21 名前:名無しさん[] 投稿日:2000/03/06(月) 23:30
お袋よりもばあちゃんの料理を思い出す人多いんだな。
ばあちゃんが作る魚のてんぷらが大好きだった。安いてんぷら粉を使ったヤツ。
お袋とは折り合いが悪かったばあちゃんの家へ抜け出して、よくせがんであげて貰った。
ハフハフ言いながら一杯食った。安い魚で安いてんぷら粉で。
大人になった頃ばあちゃんが倒れて入院した。骨と皮だけになって意識も戻ったり戻ら
なかったり。見舞いに行ったときオレの顔を撫でてくれたけど誰だか分っちゃいないな、
みんなにやってたから。病室ではお袋や親戚がいつも揉めてた。世話の事や墓のことまで
大声で。それを見るのが嫌で病院へ行かなくなった。
ばあちゃん死んだ。葬式ではお袋も親戚もみんな泣いてた。俺は不思議と涙も出なかった。
一人になっててんぷら粉と魚をスーパーで買ってきて生まれて初めて料理をしてみた。
出来上がったてんぷらが堅くって真っ黒焦げで、その余りのまずさに食ってるうちに泣け
てきた。