kancolle

吹雪
kancolle0205a

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:25:53.43 ID:cymYEJaj0
提督「せっかく来たんだ。遠慮なんかしなくていいからな」

吹雪「はい!」

時雨「ありがとう提督」

如月「ふふっ、今日はご馳走になります」

提督「……っと電話?済まん、先に食べててくれ」

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:27:22.88 ID:cymYEJaj0
時雨「行っちゃったね」

吹雪「あの私、回転寿司来たの初めてなんだけど……もう取ってもいいのかな?」

時雨「ああ、そうなんだ。うん、大丈夫だよ。席に着いたら好きなのを取って食べていいんだ」

吹雪「そうなんだ。それじゃあ……」

如月「吹雪ちゃんちょっと待って。先に手を綺麗にしておかないと」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:28:00.80 ID:cymYEJaj0
時雨「そうだね。如月、おしぼりを取ってもらえるかい?」

如月「はい時雨ちゃん、吹雪ちゃんにも。さて、お先に失礼するわね?」

時雨「えっ?」

吹雪「ああ!この蛇口みたいなのなんだろうって思ってたけど、手を洗うためのものだったんだ!」

如月「そうなの。しかも、ご丁寧に手を拭く物まで用意してあるんだからすごいわ」

時雨「いや……えっ?」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:29:38.32 ID:cymYEJaj0
吹雪「それじゃあ私も……凄い!これお湯だよ如月ちゃん!なんて親切なんだろう」

如月「本当よね。感服しちゃうわ」

時雨「あの……如月?君、回転寿司に来た事はあるのかい?」

如月「実は私も初めてなの。だから、漣ちゃんに協力してもらってインターネットで事前に色々調べたのよ」

時雨「……漣の様子、どこか変じゃなかった?」

如月「……途中からずっと俯いてたわね。そういえば、心なしか体も震えてた気がするわ。風邪だったのかしら?悪い事をしてしまったわ」

時雨「頭が痛くなってきたよ……。ごめん、少し席を外すね?」

如月「わかったわ」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:30:19.16 ID:cymYEJaj0
吹雪「よし、じゃあ早速食べよう!何にしようかな?」

如月「そうだ。吹雪ちゃん、回転寿司にも食べ方があるのは知ってるかしら?」

吹雪「えっ?そうなの?」

如月「もちろんよ。和食には和食の。洋食には洋食の。そして回転寿司には回転寿司のマナーがあるの」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:31:25.25 ID:cymYEJaj0
吹雪「そうなんだ。それは知らなかったなあ。よかったら教えてくれる?」

如月「なら如月がやってみせるから見ててね?そうね……まずはコハダにしようかしら。もちろん箸じゃなくて手を使うの」

吹雪「あれ?お皿を取るんじゃなくて寿司を取るの?」

如月「そう、そこがポイントよ。そして口の中にお寿司を入れて……」

吹雪「醤油を直接口に!?」

如月「……うん、やっぱり美味しいわね」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:32:14.16 ID:cymYEJaj0
吹雪「あ、あれ?でも残りの一貫が流れていっちゃったよ?いいの?」

如月「ふふっ……あれはね、ああやってわざと一貫残して、お寿司を握ってくれた人に食べてもらうの」

吹雪「……成る程!よくわかったよ如月ちゃん!こういう食べ方で『粋』ってやつと『思いやりの心』を同時に表現するんだね!」

如月「さすがは吹雪ちゃんね。まさにその通りよ。さあ、次は吹雪ちゃんも」

吹雪「うん!」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:33:12.33 ID:cymYEJaj0
時雨「はあ、思わずトイレに逃げちゃったけど、そろそろ戻らないとなあ……」

吹雪「時雨ちゃん」

時雨「あれ?二人ともまだ食べてなかったのかい?ごめんね」

如月「あら、そんな事ないわよ?時雨ちゃんには悪いけど、先に食べ始めちゃってるわ」

時雨「え?でも皿なんてどこにも……」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:34:20.18 ID:cymYEJaj0
吹雪「次はイカにしよっと」

如月「なら如月はマグロにしようかしら」

時雨「……ウソだよね?まさか僕が席を立ってから、ずっと……ずっとそうやって食べてたのかい?」

吹雪「そうだよ。如月ちゃんがしっかり調べてきてくれてたから本当に助かっちゃった!」

如月「あらあら、褒めても何も出ないわよ?」

店員「あの、お客様。少しよろしいでしょうか?」

時雨「」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:35:00.74 ID:cymYEJaj0
提督「遅くなって悪い……あれ、なんだまだ食べてなかったのか?それと時雨はどうした?」

吹雪「時雨ちゃんは店員に呼ばれて行っちゃいました。それと『僕が戻るまで絶対に寿司は食べるな!』って」

提督「はあ?なんだそりゃ?意味がわからん。ちょっと俺も行ってくる」

如月「それにしてもどうしたのかしら?」

吹雪「わかった!きっとお礼だよ!ほら、周りを見てみて?みんなお皿を取って食べてるもん!マナーを理解してるのは私達だけだから店員さんも嬉しかったんだよ!」

如月「成る程。それなら納得がいくわね」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:35:28.86 ID:cymYEJaj0
提督「……」

時雨「……」

如月「あら、お帰りなさい」

吹雪「それで何を話してたんですか?やっぱりお礼ですか!?もしかして感謝状とか貰えちゃったりするんですか!?」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:36:16.63 ID:cymYEJaj0
提督「……帰るぞ」

吹雪「えっ、何でですか?それに二人ともまだ全く食べてないじゃないですか?」

時雨「帰るって言ったんだよ!それから店にもちゃんと謝るんだ!」

吹雪「謝るって何を?なにか悪い事したかな?如月ちゃん心当たりある?」

如月「如月にも何が何だか……」

時雨「いいから言う通りにしてくれ!あと漣は絶対許さない!いや正直殺すまであるね!」

提督「し、時雨。あまり大きい声出すと周りの人にも迷惑だから……な?」

吹雪「?」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:37:51.80 ID:cymYEJaj0
如月「そう言うなら帰りましょうか。そうだわ、二人の分はこのパックに詰めて持ち帰りましょう。三パックまでなら無料らしいわよ」

吹雪「湯呑みも貰えるんだよね!」

時雨「頼む!頼むから君達はもう黙っていてくれ!」

吹雪「じゃあお会計だね。私が呼んでもいいかな?」

提督「まあ、それくらいなら……」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:38:31.71 ID:cymYEJaj0
時雨「提督!?何を考えているんだ!今までの流れからまともにできる訳が……!」

提督「そこのパネルに大きく会計って書いてあるんだから、押すだけだ。さすがに大丈夫だろ……大丈夫だよな?」

吹雪「大丈夫です!ちゃんと如月ちゃんから聞いてます!よーし、吹雪いきます!」

提督「……待て!待つんだ吹雪!何故そんなに気合いを入れる!?会計で意気込む必要なんてない……!」

吹雪「へい!大将!ごちそうさんでい!」

時雨「ああああああああ!」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:39:26.96 ID:cymYEJaj0
吹雪「……」

提督「普通に考えてもみろって。おかしい事ばかりだろ?そもそも、手を洗うにあれは熱すぎる」

如月「うう……」

時雨「あと何だっけ?回ってる皿から寿司だけを手掴みして、口の中に直接醤油をかけて食べる?残りの一貫は店員のために残す?それで粋と思いやりの心?」

如月「い、言わないでぇ……」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:40:20.62 ID:cymYEJaj0
時雨「どうしてだい?君が調べたマナーだろう?まだまだあったじゃないか。注文するには、テーブルの番号と注文の内容をメモ用紙に書いてレーンに流すとかさ」

吹雪「時雨ちゃん怖い……」

時雨「酷いなあ。僕はいつだって仲間には優しいよ。ねえ、漣?」

漣「そ、それは暗に漣が仲間じゃないと言ってる様に聞こえるんですが……」

時雨「誰が話して良いって言ったっけ?」

漣「ヒィ!ごめんなさいごめんなさい!」

時雨「その程度で済んでよかったね。提督に感謝しなよ」

如月(あれでこの程度って……)

吹雪(もし司令官が止めなかったら……)

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:40:55.03 ID:cymYEJaj0
鳳翔「お茶が入りましたよ」

提督「ありがとう」

鳳翔「大変だったみたいですね」

提督「かなりね……」

鳳翔「ふふっ、あの子達ったら随分と時雨ちゃんに絞られたようで」

提督「ああ、逆に俺の方は落ち着いたし、むしろ止めたよ。あのままだと本当に漣を殺しかねない勢いだったからな……」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:42:01.58 ID:cymYEJaj0
時雨「ところで提督、僕今回は頑張ったよね?」

提督「俺の言いたい事は大体言ってくれたしな。まあ頑張りすぎた気もするけど」

時雨「だったらご褒美が欲しいな」

提督「そうだなあ……まあ、できる範囲で頼むぞ?」

時雨「そんな無茶な事は言わないよ。それでね……お願いっていうのは、僕とケッコンしてほしいんだ!」

如月「そんな……」

吹雪「それはズルいよ!」

漣「そーだそーだ」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:42:39.76 ID:cymYEJaj0
時雨「……だけど二人の気持ちも良くわかるんだ。たった一つしかない指輪をこんな形で手に入れても、僕自身も含めて鎮守府の誰も納得できないだろう」

漣(……ん?二人?)

時雨「だから……これはあくまで告白するきっかけに過ぎない。提督、好きだ。僕でよければケッコンしてほしい」

提督「俺で、いいのか?」

時雨「むしろ提督以外考えられないね」

提督「……わかった。改めて言わせてくれ。時雨、俺とケッコンしてこれからも側で一緒に戦ってくれますか?」

時雨「……もちろん!」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:43:53.04 ID:cymYEJaj0
鳳翔「いいものを見させてもらいました。今晩はお祝いですね。おめでとうございます!」

吹雪「おめでとう!」

如月「おめでとう!」

漣「おめでとう!」

時雨「ありがとう!鳳翔さん、吹雪、如月!」

漣「……あの、時雨さん?」

時雨「……冗談だよ。ありがとう、漣」

漣「や、やっと許された!」

時雨「あっ、それとこれとは話が別ね」

漣「」

提督「これからも……ずっとずっとよろしくな時雨!」

時雨「うん!こちらこそよろしく!」

なお提督は五月雨とケッコンして終了

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/11/27(金) 15:45:37.33 ID:cymYEJaj0
終わりです
みんなかわいいくて困る
ありがとうございました