668 名前:大人の名無しさん[sage] 投稿日:2001/07/01(日) 12:44
十年前、学生生活を送ったボロ下宿を引き払った日のこと。
その下宿は当時でも稀なほどボロくて、貧乏学生が10人ほど住んでた。
俺の卒業時に残ってたのは6人。俺、同学年のOとM、イッコ上のKさんと
Tさん(ともに一回ダブり)、ニコ上のYさん(二回ダブり)。
最後の年は、なにかといえばこの6人でつるんじゃバカな遊びばかりしてた。
殆ど「馬鹿兄弟」の如き仲の良さで。
皆がそれぞれの行き先へ散っていった日のことはとても鮮明に覚えている。
まず「んじゃあ、行くわー」
と言って就職先の名古屋方面に車を走らせて行くO。
次に「嫌やなー…まだ居りたいわここ」
ブツクサ未練たらしく実家の京都に向かうM。
3番手「コケそうで怖ええよ」
バイクのアクセルふかしてYさん。…県の南端までその「布団袋」積んでく気
なんすか。バイクに。
4番手「家に着くまでに一泊しなきゃいけないの、俺だけ?」
…Tさん。東北まで、廃車寸前のマークⅡで下道つかうのなら当然です。
5番目は俺「Kさんまだ帰んないスか?」
Kさん「まだ荷物まとめてねえからさ、出発は夕方」
俺「あー、んじゃ、俺行きますね。…そんじゃ、また」
Kさん「うーい、気ぃつけてなー」
車走らせながらバックミラーでちらっと後ろ見た。Kさんは下宿をバックに
ずっと立ってこっちを見てた。カーブ一つ曲がって、Kさんも下宿も見えなく
なった。少し走ってから、パチンコ屋の駐車場に入って、車を止めた。
馬鹿みてえ、と思いながら我慢しきれずに泣いた。いろんなことが思い出されて、
お祭りが終わったのを知って、ハンドルにデコ押しつけてしばらく泣いてた。

…なんかスレの流れにそぐわない気もするけど、堪えきれない嗚咽がもれたのは
あのときが初めてだった。長文スマン。