんですよね。
写真はそもそも現実を再現するもので…なんて19世紀に立ち戻って小難しい歴史を語るまでもなく、こうした作品はテクノロジーとイマジネーションの兼ね合いによって可能になったんですよね。写真を撮る、これは当然。でも一方で、写真というものが「構成する/編集する」ものになっているということもこれまた事実。
コンテンポラリーアート写真の領域に一足踏み込んでみると、こんな世界が広がっているんです。こんな写真見ているとビシビシっと脳が刺激される感じありませんか? テクノロジーが広げたアートの表現の幅、それによって新しい世界が構築されていくのっていいなあって思うんですよね。
image by Erik Johansson
source: Designboom
(横山浩暉)