モバP「加蓮ン!結婚しろオォ!!」バァン
P「だから…だから……!!」
加蓮「……うん、待ってて。すぐ、帰ってくるから」
P「…っ!!」
加蓮「大丈夫、貴方が育てたアイドルを信じて…?」
P「加蓮ーーーーーッ!!!!」
P「よもや恥骨を骨折とかいう恥ずかしい事態になるとはな……ムスコにパイプを挿れられ、看護婦の方々に弄ばれる日々も今日で最後と思うとなんとなく感慨深いな…まぁ今となってはこの調子なわけだけど」スタスタ
『出てってよ!』
P「よっこいしょっと。向かいの病室うるせーな……こちとら明日からプロデュース業に復帰だぞコノヤロー。今日まで静かに過ごさせてくれよ…」
ガラッ
『じゃあ…また明日来るわね』
『もう来なくていい!』
prrrrr
P「はい俺です」
ちひろ『退院おめでとうございます』
P「いやまだですけど」
ちひろ『あれ?』
P「………」
ちひろ『あ、あはは…間違い電話でしたー』
プツッ、ツー、ツー
P「そういえばちひろさんだけ俺の見舞いに来てくれなかったな……あのアマ…いや忙しいんだろうね、俺が抜けて事務仕事1人でしてるんだもん。きっとそうだよね!」
P(……………)
P「……MAX珈琲買ってくるか…」ハァ
P「………」
テーレッテレッテレー、ガコン
P「ん?なんだ1本当たりか?」
【昆布茶】
P「……………」
P(美味いのかなこれ……)スタスタ
「………」グスッ
P「おや?」
P(女の子が泣いている。……やれやれ、紳士の俺が声をかけるしかないか)
加蓮「……ほっといて」
P「」ティーーン
加蓮「…なに?」ジロッ
P「アイドルに興味無い?」
加蓮「……………はぁ?」
P「……渋い…」ゴクゴク
加蓮「…」ゴクッ
P「なぁ、マッ缶ってやっぱり美味しい?今からでもコレ(昆布茶)と交換しない?」
加蓮「ぷは……アンタがどっちかくれるっていったんじゃん」
P「そうだけど…」
P「まぁそうだよな。警察呼ばれることなんてしょっちゅうよ」ドヤァ
加蓮「ぷっ…なにそれ」クスッ
P「……マジでアイドルやらない?俺、今までに無いくらいティンときちゃったんだよ」
加蓮「んー、…………そこまで言うなら、考えとこうかな?」
P「えっマジで?」
加蓮「その代わりさ、話し相手になってよ。アンタが退院した後もさ…アタシ、暇なんだー」
P「そんな事でいいのか。アイドルスカウトする為ならスカイツリーまで追いかける男だよ俺は」
加蓮「ふふっ。じゃあ待ってるね、退院おめでと」スタスタ
P「いや、明日なんだけど……」
P「おはよーございまーす」
凛「おかえり。プロデューサー」
奈緒「もうち…恥骨?は大丈夫なのか?」
P「おう。なんなら触ってみるか。硬いぞー?」
奈緒「いいの?どこの骨だ?」
P「ここの」
凛「フンッ」
P「エ゛ンッ!」メコッ
凛「………」ジト
P「マジすんませんっした…」
P「えぇ。”今日”退院したのでそのまま来ました」
ちひろ「そ、そうですかー…」ダラダラ
P「あ、そういえば昨日は」
ちひろ「うっ」
P「わざわざありがとうございます」ニコッ
ちひろ「……え?」
凛「何かあったの?」
P「親切にも電話をくれたんだよ」
凛「へぇ…そうなんだ」
ちひろ「……」ホッ
P「あぁ。快気祝いにスタドリ10ダースもプレゼントしてくれるんだってさ」
ちひろ「!?」
P「あとエナドリもな。働き甲斐があるだろ?」
ちひろ「あの…」
P「あぁ、そうそう。もちろん栄養管理には気をつけるとも。アイドルと自分の健康管理ができないなんて、同僚が退院する日を間違えて電話することくらいありえないだろ?」ハハッ
ちひろ「」ドキィッ
P「そうですよね、ちひろさん!」ニコッ
ちひろ「……そ、そうですねー…体には気をつけてください…」
P「じゃあ、早速出るか!」
奈緒「おいおい、来たばっかりだろ?どこに行くんだよ」
P「どこって…俺はプロデューサーさんだぜ?」バッ
凛「…?」
P「アイドルの原石をスカウトしてくるんだよ。行ってきまーす!」
ちひろ「……」
P(流石俺、ちひろさんからたんまり巻き上げてやったぜ)
ちひろ(…たった2ダース分のドリンクだけで済むなんて…)クスクス
P「おっす」
加蓮「あ、遅いよ?罰としてあそこのお店のハンバーガー買ってきて」
P「……蒲焼きさん次郎でいい?」
加蓮「…なにそれ」
P「駄菓子」
加蓮「結構美味しいね、これ」
P「つーか俺の向かいの病室だったんだな。この前親御さんと喧嘩してただろ」
加蓮「げっ…聞いてたの?ヘンタイ」
P「盗み聞きしたんじゃないですー聞こえたんですー!」
P「うん?」
加蓮「スカウトしに来たんでしょ?話だけ聞いてあげるからアタシの話し相手になってよね」
P「聞くだけなのね。ちゃんと考えてくれよー」
加蓮「はいはい」
P「えーっと…北条加蓮、だっけ?」
加蓮「うん」
P「出身は東京で9月5日生まれの16歳…あ、俺と誕生日一緒じゃん乙女座か。あれ、3サイズは?」
加蓮「………」ジトッ
P「……はいごめんなさい。後でプロフもっかい渡すから書いといてね。勿論俺は見ないで回収するから」
P(凛に似たものを感じたなぁ…怖かった)
P「ネイルが趣味……へぇー」
加蓮「あのさ」
P「うん?」
加蓮「仮にアタシがその気になったら、アンタがアイドルにしてくれるの?」
P「まぁプロデューサーだし」
P「まぁ体力なんて後々考えるさ。大事なのは熱意とやる気だ」
加蓮「……そっか」
P「おっ?さては乗り気だな?」
加蓮「ちっ、違うから!ちょっと、どんなのかなーって考えてみただけ!」カァァ
P「興味を持つ事が第一歩だからな。逆に俺は相手に興味を抱かせたらそこからスカウト成立まで絶対に持っていけると確信してる」
加蓮「ふーん…アタシ、こう見えて手強いよ?」
P「ククク、俺にかかれば『木刀振り回して喧嘩三昧の元レディース』ですらエ口可愛いふわふわもこもこのコスプレでイベントに出させるからな。生半可じゃ無いぞ俺のプロデュースは」
拓海「へっくしょい!!」
加蓮「これは…DVDプレーヤー?小さいね」
P「中には俺がプロデュースしてるアイドル達の日頃の練習とLIVE本番の映像が入ってる。社外秘の資料だからな、お前以外の誰にも見せるんじゃ無いぞ」
加蓮「えぇ…アタシ完全に部外者だけど、いいの?」
P「そのうち部外者じゃなくなるし」
加蓮「…言うじゃん」
P「まぁ気が向いた時にでも見てくれ。気分転換がてらでもいい。お前がどう感じるかは俺にもわからん」
加蓮「……」
P「よし、俺のスカウトはこれで終わりだ」
加蓮「なーんだ、諦めちゃうの?」
P「違う違う、俺からは何も言わないって事だ。あとは加蓮が『私、アイドルをやりたいですぅ!ファンに夢を与えられるようなキラキラ輝くアイドルになりたいですぅっ』……って言うのを気長に待つさ」
加蓮「そんな事言わないってば!」
P「さぁ……どうだろうな?」ニヤニヤ
加蓮「っ…!」
P「じゃあ、何を話そうか?」
加蓮「へ?」
P「今日はスカウトもだけど、話し相手になる為にも来たからな。俺はこう見えて聞き上手語り上手だぞ?」
加蓮「…じゃあ、何か面白い話して」
P「いいとも。これはウチにNG…ニュージェネレーションってユニットができたばかりの話なんだが…」
P「それで…」
加蓮「っくく…嘘でしょ…?ふふっ…」
P「いや、その凛って女の子はまた面白いやつでな。実際にイヌミミをつけて事務所の壁を」
コンコン
「北条さん、検査の時間です」
加蓮「あ……はーい」
P「おう。じゃあまたな」
加蓮「帰っちゃうの?」
P「寂しいの?」
加蓮「違うって…はぁ…明日も来るんだよね?」
P「来るのは明後日からかなぁ。明日は母親の命日なんだ、墓に行かなきゃならん」
加蓮「…お母さん…亡くなってたんだ」
P「あー…俺が加蓮と同じ歳くらいの頃かな。つっても9年ちょっと前か、早いなぁ」
加蓮「…ごめん」
P「いや、大丈夫。…加蓮も早く良くなれよ?アイドルになってもらわないと俺が困るんだから」
加蓮「………うん」
コメント一覧
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- 2016年04月23日 22:00
- まさかの大作である
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- 2016年04月23日 22:02
- 凛は蹴ったりしません
-
- 2016年04月23日 22:13
- しきうざ
-
- 2016年04月23日 22:20
- だ、大丈夫。この加蓮エンドも結局は数あるサブヒロインのエンディングのひとつ。CLANNADの渚ルートのようにこのゲームのトゥルーエンドはちゃんとわた渋谷凛ルートに決まってる(震え声)
-
- 2016年04月23日 22:33
- 最近すっかり病弱キャラ薄れたけど、加蓮にはこういう危うさもあるんだよなぁ
-
- 2016年04月23日 22:47
- 久しぶりのこの作者のSS読めて良かった
なんだよ、泣くぞ
しきにゃんも良い子過ぎて良かった
-
- 2016年04月23日 22:50
- 軽薄短小っぽい台詞吐くな不味さがMAXのコーヒーばかり飲んでる阿呆にはもってこいの作風だな!
-
- 2016年04月23日 22:52
- あれっ、志希Pが発狂してない……?
-
- 2016年04月23日 22:56
- このしきにゃんはどっか行くのか残るのか…
-
- 2016年04月23日 23:08
- 志希に救いはないのか⁉︎
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- 2016年04月23日 23:08
- 「志希については安心するといい。彼女の幸せは、保証しよう(酷薄顔)」
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- 2016年04月23日 23:14
- この作者は良作と駄作の振れ幅が大きすぎる
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- 2016年04月23日 23:14
- しきにゃん自分で損な役回りなの自覚してるしいいかたひどいけどぶっ倒れた加蓮みたら間違ったことはいってないからなあ
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- 2016年04月23日 23:25
- ※2
絞殺は余裕でやってのけそうだけどな
-
- 2016年04月23日 23:27
- 志希がトンデモ薬作って病気治しちゃう展開かと思ったら最後までガチだった
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- 2016年04月23日 23:49
- ワイ加蓮P、大満足
こういうHP削りながらかろうじて立ってる感じほんと好き
しきにゃんが人の心のいらない部分まで見えちゃって苦しむのも好き
今度はしきにゃん大勝利で書いてくれよな!!
-
- 2016年04月24日 00:00
- ※3
何言ってんだよ
志希が一番の被害者じゃん
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