少年「赤ちゃんってどうやってできるの?」コウノトリ「え!?」
- 2016年05月06日 21:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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コウノトリ「なんだ、ボウズ」
少年「赤ちゃんってどうやってできるの?」
コウノトリ「え!?」
少年「せ?」
コウノトリ(いや、早い! いくらなんでも早すぎる!)
コウノトリ(相手はまだ、サンタさんのためにソックスを用意してるぐらいの子供だぞ!)
コウノトリ「……赤ちゃんは、オレが運んでくるんだよ」
コウノトリ「んでもって、母親の腹の中に詰め込むんだ」
コウノトリ「ブタの腸にひき肉を詰め込んで、ソーセージを作るようにな……」
少年「そうだったんだ!」
少年「すごいや!」
コウノトリ「へへへ……だろ?」
少年「じゃあ、今連れてきてくれない?」
コウノトリ「え、今!?」
少年「今!」
コウノトリ(ここで無理だと答えて、とっとと諦めさせるのはEASYだ……)
コウノトリ(だけど、オレには……ッ!)
コウノトリ(ウソを教えちまった責任がある……ッ!)
コウノトリ(ウソを現実にする義務がある……ッ!)
コウノトリ「分かった……いいぜ。連れてきてやる」
コウノトリ「ちょっと待ってろ!」バサバサッ
少年「うん!」
女「お~、よしよし、可愛いわねえ。その若さに嫉妬しちゃうわぁ」
赤ちゃん「ばぶぅ、ばぶぅ……」
コウノトリ「いた!」バサッ
女「なにかしら?」
コウノトリ「実は赤ちゃんをレンタルさせていただきたいのですが、よろしいですか?」
女「……!」
女はこの時のことを、後にこう振り返っている。
「普通なら、そりゃもちろん断るに決まってるわよ。非常識すぎる頼みだもの」
「だけど、なんでか分からないけど、あの時は断るという選択肢はなかったわ」
「なぜなら……あのコウノトリの目は真剣そのものだったから……」
女「ならば生まれてまもない我が子を、コウノトリにレンタルする親がいてもおかしくないわ」
女「持っていきなさいな!」
コウノトリ「ありがとう!」バサバサッ
赤ちゃん「だぁ~、だぁ~」バブバブ
少年「わぁっ、かっわいい!」
少年「コウノトリさん……ありがとう!」
コウノトリ「へへへ……インディアンとコウノトリは嘘をつかないんだぜ」
少年「じゃあ次の質問ね」
コウノトリ「え」
コウノトリ(くわっ! まぁ~た答えづらい質問を……)
コウノトリ「どうしてそんなこと聞くんだ? ボウズ」
少年「だってさ、一晩で世界中の子供にプレゼント配るなんて、どう考えても無理があるよ」
少年「トナカイが飛ぶってのもおかしいし」
少年「コウノトリさんなら“真実”を知ってるかもしれないと思って」
コウノトリ「う、う~ん……」
コウノトリ(――いや! まだ早い!)
コウノトリ(子供には10歳まではサンタを信じる権利があるんだ! それをブチ壊しちゃならねえ!)
コウノトリ「……いるよ。サンタさんは本当にいる」
少年「いるの!?」
コウノトリ「つうかオレがサンタ」
少年「マジですか!?」
コウノトリ「なんだ?」
少年「お願い! プレゼントちょうだい!」
コウノトリ「え!?」
少年「……ダメ?」
コウノトリ「いいぜ……プレゼントしてやる。なにが欲しいんだ?」
少年「ドローン」
コウノトリ「!?」
少年「あの」
コウノトリ「一時期世間を騒がせた?」
少年「そう」
コウノトリ(こ、こいつ……ッ! 二代目ドローン少年にでもなるつもりか!?)
コウノトリ「わ、分かった……ちょっと待ってろ!」バサバサッ
店員「いらっしゃいませ」
盗撮ドローン ¥1,000,000
爆撃ドローン ¥3,500,000
四次元ドローン ¥5,000,000
コウノトリ(うへぇ~、ドローンってこんな高いのかよ)
コウノトリ(こりゃちょっと手が出せんわ……手作りするしかねえな)
コウノトリ「もう一本の枝をTの字になるようにくっつけて、と」ペタッ
コウノトリ「完成!」
T
少年「うわぁ、ありがとう!」ブルンッ ボトッ
少年「すごい勢いで地面に落ちるから楽しいや!」ブルンッ ボトッ
少年「だけどドローンはどうなったの?」ブルンッ ボトッ
コウノトリ「今はクリスマスじゃないから、多少グレードが落ちちまうんだ」
コウノトリ「どんとこいや」
少年「どうして人を殺したらいけないの?」
コウノトリ「はうっ!?」
コウノトリ(赤ちゃん、サンタときて、いきなり重いじゃねーか……)
コウノトリ(こいつぁ……マイク・タイソン級の難問だぜ。一歩間違えりゃ、耳を失う!)
コウノトリ(――だけど、ここは人生の先輩としてビシッと答えねばならん!)
少年「えっ、どういうこと」
コウノトリ「人が人を殺そうとする……するとどうなると思う?」
少年「どうなるんですか?」
コウノトリ「人って結構速いし、頭いいし、抵抗するし、案外難しいんだよ」
コウノトリ「だから……もっと楽な奴を狙うようになる」
少年「いったい誰を!?」
コウノトリ「コウノトリだ」ニヤッ
コウノトリ「だからオレは“人は人を殺しちゃいけません”って決めたの」
コウノトリ「間接的にオレ自身を守るためにな!」
少年「コウノトリさんってすごいや!」
コウノトリ「だろ?」
少年「じゃあ次の質問ね」
コウノトリ「いいだろう」
コウノトリ(フッ、今のオレならどんな質問にだって答えられる!)
コウノトリ「そりゃあ……ビッグバンだろ」
コウノトリ「大爆発が起きて、宇宙が誕生したんだ」
少年「その大爆発を起こしたのは、いったい誰なの?」
コウノトリ「そりゃもちろん、オレよ」ニヤッ
少年「えええええ!?」
コウノトリ「そりゃ、まああれだ……ポップコーンみてえなもんだ。ポポポポーンって」
少年「熱くなかったの!?」
コウノトリ「多少は熱かったがな、まあオレほどになると……微熱みてえなもんさ」
少年「コウノトリさん、すげえ! すげえよ!」
コウノトリ「ああ、NとSだな」
少年「地球って基本的に南の方が暑いのに、どうして南極の方が寒いの?」
コウノトリ「ああ、それもオレの仕業だ」
少年「コウノトリさんがやったの!?」
コウノトリ「北はどこも寒くて、南はどこも暑い。これじゃフェアじゃねえだろ?」
コウノトリ「だからオレが……ちょちょいとな。乱数調整みたいなもんよ」ニヤッ
少年「コウノトリさんのフェアプレー精神すげええええ!」
コウノトリ「コウノトリの数を数えるのに役に立つ」
少年「ピサの斜塔って、どうして傾いてるの?」
コウノトリ「オレのイタズラさ」
少年「フリーメーソンってなんなの?」
コウノトリ「オレのファ
コメント一覧
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- 2016年05月06日 21:19
- オチが読めたよ
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- 2016年05月06日 21:34
- *1嘘つけww
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- 2016年05月06日 22:07
- この超展開はズルいわ
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- 2016年05月06日 22:23
- ※2
このぐらいのオチ読めるようにしようぜww
河出てきたあたりでオチ読めたわww
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