凛「母の日の」桃華「決闘ですわ!」
薫「せんせぇ!『かたたたき』って、この漢字であってる?」
P「えっと、どれどれ…字が崩れ過ぎて『戸月叩き』になってるな。まだ習ってない漢字なんだから、無理して使わなくていいんだぞ、薫」
薫「んー…かおる、もう少しがんばってみる!」
P「薫は偉いなぁ!頭を撫でちゃおう」
薫「えへへー!あ、桃華ちゃん!おっはようございまー!」
桃華「おはようございます、薫さん。プラスチック製の安全なものとはいえ、ハサミを持ったまま余所見をするのはよろしくなくてよ」
薫「あ、そうだよね!気をつけまー!」
P「おはよう、桃華。薫はそれ、書き終わったら呼んでくれ。ミシン目カッターで一枚ずつ切り離せるようにしてやるからな」
桃華「薫さんは何を作ってらっしゃるの?」
薫「かたたきけん!」
P「肩叩き券、な。しかも10枚綴り。いやーほら、もうすぐ母の日だろ?お母さんへの、いつものお礼にプレゼントするんだってさ」
桃華「そうでしたの…ふふっ」
薫「?」
桃華「あ、いえ、その…決して薫さんを笑ったわけではないんですの。ただ、とても素敵だな、と思って」
薫「すてき?」
P「贈り物の価値は、それに込められた想いにある、ということか…いいこと言うじゃないか、桃華」
桃華「そ、そんな…頭を撫でられるほどのことでは…ふふふっ…」
桃華「…あら、この『歌のプレゼント券』も薫さんが作ったものでして?」
P「いや、それは俺が母の日に贈るプレゼントだ」
桃華「…え!?」
桃華「…えっと…そう、ですわね」
P「これも10枚綴りで、一枚につき一曲リクエストに応えるシステムだ。アカペラだけど、逆にそれが郷愁を誘うと思うんだよね」
桃華(郷愁というより哀愁ですわね…)
P「いい大人がこんなもの贈るのはおかしいかなーって不安だったんだけど、桃華のおかげで自信が持てたよ!」
桃華「それは…良かったですわ」
桃華(プロデューサーちゃま…余程お疲れなのかしら…しかし本気ならマズイですわ…)
桃華(通例、両家にご挨拶に行く場合、手土産の一つでも持参するもの。わたくしの両親に対する結婚報告は、プロデューサーちゃまに来るべき試練の一つ!しかし今のプロデューサーちゃまなら最悪、うまい棒のバラエティパック片手に結婚を申し込みに来かねませんわ!そうなれば婚約を認めてもらうなどとても…)
桃華(プロデューサーちゃまには櫻井家の跡取りになって貰わないといけませんもの。ここでプロデューサーちゃまの価値観を矯正する必要がありますわ…二人の未来のために!)
桃華「そういえば、今年の母の日のプレゼントはフラワーギフトが人気だそうですわ。プロデューサーちゃまはどう思います?」
P「まぁ、いくら豪勢な花束を用意したところでなぁ。やはり『手作り』というキラーワードには敵いませんよ」
桃華「プロデューサーちゃま、忙しくて時間が無いなら、何も手作りにこだわることはないと思いますの。店先で相手の喜ぶ顔を思い浮かべながらプレゼントを選ぶ。それは、とても素敵なことだと…」
P「…いや、金はかけたくてもかけられないんだよ。俺の財布の紐を握っているのは俺自身じゃない、ちひろさんだ…」
桃華「そ、そうですか…」
P「なるほど…桃華が言うと説得力があるな。よし、そうと決まれば植物採集だ!プロダクションから出た先、目についた野花を片っ端から摘んでやる!」
凛「甘いよ、プロデューサー」
P「急に現れるな、凛」
凛「プロデューサーがいるところに渋谷有り。私達の関係は、光と影、月と太陽、神とピッコロ大魔王、高橋朝雄の原作に対するちばてつやの『あしたのジョー』…もはやそういうレベルなんだよ」
P「そうなんだ…で、甘いって何が?」
凛「実家が花屋という商売柄、ときどき耳にするんだけどね。道端で摘んだ花が他人の私有地に咲いていたものだった場合、トラブルに発展してしまうケースは少なくないんだよ」
P「へぇ、じゃあ迂闊に花なんか摘めないな。あ、じゃあ夕美に分けて貰おう!きっとカーネーションも育ててるだろ」
凛「確かに、この前夕美のマイガーデンを見せてもらったけど、綺麗なカーネーションが咲いていたよ。でもプロデューサー、カーネーション栽培の難しさを知ってる?」
P「難しいの?」
凛「一年草…つまり植えてから一年で枯れちゃうことが多いと言われるし、花は虫が付きやすくて病気にもかかりやすいんだ。それでも夕美が目一杯注いだ愛情のおかげで一輪だけ綺麗な花を咲かせていたよ」
P「一輪…」
凛「日頃お世話になってるプロデューサーのためとなれば、良い子の夕美は躊躇うことなく差し出すだろうね。苦労して育てた、たった一輪のカーネーションを…」
P「…ダメだ、夕美に甘えることはできない」
凛「そうだね。そこで私からも提案。きっとプロデューサーのお母さん…いや、お義母さんも喜んでくれるプレゼントを考えたんだ」
桃華「今この方、義理の母と書いて『おかあさん』と読みましたわ!?」
凛「孫の顔、だよ…」
桃華「!」
P「いや、まず相手探しから始めないといけないんだけど…」
凛「相手なら探さなくてもここにいるよ、プロデューサー」
P「…凛」
凛「私の蒼空へと飛ばそう?希望の種…」
P「君がいればまた一つ花は咲く…か」
桃華「な、何の話をしてらっしゃるの?」
凛「桃華はまだ知らなくていいんだよ。そのまま綺麗に育ってね」
P「って何を馬鹿なこと言ってるんだ…実を言うと、もう頭が回らないんだ…もう三日もロクに寝てないからな」
凛「もう今日は帰って寝なよ」
P「そうだな…今日の仕事は粗方片付いたし、ちひろさんに相談して早退させて貰おう…」
凛「というわけで仕切り直しだよ、桃華。明日、プロデューサーに母の日の贈り物について、お互いにプレゼンテーションするっていうのはどう?」
桃華「そのプレゼンでプロデューサーちゃまの心を掴むことが、そのままお義母様の心を掴むことに繋がるというわけですわね。望むところですわ!」
薫「せんせぇ!かけたよー!あれ、せんせぇ?」
【翌日、決戦の日】
凛「今日は宜しくね、未央」
未央「事態がよく飲み込めないんだけど…とりあえずプロデューサーの母の日のプレゼントを考えればいいんだね?」
P「ああ。俺、どうかしてたよ…歌のプレゼント券って…」
凛「目が覚めたようで良かったよ。さて、そろそろ向こうも来る頃だね」
桃華「お待たせしました」
薫「おはようございまー!」
千枝「お、おはようございます!」
雪美「…P……おはよう…」
千佳「P君おはよー!」
凛「卑怯だよ、五人がかりなんて!」
未央「落ち着こうしぶりん、確かに五人いるけど全員小学生だから!」
桃華「助っ人を呼んではいけない、そんなルールありませんでしたわよね?だからそちらも未央さんを連れているのでしょうし…加えるなら、その人数も制限されていなかった!その気になれば、仕事中の若葉さん以外ならLMBGからまだまだ仲間を呼べますわよ!」
凛「くっ…これは強敵だね、未央!」
未央「いや、もう相手が残りの誰を呼ぼうと戦況が劇的に変化することは無いから!」
卯月「皆さん揃いましたね!今回の審判を務めます、島村卯月です!頑張ります!」
未央「見かけないと思ったらしまむー審判だったんだ」
未央「そこまで殺伐とする要素ある!?」
卯月「雪美ちゃん、このメリケンサックは没収させてもらいます!」
未央「思わぬところからホコリが出てきた!」
凛「それにしても数の利を取られたのは痛いね。少しでもこちらが有利になるように、ユニットの仲間である卯月に審判をお願いしたのは失敗だったよ」
未央「しぶりん一番卑怯じゃん!発想が小悪党のそれだよ!」
P「あ、ごめん。朝会議に間に合わなくなるんでお互い持ち時間5分に変更して下さい」
未央「もうグダグダになってきてるし!」
卯月「それでは先攻、後攻をコイントスで決めます!」
桃華「表ですわ」
凛「表で」
未央「そこは譲りなよ、しぶりん!」
桃華「…よし、表が出ましたわ!こちらから参りますわよ!薫さん、千佳さん、お願いします!」
千佳「P君、千佳のタンバリン聞いててねー!薫ちゃん、せーのでいくよー!」
薫「はーい!せんせぇ、かおるはドラムたたくからねー!」
凛「軽快なBGMを流すことによって、自分達に好印象を与える空間を作ろうというわけだね。バッファーを連れてくるとは…やるね」
未央「なんか解説始めちゃったよ…」
P「二人とも可愛いなぁ…」
未央「おぉ、かわいい小物入れだね!」
桃華「こちらは、わたくしが作りましたの!千枝さんにお裁縫を習いながらですが…」
千枝「これフェルトで出来てるんです。桃華ちゃん、とても頑張ったんですよ!」
P「へぇ、よく出来てるな。カーネーションを模した飾りまで付いてるのか」
桃華「ええ、実物が用意できなくても、これならカーネーションのプレゼントが出来ますの!」
P「良いアイデアだな…あれ?桃華、その指の絆創膏…」
桃華「!こ、これはその…あまり針の扱いには慣れていないものですから…間違って自分で刺してしまっただけで…」
P「大丈夫か?よしよし、痛かっただろう…」
凛「どれだけバフ付けてくるの!?こっちだって…未央、絆創膏持ってきて!」
未央「いや、『お裁縫中のミス』っていうのがポイントなわけで、ただダメージ痕残せばいいってもんじゃないからね!プラモじゃないんだから!」
P「しかし俺も裁縫が得意というわけではないからなぁ…こんな上等なもの作れるかどうか…」
コメント一覧
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- 2016年04月27日 19:54
- さて、ハーモニカを回収しに行くか・・・・・
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- 2016年04月27日 19:56
- 未央はツッコミの星の下に生まれた感ある
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- 2016年04月27日 20:03
- 桃華「デュ↑エルですわぁ!!」ノースリーブ革ジャンを着ながら
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- 2016年04月27日 20:08
- ボクの領域に招待するよ 父の日デュエルにね
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- 2016年04月27日 20:08
- イイハナシデヨカッタナー
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- 2016年04月27日 20:17
- プロデューサーってホイホイ女子アイドルの頭撫でてるけどいかんでしょ
今時教師だってそんなことしたらやばいぞ
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- 2016年04月27日 20:20
- 未央ォ!決闘開始の宣言をしろぉ!
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- 2016年04月27日 20:26
- フィールド魔法、スピードワールド2発動!
ライディングデュエル!アクセラレーション!!
凛・桃華「「決闘!」」
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- 2016年04月27日 20:31
- きらり「2体のモンスターときらりから溢れ出るハピハピを生け贄に、現れるにぃ☆地縛神 Ccapac☆Apu!!」
地縛神 Ccapac☆Apu「にょわー☆」
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- 2016年04月27日 20:36
- 決闘とはデュエルではないのか!?
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- 2016年04月27日 20:40
- 後にかつてのハーレム写真として親がテレビ出演したときに放送されるんだろうな
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- 2016年04月27日 20:48
- 凛ゲス「最高だよ、最高!」
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- 2016年04月27日 20:50
- 薫ちゃん最近俺が下手なおかげでデレステで出まくりだったから逆に肩たたきしてあげたい
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- 2016年04月27日 20:54
- みく「キャットビングだにゃ!私!!」
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- 2016年04月27日 20:57
- 僕も希望の種を凛の蒼空に着床さでたいです
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- 2016年04月27日 21:03
- 多々買いの殿堂に集いしP達が!
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- 2016年04月27日 21:03
- ホンマちゃんみおのツッコミは五臓六腑に染み渡るでぇ…
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- 2016年04月27日 21:11
- 決闘者の話ばっかしやがって!
お前らそれでもデュエリストかよ!?
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- 2016年04月27日 21:30
- ふーん、あんたがプロデューサーって?
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- 2016年04月27日 21:35
- ※19
ああ!それってハネクリボー?
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- 2016年04月27日 21:36
- もうちゃんみおの胃のライフは0よ!
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- 2016年04月27日 21:39
- 雪美ちゃんからは文香と同じ気配を感じる
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- 2016年04月27日 21:41
- 何度も何度も決闘とばかり…他の言葉を知らないのか?
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- 2016年04月27日 21:44
- リアリスト定期
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- 2016年04月27日 21:45
- 両親を喜ばせるには孫の顔、か・・・
桃華ぁ!両家の親を喜ばせる為にあのお城に行くぞぉ!
桃華は悦ばせてやるけどな!!
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- 2016年04月27日 21:51
- ちゃまがママになるんだよ!
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- 2016年04月27日 21:51
- ※25
罠カード発動!進入禁止!no entry!!
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- 2016年04月27日 21:55
- ※21
そうかぁ?最後のモノローグ未央のだよな?何だかんだちゃっかり自分もアピールしてるよな?
うづりんの荒波に揉まれても実に逞しく、したたかさんなんだよ未央は。
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- 2016年04月27日 22:09
- 決闘者が多いよハルトォォォォォォォォォォォォ‼︎
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- 2016年04月27日 22:12
- 我が※欄をデュエルスペースに書き換えたのだ…
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- 2016年04月27日 22:16
- ※30
低次元に消えろ!
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- 2016年04月27日 22:18
- 急に叫ぶ兄さんは嫌いだ・・・
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- 2016年04月27日 22:29
- ユッコに弟子入りしてサイコデュエリストになって愛用のワームデッキを使って美波んにダイレクトアタック(意味深)する!
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- 2016年04月27日 22:41
- 蒼いカレー♪
ネモフィラカレーって凛に似合わね?
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- 2016年04月27日 23:34
- あしたのジョーの原作は高森朝雄だ。梶原一騎の別のペンネームね。
まぁ重箱のすみツツキだが。
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- 2016年04月27日 23:49
- こういうしぶりん好き
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