転載元:姉「え…?なんか天井低くない…?」

1: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)21:48:19 ID:P0N

姉「気のせいかな?前より低くなってるような」

ミシミシ…

姉「ううん、やっぱり低くなってる!」

姉「この真上の部屋は確か…」

姉「男くんの部屋?」







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2: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)21:51:38 ID:P0N

幼馴染「お姉さーん、おはようございます!」

姉「あ、いらっしゃい幼馴染ちゃん」

幼馴染「いったいぜんたいそんなとこで突っ立って何してるんですか?」

姉「うん。いまふと思ったんだけど…」

幼馴染「はい」

姉「私んちの天井…低すぎ…?」




11: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)21:56:42 ID:P0N

幼馴染「い、言われて見れば確かに。なんか下がってきてるような。確か上の部屋は男くんの部屋ですよね」

姉「うん。…今日も男くんに学校行こうって誘ってくれに来たんだよね?ありがとうね、幼馴染ちゃん」

幼馴染「やははー、あたしが好きにやってるんでお気に為さらず」

姉「幼馴染ちゃん…」




14: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:01:55 ID:P0N

幼馴染「それにお姉さんのご飯もいただけますしね!」ガツガツ

幼馴染「あっ…このカレーうまっ…うま…」

姉「おかわりもあるよっ。遠慮しないでいっぱい食べてね?」

ミシミシ…ミシミシ…

幼馴染「…ケプゥ」

幼馴染「はぁー美味しかった。あれ?」

幼馴染「天井…さっきよりまた低くなってません?」

姉「!?」





16: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:02:55 ID:l1o

こえーよwww




18: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:05:54 ID:P0N

姉「ふぇ…ヤバイよヤバイよ…最初に見たときより五センチは下がってる…!」

幼馴染「あ、そういえば桜の花びらが落ちるスピードって秒速五センチらしいですよ」

姉「いまそんなことどうでもいいよぉ!」

幼馴染「…すんません。無神経でした」

姉「もう私の頭のてっぺんが擦れそうだよ…」




19: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:12:00 ID:P0N

幼馴染「…あ、あたし学校行きますね!」

姉「ちょ、ちょっと待ってよぉ!」ガシッ

幼馴染「 わっ!離してくださいよ!」

姉「一緒に男くんの部屋まで行こうよ!ね!?それに学校行こうって誘いに来たんでしょ!?」

幼馴染「お姉さんの飯食いにきたんですよ!」

姉「薄情もの!」

幼馴染「そ、それに朝練あるから」

姉「…ふーん。何部?」

幼馴染「エイケン部です」

姉「嘘だよね。一緒に男くんの部屋行こうね」ズルズル…

幼馴染「やだぁ…」




20: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:19:21 ID:P0N

姉「ここだね」

幼馴染「なんかドアが歪んでるような気がしますよ…」

姉「お、男くーん?起きてるー?」

幼馴染「男ー!とっとと起きてくださいよー!」

姉「…んー、寝てるのかな?幼馴染ちゃん」

幼馴染「なんですか?」

姉「ドア、開けて」

幼馴染「お姉さんは?」

姉「大丈夫、下がっとくから心配しないで」

幼馴染「……」




22: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:23:44 ID:P0N

ミシミシ…

幼馴染「うぅ…」

姉「……」ドキドキ

幼馴染「まぁお姉さんにはいつも世話になりっぱなしだし…それに…久しぶりに男の顔見れるし…」ボソッ

幼馴染「えぇい、腹は括りましたよ!」

姉「覚悟のススメ!」

幼馴染「覚悟完了ッ!」




23: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:29:26 ID:P0N

ガチャガチャ!

幼馴染「あ、あれ?」

姉「?…どうしたの?」

幼馴染「このドアノブ…回らないですよ!?」

姉「えぇ?まさか…」

幼馴染「開かずの扉ですからねぇ。錆び付いてんじゃないですか?」

姉「まさかー」

幼馴染「お姉さん試しにやってみてくださいよ。握力には自信あったでしょ。克己がピクルに負けたときチャンピオン紙切れみたいに割いてたじゃないすか」

姉「も、もう女の子だから気にしてるのにぃ…」

ミシミシ…ミシミシ…ミシミシ…




26: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:37:27 ID:P0N

姉「男くーん?開けるからねっ」

ガチャガチャ…!

姉「ううっ…!か、かたいよぉ…!!」

ミシミシミシミシ…!

幼馴染「(ドアの裏側に何かある?いや、丸いドアノブがタンスか何かあったところで全く回らないなんてありえない…まして、お姉さんが回してるんだし)」

幼馴染「もしや男…起きてます?」

姉「!」

姉「わ、分かった!逆側から回してるんだね!?男くんったら!絶対に開けるからね!!」

ミシミシミシミシミシミシミシミシ!!!!




28: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:45:20 ID:P0N

バキ!!!!!!

姉「はぅ…」

幼馴染「うわっ!ドアノブとれた…」

姉「や、やばいよぉ…お父さんに怒られちゃうぅ…」フルフルフルフル

幼馴染「そ、そんな木曜日のフルットばりに震えなくても…」

姉「うちのお父さん怖いもん…」

幼馴染「あー厳格そうですもんね。ん…ドアノブの鍵穴から何か出てきましたよ!?」

ドロォ…!

姉「ひ、ひぃ!何これぇ」

幼馴染「クンクン…半透明のクラゲみたいな…無臭ですねぇ」

姉「気持ち悪いよー」






29: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)22:52:21 ID:P0N

幼馴染「(無臭でかなり固め…寒天っぽいな。ア、アレじゃあるまいしなんだろこれ)」

姉「結局中がどうなってるかなんで天井が低くなってるか謎のままだよ…」

幼馴染「まぁまぁ、手掛かりは掴めましたよ。この半透明の寒天みたいなやつ、科学部の奴等に解析させますんで」

姉「幼馴染ちゃん…!夕御飯もきていいよっ」

幼馴染「やりぃ」





30: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:03:02 ID:P0N

学校――

幼馴染「頼みますよ〜」

科学部「はい、任せてくださいよ幼馴染さん」

幼馴染「報酬はこのお姉さんの生写真と電撃ピカチュウ全巻セットです」

科学部「!…すぐに分析しますんで!分かったらお知らせしますよ!」

幼馴染「ま、お願いしますね」




32: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:11:24 ID:P0N

幼馴染「ふぅ〜まったく世話の焼けるお隣さんですよ。今週のチャンピオンでも読むか…」ペラ…

女「世話の焼けるお隣さん…て男くん?」

幼馴染「えぇ、まぁね。うわ…ガイア負けた…」ペラ

女「男くん…去年の今頃は登校してたのにね」

幼馴染「えぇ、ですね。うわ…パンモロじゃん…」ペラ

女「……」

幼馴染「…気にしなくていいと思いますよ」

女「うん…でも、私が原因…だよね」

幼馴染「ハハハ、まさか。たかがフったぐらいで」

女「……」

幼馴染「あいつ、メンタル弱いとこありますけど、またひょこっと来ますよ。ね?」

女「うん…ありがとう」




33: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:20:57 ID:P0N

科学部「幼馴染さん!」

幼馴染「遅かったですね」

科学部「す、すみません」

幼馴染「チッ…そんなんじゃ囚人リクだと地獄島行きですよ?それともG組堕ちしたいんですか?ん?」

科学部「い、いや…なんか機嫌悪くないですか?」

幼馴染「…別に。まぁ、いいでしょう。それで結果は?」

科学部「えぇ。分析の結果あれは――」




34: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:26:11 ID:P0N

姉宅――

姉「いらっしゃい、幼馴染ちゃん!」

幼馴染「どうも」

母「あら幼馴染ちゃん。こんにちは」

幼馴染「あはは、どうもこんにちは。いつもすみませんね」

母「全然いいのよ。遠慮しないでいっぱい食べてね。ねぇ?あなた」

父「……」




36: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:41:51 ID:P0N

姉「お、お父さん…こっちの私が作ったんだよ」

父「……」ペラ…

姉「めかぶ…パックのやつだけど身体にはいいから…」

父「アホウが……」モグモグ

姉「(よかった…もう怒ってないみたい…)」

幼馴染「んまっ…んまっ…このTボーンステーキなんか絶品ですよ!」ナポ…モニュ…

母「デザートもあるわよー」





37: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:50:37 ID:P0N

父「…幼馴染よ」

幼馴染「あ、はい。なんすか」

父「ただ飯を食いに来ただけでもあるまい」ニィィ

幼馴染「あはーお父さんには隠し事は出来ませんね」

父「フッ…」エフッエフッ

幼馴染「実は私は――」




38: 名無しさん@おーぷん 2016/01/14(木)23:53:58 ID:P0N

父「成る程…だいたいの事情は分かった」

母「確かに、天井が独歩の株ばりに下がってるわね…」

姉「うん…」

幼馴染「それでですねぇ。分析の結果、その今朝採取した半透明の白いブヨブヨは……」


幼馴染「『デンプン』だったんです」

姉「デンプン…?」




39: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:01:23 ID:poA

姉「ど、どういうこと?デンプンって?」

幼馴染「それが謎なんですよねぇ」

姉「謎が謎を呼ぶね…」

母「やっぱりその開かないドアを開けるしかないみたいね」

父「願ってもない…」スタスタ





41: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:07:48 ID:poA

ミシミシミシミシ…

姉「な、なんかドアが丸く突き出てるような…」

幼馴染「いまにも破れそうですね」

母「でも大丈夫?ドアノブなら直したけど…」

父「……」スゥ

父「邪ッッッッ!」ガチャガチャガチャ!!

姉「お父さん頑張って!」

父「!……!!……」

父「……」

姉「お父さん…?」

父「…寝るぜ」スタスタ

姉「え…?」





42: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:12:08 ID:poA

姉「お父さん…」

母「開けられなかったのね」

幼馴染「心なしか背中が寂しげですねぇ」

姉「なんかショック…」

母「でももうどうしようもないわねぇ」

幼馴染「厳重にクローズされてますからねぇ。いっそバチバチぶつかっていくのもアリかもしれないです」





43: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:15:29 ID:poA

幼馴染「ということで、お願いしますねお姉さん」

ミシミシミシミシ…

姉「うう…やっぱり私なのぉ」

幼馴染「父を越えるのが夢なんでしょ」

姉「別にそうでもないよぅ」

母「頑張って!幼馴染ちゃん、私たちは危ないから離れてましょ」

幼馴染「はい」

ミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシ…!!!




45: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:21:15 ID:poA

姉「ふ…んっ…!!」グググ…!

ガチャガチャガチャガチャ!!!!!

幼馴染「おお…回ってませんか?」

母「えぇ。ゆっくりだけど」

姉「んん…っ!」

ミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシミシ!!!

ピキ…

ピキピキ…

幼馴染「!」

幼馴染「いけない!お姉さん離れ――」





46: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:30:02 ID:poA

姉「にゃあらァー!!」

ガチャ――――

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!

姉「いやぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

幼馴染「(白い…塊…!?)」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

幼馴染「(ヤバ……呑まれ……息……死……)」

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…




47: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:35:54 ID:poA

「――ちゃん!」

幼馴染「ん…」

姉「幼馴染ちゃん!」

幼馴染「…お姉さん?ここは…どこです?なんか白い洞窟みたいなとこですけど。一体何が…」

姉「……」

幼馴染「ん…この臭い…」クンクン…

幼馴染「うぼえぇぇぇぇぇぇ!!クッサ!!!」ツーン

姉「じきに慣れるよ…」





49: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:40:55 ID:poA

幼馴染「ゲッホ!ゲッホ!これは…ティッシュですかまさか!?」

姉「うん…このティッシュが生臭い異臭の原因みたい」

幼馴染「……これは」

姉「何か分かるの?」

幼馴染「い、いえ。分からないっす」

姉「そっか。多分、ここは一階のリビングだと思う。私も気絶してたからどこまで流されたか分からないんだけど」

ザクザク

姉「見てっ!ティッシュを掘ったら下はフローリング!家の外まで流されてはないみたい!」




51: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:48:58 ID:poA

姉「よいしょ、よいしょ。ほら、幼馴染ちゃんも掘り進むの手伝って!」

幼馴染「う、うん…」

姉「!…このフローリングの傷は見覚えある!やっぱりリビングだね!」

幼馴染「お父さんとお母さんはご無事なんですか?」

姉「さっきまでは連絡とれたんだけど…電波が悪くって。お母さんは外まで流されたみたい。お父さんは連絡つかなくて…」ジワァ

幼馴染「えぇ…」




52: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)00:54:47 ID:poA

ガツッ

姉「よし、食器棚に到着っ」

幼馴染「食器棚?二階に続く階段とは逆じゃないすか」

姉「えとね…」ガサゴソ

姉「はい、ライト!」

幼馴染「おお、確かに携帯の明かりでは暗いですからね」

姉「えへへ、自信の備えだよ。ほら、備えあれば嬉しいなって言うじゃない?水と食糧もあるよ!」モグモグ

幼馴染「お姉さんはおバカだけどいい人っすね…でも食欲わかないです…」




53: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:03:51 ID:poA

幼馴染「ん、待てよ!リビングの食器棚の脇には窓があったはず!」ザクザク

幼馴染「外は……!?」

幼馴染「ティ、ティッシュで見えない…!?」

姉「…お母さんの話だと、少なくとも駅前まではこんなんなってるみたい。お母さんは駅前まで流されたみたいだから」

幼馴染「いや、いや…ありえないでしょ…あたしの家…」

ザーザー…!

ラジオ『突如〇〇市の3分の1が白い謎の……ガガッ専門家の間では……政府は緊急措置として……付近の住民は……ガガッ……ザーザー……』

幼馴染「」

姉「こんな大事になるなんて…!」

幼馴染「やだぁ…嘘でしょさすがに…やだぁ…」グスグス




55: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:12:13 ID:poA

姉「泣いたって仕方ないよ…行こっ!男くんが一番危ないんだから!」

幼馴染「むしろ男が原因なんじゃないですかねぇ」グスグス

姉「そんなことないよ…い、いまは引きこもっちゃったけど本当は明るくて優しくていい子なんだから!人様に迷惑をかけるような子じゃないよ!」

幼馴染「自治体レベルで多大な迷惑おかけしてるじゃないですかぁ」グスン

姉「も、もう!幼馴染ちゃんなんて知らない!」

ザクザクザクザク!

幼馴染「あ、一人で行くと危ないっすよ!」

ザクザクザクザク!

姉「男くんは優しい子…こ、こんなティッシュの津波の原因なんかじゃないんだから…!」




56: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:19:55 ID:poA

姉「はぁはぁ…上へ続いてる…二階への階段だね…」

ザクザクザクザク…

ザクザク…

ガツッ

姉「ドアが開いてる…男くんの部屋に入るの一年ぶりだよ」

幼馴染「お姉さーん!一人じゃあぶないっすよ!」」

姉「!…あ、危なくないったら!!男くんは…いい子だもん!」

姉「…戻るんだ。またみんなでご飯食べてテレビ見て、そんな当たり前の毎日に!」

ザクザク――


幼馴染「うぅ…速すぎる。ある程度掘り進めてくれてるから楽だけど」

ザクザク…ガツッ

幼馴染「ん…こ、これは!」




58: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:23:12 ID:poA

姉「わわ、急に開けた場所に出たよぉ」

姉「男くんの部屋だ。テレビもあるし、ドリキャスもセガサターンもある。間違いなく男くんの部屋だ!」

姉「でも、静か…男くん?いるの?いたら返事して!!」

――姉ちゃん

姉「この声…!男、くん…?」





60: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:28:50 ID:poA

姉「男くん!男くんはこの災害の犯人じゃないよね!?」

姉「男くんは何もしてないよね!?」

――……

姉「そうだよね。私は分かってるから…」

――……

姉「だから、姿を見せて?また家族みんなで仲良く……」

――それは出来ない

姉「え…」




――それより、よくも俺の部屋に入ってくれたな…

ミシミシミシミシ…!

姉「お、男…くん?」





62: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:34:29 ID:poA

姉「い、いや…何を言ってるの?私はお姉ちゃんだよ?」

――おうご存知だよ

ミシミシミシミシミシミシ…!!

姉「て、天井が…!?」

ミシミシミシミシミシミシ!!!

姉「な、なんでこんなことするの!?いったい何が…!」

――復讐だ

ザッ…!

幼馴染「そこまでです」

姉「幼馴染ちゃん…!」

――幼馴染か……




63: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:38:36 ID:poA

幼馴染「ふぅ。全て繋がりましたよ」

姉「な、何が」

幼馴染「この大量のティッシュの正体…今朝、ドアノブからまろびでた寒天のような物体…と、何故これだけ生産できるのか」

姉「ど、どういうこと?」

――ほう




64: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:50:40 ID:poA

幼馴染「これです」バササッ

姉「女の子の絵の、なんかのパッケージ?Amazonの領収書…それとノート…?」

姉「『最高のオナホールの作り方』?」

幼馴染「えぇ。オ、オナホールのパッケージ…数点発掘しました。それから、そのノートの中身にはこの世のありとあらゆるオ、オナホールについてこと細やかにレビューが書かれていますね」

姉「難しい数式とかも書かれてる…」

幼馴染「えぇ、何が何やらちんぷんかんぷん…ここのイラストなんて見てください。何もないところからオナホールを生成してます。まさに現代の錬金術師です。
恐らく、彼はここでオナホールの研究に没頭したのです。通販の領収書を見るに毎月とんでもない量の片栗粉を頼んでるでしょう?
そして、今朝採取したアレは恐らくその研究成果…あるいは失敗作。そう、彼は究極の『片栗粉X』を自作し、そのオナニーホールでこれだけのオナティッシュを生産していたのですよ!」




65: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)01:58:51 ID:poA

――ククク、幼馴染。見事だ。もういっぺんオナニーって言ってみろ

幼馴染「い、言いません!それより目的は復讐ですね…」

幼馴染「……やっぱりそうですか。止めますよ。どれだけお姉さんに迷惑をかけてるか…!」

ミシミシミシミシミシミシ…!

姉「幼馴染ちゃん!」

幼馴染「に、逃げましたね!ここの天井も崩れる!」

姉「窓から逃げようよ!」

ミシミシ…バキィ!!






67: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:04:48 ID:poA

姉「間一髪だったね」

幼馴染「えぇ」

姉「……ねぇ、聞いてもいいかな」

幼馴染「……どうぞ」

姉「復讐ってなに?男くんに何があったの?」

幼馴染「話せば長くなります――」





68: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:17:26 ID:poA

一年前――

男「お、俺!今日告白するわ!」

幼馴染「はぁ、昨日も言ってませんでした?」ペラ…

男「うるせぃ!今日はマジだ!」

幼馴染「イカ娘面白いな…」ペラ

男「チャンピオンばっか読みやがってこの女…!」

幼馴染「まぁ、精々頑張れば?フラれたら慰めるくらいはしてあげますから」

男「ム、ムカつく幼馴染だ!もし成功したら百合系同人誌たんまり買ってもらうからな!」

幼馴染「じゃあ失敗したら?」

男「フルアヘッド・ココ全巻買ってやるよ!」

幼馴染「言いましたねぇ」ニヤ




69: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:27:17 ID:poA

男「バーカ!あとで吠え面かいても知らないからな!コミック百合姫毎回奢ってもらうからな!」

幼馴染「はいはい」

幼馴染「……ふん」ペラ…


幼馴染「ふわぁよく寝た…ん?放課後ですか」

男「……」

幼馴染「あ、男。起こしてくださいよ、もう。帰りにたい焼きでも……」

男「……」ドササッ

幼馴染「え…どうしたのこれ」

男「……」スタスタ

幼馴染「フルアヘッド・ココ…?あっ…」





70: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:35:31 ID:poA

幼馴染「その翌日から変わりました。クラスで目立たない対象だった男が女さんに告白したのを周りは面白がり、からかいの対象にしました」

姉「そんな…」

幼馴染「たちの悪い奴等がいましてね。女さんも引っくるめてからかってました」

幼馴染「ある日のことです。クラスのDQNが女さんは実は告白を受け入れて付き合ってるんじゃないのかと吹聴したとき……女さんは手酷くあんな男と付き合ってるわけない、と男を扱き下ろしたようです」

幼馴染「それを運悪く男が聞いてしまって……」

姉「酷い……」

幼馴染「まぁ、彼女も悪気はないんですけどねぇ」




71: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:46:30 ID:poA

幼馴染「さて、と。終わらせますか」

姉「どこにいるか検討はついてるの?」

幼馴染「えぇ、まぁね。そして彼を倒すなら恐らくラストチャンスでしょうね」

姉「……」

幼馴染「お姉さんはどうします?」

姉「わ、私もいく!」

幼馴染「危険ですよ。それに男はお姉さんの実の弟…」

姉「実の弟だからだよ」

幼馴染「……お姉さん?」

姉「弟…だからっ…もうこれ以上過ちを犯してほしくないの…っ!」ポロポロ

幼馴染「お姉さん……」




72: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:50:41 ID:poA

幼馴染「分かりました。一緒に行きましょう」

姉「うん…」グスン

幼馴染「彼は力を手にしました。強大な力を。次に彼が恐れるものは1つ…力を失うことです」

姉「?」

幼馴染「――男は街の外れの、ジャガイモ加工工場にいます」




75: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)02:56:55 ID:poA

ジャガイモ加工工場――

??「ククク……パラダイスだ。これだけの片栗粉があれば世界を我が落し子で覆い尽くせる……!」

ザッ…

??「チッ…!」ササッ

姉「男くん!いるんでしょ!?顔を見せて!」

幼馴染「貴方がここにいるのは分かってますよ!男ッ!」

??「しつこい奴等だ……!」




77: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:02:40 ID:poA

カサカサ!…ガタゴトガタゴト…

姉「ひ、ひぃ!天井裏から凄い物音が!」

幼馴染「排気口やパイプから上へ行ったようですね…しまった…!地の利を得られた!」

――ククク…動きを読まれるとは予想外だったが、形勢逆転だな

幼馴染「男!やっぱりここにいたんですね!」





78: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:09:32 ID:poA

――引き返してはもらえないか?俺としてもここを戦場にして潰したくないし、何より……

――お前ら二人に恨みはない。むしろ、恩義さえ感じてる

幼馴染「男…」

姉「男くん!だったら!…だったら!」

――こんな俺に普通に接してくれたのはお前ら二人だけだ。頼む、帰ってくれよ

幼馴染「出来ません…男、あなたを止めます」

――戦うしか、ないようだな

幼馴染「……えぇ」

姉「こんなのってないよ…!」グスン




79: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:13:46 ID:poA

ドドドドドド!

姉「パ、パイプから丸まったティッシュが!?」

幼馴染「くっ!」

ドドドドドド!

幼馴染「こっちからも噴き出してきた!」

姉「ひぃい!」

タタタッ

幼馴染「(追い詰められてる…!このままじゃいずれ…!一か八かの賭けしかないか)」

タタタッ





81: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:17:59 ID:poA

姉「あわわ…丸まったティッシュの勢いは弱くなったけど、もう逃げ場がないよ!」

幼馴染「えぇ。そのようですね」

――終わりだな。……俺を止めることなど無理だったな

幼馴染「そのようですねぇ」

――いやに冷静じゃないか、幼馴染

幼馴染「男、あなたの究極の片栗粉X……壊れたでしょ?」

――ほぅ。優れた洞察力だな、さすが




82: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:23:07 ID:poA

幼馴染「ギリギリ命拾いしましたよ。究極の片栗粉X、作るのは時間がかかるでしょ?」

――ハハハ、分かってないな。俺はオナニー。オナニーは止まらない

――1度始まったオナニーは止まらない…!そこまで追い詰めたのだ。究極の片栗粉Xなしでどうにでもなる。そう、この右手でな…

姉「男くん!やめてぇ!」

――姉ちゃん、幼馴染…ごめん。せめて、俺自身の手でッ!

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシ
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!

幼馴染「……」




83: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:25:23 ID:poA

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!

幼馴染「(チャンスは一度きり)」

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!

姉「な、なにこの音!?」

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!

幼馴染「――お姉さん!すみません!」

チュッ

姉「んむっ!?」




85: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:36:25 ID:poA

姉「ちょ、ちょっとなに!?んっ…」

幼馴染「いいから!はむっ…」

チュッ…レロッ…ンチュ…

――!?

シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ
シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!

姉「ふあ…」トローン

幼馴染「…脱がしますね」

姉「う、うん///」

――お、女の子同士で!?最高じゃん!!!!!

シュシュシュシュシュシュシュシュシュ……


ボッ


幼馴染「(男…確かにあなたは止められなかった)」

姉「はぁ…んっ…幼馴染ちゃぁん」

幼馴染「(あなたのその意志は、何があっても右手を突き動かしたでしょう)」

幼馴染「それでも…男」

幼馴染「――大好きでした」

チュドォオオオオオン!!!

――――――――――――――

――――――――――

――――――




87: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:42:04 ID:poA

パラ…パラ…

姉「けほっけほっ…ば、爆発?なんで?」

幼馴染「いたた。生きてる、か…」

姉「今のは…?」

幼馴染「……粉塵爆発ですよ」

姉「?」

幼馴染「いかに男がオナホの錬金術師とはいえ、究極のオナホールも片栗粉製。
強度には限界があります。いずれは壊れる。危険な賭けでした。
そして、彼ほどのオナニストが素手で擦ることにより生じた摩擦熱が、片栗粉の細かい粉塵に引火…」

姉「……勝ったんだね。私たち」

幼馴染「……えぇ」





88: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:48:37 ID:poA

姉「うぅ、男くん」グスン

幼馴染「……彼を殺したのは、他ならぬ彼自身の復讐の意志だったのです」

幼馴染「彼が究極の片栗粉Xの研究に着手したその瞬間から、彼は死んでしまったのかもしれません。…そう思わなきゃ、やってられませんよ」

姉「うぐっ……ひぐっ……!?あ、あれ見て!」

ポトッ… ポトッ…

幼馴染「空から……雪?い、いや…!」




89: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:50:20 ID:poA

 
 
 
 
 
 
幼馴染「――オナティッシュ……?」
 
 
 
 
 
 




90: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)03:58:39 ID:poA

ポトッ…ポトッ…ポトッポトッポトッポトッ

姉「綺麗……」

幼馴染「…!」ジワァ

姉「男くんから最後の贈り物だね…」

幼馴染「お、おとこぉ…」グスン

それは戦いの終わりを告げるものでした。

奇跡的に、この災害での死傷者は0。

街を白く染めるオナティッシュに、私達は男の笑顔を垣間見た気がしました。






92: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)04:07:15 ID:poA

幼馴染「はぁ…あれから一月かぁ。早いもんですねぇ」

幼馴染「街の除オナティッシュ作業は困難を極めたようですが、あたしにとっては一々顔を合わす度に頬を染めるお姉さんのが厄介でしたよ。ま、ちゃんと説明しなかったからしょうがないか」

幼馴染「……百合系同人、大好きだったですもんね。いつもあたしに昨日も百合モノで抜いたとか話してきて」

幼馴染「ほら、今月のコミック百合姫ですよ。まったく、墓石にこんなもん供える身にもなってくださいよ」

幼馴染「……じゃ、男。学校行ってくるね」






93: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)04:14:15 ID:poA

女「おはよう。珍しいね、こんな遅いの」

幼馴染「おはようございますー。ちょっと寄るとこあったんで。さぁて、チャンピオンでも読むかぁ」

教師「おい、授業始まるぞ!チャンピオンしまえ!」

幼馴染「日課なんで」ペラ

教師「ネタバレするぞ」

幼馴染「しまいました」

幼馴染「(また、始まる。何気無い平和な日常が…それはきっと素敵で尊いモノなんだろう。でも、男…)」

幼馴染「やっぱり、君が隣にいたらなぁ」ボソッ

ミシミシ…!




94: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)04:24:09 ID:poA

ミシミシミシミシミシミシ…!

女「あ、あれ?なんか天井の一部分が下がってきてない?」

幼馴染「ん…?」

ミシミシミシミシミシミシ!ズドドドドドド!

DQN「ぎゃああぁあぁあぁあぁ!!」

女「DQN君!?…くっさー!」ツーン

幼馴染「あ、あぁあ…」ジワァ



幼馴染「おとこぉ!」

――あれしきで俺がくたばるかと思ったか!

女「!?お、男くんの声が天井から!?」ガタガタ





96: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)04:38:42 ID:poA

――ふん、今度こそこのオナティッシュで!この街を征服してくれるわ!

教師「ひぃい!」

幼馴染「こ、この…!人がどれだけ…!どれだけ…!」

――え?お前泣いてんの

幼馴染「人がどれだけ心配したと思ってんの!」

――悪い。心配かけた

幼馴染「……うん」

――だがそれとこれとは別!悪事の限りを尽くしてやる!さて、どうする!幼馴染

幼馴染「ふふ…当然、止めるよ。あたしの役目ですから」

幼馴染「あたしが負けたら百合系同人誌をいくらでも買ってあげますし、ゆるゆり全巻あげますよ。犬神さんと猫山さんもつけましょう。
その代わり、君が負けたらなんでもいうことを1つ聞いてもらいますからね!」

――改心させる気か?いいだろう。勝てたらの話だがな!

幼馴染「言いましたね!でも改心はまた今度でいいです」

――え?何させる気だよ…





97: ゆうくん◆YUtOJNPD6I 2016/01/15(金)04:41:18 ID:poA

 
 
 
ピョン、スタンッ…!

男「よっと!さぁ来い、幼馴染ッ!」

幼馴染「いきますよ!男ッ!」
 
 
 




98: ゆうくん◆YUtOJNPD6I 2016/01/15(金)04:42:17 ID:poA

 
―FIN―
 




100: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)04:49:33 ID:poA

こんなのに付き合ってくれてありがとうッ!
したらな!またどこかで!

それと週間少年チャンピオンは毎週木曜日に熱いラインナップで絶賛発売中ッ!




101: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)05:01:43 ID:LOh

おつ〜




102: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)05:03:17 ID:UpK

おーつーー




104: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)05:28:01 ID:Etf

コレ全部わかった奴おるんか?




105: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)05:37:53 ID:uKW

笑うわこんなん...




106: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)09:31:41 ID:O5Y


なんか凄い盛大なオナニストとチャンピオンのお話だった




107: 名無しさん@おーぷん 2016/01/15(金)09:34:58 ID:DN8

途中壮大になっててワロタ





・ ニュー速VIP@おーぷん2ちゃんねる に投稿されたスレッドの紹介でした
 姉「え…?なんか天井低くない…?」
管理人 のオススメSS(2015/07/04追加)
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