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八幡
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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 15:48:04.79 ID:iEs4rrAn0

八幡「おかしい…これはおかしい…」

八幡「俺が…あんなにもらうとか…」

小町「お兄ちゃん?なにブツブツ言ってんの?」


八幡「小町か、お兄ちゃんちょっと悩んでるんだよ」

小町「悩み?」

八幡「聞いて驚くなよ」

小町「なに?」

八幡「バレンタインのチョコもらった」

小町「ふ~ん」

八幡「反応薄いな、おいっ」

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 15:51:38.61 ID:iEs4rrAn0
小町「結衣さん達からもらったのは小町知ってるし」

八幡「そういや知ってたか」

小町「ていうかチョコレートだっけ?」

八幡「まあ、細かいことはいいんだ」

小町「だからさ、あんまり驚かないというか」

八幡「小町聞いてくれ。俺の驚きはそこじゃないんだ」

小町「えっと…じゃあ何?」

八幡「いろんな女子からもらった…」

小町「え…うそ…」


八幡「バレンタインの日から日にちは空いたりしてたが…」

小町「そっか。よかったじゃん、お兄ちゃん」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 15:57:00.94 ID:iEs4rrAn0
八幡「なんかさっきから反応が意外だぞ、小町」

小町「そうかな?」

八幡「もっと「え~~!?信じられない!お兄ちゃんが!?」って言うと思った」


小町「う~ん、でもこの1年のお兄ちゃんの行動の成果だと思うし。小町は素直に嬉しいよ」

小町「よかったね、がんばった甲斐があったね」

八幡「小町…」

小町「ちなみに誰からもらったの?」

八幡「雪ノ下と由比ヶ浜以外では…まず、一色に川崎…」

小町「ふんふん、それで?」

八幡「折本になぜか平塚先生だな…」

小町「え…凄いね、そんなに貰ったんだ…」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 15:59:34.70 ID:iEs4rrAn0
八幡「俺、明日には死ぬかもしれん」

小町「ちょっと、縁起でもないこと言わないの」


小町「あと、小町もあげたでしょ」

八幡「そうだったな、ありがとな小町」

小町「どういたしまして、ていうかさもうすぐホワイトデーだよ」

八幡「ああ」

小町「ちゃんとお返ししなきゃね」

八幡「お返しか…」


小町「そういえば、お返しするの初めてじゃない?」

八幡「そうなるな」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:08:16.41 ID:iEs4rrAn0
小町「ちゃんとお返ししなきゃダメだよ」

八幡「わかってるっての」

小町「こういうの社会に出た時はかなり重要になるんだから」

八幡「俺より年下ですよね、小町さん」

小町「でも、お兄ちゃんより大人だから小町は」

八幡「…言い返せない」

小町「あと、大切な人には相応の物を渡さないと駄目だよ」

八幡「大切な人か…」

小町「お兄ちゃんにもいるでしょ?」

八幡「ま、そりゃあな」

小町「じゃあ、その人には形で返してあげなきゃね」

八幡「……」

小町(これは、お兄ちゃんにも春が来るかな?)

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:17:07.92 ID:iEs4rrAn0
デパート

八幡「さてと…来てみたのはいいけど」

八幡「普通にホワイトデーイベントで、陳列されてんのね」


八幡「値段はまあ手頃かな、これなら俺の小遣いでもなんとか…」

八幡「しかし、返す数が多いな」


小町『特別な人には特別なやつでねっ』


八幡「小町がやけに連呼してたな…」

八幡「特別なやつか…」


店員「特別な物をお探しですか?」

八幡「うおっびっくりした…!」

店員「すみませんお客様。ホワイトデーのお返しをお求めですか?」

八幡「はあ、まあ」


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:27:23.17 ID:iEs4rrAn0
店員「ならとっておきの物がありますよっ!」

八幡(俺は正直こういうのは初心者だからな…ここは流されるか)


八幡「どんなものなんですか?」

店員「当店のホワイトデーイベントは毎年やってますが…これは今年の目玉商品ですっ!」

八幡「これって…チョコレートですよね?…ハート型の」

店員「はい」

八幡「別に普通なんじゃ…」

店員「普通のチョコレートとは材料が全く違いますっ」

店員「見た目から味まで保証いたします!」

八幡「…確かに…作りとか、包装紙までこだわりが感じられますね…」

店員「でしょう?あとメッセージカード付きですから、大切な人へ大切な言葉と一緒に」

八幡「…」

店員「少々お値段はしますけど、いかがですか?恋人へのプレゼントとして人気ですよ?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:34:38.17 ID:iEs4rrAn0
八幡「そうですね、これください」

店員「ありがとうございますっ!」




店員「店長、あの目玉商品売れました」

店長「本当に?材料はいいけど、値段が張るから買うお客さん少ないんだけど、よかったよ」

店員「あはは、本当ですよね~」

店長「でも、あの値段でも買うなんて、その人も余程大切な人がいるってことだね。いいことだ」

店員「それはいいんですけど…さっきの学生っぽい人は…」

店長「ん?どうしたの?」

店員「実は……」


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10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:46:11.79 ID:iEs4rrAn0
ホワイトデー当日 学校


八幡「……」スタスタ

八幡(紙袋持ってくるとか…なんか慣れないことしてるな…俺は)スタスタ


結衣「ヒッキー、やっはろー」

八幡「由比ヶ浜か、よう」

結衣「今日もいい天気だよね~」

八幡「なんだよ、そのお決まりの話題は」

結衣「もう、ヒッキーのり悪いしっ、あれ?その紙袋はなに?」

八幡「ああ、これは…ちょっとな」

結衣「そう?」

八幡「悪い、用事あるから行ってくるな」スタスタ

結衣「あ、ヒッキーっ!」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:47:54.54 ID:iEs4rrAn0
生徒会室


コンコン

いろは「は~い、開いてますよ~」

八幡「お邪魔します」ガラガラ

いろは「あれ?先輩じゃないですか。かわいい後輩に会いたくなったんですか?」

八幡「ん?まあ、そんなところ

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:51:49.10 ID:iEs4rrAn0
いろは「え…先輩?そういうこと真顔で言わないでくださいよっ」


八幡「いつもの冗談なんだろ?」

いろは「じょ、冗談って言えば冗談ですけど…これは先輩がうろたえるから成り立つんであって」


いろは「真顔で答えられたら…その…」

八幡「…まあ、そんなことより」

いろは「えっ?いきなり話題変えるんですかっ?」

八幡「一色に渡すものがあるんだけどな」

いろは「え?なんですか?」

八幡「これだ」

いろは「これって…」

八幡「バレンタインのお返しだな、チョコクッキー」

いろは「ええ?いいんですか?」

八幡「そりゃ、お前から前にもらったやつのお返しだし。遠慮すんなよ」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 16:57:53.19 ID:iEs4rrAn0
いろは「あ、ありがとうございます…でもこれって…」

八幡「…あ、俺用事あるから、もう行くな」

スタスタ


いろは「あ、先輩っ!」

いろは「あ~あ、行っちゃった…」

いろは「えへへ、先輩のお返しか~でもこれって義理だよね、多分」

いろは「ま、しょうがないか。でも葉山先輩以来かも、お返しでこんな嬉しいのって」パクパク


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戸塚「八幡さ」

八幡「なんだ?」

戸塚「今日、ホワイトデーだね」

八幡「なんだよ急に」

戸塚「八幡はさ、返す人とかいるの?」

八幡「まあ、そりゃあ…」

戸塚「その紙袋見る限り、結構いそうだね」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:01:52.39 ID:iEs4rrAn0
八幡「うぐ…」

戸塚「さすが八幡。やっぱりモテるじゃない」

八幡「たまたまだっての」

戸塚「またまた、素直じゃないんだから」

八幡「戸塚は返す相手とかいるのか?」

戸塚「うん、同じ部活の子とかいるから」

八幡「そうか、じゃあ…」

戸塚「え?」


八幡「これ…」

戸塚「これって…チョコ?」

八幡「まあ、ゆ、友情の証だ」

戸塚「八幡…!」

八幡「受け取ってくれるか?」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:06:38.82 ID:iEs4rrAn0
戸塚「うん、ありがとうっ!大切に食べるねっ!」

八幡「俺だと思って食べてくれ」

戸塚「えっ?どうしたの?」


八幡「いや、なんでもねぇ」

八幡(あぶねぇ…なんかいけない一線を越えるところだった…)


結衣「…」ソワソワ

三浦「結衣~どうしたの?」

結衣「えっ?なにが?」

三浦「なんかさっきから、ヒキオの方見てない?」

結衣「そ、そんなことないよっ!?」

海老名「これはあれだね…恋の予感」

結衣「えっ?姫菜までなに言ってんの?」

三浦「結衣、動揺し過ぎだって」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:12:29.23 ID:iEs4rrAn0
海老名「優美子はあれだもんね~?隼人くんからお返しもらって上機嫌だもんね」

結衣「え、そうなんだ。よかったじゃん、優美子っ」

三浦「ちょっ…なに言いふらすかな…まあ、よかったんだけど…」


海老名「うふふふ、笑みがこぼれ落ちてますなっ」

三浦「なっ…!ちょっとあんた、こっち来なっ!」

海老名「きゃあ~~~っ!」


結衣「あははははっ」

結衣(ヒッキーは…お返しくれないのかな?)チラ


八幡「…」チラ

戸塚「どうしたの、八幡?」

八幡「川なんとかさんは一人で寂しそうだな」

戸塚「川崎さんでしょ」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:16:11.86 ID:iEs4rrAn0
八幡「ちょうどいいかな」ガタ

戸塚「えっ?八幡?」
g八幡「ちょっと行ってくる」


スタスタ


結衣(ヒッキーがこっちに来る…これってもしかして…?)

スタスタ

スタスタ

結衣(あれ?通り過ぎた?え…沙希のところ…)


八幡「よう」

川崎「なに?あんたから話してくるとかめずらしくない?」

八幡「ちょいと用事あんだけど、外に出ないか?」

川崎「?用事?いいけどさ…」

スタスタ

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:21:26.85 ID:iEs4rrAn0
結衣(あれ?二人で出て行っちゃった…)

海老名「心配って顔してるよ、結衣」

結衣「ええっ?なんのことっ?」


海老名「またまた、わかってるくせに」

結衣「う……」

三浦「あんな奴のなにがいいのか、本当にわかんないんだけど」

結衣「優美子…ヒッキーは」

海老名「大丈夫だって、優美子は皮肉ってるだけだし、本当はちょっとはヒキタニくんの良さわかってるって」

三浦「……」

結衣「…うん、ヒッキーは良いところたくさんあるよ」

海老名「これは…もう相当骨抜きにされてるね」

結衣「も、もう…!」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:27:56.09 ID:iEs4rrAn0
川崎「それで、話って?」

八幡「単刀直入に言うが、これだ」

川崎「これって…ちょ、チョコレート?」

八幡「おう…まあ、そんなところだ」

川崎「…ど、どういうつもり?」

八幡「どういうって?」

川崎「あんたって、ホントわけわかんないしさ…去年いきなり告白してきたりとか…」


八幡「バレンタインにもらっただろ、そのお返しだ」

川崎「お返し…それだけ?」

八幡「それだけって…まあ、そうだな」

八幡「こういうのは、今後重要になるって妹も言ってたしな」

川崎「妹…どんだけシスコンなのよ」

八幡「ブラコンに言われたくねぇ」

川崎「言うと思った」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:31:15.20 ID:iEs4rrAn0
八幡「受け取ってくれるか?」

川崎「これって安物?」

八幡「そんなに高くはって、何言わせるんだと」

川崎「冗談、値段なんていけど…ありがと」

八幡「おう、それじゃな」スタスタ


川崎「なんだか味気ない…本命じゃないか…」

川崎「このチョコも、綺麗だけど小さいしね。形も普通っぽいし」

川崎「でも…ありがと、比企谷」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:34:53.17 ID:iEs4rrAn0
戸塚「話は終わったの?」

八幡「戸塚…見てたのか?」

戸塚「偶然だよ、だって八幡、あんなに堂々と連れ出すしさ」

八幡「まあ、話は終わった」

戸塚「八幡って、けっこう罪作りかもしれないね」

八幡「…言うなよ」

戸塚「あ、なんだ気づいてるんだ?」

八幡「勘違いだったらあれだから、これ以上はいいだろ」


戸塚「うん、そうしよっか。でも勘違いじゃないと思うよ」


八幡「…」

戸塚「次が凄く重要な選択…なのかな?」

八幡「……」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:42:10.93 ID:iEs4rrAn0
奉仕部

雪乃「…」

結衣「……」


雪乃「由比ヶ浜さん」

結衣「は、はい」

雪乃「あの…比企谷くんは?」

結衣「さあ…トイレ行ってから来るって言ってたけど…」

雪乃「そう」

結衣(…駄目だ…お返しが気になってしょうがないよ…)


結衣(今のままでいようって言ったのはあたしなのに…)

雪乃「ねえ、由比ヶ浜さん」

結衣「な、なに?」

雪乃「今日はホワイトデーね」

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:44:34.70 ID:iEs4rrAn0
結衣(…ゆきのんも気にしてる?)

結衣「そ、そうだね…それで?」


雪乃「今日はその…あれの日だから…」

雪乃「どういう結果になってもしょうがないんじゃないかしら?」

結衣「ゆきのん…それって?」

雪乃「恨みっこなしというのはどう?」

結衣「ゆきのん…」

雪乃「…」

結衣「うん、もちろん恨みっこなしだよゆきのんっ」

雪乃「由比ヶ浜さん…よかった」


ガラガラ

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:51:14.57 ID:iEs4rrAn0
八幡「お、おう…」

結衣「やっはろーっ」

雪乃「遅かったわね」


八幡「ま、まあちょっとな…」

結衣「あれ?座らないの?」

八幡「お、おう…えっとな」

雪乃「比企谷くん、その紙袋はなに?」


八幡「…お前らに渡す物があってさ」

結衣「!」

雪乃「…!」


八幡「はい…これ」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 17:55:51.85 ID:iEs4rrAn0
雪乃「これは…?」

結衣「ミルフィーユ?」

八幡「ひと箱に何個も入ってるから…まあ、適当に分けてくれ」


雪乃「…」

結衣「ヒッキー…」

八幡「な、なんだよ…?案外高いぞ?まあ、あれに比べれば微々たるもんだが」

雪乃「そういうことを言ってるんじゃないでしょ」

結衣「そうだよ…二人で一つとか…なんかさ~」

八幡「俺なりに考えた結果なんだけどな…」

結衣「ヒッキー?」

雪乃「…まあ、比企谷くんらしいといえばいいのかしら?」

結衣「うう~これだと恨みっこなしっていうか…」

雪乃「痛み分けかしら?」

結衣「は、恥ずかしい……」

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:00:56.89 ID:iEs4rrAn0
八幡「おい、俺を差し置いて話進めるなよ」

雪乃「なにを言ってるの?どうせ、あなたは他にも渡してるんでしょ?」

結衣「沙希とか」

八幡「み、見てたのかよ…」

結衣「やっぱり…ヒッキーのバカ」

八幡「バカとか言うなよ…」

雪乃「ありがとう、うれしいわ、比企谷くん」

八幡「おう」

結衣「ありがとね、ヒッキーっ!」

八幡「ああ」


雪乃「来年は卒業だし、ちゃんと答えを決めてくれると信じてるわよ?」

八幡「え?な、なんですか…それは?」

結衣「待ってるからね?ヒッキー?」

八幡「なんか目が笑ってませんけど…二人とも…」

雪乃「それじゃあ、早速いただきましょうか」

結衣「うん、いただきま~すっ」

八幡「か、帰ろうかな…」

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:09:42.87 ID:iEs4rrAn0
それから 放課後の繁華街


折本「ていうかビックリした。比企谷から連絡来るとか」

八幡「正直迷ったけど、今日渡しておこうって思って」

折本「ああ、チョコ?ありがと」

八幡「早っ、しかも普通だな」

折本「いや、もう慣れてるし。こんなことにドキドキする年齢でもないでしょ」


八幡「ああ、そうですね」

八幡(俺、めっちゃドキドキしたんですけど?)

八幡「これだ」

折本「ていうか比企谷、キョドってるし…ウケる…あははっ」

八幡「おい…」

折本「あははっ、ごめんごめん。へぇ~、クッキーじゃん」

八幡「おう、まあ無難なところだろ?」

折本「中学の時はわたしに告って来たのにね、これって義理の定番じゃん」

八幡「まあな」

折本「あはは、ウケるし。やっぱ、同じ部活の子には本命渡したの?」

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:13:55.25 ID:iEs4rrAn0
八幡「いや…まあ、間違ってもないが」

折本「あれ?どういうこと?もしかして決めかねてる?」

八幡「…」

折本「まあ、二人とも可愛いもんね~」

八幡「…」

折本「冗談だって、結構悩んでるんだ?」

八幡「まあ、そんなところだな」

折本「ふ~ん、贅沢な悩みな気もするけど…そんな悩み持てるようになったんだ」

八幡「おかげさまで」

折本「やっぱ比企谷って変わったよね?今度同窓会とか行かない?」

八幡「…行かない」

折本「あ、残念」

八幡「すまん、折本。俺、この後用事があるから」

折本「あ、そうなんだ?じゃあ、またね」

八幡「おう、またな」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:18:57.72 ID:iEs4rrAn0
ラーメン屋

八幡「先生…」

静「なんだ、比企谷?」

八幡「ラーメンに呼んだんですか?」

静「ああ、偶にはいいだろう?」

八幡「まあ、いいんですけど…なんていうか…」

静「ん?なんだ?」

八幡「気分もへったくれもないというか…」

静「だからどういうことだ?」



店員「今頃渡してるんですかね~?」

店長「かもしれないな。ははは、青春じゃないか」

店員「いやいや、先生に渡すって言ってましたけど…驚きましたよ」

店長「君の話では、高校生に見えたらしいな?じゃあ、禁断の恋か…」

店員「多分、違うでしょうけどね」

店長「いずれにせよ青春っていいよね、はっはっは」

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:23:11.70 ID:iEs4rrAn0
静「ぶはっ!ごほ…ごほ…」

八幡「平塚先生…大丈夫ですか?」

静「比企谷…お前…これは…」

八幡「まあ、お返しのチョコですよ」

静「そ、そうじゃなくてだな…あ、あの…この形は…しかもなんだこの高級そうなチョコレートは…」

八幡「ま、まあ…俺の気持ちというか…」

静「お、おまえ…それは…こんなところで…!」


八幡「俺の感謝の気持ちというか」

静「ん?感謝の気持ち…?

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:26:55.68 ID:iEs4rrAn0
八幡「色々先生にはお世話になりましたし」

静「そ、そうか…?うん?」

八幡「奉仕部に入部させてくれたのも…今では感謝してます」

静「比企谷…君からそんな言葉が出てくるなんてな」

八幡「あの二人に会えて…よかったって思えてますし…まあ」

静「…雪ノ下と由比ヶ浜か」

八幡「そ、そうですね…」

静「それはあれか?また婚活失敗した私に対する当てつけか?」

八幡「違いますよ…」


静「はは、まあこのチョコレートはありがたく受け取っておく。ありがとう比企谷」

八幡「いえ」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/03/16(水) 18:33:50.24 ID:iEs4rrAn0
静「それと、君は早く付き合う相手を決めたまへ」

八幡「な、なんですか…いきなり…」

静「雪ノ下と由比ヶ浜、どちらが本命なんだ?ん?」

八幡「……」

静「黙るな、どうせ君のことだから今回は同じ物を渡したんだろ?」

八幡「う…そうですけど…」

静「全く…君は」


八幡「でも…来年のホワイトデーには…決めてるはずです」

静「ほう、随分と余裕の発言じゃないか」

八幡「本気ですよ、俺だって」

静「そうか、まあがんばりたまへ」

八幡「はい」


八幡(まだ一年もある…あいつらが離れる可能性は大いにあるが…)

八幡(俺の心が離れることはないだろう、本物欲しいとかも言っちゃったしね…)

八幡(願はくば…奉仕部の関係が末永く続くことを祈るばかりだな)


おしまい