BlackBerry、捜査当局へのデータの垂れ流しを堂々と釈明
一番安全なはずでは?
「BlackBerry」というと、いまでこそ地に落ちたスマートフォンの巨大メーカーですけど、かつてはビジネスユーザーならばBlackBerryなる評判まで獲得し、その信頼性やセキュリティの高さが好評だった時代もありました。わざわざBlackBerryを選ぶ政府機関や大企業だって少なくなかったのです…。
ところが、このほどカナダでは、BlackBerryが当局の要請に進んで応じ、RCMP(Royal Canadian Mounted Police:カナダ騎馬警察)へユーザーデータへのアクセス権を提供していたことが判明。これにより、悪名高い犯罪組織の活動阻止につながったと報じられる一方で、いとも簡単にBlackBerryはユーザーのプライバシー保護を放棄するのかとの批判が高まっていますよ。アップルがFBIの要請をはねつけ、ユーザーのiPhoneロック解除に応じようとしなかったのとは対照的ですよね。
困難な状況下で正義をまっとうするうえで、BlackBerryは、法的かつ倫理的な範囲内で市民のために正義を貫くことをモットーとしてきた。テクノロジー企業は、まずよき市民として、合法的で理にかなった(ユーザーデータへの)アクセス要請に応じるべきだとのスタンスを、これまでもずっとBlackBerryが取り続けてきたことに間違いはない。
今回の件に関して、BlackBerryは、トップのJohn Chen CEO自らが、このような声明を発表。警察当局に提供されたのは、同社が堅牢なセキュリティを誇る「BES」のエンタープライズ向けサーバを介していない、一般ユーザーが送受信したメッセージデータへのアクセス権だったことを説明しています。ちょうどアップルが取ったiPhoneロック解除を拒否する姿勢をめぐる賛否両論が飛び交うなかで、あえてBlackBerryは、当局の要請に応じることこそ正義だと、アップルとは逆のスタンスを堂々と公表したかたちですね。
ユーザーの同意を得ることなく、捜査当局が何百万人ものBlackBerryユーザーのメッセージデータを裏でチェック可能なマスターキーが提供されてきたことに対し、なんの謝罪もないことに、すでに一部のユーザーは怒り心頭のようです。多くのテクノロジー企業がアップルの姿勢に賛同するメッセージを出しているなかで、これまたBlackBerryには業績回復を目指すうえで逆風とならなければいいんですけどね〜。
source: BlackBerry
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)