4月20日(水)、『KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR“10Ks!”』京セラドーム(大阪)のライブを見た。初回のナゴヤドーム(名古屋)と大幅な変更はないが、2回目とあってKAT-TUNのパフォーマンスに余裕と自信が感じられ、歌もよく声が出ていて一段とパワーアップしているように感じた。(ナゴヤレポートはこちらを参照)

トークも、自由に暴走しがちな亀梨と、口数は多くないもののユーモアのツボを心得た上田に対し、中丸がいじられ役やボケ役となり会場の笑いをとり、3人のカタチが出来あがりつつあるようだ。中丸が「いじられ役はイヤ」というと、「(いじられ役は)俺がやるよ」と亀梨、上田が言い、「じゃあ俺が」と中丸が続くと亀梨が「どうぞ」とつっこむなど、ダチョウ倶楽部のネタに似た展開も。MCの細かいことは決めていないと以前話していたが、息がぴったりでテンポよく進んだ。

また、亀梨がJr.時代に『Dream Boys』の舞台で大阪に来た時に、たこ焼きが楽しみだったという想い出話などが語られたり、アドリブと思われる中丸クリニックのコーナーはドラキュラに扮した亀梨が大阪弁で喋ったりと、大阪らしさが盛り込まれた。

以前に比べて返しも早く、話が広がりオチがつくなどMCが面白くなっているのは、人数が減ったこともあるが冠番組『KAT-TUNの世界一タメになる旅(TBS系)』で鍛えられたことが大きいのではないだろうか。

■熊本地震の募金箱と協力の呼びかけ

また、ライブの直前に起きた熊本地震の被害が続いていることから、Jonny’s Web(会員制、有料)の『KAT-TUNマニュアル』(担当順は亀梨)で、被災者を心配し気遣う言葉が伝えられていた。ライブ中には、中丸から「微力でも何かできないかと考えて、会場内やグッズ売り場の出入口に募金箱を設置した」と伝えられた。亀梨からは「ライブに集まれることが当たり前ではないとあらためて思いました。今日来られなくなった方もいると思いますが、僕たちが全力でひとつになって、ライブが終わったらお友達とかに分けてあげてほしい」と、上田からも、募金への協力を呼び掛けるコメントがあり、彼らのあたたかい気持ちが伝わった。

■大阪仕様の目覚ましボイスを収録

グッズのALARM CLOCKのアラームボイスの収録も、名古屋と違う、大阪ならではのバージョンだった。

中丸「うわっ!朝だー!起きろ起きろ起きろっ!うわっ。ヤバいヤバいヤバい!もう時間だって、おい!……起きてよ!起きてって!起きてよ!……いや、起きなくていい。寝よう。今日は寝よう。きーめた!今日は寝ましょう。おやすみなさーい、中丸雄一です」と、最後に名前を入れるところは名古屋と同じ。「起きて」より「起きなくていい」と言われる方が、起きなければという気分にさせられて、目覚ましとしては案外効果的かも?!

亀梨「なぁ、早く起きろや〜。遅刻すんでぇ。はよ…たこ焼きができるでぇ。もう、先に行ってもええか?じゃあ置いていくで。早く起きいやぁ。外で待ってるでぇ〜」と、正しいかどうか微妙な大阪弁に加えて、たこ焼きまで入れて収録。彼女に語りかける雰囲気はいつもの“亀梨系”。

上田は「いつもやったことがないこと、真逆のことをやろう」と前置きしてから、「おい……起きろって。朝飯できたぞ。おまえのために作ったんだからさ。掃除もしたよ。お前が起きて準備万端にしてるんだよ。早く起きろって……たこ焼き、冷めんだろうがぁ〜!」と、名古屋と同じ流れで優しい男から怒鳴りに変わるパターン。「いつもと真逆のこと」とは、料理も掃除もしないという意味だ。

3人声を合わせてのアラームボイスは、中丸のHBBから始まり、「KAT-TUNライブツアー“10Ks!” in 大阪、起きろー!」というシンプルなフレーズ。ここでも、上田は「英語っぽく言う?」と突飛なことを言ったり、録り直しになり直前に言ったばかりのセリフを「忘れた」と言ってブツブツ復唱したり、天然の可愛さでファンの母性本能をくすぐった。

ちなみに、中丸は普通の目覚まし時計で、亀梨は携帯のピピピッというアラーム音で起きるが、上田は「体内時計」で朝6時になるとピッと起きると話した(そういう正確な体内時計が欲しい)。

■最後の挨拶

新曲『君のユメ ぼくのユメ』に続く、3人からの挨拶の一部を紹介する。

上田「10年間いろいろあり、KAT-TUNという船から船員が、メンバーが抜けて、それと一緒に降りてしまったファンの方もいると思います。それでも、この記念すべきライブにたくさんの人が集まってくれたことに本当に感謝しています。5月1日、僕たちは覚悟をもって充電期間に入ります。充電期間といっても本当に充電している時間はないと思ってください。一緒に戦ってくれたらうれしいです。僕たちはやっぱり一番グループが大事です。だから僕たちメンバーがそれぞれソロで活動している時も、皆がひとつになって応援してくれることで、またKAT-TUNというグループが、船が動き出すと僕は信じています。そのために皆さんの力が必要ですし、僕たちももっともっと成長して、もっともっとたくさんの人たちを笑顔にできたらと思っています。だから、皆さん僕たちと一緒に戦ってください。あんまり待たせ過ぎちゃうと、皆さんの黄色い声が出なくなっちゃうからね……なるべく早く戻ってきます」と、しんみりムードから最後は笑いに変えた。名古屋同様、「戦ってください」を繰り返した。勝つために勝負するのが「戦う」で、困難な状況や弱い立場にある時に苦痛や障害に打ち勝とうと努力するのが「闘う」だという。上田のいう「たたかう」は、「闘う」を意味するのだろう。

亀梨「デビューして10年ですが、その前からずっとずっと長くメンバーと一緒のものを共有しながら進んできました。思いもよらないことが起きたりして、応援してくださるたくさんの皆さんを悲しませたり、心配をかけてしまった10年でしたが、こうして自分自身がKAT-TUNのメンバーとして、ここでこうして話せているのは、本当に皆さんのおかげで本当に感謝しています。やっぱり、こうして10年やってきて『KAT-TUNを好きな自分でいたい』ということを常に意識しながら歩んできました。でもちょっと弱気になりそうな時に、本当にファンの皆さんのおかげでKAT-TUNが好きな自分でいられたり、KAT-TUNに向き合える自分でいられたことに本当に感謝しています。ただ、10年を迎えて、もうひと旗あげないといけない時に、こうした自分たちの覚悟を皆さんに理解してもらうのはいろいろな意見があると思います。ですが、もっともっとKAT-TUNのメンバーとして、自分自身もこのグループに力を注いで、このグループに向き合えるパワーをためて、またこの船に乗りたいと思いますので、とにかくついてきてください。そしたらまた一緒にいろんな景色を見れるのかなぁと思うので、その思いだけは忘れずにまた今年一年を過ごしてくれたら嬉しいと思います」。言いたいことがたくさんあるのに、どう伝えていいのかひと言ひと言考えながら言葉にしていく印象。挨拶の前の『君のユメ ぼくのユメ』でも、サビの一部で感極まったような感じで歌えなかったフレーズがあった。『KAT-TUNを好きな自分でいたい』という気持ちを強くもっている亀梨にとって、KAT-TUNとしての活動を休止して充電することにどれだけ複雑な想いがあるか、はかりしれない。

中丸「ちょっと特殊な今年のツアーでいろいろ考えることがありましたが、ライブが終わって、あらためて皆さんに支えられた10年だったと思いました。振り返ると、皆さんに悲しい思いもさせてしまって、試練の多かった10年だと思いますが、その分学べたこともあると思っています。5月1日から充電期間に入りますが、今と変わらないモチベーションを持ち続けてしっかり活動していけば先は見えてくるかなぁと思います。一番心配しているのが、グループ活動がなくなると皆さんの前に立つ機会がやはり少なくなってしまうし、僕たちと皆さんのコミュニティが薄れていくのがすごく心配です。なので、Jonny’s Webや会報とかで、個々の活動を皆さんにチェックし続けてもらいたいし、その先にまた楽しいことができるようにという気持ちを僕らがもっていることを皆さんに忘れないでいてもらえたら、僕ら的には幸せだと思います。大阪公演、すごく楽しかったです。11年目もまたよろしくお願いします!」。 「いろいろあったけれども、学べたこともある」というのは、名古屋での「逆境に強いグループでもあるのかもしれない」と同じで、経験を前向きにとらえる強さが頼もしい。また、つながりが薄くなることを心配しているファンを思いやる言葉も、ファンに安心感を与えてくれたに違いない。

『KAT-TUN 10 TH ANNIVERSARY LIVE TOUR“10Ks!”』も、東京3daysのみとなった。ただの10年ではない、荒波に揉まれ沈没しそうな局面でも力を合わせて舵を切り直し、方向性を探り、エンジンを補給しながらの濃い10年間。中丸も語っているように苦境に立たされた分、成長してきたのは間違いなく、東京3daysも、全力の、迫力あるKAT-TUNらしいパフォーマンスが見られるだろう。

また、今回のツアーパンフレットは、10年の総まとめ的な内容。2001年のデビュー日の気持ち、今回のライブツアーについて、充電に向かう気持ち、メンバー脱退の時の感情を含めて、これまで雑誌で語られていないことも含めて本音で座談会形式や個人のメッセージとして語られている。これまでリリースしたシングル、アルバム一枚一枚についての3人のコメントも面白い。また、年表には脱退メンバーを含む6人の活動がすべて記録されている。写真集としても素晴らしい仕上がりになっている。想いがたくさん詰まっ、充電期間も何度も読み返したくなるハイフン必読の一冊だ。

(ライター:佐藤ジェニー)


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